軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

学生たちの情熱が勝った!

香港の区議会選挙は、民主派が8割超と言う圧勝で終わり、流石に無表情な行政長官も『反省?した』と語ったが、北京政府は「黙殺」した。

来日している王毅外相は、官邸に入る前のぶら下がり取材で、「香港市民は民主的だから…」とかなんとか語ったが、と言うことは北京政府だけが「共産主義専制主義で、自由を束縛された拝主義者の集まりだ」と自認しているようなものだ。

昔だったら、戦車や銃砲で学生らを木っ端みじんになぎ倒して「口を拭えた」だろうが、今やインターネットの世界、情報は筒抜けになる。

初期のデモ発生時に「強硬手段が取れなかった!」ことを共産党幹部らは悔やんでいるだろうが時すでに遅し!やがて香港は“独立”するだろう。次は台湾である。

ここもまた、大陸系の国民党の残党に支配されて苦しんでいるが、台湾人もこれで“独立”の機運が高まるだろう。

国際情勢は亜細亜周辺にとどまらず、一触即発の雰囲気が漂い始めていて、バチカン教皇までもアジア行脚に精を出している。

そんな最中、わが国の政治家(屋?)だけは、見るも無残な状態で、国民から多額の税金を受け取りながら、それに見合った仕事をしないと言う、要するに働かない恐るべき怠け者が跋扈している。

 

あれほどの“騒乱状況”だったにもかかわらず、香港の投票率は71%を超えていると言うから、如何に市民が“北京政府”を嫌悪しているか、デモ隊の学生らに賛同していたかと言う証拠であろう。我が国でも、毎回投票率は50%を超える程度で、無関心層が増えているから、信じられない空っぽ議員が当選するなど、真の民主主義を表す投票とは言い難くなっている。

そこで次代をになう青年たちに言いたい。自分らの人生は、自分たちで切り開いてゆく勇気を持つべきだと。

今回の香港の学生たちは、北京政府の言いなりに生活する状態では、社会に出ても希望がないと悟り、決起したのだ。しかも非武装で…

その昔、わが国でも国民が貧困に喘いで苦しんでいても、時の政治家らは、己の利益獲得に血道を上げ、正論が潰される状態だったから、青年将校らが“決起”したことがあった。有名な226事件である。あの時は、残念ながら兵士が武器をとって立ち上がったから、“反乱”とされて潰された。

しかし、その意図はまともだったと思われる。青年らしく「見るに見かねた政治の貧困」状態を改めようとしたのである。

私は今回の香港のデモ行進をその当時の226“首謀者たち”の心情と重ね合わせて、眺めてきた。

 

「香港民主派圧勝」を伝える今朝の産経新聞に左隣には、「教皇に『拉致』協力要請」とあり、首相官邸教皇と会談した安倍首相は、日本人拉致問題の早期解決に向けて理解と協力を要請したとみられると産経は書いた。拉致問題を最優先で解決する努力をするのは、当該国の日本であり、国内世論はもとより、国会議員らにイエスかノーかの“踏み絵”を踏ませるくらいの意志がなくては解決するまい。

万一非協力的な態度を示す議員がいれば、その理由を公開して糾弾するのが先だろう。

それもせずして他国の指導者に“協力を依頼する”程度では、誰も真剣には受け止めまい。香港の学生たちは、人が何と言おうと、親に止められようとも、犠牲覚悟で戦い続けた。そしてその成果を勝ち取ったのである。これは決して“ワイドショウ”で得られるものではない。

一方、首相は「日本とバチカンは、平和、核なき世界の実現、貧困の撲滅、人権、環境などを重視するパートナーだ」と述べたうえで、来日を契機に「バチカンとの協力をさらに拡大していきたい」と語ったと言う。

 来春“国賓として来日する”習主席にも、是と同じような話をするのだろうか?中国、少なくとも共産主義政府は絶対に“パートナー”ではあるまい。友好国・米国に敵対する中国の主席を、“国賓”として招く理由が分からない。彼に自衛隊の儀仗部隊に“捧げ銃”させる気か?

領空・領海侵犯している国の主席に…

わが国の政治に欠けているのは、毅然としたブレナイ姿勢である。“準”敵対国にも、友好国にも、分け隔てなくお付き合いするのは、商人根性だ。

日本の青年たちも、これらから何かを学んだことだろう。欲得がらみの“職業”議員らに“地球より重い自分の人生”を任せておけないことを!

何をさておき、香港に真の平和と発展がよみがえることを期待したい。

 

届いた書籍のご紹介

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『せめて死を理解してから死ね!:保江邦夫著・VOICE¥1600+税』

理論物理学者で「素領域の世界からこの世とあの世を知り尽くした」先生の新著である。死とは何かについて、理論物理学的に解き明かされているが、正しい孤独死を迎えるための実践編には考えさせらる。ただ「天国に行くには、善人も悪人も関係なし」という項目には疑問がわく。この世で散々悪を”堪能してきたやつ”が、世に尽くしてきた善人と共に天国に行けるとは考えたくないし、虫唾が走る。もしそうだとすれば、思いつく限りの悪行を尽くしておいた方が”得する”という事になりかねないから…

気楽に楽しく読める一冊である。

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まだ文在寅非難が続いているが、そろそろ先に進むべきじゃないか?と思う。それにしても『第2のヒトラー文在寅』とは恐れ入った。ちぇちぇ思想かぶれの気の弱い男に、例えられたヒトラーのくしゃみ?が聞こえてくる。

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「さようなら韓国」と別冊を出したはずなのに、まだ残り火が続いているようだ。

習近平国賓招待は日本の自殺」は当然、安倍総理も”反トランプ”なのか?と米国は受け取るだろう。「四方の海、皆同胞」は徳目の世界、政治と切り離しておくべきだ。

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特集「無人航空機の最新動向」はこれからの空自隊員は必見だろう。

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日本のシーパワー・現代の海自護衛艦は海自隊員必見だろう。ミニ空母計画も進んでいるところだし…

目立たない”奥ゆかしさ”

たまたま昨夜、TV東京を見ていたら、“日本の秘境”番組で、大都会の喧騒にくたびれた?“仙人”や“野人”が紹介されていたが、私には無理だとしても何故か共感するところが多かった。

徳島の“野人”は道を求める修行者であり、宮古島の“仙人”は物があふれて海洋を汚染する様を警告しているように見えた。大体“賞味期限”ってなんだろう?

とりわけ京都の山奥で暮らす3人の老婦人の無欲な生き方には感動した。

平均年齢92・6歳の最年長者は96歳。3人で公民館に集まり、栃の実を使った饅頭などをつくって、未だに社会に貢献しているのだから感心する。能トレと称して刺し子を楽しむ彼女は老眼鏡をかけていない。雨の中でも神社の清掃を受け持ち、黙々と除草する姿は神々しい。きっとご加護があるのだろう。96歳でもバイクに乗って颯爽と走る姿に負けてはおれないと思った。

日曜日にTV朝日の「ポツンと一軒家」と言う番組で紹介されるご老人方にも感心し、古き良き時代の日本の姿を思い浮かべる。大量生産時代に警告しているようでもあり、何となく、将来の「TVの生き残り番組」が暗示されているようだ。きっとオチャラカなワイドショウは、これらに取って代わられるに違いない。

 

ところで、何十年もの間、世界中の科学者たちは「宇宙の膨張速度」を測定し、宇宙の歴史を解明しようと試みてきた。そしてその底には、「太陽から地球までは光の速度で約8分かかるので、地球上で見えるのは8分前の太陽だ」と言う光の速度こそ、宇宙で一番最速なのだ、と言う“定義”に支配されて来た。

そしてこれらの観察から、科学者たちは「宇宙がビッグバンの直後に急速に膨張した」ことを発見したが、その後、「不可解で目に見えない暗黒物質」がある事を知り、その重力によって膨張が減速したことも知った。

つまり、宇宙空間には、「目には見えない物質?が存在する」ことも知ったのである。これが以前までとは異なるところで、今までの科学者たちは「目に見えない物は信じない」のが科学者の科学者たるゆえんだった。

しかし、目には見えない物でも“顕微鏡”を使えば見えるのだし、はるかに遠い物体も“望遠鏡”を使えば見ることが出来るのだから、そのような“媒体”があれば、まだまだ人間には見えていないものが多くあると気づくべきであった。しかし、目に見えない物が見える人物は、阻害され奇人扱いされてきたし “非科学”の分野に押し込められてきた。要は、現代科学という名の元で “傲慢さ”が“科学界”を支配してきたのである。

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ところで、【JAXAは2019年(令和元年)11月13日の「はやぶさ2」の運用において、「はやぶさ2」の化学推進系スラスタを噴射して軌道制御の運用を行い、速度9.2cm/sでリュウグウからの離脱を開始し、11月13日10時05分(機上、日本標準時)に小惑星リュウグウを出発したことを確認】したと発表した。そして地球からほぼ3億kmも離れている小惑星リュウグウを出発、地球帰還は来年12月ごろの見通しだと言う。

はやぶさ2」が小惑星に到着するのにかかった3年半よりも、帰還までが1年間と短くなったのは、「2014年にはリュウグウは地球からほぼ3億kmも離れていた」のだが「双方の周回軌道を互いに近付くように公転してきたため、帰りの距離が短縮された」のだと言う。この広大な宇宙空間に於いて、この様なことが計算でき、探査機をいとも簡単に“電波”で操作できることが不思議でならない。

さて、持ち帰って資料から人類の起源が発見されるのか、それとも「竜宮」だから、玉手箱に終わるのか?興味は尽きない。

 

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 昨日の産経抄子は平成17年に新嘗祭に参列した小泉首相が「暗いから見えない。電気をつければいいじゃないか」と語ったことを挙げ、朝日新聞も「平成に次き、今回も核心部分は非公開だった」不満げに記していたと書いたが、彼らは宇宙天体の“秘密”を全て知っているつもりなのだろうか? 思い上がりも甚だしいと思う。

これは同じく産経の【ナスカの地上絵・新たに周辺143点】と言う記事である。

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 この世には今まで隠れていたナスカの地上絵や、ミステリーサークルのような“ミステリー現象”も多々ある。

 産経抄子は「こうした宮中祭祀や行事は、目に見えない部分や不合理だとも思える部分があった方がゆかしくありがたみを覚える」と書いたが同感である。

小泉首相にも“見えない部分”があった方が“奥ゆかしかった”のに、軽佻浮薄だったのは頂けなかった。それとも昔の自分の“秘事”は依然として隠し通しているのかも…

 

届いた書籍のご紹介

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安倍晴明陰陽師従四位下:仲村友紀著・青林堂¥1500+税」

表紙は今はやりの劇画っぽいが、中身はちゃんとした書籍である。著者は埼玉県出身で、1980年代にニューエイジ運動、精神世界を専門としたプロダクションに所属。その後独立して様々なミステリーやオカルト関係の雑誌書籍に企画編集・ライターとして活動したという。私も陰陽師氏とは懇意にしているが、彼は純然たる古代史の研究者の一人である。

「世の常識は、時代とともに移り変わります。今のわれわれの目から見ると不思議に思えることも、当時は常識だったということも珍しくありません。」と言っている。そう、物差しは時代とともに変わるのである。

気軽に読める一冊、古い歴史を知ることも必要だろう。

歴史の“愚”を繰り返すのか!

1989年6月4日、中国の天安門広場では人民解放軍が、民主化を要求する学生らの抗議集会を戦車のキャタピラで踏みつけ、発砲を繰り返して終了させた。毛沢東は「革命は銃から生まれる」と言ったが、学生は無防備だったから銃で鎮圧され、革命は成就しなかった。

現在の香港でも、是と同様な虐殺が始まったが、デモ隊は屈する様子がないようだ。

大紀元日本は、連日香港に関する記事で埋まっているが、見出しの例はこうだ。

1、逮捕された16歳の少女、香港警察に集団レイプされ中絶手術受ける=香港メディア

2、ポンペオ米国務長官、「中国共産党政権は中国ではない」

3、香港警官からレイプ被害の少女が声明「今後、DNA検査で加害者を特定」

4、15歳少女が全裸の水死体で発見 香港でデモ開始後不審死相次ぐ

5、香港警官からレイプ被害の少女が声明「今後、DNA検査で加害者を特定」

6、香港警察、デモ参加者らの暗号化ネットワークを検閲 個人特定の企み

7、「香港人の精神を本土に広げたい」 中国の大学生が香港デモに参加

 

天安門事件時と異なり、今では瞬時に画像が世界中に発信されるから、いかな強権政府であっても隠しおおせは出来るまい。問題は、民主化を要求して立ち上がったグループに対する世界中の支援と支持が具体的にどのような形で継続されるのか?と言うことだ。

冷戦時代に、ソ連によってベルリンが封鎖された時、米空軍が強固な空輸作戦を強行して東べルリン市民を救援したが、香港は半島だから海上から救援するしかなかろう。

日本政府は『桜を見る会』で揉めていて、全くおとぎ話の世界に埋没しているから、我々は静観するしかないのが無念だが・・・。

ところで天安門事件で世界中から非難された中国の窮地を“救った”のは皮肉にも日本政府だったことを忘れてはいないか? 平成4(1992)年8月、中共は日本政府に対し天皇陛下(現上皇陛下)の訪中を要請してきたのだが、時の宮澤喜一内閣は、日本国内の反対を押し切って受け入れ、10月に天皇皇后両陛下が訪中された。

大方の日本国民は既に忘却の彼方・・・であろうが、要請を受け入れた直接の“犯人”は当時自民党内を牛耳っていた小沢一郎であった。その結果、天安門で地に堕ちていた中国の威信は回復、逆にその恩を忘れた江沢民は“反日”運動にまい進した。裏切られたのである。更に彼は「天皇との会見は1ヶ月前までに申請する」という外交上の慣習を無視して天皇との会見を強引に決めさせた。その結果、日中関係は改善したか?

利用されるだけでいつもバカを見るのは我が国だ。今韓国との間でそれが現実になっているではないか!甘やかしてきた付けが回ってきたのである。まだ目が覚めないのか!

今朝の世界ニュース早読みで、宮崎正弘氏は【香港中文大学といえば「香港の東大」。その香港大学に、11日警官隊が突入した。「学問の自由は踏みにじられた」と日本の新聞なら騒ぐだろう。昭和四十二年だったか、東大駒場に私服でやってきた自衛官衛藤瀋吉教授と面会したとき、その自衛官を取り囲んで、東大の民青らは「学問の自治が冒された」と騒いだっけ。昭和四十四年の東大安田講堂、早稲田大隈講堂に立て籠もってコンクリードで固め、城塞とした極左を排除するため、機動隊の導入は最後に「学長が要請した」のだ。

 香港では政庁の命令があったのか、警察トップの命令で、大学キャンパスが蹂躙され、この日、香港大学だけでも1000発の催涙弾が撃ち込まれ、大学講堂は医務室となった。287名が拘束され、70名以上が負傷した。日本の左翼メディアなら「血の大弾圧」と書くだろう。

 この日、深せんへ逃げ込んだ中国人留学生(遊学生?)は推定150名。一時的な避難所となった救援センターに駆け込んだ。香港から消えた中国大陸からの留学生は80名(サウスチャイナモーニングポスト、11月13日)。(略)11月24日に予定されている区議選は延期されるのではないかと不安視する観測があがり始めた。

民主派の立法議員合計7名が、意味不明の罪状で逮捕され、親中派議員の一人はナイフで刺された。立候補者はうっかり街頭演説もままならないほどに治安が崩れている】

と書いた。

民主化を求める香港市民をそんな状況に追い込んでいる大陸側の首魁を、国賓として招待して即位されたばかりの天皇に合わせる必要があるのだろうか?

自民党政権内部に、平成4年当時の“小澤一郎”がまだ潜伏しているとでもいうのか?

今朝の産経は、【自民党保守系議員約40人でつくる「日本の尊厳と国益を護る会」(代表幹事・青山繁晴参院議員)が、中国の習近平国家主席の来春の国賓来日に反対する決議を準備していることが12日、分かった。

北海道大教授ら邦人の不当な拘束や尖閣諸島沖縄県石垣市)周辺海域での中国公船の侵入行為などの状況が改善されない限り国賓での来日に反対する内容で、13日にまとめた後、安倍晋三首相に提出する方針だ。(略)一方、護る会は、中国で十数人の邦人が理由不明のまま拘束されていることや中国軍機による領空侵犯、尖閣諸島周辺での中国公船の挑発行為を踏まえ、日中関係は「正常な軌道」にないとの認識に立っている香港市民に対する中国当局の弾圧姿勢も問題視しており、これらの懸案が改善されない場合、習氏の国賓来日に反対していく考えだ】と報じたが、全く同感である。

しかしこちらから「招待を中止させる」のは無理だろうから、後輩が考えた「安倍首相が靖国神社に参拝すること」を提言したい。

習近平に“踏み絵”を踏ませるいいアイデアだ。もしも習主席が訪日を強行すれば、靖国問題は一気に解決する。

どうだろう、散々英霊に無礼を重ねてきたご本人である。年末、或は年頭に、靖国神社を公式に参拝されることを切望する。

天皇を政治的に利用して、2度までもバカを見るような愚かな外交をするものじゃない。

 

届いた雑誌のご紹介

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軍事研究12月号

今月の特集は「米中軍拡時代!鎬を削る強力兵器の開発競争」だろう。グラビアには、中国建国70周年軍事パレードの兵器が解説してある。しかし、私が気になったのは海自観艦式に参加してきた中国海軍艦艇「太原」を迎える在留中国人の姿である。

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どうも「間接侵略近し!」と映るのだが…考えすぎかも…

「市谷レーダーサイト」の≪「想定外」は言い訳に過ぎない≫は名言である。台風に関する問題点の指摘だが、私にも「想定しない」としか見えないからだ。都合のいい言葉が流行したものだ。

タガが緩んではいないか?

想定外の出来事で、しばし更新が遅れてしまったことをお詫びしたい。

萩生田文科相の「身の丈」発言で、誰も知らないうちに入試英語の制度が変更されつつあったことが国民に知れた。

私にとって大学入試は遥か昔の出来事だが、直前に制度が変更されるのは大きな負担になったものだ。当時は、数学がⅠ、Ⅱと幾何に分かれていたが、浪人中に、幾何が数学Ⅲに編入され、科目も変更され受験科目に戸惑ったものだ。

今の高校2年生以降の大学受験では、「センター試験」が「大学入試共通テスト」に替わり、英語はTOEFLや英検など6団体・7種類から選ぶ計画で、十分検討されていないと不評だったらしい。

その裏には、文科省には命令する権限がなく、運営方法が「各民間団体に丸投げ」になっていたからだと言う。受験料も約5800円から約2万5,000円と不確定な上、受験会場の不備も不公平だとささやかれていたらしい。

巷には「英語の民間試験の導入は文科省の利権づくりだ」という指摘があったし、「受験生や学校関係者ら教育の現場では、以前から制度の不備や準備不足を指摘する声が多く、関係団体からは延期要請が出ていた」などと、公になってからドンドン不備が出てきた。 

大臣が“不用意な発言”をして問題になっていなかったら、これらの不備は闇の中だったろう、と言うから一体政府は真剣に仕事をしているのか?と問いたい。

前出の友人によれば「三流官庁の文科省としては天下り先の確保として大学とともに民間業者を狙っているのだろう」「英語の民間試験の導入は文科省の利権づくり」という指摘が多いが、あながちウソだとは思えない“過去に天下りの実例”もある。

萩生田発言に前後して「政治とカネ」をめぐる疑惑で2人の閣僚が辞任した。何ともお粗末である。考えたくない事だが、今どき政治家を志す人物は、この程度の無教養な“利権目的の商売人”しかいないのだ、と言ってしまえばそれまでだが、首相は改造内閣発足時に「安定と挑戦の布陣」と言い「自民党は老壮青、人材の宝庫」だと豪語したのではなかったか?それがこのザマとは…

もっとも、第1次内閣発足時に靖国参拝をスルーして難病に苦しみ、政権を放棄した後、「痛切に反省」して硫黄島で英霊に土下座して復帰したのだったが、その後の行動を見ていると痛切に反省したとは思えないから心配でならない。

一方、千葉県に大規模停電の被害をもたらした台風15号への初動対応に疑問を感じた。「強靱な国土つくり」と言う掛け声とかけ離れたものだったからだ。

 勿論、内閣改造に伴う一連の行事が立て込んでいたとはいえ、「台風上陸前に関係閣僚会議を一度も開かず、首相が全閣僚に警戒を指示したのが『意見交換の場』である閣僚懇談会だったことや、最大瞬間風速57・5メートルの暴風を『予測できなかった』と釈明する姿勢」に違和感を禁じ得ず、記憶の限りでは「自衛隊を出動させる」と公言しただけだ。言われずとも自衛隊は出動している。「自然災害から国民の命や暮らしを守ることは政府の責務であり、警戒態勢に最善を尽くすのは当然」だと常々総理が公言しているからだ。

今のところ、泡沫政党の寄り合い所帯から指摘されていないから、内閣支持率の低下を招く事態には至っていないが、「危機管理能力の高さ」こそが安倍政権の持ち味だったのではなかったか?千葉県知事の行動が非難されて、その陰に隠れている感じがしないでもないが、もっと国民の生命、財産を預かる政府としてはふんどしを締めて取り組んでほしいものだ。

郊外の山の中で、偶にTVで世情を見ていると、この国はタガが弛んでいるとしか思えない。うかうかしていると、隣国並みに落ちぶれる気がしないでもない。我が国はそんな国柄ではなかったはずだが・・・

 

届いた書籍のご紹介

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『英雄の法則:保江邦夫著・明窓出版¥1800+税』

色々とご指導いただいている保江先生の新著である。氏は理論物理学者だが、”精神世界”にも造詣が深い。というよりも、理論物理学量子力学などは、目に見えない分野が多いから、自然とその世界に関心が深くなり、他人に見えない物が見えてくるのだろう。

一般的に現代科学者と言えば、目に見えるものしか信じないという、私から言えば”欠点”があるが、私は最近「目に見えない物こそ真実だ!」と考えるようになった。科学とは、ある学説を立てて、それが時を経て証明されて初めて[科学的に立証された]ことになるのだが、昔はそれを決めるのは「宗教者」であり、「政治家」であったから、真実は闇に葬られてきた。

私は実際に目に見えない物が見える方々にお会いする機会が多かったから、自然に”それ”を信じている。部下たちが目撃したUFOもその例である。

この本は気軽に楽しく読めるので、家内の方が先に一夜で読破してしまった。「フランスの至宝・松井守男画伯、長崎の喫茶店マスターとの出会いなどのほか、脳内ホルモンに基づく脳科学的な話まで、「目から鱗」の話が満載である。先生の語り口は飽きずに読ませるから、実に楽しい本である!

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『失われた日本人と人類の記憶:矢作直樹・並木良和共著・青林堂¥1500+税』

矢作先生も、東大緊急外科部長をされた医学者である。講演会で知り合い、以後ご指導を得てきた。並木氏には直接お会いしたことはないが、保江先生同様、精神界に詳しい方である。

今回は日本の古代史に関する対談で、これもまた、目からうろこの事実が満載されている。

地上波TVばかり見ていて”精神状態”が傾いできたら、まっすぐな骨格に治すために一度目を通すとよい。きっと精神状態が正常に回復することだろう。

巷にはとげとげしい本や雑誌が溢れているから、その浄化にも役立つと思う。特に若い方々にお勧めする。

 

突然の計画変更がもたらすもの

ミッドウェー海戦で沈没した空母「加賀」発見と時をほぼ同じくして、空母「赤城」も発見した、と米財団が発表した。共に靖国神社例大祭中の出来事である。

次々と襲来する台風と合わせて、私はこれもまた涙を流している戦没英霊の御帰還ではないのか?と思いたくなる。

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米軍機の攻撃を受ける空母『赤城』最後の雄姿

ミッドウェー海戦

処で話は変わるが、2020年東京オリンピックの男女マラソン競歩のコースを札幌に移す案が突如国際オリンピック委員会IOC)から提案され、国内は賛否両論が渦書いているが、IOCトーマス・バッハ会長の意向が強いそうだ。しかし、大会決定時に「トキオウ!」と発表したのは“バッハ会長”本人ではなかったか?。

確か「サッポロ」とは言わなかったと記憶しているが・・・。

東京の気温が高いから、少しでも涼しい北海道へ、と言うのだろうが、どうも胡散臭い。

税金を出す東京都民始め、小池知事もあっけにとられたろう。「おれおれ詐欺」事件みたいだが、老兵にはあまり関係がないから、空母「加賀」と「赤城」発見の報に接し、余計なお世話だろうが「急な計画変更」がもたらす災害について少し書いておこうと思う。

日米開戦後、将来米国は豪州を基地として南方から反攻して来ると予測した大本営海軍部は、昭和17年3月初頭にフィジーサモアニューカレドニア攻略作戦(F・S作戦)を陸軍部に提案した。その目的は米豪間の海上輸送を活発にしていた豪州は米国の対日反攻基地化しつつあり、今これを制圧しておかねば将来手に負えぬことになろう、と判断され、豪州本国を制圧できないとしても、フィジーサモアニューカレドニアを攻略して航空基地を設置し、米豪間を遮断しようと言うものにあった。陸軍側は検討の末これに同意し、第17軍を新設し、新作戦の準備を着々と進め、検討を終わって正式発令を待つまでにこぎつけていたところ、進攻作戦発令直前の2か月前に海軍側から突如変更申し入れがあった。

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西太平洋作戦図

 

この大作戦発令直前の海軍による変更要求に対して、陸軍側は大いに疑いを持った。

つまりハワイ攻略作戦に利用されるのではないか?と疑ったのである。真珠湾攻撃時も時の東條首相には伝えられていなかったと言う説もあるから、陸軍側の海軍側に対する不信感は一気に強まったのである。

これに対して海軍側は、連合艦隊司令長官山本五十六大将が、強硬にミッドウェイ、アリューシャン作戦の実施を主張し、永野軍令部総長がこれに同意してしまったので、陸軍が不本意であるならば海軍だけでも実施する、と息巻いた。

山本長官が決心を変更した理由は、4月18日にドーリットルによって『東京空襲』が実施されたことにあった。

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ドーリットルの空襲:インターネットから

 

この様に、事前に十分準備されていた計画を、ある一人の指揮官の独断で変更すると、結果はうまくいかないと言うジンクスがある。

人心が乱れるからである。

その結果がミッドウェイ海戦の敗戦であり、4隻の虎の子の空母と、熟練した空母操縦者を失い、その補充が出来ないまま、づるづると戦争を続け、結局我が国の滅亡に結びつくのである。

“平和の祭典”を取り仕切るバッハ会長と、銃弾飛び交う戦場に向かう決死の将兵を指揮する山本五十六大将と単純に比較することは無意味だろうが、F・S作戦を入念に準備していた陸軍としては、兵員の思考の全てがその方向に向かっている時に、突如「やーめた!」と言うのでは部下たちは上層部についていけなかった事であろう。特に陸軍部の作戦幕僚たちにとっては恥をかかされたも同然である。

どうもどの世界にも、現場を知らず、部下たちの心もつかめず、何でも自分の思い通りになると思って「机上の空論」をもてあそぶ人種は絶えないものだ、と思わされる。

 

 

届いた雑誌などのご紹介

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HANADA12月号

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WILL12月号

両誌とも、相変わらず「韓国問題」に熱心である。いかに文大統領の今回の反日態度に、”保守”派論者が頭に来たか、という証明だろう。

私はとっくにWiLLの特別号「さようなら韓国」同様、韓国にはサヨナラしているのだが…

次の課題は香港とシナ共産党問題ではないかな~。同胞が”拉致”されているのだから…

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航空情報12月号

輸送機の発展も素晴らしいが、戦闘機はなお素晴らしく発展している。マルチロール戦闘機の研究は興味深いが、他方無人機も驚異的に発展しているから目が離せない。

防研同期の久保田氏による連載も終わった。やはりミサイルの攻防は宇宙に発展するのだろう…

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「究極の魂の旅ースピリットへの目覚め―:ジェームズ・ギリランド著:知念靖尚訳・ナチュラル・スピリット¥1800+税」

米国・アダムス山の麓で、地球外知的生命体とのコンタクト覚醒コンタクト活動をしているギリランド氏の著書である。

「スピリチュアルな道を進む多くの人々を助け、長い間誤解されてきたET、及び高次の存在とのコンタクトの世界を明らかにするのに役立つ洞察をするのが目的」だという。

現状の地球を見ていると、あまりにも次元が低く感じられるので、いずれ通過するラインの後ろにある現象を、少しだけでも理解しておきたいと思っている。

特に現代日本人が失った「精神世界」をもう一度思い出したいと願うようになってきた。

何とも不思議な出来事

【旧日本軍の空母「加賀」、ハワイ付近の海底で発見】という読売新聞記事を見て戦慄が走った。

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読売新聞: 米ハワイ諸島付近で見つかった旧日本軍の空母「加賀」=7日、AP

加賀は日米開戦時に真珠湾攻撃に参加、その後のミッドウェー海戦で、米軍の急降下爆撃を受けるなどして沈没した当時の帝国海軍の主力空母の一隻である。

そして海自は「かが」として空母型護衛艦を継承し、来日していたトランプ大統領も乗船した。

記事には【第2次世界大戦のミッドウェー海戦で沈没した旧日本軍の空母「加賀」が、米ハワイ諸島付近の水深約5400メートルの海底で見つかった。AP通信が18日に伝えた。米マイクロソフト共同創業者だった故ポール・アレン氏の財団の調査チームが数週間かけて深海探査を行い、海洋保護区の海底で発見した】とある。

ところが今度は、産経を読んで二度驚いた。25面に台風19号の経路図が大きく出ていて、そのコースが“見事に?!靖国神社“参拝コース”だったからである。

まるで広大な太平洋地域に“打ち捨てられた”悔しさ”を英霊方が晴らさんとしているかのようだ。英霊方は、一日も早く故郷に帰還したいのだ。

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しかし、この国では、靖国神社の秋季例大祭に、大臣が出席したと言えばメディアが騒ぎ、かっての敵国、中国が反応する。

わが国の新聞ならば、むしろ、榊だけ捧げて神社に参拝しなかった大臣の方を責めるべきじゃないか?

この国の政治家もメディアもどこかが狂っているとしか思えない。

そんなシナの主席を来年はあろうことか国賓として招くのだと首相は言う。英霊方に対するこれ以上の“侮辱”はあるまい。

政府の扱い方に、英霊方とご遺族らは屈辱を感じたに違いない。

その上今朝の産経によると、支那政府は北海道大学教授を拘束したのである。

こんな落ち目の国の主席の権威回復のために?なんで天皇を利用して支える必要があるのか!どこか狂っているとしか思えない。

 

これは「靖国神社」の社報である。「靖涛」と言うコラムが、何とも虚しく感じられる。

神社もコラムのように感じているのであれば、祀られている英霊に、本気で誠を尽くす必要があろう。

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先日週刊誌に報じられたように、今時の神社の職員には「神官」であるという意識が何とも薄く、まるで小役人並みに落ちているというが、それで大任が務まるのだろうか?

19号に続いて発生し、当初は西に進むはずだった台風20号も、靖国参拝に向かいつつあるという。

「民の竈が水没」し、苦しんでいる災害の犠牲者を救うのは大事なことだが、70年前に祖国の危機に臨んで、命を投げ出した英霊に対する感謝の気持ちを表すのが先ではないか?

かくばかり、醜き国となりたれば、捧げし人のただに惜しまる」と言う戦争未亡人の嘆きが聞こえてくる。

 

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国の発展を阻害してきた左翼の正体

今回の台風被害で、統治能力が欠けた為政者の出現に、被害者はもとより、一般国民も呆れ果てているようだ。

 

民主党政権時代に仕分け?とかで休眠させられた八ッ場ダムの功罪について、インターネット上で喧しい意見が飛び交っている。

千曲川の堤防も中止させたままだった」「長野は田中康夫(当時一世を風靡した?知事)の脱ダム宣言のせい」など、「今回の水害も半分は治水対策を潰し回ってた連中の責任だろう」と喧しい。それに対して“左翼陣営?”からも反論が加えられているようだが、ダムの功罪は専門家に任せるとして、確かに意味もなく?停止したのは、当時の政権の政治的パフォーマンスだったことは否めない。原発事故もそうだった…

 さらに、左翼の首長たちの指揮ぶりには混乱が続き、神奈川県の山北町で出動した自衛隊給水車が水を配らずに帰ってしまうという事態が発生していたことが問題になっている。しかしその原因は本来、協力し合うべき県と町の対立だったと言うから、早朝から出動した隊員たちはいい迷惑だったに違いない。元々神奈川県は左翼と日教組が支配している処で、神奈川県の黒岩祐治知事は、「ルールに基いた形ではなかったということであっても、現場で融通をきかせて近隣の皆様に給水をするといった柔軟な対応もできたという思いがあり、そういった意味で皆様にお詫びをしたいというふうに思っています」と釈明したが、自民党幹事長発言よりもよほど無責任だろう。

二階俊博幹事長が台風19号の被害について「まずまずには収まった」などと発言したとして、何でも反対組の野党が反発して波紋が広がっているが、隠された発言の全文を見ると「予測されて、いろいろ言われていたことから比べると、まずまずには収まったという感じですけどそれでも相当の被害が広範に及んでいるわけでありますから」と続いていて、いつものように一部を切り取って問題にする野党が得意とするメディアとの連係プレーであろう。国会で質問していた議員も、元メディア出身者だ。

神奈川県知事もそういう立場にいた方だ。千葉県知事も同じような立場の方だが、何となく、知事の有事における指導能力に不安を感じざるを得ない。

友人から、【「あいちトリエンナーレ」でも明らかになった左翼に巣食う朝鮮勢力と擁護する朝日・毎日・東京各紙やテレビ局、さらには政治信条を隠して自民党に潜り込んでいた大村知事や石破茂など反日勢力が漸くあぶり出されてきました】とメールが来たが、確かにそんな気がする。

別の友人は【台風19号の被害では左翼勢力の強い自治体に特に大きな被害が出たように思えます。脱ダム宣言の長野、多摩川では景観が大事だと堤防に反対していた場所が冠水するなど、左翼は公共工事は無駄だと反対し切り捨てた結果が「コンクリートから人柱へ」でしたから】と言ってきたが、選挙に勝ってグラス片手にいい気分で支持者に囲まれ続けていると誰でも「裸の王様」になりかねないものだ。

処で、八ッ場ダムに限らず、水に恵まれた我が国では、身近な川でも氾濫する。昭和49年9月に、台風16号多摩川の左岸の堤防が決壊して、狛江市の民家19棟が、次々に濁流に呑み込まれていくシーンを見た時は、同じ区内に住んでいたので衝撃を受けたものだ。

だから一概に“左翼政権”の責任だとは決めつけられない。

ダイアモンド・ オンラインにノンフィクションライターの窪田順生氏が、「多摩川氾濫はやはり「人災」だ、忘れられた明治・大正・昭和の教訓」と言う文の中で、今回の台風で氾濫した二子玉川周辺では

【「こんなことは初めて」というコメントが多く出ているが、歴史を遡れば一度どころか、何度も何度も多摩川は氾濫していることがわかる。人間は大きな自然災害に見舞われても、何十年かすればすぐに忘れる生き物。来ることは「確実」と言われている首都直下型地震南海トラフ地震についても、今一度、歴史を謙虚に検討してみる必要がある。それを象徴するのが今回、河川氾濫が起きてしまった「堤防のない区間」の整備に、反対していた方たちの主張である】として、国土交通省京浜河川事務所が昨年9月に催した住民説明会で、今回氾濫した場所についてどうすべきかということに対して、「手をつけない、そもそも何百年に1度起こるかどうかわからない河川氾濫を心配しすぎるのはおかしい 等」という住民の声が寄せられている、ことを紹介している。

そして【深刻なのはこのエリアで「河川氾濫なんて心配しすぎだって」と思っていたのが、「堤防反対派」の住民だけではないということだ。

 断っておくが、「二子玉の住民は危機意識が薄い」とか「日本人は平和ボケだ」とか主張したいわけではない。この100年ちょっとの間で、繰り返し繰り返し、自然災害に遭って、時には甚大な被害も出ているという「歴史の教訓」があっても結局、人は自分自身で実際に体験してみた範囲の「危険」しか想像することができない

そして【この地で被害に遭った多くの住民に、そんな古いことまで知っている人は少ない。ここは1972年と76年にも大きな水害に襲われているのだが、その後にできた住宅地に引っ越してきた「新住民」も多いからだ。このように「土地の因縁を知らない」ことが被害拡大を招いたケースは、枚挙にいとまがない。誤解を恐れずに言えば、われわれは「被災する」→「被災者が後世の人々にこの危険を忘れるなと警告する」→「時間が経って忘れる」、そしてまた「被災する」に戻るというサイクルを、エンドレスリピートしてきた民族なのだ。・・・ただ、日本人の「忘れっぽい」という気質を踏まえると、このあたりの議論も「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で、いつの間にやら人々の記憶から消えて「ま、とにかく気をつけようよ」なんて当たり障りのない話に落ち着く可能性が高い】と書き、【災害対策に力を入れるのは結構な話だが、まずはその前に、「歴史に学ぶ」という危機管理の基本中の基本を、日本人一人ひとりが肝に銘じなくてはいけないのではないか】といているのは参考になるだろう。

百人の科学的専門家の意見よりも、一人の古老の体験談が有効なことが多いのだ。その気風がこの国から失われてきたのも災害が減らない理由の一つだろう。新興住宅の乱立、核家族で老人が姥捨て山に閉じ込められ、子供たちはスマホ狂い・・・

ところで資料整理中に、面白い“過去の記事”を見つけた。

 

己の立場を優先し、国民を利用し使い捨てにする、政治家の無責任さの実例と、憲法で保障されていない自衛隊を、地方自治体が酷使する実態である。

災害と同じく、政治家の行動も、今も昔も少しも変わっていない事が良くわかる。

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平成8年8月26日・毎日新聞

「かくも長き忘却」外信部長・河内孝

 

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平成8年8月16日・毎日新聞

 

届いた雑誌のご紹介

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軍事研究11月号

 

治山治水もままならぬ現状では、最も恐れるべき”侵略行為”に対処する能力がある者は、限定されてくると思われる。

今回話題になった地方首長らではとても対処できまい。次の世界では、想定外の戦法が主力になり、マニュアル通りにしか物事を進められない者は無用になるだろう。

現状を見ているだけでも、「〇鹿な大将敵より怖い!」を実感しているくらいだから…