軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

突然の計画変更がもたらすもの

ミッドウェー海戦で沈没した空母「加賀」発見と時をほぼ同じくして、空母「赤城」も発見した、と米財団が発表した。共に靖国神社例大祭中の出来事である。

次々と襲来する台風と合わせて、私はこれもまた涙を流している戦没英霊の御帰還ではないのか?と思いたくなる。

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米軍機の攻撃を受ける空母『赤城』最後の雄姿

ミッドウェー海戦

処で話は変わるが、2020年東京オリンピックの男女マラソン競歩のコースを札幌に移す案が突如国際オリンピック委員会IOC)から提案され、国内は賛否両論が渦書いているが、IOCトーマス・バッハ会長の意向が強いそうだ。しかし、大会決定時に「トキオウ!」と発表したのは“バッハ会長”本人ではなかったか?。

確か「サッポロ」とは言わなかったと記憶しているが・・・。

東京の気温が高いから、少しでも涼しい北海道へ、と言うのだろうが、どうも胡散臭い。

税金を出す東京都民始め、小池知事もあっけにとられたろう。「おれおれ詐欺」事件みたいだが、老兵にはあまり関係がないから、空母「加賀」と「赤城」発見の報に接し、余計なお世話だろうが「急な計画変更」がもたらす災害について少し書いておこうと思う。

日米開戦後、将来米国は豪州を基地として南方から反攻して来ると予測した大本営海軍部は、昭和17年3月初頭にフィジーサモアニューカレドニア攻略作戦(F・S作戦)を陸軍部に提案した。その目的は米豪間の海上輸送を活発にしていた豪州は米国の対日反攻基地化しつつあり、今これを制圧しておかねば将来手に負えぬことになろう、と判断され、豪州本国を制圧できないとしても、フィジーサモアニューカレドニアを攻略して航空基地を設置し、米豪間を遮断しようと言うものにあった。陸軍側は検討の末これに同意し、第17軍を新設し、新作戦の準備を着々と進め、検討を終わって正式発令を待つまでにこぎつけていたところ、進攻作戦発令直前の2か月前に海軍側から突如変更申し入れがあった。

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西太平洋作戦図

 

この大作戦発令直前の海軍による変更要求に対して、陸軍側は大いに疑いを持った。

つまりハワイ攻略作戦に利用されるのではないか?と疑ったのである。真珠湾攻撃時も時の東條首相には伝えられていなかったと言う説もあるから、陸軍側の海軍側に対する不信感は一気に強まったのである。

これに対して海軍側は、連合艦隊司令長官山本五十六大将が、強硬にミッドウェイ、アリューシャン作戦の実施を主張し、永野軍令部総長がこれに同意してしまったので、陸軍が不本意であるならば海軍だけでも実施する、と息巻いた。

山本長官が決心を変更した理由は、4月18日にドーリットルによって『東京空襲』が実施されたことにあった。

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ドーリットルの空襲:インターネットから

 

この様に、事前に十分準備されていた計画を、ある一人の指揮官の独断で変更すると、結果はうまくいかないと言うジンクスがある。

人心が乱れるからである。

その結果がミッドウェイ海戦の敗戦であり、4隻の虎の子の空母と、熟練した空母操縦者を失い、その補充が出来ないまま、づるづると戦争を続け、結局我が国の滅亡に結びつくのである。

“平和の祭典”を取り仕切るバッハ会長と、銃弾飛び交う戦場に向かう決死の将兵を指揮する山本五十六大将と単純に比較することは無意味だろうが、F・S作戦を入念に準備していた陸軍としては、兵員の思考の全てがその方向に向かっている時に、突如「やーめた!」と言うのでは部下たちは上層部についていけなかった事であろう。特に陸軍部の作戦幕僚たちにとっては恥をかかされたも同然である。

どうもどの世界にも、現場を知らず、部下たちの心もつかめず、何でも自分の思い通りになると思って「机上の空論」をもてあそぶ人種は絶えないものだ、と思わされる。

 

 

届いた雑誌などのご紹介

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HANADA12月号

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WILL12月号

両誌とも、相変わらず「韓国問題」に熱心である。いかに文大統領の今回の反日態度に、”保守”派論者が頭に来たか、という証明だろう。

私はとっくにWiLLの特別号「さようなら韓国」同様、韓国にはサヨナラしているのだが…

次の課題は香港とシナ共産党問題ではないかな~。同胞が”拉致”されているのだから…

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航空情報12月号

輸送機の発展も素晴らしいが、戦闘機はなお素晴らしく発展している。マルチロール戦闘機の研究は興味深いが、他方無人機も驚異的に発展しているから目が離せない。

防研同期の久保田氏による連載も終わった。やはりミサイルの攻防は宇宙に発展するのだろう…

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「究極の魂の旅ースピリットへの目覚め―:ジェームズ・ギリランド著:知念靖尚訳・ナチュラル・スピリット¥1800+税」

米国・アダムス山の麓で、地球外知的生命体とのコンタクト覚醒コンタクト活動をしているギリランド氏の著書である。

「スピリチュアルな道を進む多くの人々を助け、長い間誤解されてきたET、及び高次の存在とのコンタクトの世界を明らかにするのに役立つ洞察をするのが目的」だという。

現状の地球を見ていると、あまりにも次元が低く感じられるので、いずれ通過するラインの後ろにある現象を、少しだけでも理解しておきたいと思っている。

特に現代日本人が失った「精神世界」をもう一度思い出したいと願うようになってきた。

何とも不思議な出来事

【旧日本軍の空母「加賀」、ハワイ付近の海底で発見】という読売新聞記事を見て戦慄が走った。

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読売新聞: 米ハワイ諸島付近で見つかった旧日本軍の空母「加賀」=7日、AP

加賀は日米開戦時に真珠湾攻撃に参加、その後のミッドウェー海戦で、米軍の急降下爆撃を受けるなどして沈没した当時の帝国海軍の主力空母の一隻である。

そして海自は「かが」として空母型護衛艦を継承し、来日していたトランプ大統領も乗船した。

記事には【第2次世界大戦のミッドウェー海戦で沈没した旧日本軍の空母「加賀」が、米ハワイ諸島付近の水深約5400メートルの海底で見つかった。AP通信が18日に伝えた。米マイクロソフト共同創業者だった故ポール・アレン氏の財団の調査チームが数週間かけて深海探査を行い、海洋保護区の海底で発見した】とある。

ところが今度は、産経を読んで二度驚いた。25面に台風19号の経路図が大きく出ていて、そのコースが“見事に?!靖国神社“参拝コース”だったからである。

まるで広大な太平洋地域に“打ち捨てられた”悔しさ”を英霊方が晴らさんとしているかのようだ。英霊方は、一日も早く故郷に帰還したいのだ。

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しかし、この国では、靖国神社の秋季例大祭に、大臣が出席したと言えばメディアが騒ぎ、かっての敵国、中国が反応する。

わが国の新聞ならば、むしろ、榊だけ捧げて神社に参拝しなかった大臣の方を責めるべきじゃないか?

この国の政治家もメディアもどこかが狂っているとしか思えない。

そんなシナの主席を来年はあろうことか国賓として招くのだと首相は言う。英霊方に対するこれ以上の“侮辱”はあるまい。

政府の扱い方に、英霊方とご遺族らは屈辱を感じたに違いない。

その上今朝の産経によると、支那政府は北海道大学教授を拘束したのである。

こんな落ち目の国の主席の権威回復のために?なんで天皇を利用して支える必要があるのか!どこか狂っているとしか思えない。

 

これは「靖国神社」の社報である。「靖涛」と言うコラムが、何とも虚しく感じられる。

神社もコラムのように感じているのであれば、祀られている英霊に、本気で誠を尽くす必要があろう。

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先日週刊誌に報じられたように、今時の神社の職員には「神官」であるという意識が何とも薄く、まるで小役人並みに落ちているというが、それで大任が務まるのだろうか?

19号に続いて発生し、当初は西に進むはずだった台風20号も、靖国参拝に向かいつつあるという。

「民の竈が水没」し、苦しんでいる災害の犠牲者を救うのは大事なことだが、70年前に祖国の危機に臨んで、命を投げ出した英霊に対する感謝の気持ちを表すのが先ではないか?

かくばかり、醜き国となりたれば、捧げし人のただに惜しまる」と言う戦争未亡人の嘆きが聞こえてくる。

 

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国の発展を阻害してきた左翼の正体

今回の台風被害で、統治能力が欠けた為政者の出現に、被害者はもとより、一般国民も呆れ果てているようだ。

 

民主党政権時代に仕分け?とかで休眠させられた八ッ場ダムの功罪について、インターネット上で喧しい意見が飛び交っている。

千曲川の堤防も中止させたままだった」「長野は田中康夫(当時一世を風靡した?知事)の脱ダム宣言のせい」など、「今回の水害も半分は治水対策を潰し回ってた連中の責任だろう」と喧しい。それに対して“左翼陣営?”からも反論が加えられているようだが、ダムの功罪は専門家に任せるとして、確かに意味もなく?停止したのは、当時の政権の政治的パフォーマンスだったことは否めない。原発事故もそうだった…

 さらに、左翼の首長たちの指揮ぶりには混乱が続き、神奈川県の山北町で出動した自衛隊給水車が水を配らずに帰ってしまうという事態が発生していたことが問題になっている。しかしその原因は本来、協力し合うべき県と町の対立だったと言うから、早朝から出動した隊員たちはいい迷惑だったに違いない。元々神奈川県は左翼と日教組が支配している処で、神奈川県の黒岩祐治知事は、「ルールに基いた形ではなかったということであっても、現場で融通をきかせて近隣の皆様に給水をするといった柔軟な対応もできたという思いがあり、そういった意味で皆様にお詫びをしたいというふうに思っています」と釈明したが、自民党幹事長発言よりもよほど無責任だろう。

二階俊博幹事長が台風19号の被害について「まずまずには収まった」などと発言したとして、何でも反対組の野党が反発して波紋が広がっているが、隠された発言の全文を見ると「予測されて、いろいろ言われていたことから比べると、まずまずには収まったという感じですけどそれでも相当の被害が広範に及んでいるわけでありますから」と続いていて、いつものように一部を切り取って問題にする野党が得意とするメディアとの連係プレーであろう。国会で質問していた議員も、元メディア出身者だ。

神奈川県知事もそういう立場にいた方だ。千葉県知事も同じような立場の方だが、何となく、知事の有事における指導能力に不安を感じざるを得ない。

友人から、【「あいちトリエンナーレ」でも明らかになった左翼に巣食う朝鮮勢力と擁護する朝日・毎日・東京各紙やテレビ局、さらには政治信条を隠して自民党に潜り込んでいた大村知事や石破茂など反日勢力が漸くあぶり出されてきました】とメールが来たが、確かにそんな気がする。

別の友人は【台風19号の被害では左翼勢力の強い自治体に特に大きな被害が出たように思えます。脱ダム宣言の長野、多摩川では景観が大事だと堤防に反対していた場所が冠水するなど、左翼は公共工事は無駄だと反対し切り捨てた結果が「コンクリートから人柱へ」でしたから】と言ってきたが、選挙に勝ってグラス片手にいい気分で支持者に囲まれ続けていると誰でも「裸の王様」になりかねないものだ。

処で、八ッ場ダムに限らず、水に恵まれた我が国では、身近な川でも氾濫する。昭和49年9月に、台風16号多摩川の左岸の堤防が決壊して、狛江市の民家19棟が、次々に濁流に呑み込まれていくシーンを見た時は、同じ区内に住んでいたので衝撃を受けたものだ。

だから一概に“左翼政権”の責任だとは決めつけられない。

ダイアモンド・ オンラインにノンフィクションライターの窪田順生氏が、「多摩川氾濫はやはり「人災」だ、忘れられた明治・大正・昭和の教訓」と言う文の中で、今回の台風で氾濫した二子玉川周辺では

【「こんなことは初めて」というコメントが多く出ているが、歴史を遡れば一度どころか、何度も何度も多摩川は氾濫していることがわかる。人間は大きな自然災害に見舞われても、何十年かすればすぐに忘れる生き物。来ることは「確実」と言われている首都直下型地震南海トラフ地震についても、今一度、歴史を謙虚に検討してみる必要がある。それを象徴するのが今回、河川氾濫が起きてしまった「堤防のない区間」の整備に、反対していた方たちの主張である】として、国土交通省京浜河川事務所が昨年9月に催した住民説明会で、今回氾濫した場所についてどうすべきかということに対して、「手をつけない、そもそも何百年に1度起こるかどうかわからない河川氾濫を心配しすぎるのはおかしい 等」という住民の声が寄せられている、ことを紹介している。

そして【深刻なのはこのエリアで「河川氾濫なんて心配しすぎだって」と思っていたのが、「堤防反対派」の住民だけではないということだ。

 断っておくが、「二子玉の住民は危機意識が薄い」とか「日本人は平和ボケだ」とか主張したいわけではない。この100年ちょっとの間で、繰り返し繰り返し、自然災害に遭って、時には甚大な被害も出ているという「歴史の教訓」があっても結局、人は自分自身で実際に体験してみた範囲の「危険」しか想像することができない

そして【この地で被害に遭った多くの住民に、そんな古いことまで知っている人は少ない。ここは1972年と76年にも大きな水害に襲われているのだが、その後にできた住宅地に引っ越してきた「新住民」も多いからだ。このように「土地の因縁を知らない」ことが被害拡大を招いたケースは、枚挙にいとまがない。誤解を恐れずに言えば、われわれは「被災する」→「被災者が後世の人々にこの危険を忘れるなと警告する」→「時間が経って忘れる」、そしてまた「被災する」に戻るというサイクルを、エンドレスリピートしてきた民族なのだ。・・・ただ、日本人の「忘れっぽい」という気質を踏まえると、このあたりの議論も「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で、いつの間にやら人々の記憶から消えて「ま、とにかく気をつけようよ」なんて当たり障りのない話に落ち着く可能性が高い】と書き、【災害対策に力を入れるのは結構な話だが、まずはその前に、「歴史に学ぶ」という危機管理の基本中の基本を、日本人一人ひとりが肝に銘じなくてはいけないのではないか】といているのは参考になるだろう。

百人の科学的専門家の意見よりも、一人の古老の体験談が有効なことが多いのだ。その気風がこの国から失われてきたのも災害が減らない理由の一つだろう。新興住宅の乱立、核家族で老人が姥捨て山に閉じ込められ、子供たちはスマホ狂い・・・

ところで資料整理中に、面白い“過去の記事”を見つけた。

 

己の立場を優先し、国民を利用し使い捨てにする、政治家の無責任さの実例と、憲法で保障されていない自衛隊を、地方自治体が酷使する実態である。

災害と同じく、政治家の行動も、今も昔も少しも変わっていない事が良くわかる。

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平成8年8月26日・毎日新聞

「かくも長き忘却」外信部長・河内孝

 

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平成8年8月16日・毎日新聞

 

届いた雑誌のご紹介

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軍事研究11月号

 

治山治水もままならぬ現状では、最も恐れるべき”侵略行為”に対処する能力がある者は、限定されてくると思われる。

今回話題になった地方首長らではとても対処できまい。次の世界では、想定外の戦法が主力になり、マニュアル通りにしか物事を進められない者は無用になるだろう。

現状を見ているだけでも、「〇鹿な大将敵より怖い!」を実感しているくらいだから…

 

台風19号の襲来

大型で強い台風19号は、東海、関東地方を中心に激しい雨を長時間降らせ、河川の氾濫や、土砂災害などを引き起こし、30人以上の死者と多くの行方不明者を出した。

 気象庁の予報課長は、今回の台風は「中心の北側に非常に発達した広い雨雲があり、記録的大雨となった」と説明したが、名古屋大の坪木教授は「記録的な大雨を降らせたのは、台風が大型で非常に強い勢力を保って本州に接近したから」で、発生から発達、接近までは「驚くべき経過をたどった」とそのメカニズムを解説している。そして千葉県に大きな被害を与えた“コンパクト”な台風15号とは、この最初の段階が大きく違うと指摘している。

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 14日の産経抄子が書いたように、官民ともに“硬直”した考えに捉われ、自主的に行動できないところが目立つ。そこで国民も、依頼心が強くなり、自主判断力が落ちている気がする。「便利=不便」の裏返しを知り、もう少し現実を見つめたらどうだろう?

 関係者は、3・11以降なんでも「想定外」と言って済ます癖が出来たが、本当は「想定できない=考えたくない」からではないか?

 今回気象庁は、はるか以前から警告していた。国防と同じく、結局最後は自分自身の決断力に因る以外にはないのだ。

 

 処で何故関東地方を直撃したのかと言う疑問について気象庁は「太平洋高気圧が例年より強く張り出しており、その縁を回るように北上した後、偏西風の影響で東に進路を変えたためだと言う。前述の坪木教授は「10月に上陸すること自体は過去にもある。今回は関東で、過去最強クラスの台風だったことが特別だ」と語っているが、私は前回のブログで危惧したように、その経路図から見て“非科学的”な感覚に捉われ、太平洋上で戦没され、戦後はご遺族以外には見向きもされなくなっている“怒れる英霊の御帰還”のように感じている。

 たまたまとはいえ、17~20日は、創建150周年を迎える靖国神社の秋季例大祭だが、首相は早々に靖国神社の秋季例大祭への参拝を見送り真榊奉納にとどめることを公表していた。

 さらに今年は御代替わりで22日には新天皇即位の礼が行われ祝賀パレードも計画されている。その直前に、太平洋上を周遊していた19号が、直接北上して本州に上陸したのだから、英霊に申し訳なく感じている一老兵としては、そこに“精神的な理由”を感じるのである。

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 たまたま14日の産経に首相は自衛隊殉職隊員追悼式に出席して「遺志を受け継ぐ…」と追悼の辞を述べたとあった。元自衛官の一人としてはありがたい事に変わりはないが、自衛官は正規の軍人ではなく“国家公務員特別職”に過ぎない。優先すべきは陛下の赤子であり正規の“軍人”であった英霊方の筈だから、英霊方にとっては聊か馴染みにくいのではないか?と同情に耐えない。

 いずれにせよ、これらは一老兵の“精神世界観”に過ぎないが、今の日本人に、先の大戦で散華された英霊方に対する鎮魂の意志が弱い気がしてならないのである。

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 ついでだが、同じ産経6面に、今回の台風被害について「日本打ちのめした」と各国で詳報されていると言う。この程度のことで、打ちのめされる日本人ではないが、外国に言われる筋はない。悪げはないと思うが、自国の政治力がピントはずれなだけに、ついつい腹が立ってしまう。前回の15号も、今回の19号も、官民ともに幹部たちは金儲けに懸命で、意思の弱さを他人のせいにする傾向があると感じるのは、産経抄子の言うとおりだろう。

 これも、自国の国防について毅然とした信念が持てない、いい加減な「新憲法」にすがって生きてきた民族の悲哀か?とも考えてしまう。

 フーヴァー研究所の西教授は、【「国防」は日本国民が一番苦手な話だ。日本の運命、死活がかかっているというのに、日本政府も国民も考えたくない、「手を汚したくない」と思い、懸命に無視しようとしているのが「国防」だ】と喝破している。

 そのくせ、役人たちは最後の最後には「実力がある警察、消防、そして自衛隊」にすがりつく有様だから、気の毒なのは後始末させられている後輩たちだ。

 せめて政府は”万全の態勢”などと口先で言うだけではなく、人的戦力の増員を進めたらいかがか?と思うのだが。

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香港デモは”独立戦争”である

またまた台風が北上して、本土を直撃する気配になった。まるでB29による「本土空襲」の様相だが、私にはその進路から、先の大戦で広大な太平洋で散華された英霊の御帰還のように感じられる。

国家の危機に臨み「後に続くを信じて」勇躍戦地に向かった多くの将兵が、その後送り出した国の無責任さに対する不満と怨念が本土帰還の熱望となり、台風に乗って「襲来」しているように見えるのである。

  

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台風進路図(ウエザーニュースから)

 

処で、香港で「逃亡犯条例」改正案に反対して起きた“騒動”は4か月を過ぎたが全く収まる気配はない。政府も、裏で糸引いた北京も予想外の進展に慌てているに違いないが、現代日本青年たちと比較して、香港青年たちの気概の強さを支えている物はなんだろうか?

 

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今日のデモ

 

宮崎正弘の国際ニュース・早読み」によると、現地を取材した宮崎氏は

【最大の関心事は香港の新しい世代が物怖じしないという人生観、その世界観の異変(というよりグローバル化)、共産党の暴力を怖れずに、民主主義のために戦うとする姿勢を崩さないことである。拘束された若者らには裁判が待ち受け、法廷闘争が長引くだろうし、就職には不利になるだろう。それでも彼らが立ち上がったのだから、そこには或る決意があったことになる」が、一言で言えば、「自由への意思」の強さだという。

天安門事件から三十年の歳月が流れ去ってまた世代が交替した。いまの高校生、大学生は感覚的にも教養的にも狭隘な中華思想などに拘泥せず、国際化され、高層ビルの近代都市となった香港を生まれたときから観てきたし、・・・欧米の自由な制度に比べると規制が強く、息の詰まるような香港の政治制度の矛盾を掌握しており、広東語を喋ることは軽蔑され、北京語という広東人にとっては外国語が学校で強制されたことにも反感を強めてきた」が「大陸からやってくる『太子党』のこどもたちは大学に裏口で入り、コネで企業にあっさりと就職し、カネにあかせて豪勢な生活を営んでいる。「特権階級のいいとこ取り」と映り、かれらは怨嗟の的となる。すなわち植民地の宗主国が英国から中国に変わっただけではないか。若者達の怒りは深く堆積していた。この点で旧世代の香港人の意識とは異な」っていて、「六月以来、香港での抗議集会やデモ、署名活動に参加している若い世代は、共産党の押しつけた歴史教育を否定した。中国共産党が流すフェイクニュースをすぐに見破り、共産党製のプロパガンダはまったく受け付けなくなった。

アンチ共産主義の精神土壌が自然と築かれていた」のだから、「中国が目論んだ香港市民の洗脳工作は、みごとに失敗したと言って良いだろう。

 だから「生きるか、死ぬか」と悲壮な決意を以て全体主義と戦うのである。欧米はそれを支援する。資金カンパ、応援部隊、プロパガンダのノウハウが学生らに供与され、自由世界の知識人は香港支援に立ち上がった。沈黙しているのは日本のエセ知識人くらい」で、「日本のメディアは中立が賢い行き方とでも思って、民主主義を守り共産主義支配と戦っている香港の若者を全面的に支援しないのだ。日本が西側の自由民主人権法治を価値観とする陣営にあるという自覚がないからであり、これが「中立幻想」に取り憑かれた現代日本人の知的劣化、あるいは一国平和主義というエゴイズムの露骨な態度表現である」】と喝破している。

我が国に垂れ流されているフェイクニュース?でみる限りにおいても、自由への希求と人間の尊厳を守るために、連日立ち上がる彼らの熱気と比べて、現代日本青年たちの大義とは何か?を考えさせられてしまう。

 

70余年前の同じ青年達には確かにあったものだが、今や“草食系”と言う言葉に代弁されるようにひ弱な“男”に成り下がり、弱い者いじめにうつつを抜かしているだけのように見える。

さてその香港デモにはリーダーが不在だと言う。そのことは北京が言うような『外国勢力の扇動』を否定する、香港青年たちの必死な思いが伝わって来るし、米国の中国語メディア「新唐人テレビ」のコメンテーター、蕭茗氏によると「香港の若者は国際社会に対して、中国当局および香港政府へのさらなる制裁を求めている」と言うから、今期の“暴動”は、北京が言う外国勢力の扇動とは程遠い。

それに、彼らが熱唱している“テーマソング”の賛美歌「Sing Hallelujah To The Lord」」はミュージカル「レ・ミゼラブル」で歌われる有名な劇中歌であり、承知のように「レ・ミゼラブル1832年にパリで起きた6月の民衆暴動までを描いた作品」であるから、将にフランス革命の現代版だと言える。

勿論中国政府はこの歌を本土で禁止しているから、これは香港市民の熱烈な『独立闘争』だと言えまいか? 

これは2014年の香港の反政府デモ(雨傘革命)でも歌われている。

次はクリスチャン団体のHPに紹介された香港デモで「Sing Hallelujah To The Lord」

を歌う人々の動画であるが、1832年の六月暴動時のパリ市民の熱気が伝わってくる。

それにしても、平和と人間を愛するはずの総本山が、無言だというのは偽善に思えるが…。

https://www.christiantoday.co.jp/articles/26952/20190621/sing-hallelujah-to-the-lord-hong-kong.htm

 

中国共産党の狼狽ぶりが想像できるが、来年安倍首相は、習近平主席を“国賓として招待する予定である。

この行為が、天安門事件で世界中から非難された当時の共産党政権を“復活”させる役割を果たすことになり、”天皇の政治利用だ”として顰蹙を買った愚かな政権の二の舞にならない事を祈りたい。

それともそれまでに北京政府の方が“崩壊している”と読んでいるのだろうか?

新着任の国家安全保障局長に伺ってみたいものだが・・・

 

届いた書籍のご紹介

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 ジャパニズム51号

民団系の組織に迫害されている青林堂だが、淡々と事実の裏付けを進めている。

私も「日韓関係」をコラムに書いたが、それよりも、「日本民族に求められる霊性への回帰」に関心がある。マ、霊性が見られない国には無関係なことだが…

盧溝橋事件に似た香港騒動

 PCのグレードアップも一応済んだが、転換速度は「月とすっぽん」ほどの違いを感じる。しかし今日は旧機材で書いている。アドレス帳等が使えないからである。

 

 ところで、70年目を迎えた10月1日の国慶節までには、香港騒動は終焉しているはずだったが、予想に反して益々高まりをみせていて、いよいよ中国共産党政権の終焉か?と思わせる。

 自由を望む香港市民をねじ伏せるべく、習近平主席も負けてはならじ!とばかりに、持てる武器をひけらかしたが、最後に武器で相手を脅かすのは弱い証拠である。

 北京の軍事パレード会場では、政治局常務委員らに囲まれた習近平主席は満足そうだったが、内心怯えていたのではないか?

その昔、“悪役”として一世を風靡した江沢民元主席も両脇を抱きかかえられながら登壇したし、歴代主席も老齢化は隠しようもなく“老害”のオンパレードだったが、何よりも人民の祭典なのに、天安門広場には招待客だけが集合していて、周囲のビル街は閑散とし、学校は休み。

いわば、人民を排除した、共産党幹部たちだけのお祭りなのだ。

パレードには最新兵器を並べ「アメリカと並んだ」などと虚勢を張っていたが、その軍隊の士気は低そうだ。とても米軍とは比較になるまい。

 

 一方香港では国慶節を「恥」として民主派は「共産党よ地獄へ落ちろ」の掛け声をあげて朝から数万人のデモ隊が市内を行進し、駆けつけた警官隊と激しく衝突、警官が銃撃した。

ところで民主派の行為を「暴徒」と決めつけているのは中国共産党系新聞だが、中には香港警察内と、デモ隊内の双方に大陸系の警官ややくざなどが潜入しているといい、香港に駐屯している人民解放軍は一万二千人に膨れあがっているという。

 しかしながら米国連邦議会は「香港人権民主法」の可決へ向けての審議に入ったから、軍事介入は想定しにくいと一般的には考えられている。

 

しかし、1937年7月7日夜12時10分、蘆溝橋付近にて夜間演習中であった清水中隊が、城内の支那(中国)軍第29軍37師所属部隊の射撃を受け、一時混乱状態を呈したことに端を発した“盧溝橋事件”を忘れてはなるまい。

 11日の午後8時に、29軍隷下の第38師団長・張自忠が署名した時点で、事件勃発以来まる4日間にわたる寺平大尉ら特務機関員の不眠不休の努力で、停戦協定が成立したが、協定成立後も中国側の妨害活動は頻々と発生した。その“手法”は今の香港にも適用されるのではないか?  当時の妨害活動を簡単に列記するとこうだ。

1.13日午前「中国軍による日本軍トラックの爆砕事件」

 これは菰岡砲兵中尉が指揮する天津砲兵連隊第2大隊の修理班のトラックを中国兵が爆破、日本兵4名が爆死した事件で、周参謀に詰問された中国側の営長が29軍に派遣されている笠井顧問に「部下が引き起こした不詳事件」だと認め、日本側に謝罪した。

2.14日午前1時頃「永定門外における正体不明の爆竹騒ぎ」

 憲兵が調査したところ、爆破された日本軍のトラックの周辺で、「便衣(民間人に成りすました)の中国人が7、8人で爆竹、土砲をドカドカ打ち上げていた」という住民の証言を得たが、10日後に、その便衣は「共産分子が策動し、日中両軍をもう一度衝突させようと企んで起こしたものだ」と判明した。

3.14日午後5時すぎ「日本軍騎兵二等兵惨殺事件」

 落鉄(蹄鉄が脱落すること)のため部隊から後落した大垣軍曹と近藤二等兵とが、南宛南方8キロ付近で中国兵に襲われ、近藤二等兵が惨殺された事件。

4.19~21日「八宝山の亡霊射撃」

 7日の発砲事件後、11日に停戦協定が成立したが、前項のようないろいろな事件が勃発して日中両軍の緊張が続き、事件の完全な解決を阻害した。このため、日中両軍が協議した結果、20日支那の宋29軍司令から37師団に対して、北京周辺からの撤退命令が下達された。この命令に示された撤退完了日は、37師団は21日、37師団撤退のための警戒を担当する石友三部隊(支那軍)は22日であった。

 ところが、19~21日の間、八宝山(盧溝橋の北方約5~6キロ)周辺で、日没後になると正体不明の銃声が聞こえ、日中両軍が互いに相手方が発砲したものと思い37師団の撤退が危ぶまれた。この原因を追究するため、相互に相手側に赴き、第三者が発砲していることが判明した事件。

その他、北京大学学生らが、爆竹を鳴らすなどして日本軍を煽ったことが判明したが、主な射撃は国民党軍内に潜伏していた共産軍兵士が、日中双方に射撃を加えたことにより、日中両軍が戦闘行為を再開したことによる。つまり、盧溝橋事件は、日本軍が共産軍の謀略にまんまと嵌って起きたのであった。

 香港民主派も、この手に乗って大陸からの“援軍”を導入してはならないと思う。そうなれば第2の天安門事件の再発になる。

米国政治の成熟度

「トランプ氏と友達になれない」とツイードしたら、予期せぬことに本人から返事が来たというある共和党のジャーナリストの「やりとり」が話題になっている。(大紀元日本)

最近行われた民主党候補者の弁論のあと、共和党ジャーナリストのキャシー・ディロン氏は、2020年の大統領選挙の民主党候補者のアンドリユー・ヤン氏が集会のあとで支持者と踊っている動画を投稿し、【私はトランプ氏に投票しますが、友達にはなりません。ヤン氏には投票しませんが、友達にはぜひなりたいですね」と彼女はツイートした。】

それがトランプ大統領の目にとまり、「それでも構わないよ!(I’m OK with that!)」という返事が来たというのである。

ディロン氏は翌日、自分のツイートについて説明し、トランプ氏の言い回しにいつも賛同している訳ではないが、彼は宗教コミュニティを保護し、多くの公約を実現させていて、2020年の大統領選挙では彼に投票すると話した多くの保守派の人たちと同じ気持ちを持っているという。(中略)大統領からの返事のツイートのあと、ディロン氏は9月16日月曜日にフォックスニュースに出演した。

ディロン氏は「言い回しより結果の方が大事だ」と信じている。また彼女は、大統領はよく政冶的に正しくないことを言ったりツイートしたりしているが、「私にとって大切な多くの約束を果たしてくれました」と話している。

ディロン氏はフォックスニュースに対し、彼女のツイートへのコメントには完全に圧倒されました。信じられないほど多くの人が私に同意しています」

トランプ大統領ニューハンプシャー州の集会で、ディロン氏と同じ意見を持つビジネスマンの話をした。

「“そう、私たちはいろんなことについて意見が合いません。私はあなたが好きではありませんでした。でも正直に言って、トランプ大統領、私には他の選択がありません”とビジネスマンが話すと、氏は「そうです、あなたは正しい。あなたの話の中で、ここだけは私も同意します。あなたには選択の余地がない!」(中略)

「2016年に彼に投票した時は、その後どうなるか分かりませんでした」「今や彼は自分自身を証明しました。今では自分の投票の選択が確かなものである保証があります」

ディロン氏は、トランプ氏の数々の外交政策での成果等に触れ、2020年にトランプ氏に投票する最大の理由は、彼の宗教コミュニティへのサポートだと言う。

そして『なぜヤン氏の友達になりたいのか聞かれると、起業家および慈善家であるヤン氏は「ただ楽しい人だからだと話した。彼と比べて他の候補者たちは「一生懸命すぎる」と感じているという。(以下略)】

 

何とも示唆に富む話ではないか!

これほど政治家の質が落ちている我が国では、逆に有権者に「選択の余地が無い」と言える。従って、当選して《万歳!》を絶唱している候補者は、正確に言うと有権者が「仕方なく、棄権したくないから」投票した選挙の結果だけに過ぎないと言える。現に投票率は”うなぎ下り!”で投票者が半数に減っていることが証明している。

何が「民主主義の原則は多数決」だというのだろう??

 

面白いのは次のくだりだろう。共和党支持者のディロン氏が「どうして投票しない民主党候補者と友達になりたいのか?」と聞かれると、「彼以外の候補者は『一生懸命すぎるから!』」と答えていることだ。何となく我が国の前回の選挙でも、「思想信条ではなく、単に有名人?だからとか、主張が面白いから」というのが目立った。

国の将来を左右する選挙の選定基準が「おもしろそうだから」というのではたまらない。そのうちに「ヘアスタイルが気に入った」「背が高いから」という基準になるのかも??

しかし、考えてみると、“石部健吉”の様に反対意見を連呼するだけの野党の皆さん初め、特に話の内容には若者には理解不能なところがある。

だからと言って、「一見真面目」そうな候補者の「懸命なお願い」発言の裏には危険が潜んでいるから用心するに越したことはない。

それにしても、「あなたには選択の余地がない」という意見にも上から目線のようで棘があるように感じるが。

ところで、安倍総理は歴代稀に見る長期政権記録を樹立したが、言ってみれば、他に比べる候補者がいないことに支えられている気配がある。つまり有権者には「彼以外に選択の余地がない」という事だろう。

ならば、せめて靖国神社に堂々と参拝し、占領軍が押しつけた憲法を速やかに破棄してほしい。それで初めて[美しい国日本]にたどり着くのだ。

見たところ、彼の後には当分[選択の余地のない]どんぐり候補しかいない様だから…

 

ところで、私事ながら、ウィンドウズ7の終了時期が迫ったので、ウィンドウズ10にグレードアップすることにした。今日本体が届いたが、いろいろと配線があるようで交換作業に自信がない。

暫くブログ更新とインターネットが不通になるかもしれないので、その時はお許しあれ!

 

届いた雑誌のご紹介

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WILLは相変わらず、韓国特集だが、「韓国が消えてもだれも困らない」特集はその通りだろう。

現にWILLは「さようなら韓国!」という10月号別冊を出している。

未だこれ以上書き加えることでもあるというのだろうか?

それよりも、どさくさに紛れてシナとロシアが「竹島」と「尖閣」を奪取しに来ることへの備えを説くべきじゃないか?

自衛隊も、本来の任務に専心させるべきで、「経費がただだから」と災害派遣で隊員を酷使している場合じゃないと思うが…

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