軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

共産党政権の終焉近し!

昨年暮れから、一部でうわさされていたコロナウイルス罹患事例は、北京政府の隠ぺい工作でしばし秘密が保たれていたものの、現場の医師たちが逮捕覚悟で告発したのを契機に急激に広まった。いや、実情を阻止できなくなったのだろう。北京政府も己の保身を優先させて、すべて後手後手に回ったからである。

しかし、一部には細菌兵器のテスト中に菌が漏れたのだ、という説もある。武漢市には人民解放軍の細菌研究所があるからあながち誤報だとは言えまい。

昨年の夏ごろに、「中国人科学者、カナダ旅客機でエボラ出血熱の生きたウイルスを輸送という記事でカナダ国立微生物研究所に所属していた中国出身の科学者2人は3月末、北京にエボラ出血熱の生きたウイルスを輸送していた」とCBCが8月2日に報じたが、それによると「3月31日、エボラ出血熱およびヘニパ・ウイルスがエアカナダの一般旅客機で、北京へと輸送された。いずれも、人に致命的な疾患をもたらす最悪レベル4の病原体で、厳重な取り扱いが要求されるもの」で、CBCは「国家安全保障専門家は、このたびのレベル4病原体の輸送について、中国の科学者が法律のグレーゾーンを利用して、特許や契約を避け、潜在的に価値の高い病原体あるいは貴重な知的財産を入手した可能性がある」とコメント、中国メディアの報道によると、輸送した邱氏は「カナダ国立微生物研究所を拠点に、中国の危険ウィルス研究プロジェクトを積極的に支援していた。中国軍事科学院軍事医学研究院の陳薇研究員チームとも共同研究を行っていた」という。人民日報海外版は同チームが開発した遺伝子組み換えエボラワクチン「rAd5-EBOV」が、アフリカのシエラレオネで患者500人を対象に臨床試験が実施されたことを「これは中国のワクチン研究で初の海外進出後の、歴史的な進展だ」と報じ、中国食薬監総局はエボラワクチンrAd5-EBOVを承認し「中国独自に研究開発した完全な知的所有権を持つエボラワクチンとして宣伝している」というものであったが、今回のコロナウィルス問題はその直後から蔓延し始めている。

そこで、今回のウイルス拡散事故は英国などで「細菌兵器のテスト中に失敗したのではないか?」と疑われる根拠になっている。やがてエボラ菌も拡散するかもしれない。

その昔、ジュネーブ軍縮委員会で生物化学兵器禁止問題に携わった私としては、今回のコロナウイルス“蔓延事故”は北京政府が躍起になって秘匿しようとしたことなどから、やはり軍の何らかのテスト失敗だったのではないか?と疑っている。つまり、中国軍事科学院軍事医学研究院の陳薇研究員チームの初動時の対処失敗が拡散の原因だろうと思われる

その証拠に、中国最高指導部が25日に設置した指導部直轄の「防止対策チーム」のメンバーは「共産党中央政治局常務委員でプロパガンダ・思想教育担当の王滬寧氏(中央書記処書記=副長)、党中央政治局委員の丁薛祥(中央弁公庁主任)、孫春蘭、黄坤明(中央宣伝部長)、蔡奇(北京市党委員会書記)、国務委員の王毅(外交部長)、肖捷(国務院秘書長)、趙克志(公安部長)の各氏が名を連ねているが、感染学、病理学の専門家が一人も入っていない。だから中国問題専門家から「指導部直轄の同チームは政権安定を目的としている」と指摘されるのだ。しかし、政権安定が図れるかどうかは疑問である…

それにしても、我が国の対処も後手後手に回った感がある。もっとも我が国は「高度な民主主義国」であるから、いちいち“国民の皆様”のご同意を得ないとことが進まない。驚いたのはチャーター機で帰国した中の二人が、検査と収容を拒否して自宅に帰ったことだ。恐らく自宅近辺から抗議の声が上がった?ので検査に応したのだろうが、これが「平和憲法」に毒されて、国家非常事態さえ宣告できず、危機管理上決定的なロスを強いられる非力な政府を象徴している。

3・11の時にも、地下鉄サリン事件の時にも、縷々話題になっていたものだが、のど元過ぎればなんとやら、誰も憲法はじめ法律整備に動かなかった。それよりも己の利益ばかり追求する輩が増え、総理は「万全の体制」とか、「きっちりと」などと“修飾語”を乱用するが、中国の金に縛られて?動きが取れないWHOと同様、初動の遅れは台風19号に対する千葉県知事同様、甘い予測で被害を拡大している。今回も即座に対処できたとは言えないだろう。

したがって国民は、それぞれ自分自身でわが身を守る工夫をしておく必要がある。

恐らく靖国神社参拝をスルーして英霊を誹謗する国のトップを「国賓」として招待する姿勢が、英霊の怒りに触れているに違いないと思われる。国民は、花見の宴に招待された者もされなかった者も、自分の身は自分で守る以外にはないのだ、と痛感したこの1週間だったが、この騒ぎが収まらないうちに北京の“親分”が来日するのではたまらない。

マスクをつけるか、防護服を着用して来日する主席の姿は漫画の題材にはなっても、天皇と握手するのはやめてほしいものだ。

それよりも、今のところ犠牲者は中国国内だけだが、国外で感染者が死亡したら、オリンピックどころではなくなるのではないか?

令和2年、年頭から恐るべき国家安全保障上の災難が降りかかってきた。次に起きるのはいったい何だろうか?と気がかりである。

 

届いた書籍のご紹介

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「雑誌「丸」3月号¥1370」

今月の特集は中型空母の傑作「飛龍」である。本文92Pに菊池征男氏が書いている「機関科将校・萬代久男の航跡」は赤城沈没後、漂流するも、敵に救助され捕虜となり、戦後数十年後に”因縁の地”を訪問することになった萬代氏の歴史には感動する。空母「飛龍」はあくまで物体だが、それには生身の人間が乗っている。その記録はなかなか目に入らない。その意味でも貴重な記録である。

戦争を知らない世代にはぜひ読んでもらいたい。戦争は、生易しいものではないということを知ってほしいからだ。

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「雑誌「HANADA」3月号¥920」

総力特集に「野党の劣化が止まらない!」とあるが、もともと「野党」は”夜盗”の集まり。劣化も何もあったものじゃなかろう。だから自民党はわが世の春の楽しんでいるのだが、自民党も「鯛」ならぬ「腐ったイワシ」だ。国民にとってはいい迷惑だ。

全てに世代交代が始まっている!

不覚にも、年末に息切れや立ち眩みを覚えていたのだが、多忙にまぎれ無視していたところ、年明け早々貧血で入院する羽目になってしまった。

不思議な?事に産経新聞の「今日の運勢」欄に「体調不良、すぐに受診すること」とあり、半信半疑で受診したのだが、ヘモグロビンが7㎎(成人男性の下限は13・4㎎)と急激に低下していることが分かり即入院となった。その後は点滴や輸血、胃カメラなど大ごとになり1週間の断食と断水を命じられたが今回はそれほど空腹感はなかった。

尊敬していたアサヒビールの中條先輩から、古希を迎えた時に「人間の節目節目には十分に気を付けろよ」と忠告されていたがやはり「節目」には体調が狂うことを実感した。

そんなことで、この2週間、思いがけなく休養を取らされたのだが、横になって暇つぶしにTVを見ていると、ほとんど新鮮なニュースはない!ということを悟らされた。

各社とも取りだめした過去の画像の繰り返しで、コメンテーターがわけありげに”解説”するだけで、どの局を見ても新鮮な内容はない。TV”報道”も井戸端会議並みに落ちているから行き詰っているらしい。

 

大相撲は横綱不在の場所だったが、気鋭の力士がどんどん成長していると感じた。特に炎鵬は素晴らしい。小兵だけに頭を使い作戦を練っている。大型力士を投げ飛ばすのだから、判官びいきの日本人に受けるはずだ!正代も体調がいいようで、体全体が輝いている。やはり、「顔色が悪く、肌につやがない」時はどこか血液の循環が悪く不健康な証拠なのだろう。そういえば家内がいつも私の顔色を気にしてくれていたが…

 

2週間の入院で約3㎏体重が減ってしまい何となく足元がふらつくが、ヘモグロビンも9・7まで回復したので、一応退院することができた。増血剤を処方してもらったので、少しづつ元に戻ることを期待したい。

そんなことでブログ更新も遅れたが、世界中で大相撲のみならず世代交代が始まっていることを実感した2週間で、地球自身が傲慢な人類に対して報復を始めているような気がする。

令和2年の年明けを素直に「おめでたい」と喜べなかった理由が分かった気がした。

恐らく豪州の大火災のみならず、支那で起きている“人為的な不都合な真実”はじめ、今後とも異常事態が続発するに違いない。地球も人間も疲れ切っているのだと思わされた。

 

届いた書籍のご紹介

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友人の作家・拳骨拓史氏が編纂した偉人伝である。戦後我が国から消えたものに自国の偉人伝がある。だから日本人は自分たちの過去の偉大な人物を知らないし、特に子供たちは全く教えられない。劣等感の塊になるはずだ。この本はわずか80頁で実に読みやすく編纂されている。子供たちに読んでもらいたいが、その前に親のほうが…と思うのだが親のほうがだめになっているからどうだろうか?

明成社刊700+税)

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「松久正著:青林堂:¥1880+税」

ドクタードルフィンの近著である。エジプトのギザのピラミッドは一般的に王家の墓といわれているが、「宇宙エネルギーの受信基地」として建造されたもので、大小多数のピラミッドが世界中に建造されていてネットワークを構成している、とする説には納得がいく。おちゃらかな地上波番組ではなく、CS・TVの「古代の宇宙人」に興味がある私はすんなりと理解できる。ご一読あれ!

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「保江邦夫著:青林堂¥1400+税」

退院前の2日間で読破した。実に面白い体験談が詰まっているうえ、全国各地を巡回する保江先生のフットワークの軽さには驚かされる。

理学博士(らしくない?)解説ぶりも面白い。

私もどうしても理解できなかった「愛」について、「愛とはエネルギー」だという説に納得した。一般的に「愛=LOVE」とは人間男女の営み…的に捕らえられているが、そうではなく「エネルギーなのだ」という説には目からうろこだった。アインシュタインのE=mc²の持つ意味が理解できた!気がした。

見えるもの、聞こえるものだけが科学者の研究対象ではないのだ。見えないものにこそ真理があると思わされる書である。気楽にご一読されたい。

今春の国家的難題について

令和2年の正月も無事に過ぎて、仕事始めも終わり、ようやく平常状態に戻りつつあるようだが、10連休を楽しんだ我が国とは異なり、世界では紛争の危険が次第に高まりつつある。とりわけイラン情勢は予断を許さない。米国の強硬手段を見た北朝鮮の“首領様”は、首がすくんだことだろう。“米軍の斬首作戦”は依然として有効なのだと!

 

それにしても我が国政治家のだらしなさには、愛想が尽きた。任命権者たる総理には、もう少し人を見る目が欲しいものだ。

 

恐らく更に多くの“自民党議員”らに、チャイナマネーの黒い手が回っているのではないか?国家崩壊の序曲だといえる。

とりわけ前防衛大臣の名が挙がったのには驚いたが、もともと彼には“灰色の噂”が付きまとっていたのだから、そんな男を防衛担当大臣にしたのが間違いだろう。それとも他にいなかっただけかもしれないが…

政治家の人材不足にはあきれたものだが、これでは国民は枕を高くして眠れない。

 マア、ハニートラップに引っかかった総理大臣よりもましかもしれないが…

それはそうと報道によれば、自衛隊幹部の人事は、今後AIが担当するのだという。新しもの好きの役所らしいが、まっとうな人事が行えるよう、正確なデータを挿入してほしいものだ。政治家の顔色を気にする幕僚長…が誕生したのでは国民に相済まない。おまけに「航空自衛隊」改め「航空宇宙自衛隊」になるという。

 

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少し早かったかな?ご参考まで!  

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航空自衛隊任務は、平時においては日本領空への領空侵犯、その恐れのある空からの脅威の排除が使命で、これがため領空の外側に防空識別圏ADIZ)を設定し、日本各所に28ヶ所のレーダーサイトを設置して常時警戒監視行動を継続してきた。しかし、直上(宇宙)には穴が開いていた…

すでに自衛隊法第三条第1項から「直接侵略及び間接侵略に対し」という文言が削除され、「存立危機事態」という概念が取り入れられているが、いよいよ宇宙からも「我が国の存立危機」が迫っているというのだろうか?

国内に確保されていた“犯罪人”がいともやすやすと国外逃亡するようでは自衛隊の存立も何となく不安だが、すでに時代は宇宙時代、「何らかの存在」が接近してきていることはほぼ疑いないところまで来ているのだから、我が国も世界情勢と宇宙情勢の進化に遅れないようにしてほしいものだ。

ところで6日の産経新聞「正論」欄に、尊敬する小堀桂一郎東大名誉教授が、「今春の国家的大問題について」と警告を発している。中国共産党政府のトップである習近平主席を「国賓」として招くという自民党政府への警告である。これについては私も既に反対を表明してきたが、安倍政権は反省していないようだから、もう一度小堀教授の警告を掲載しておこう。

国際情勢は混とんとし始めた。そのうえ今年はオリンピック開催の年でもある。一部週刊誌には、測量学の権威が、「東日本大震災の直前と同じ兆候が、関東南部で出現している」と警告している。

判断を誤ると、取り返しがつかない事態を招き、最長政権を誇ったとしても晩節を汚すことになりかねない。熟読玩味していただきたい。

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令和2年の年頭に当たり新年のご挨拶

令和2年元旦、新春のお喜びを申し上げます。

国旗掲揚後、早速近在の八幡様に初もうでに出かけましたが、子供たちを連れた家族連れが参拝していたので八幡様も喜んでいましたが、近在の家々には松飾も見かけず、日の丸もほとんど見当たらないので、“外国”風景のようでした。

そういえば、毎年聞こえていた除夜の鐘も聞こえませんでしたから、日本文化は急激に“衰退?”しつつあるのかもしれません。

私は75歳の後期高齢者入りを機会にお年賀を終了させて頂きましたが、有難いことにまだまだ多くの年賀状が届くので、いつまでも“青年将校?”の気分です。しかし、足腰の衰えは顕著ですから、スクランブルは無理でしょう(笑)国防は後輩たちにお任せします。

さて、今年は我が国周辺では難問山積の予感がしますが、政府がうまく切り抜けてくれるでしょうか?

今朝の産経一面に、乾正人論説委員長の年頭所感が出ていましたが、全く同感です。特に、先の大戦で散華された英霊を靖国神社で参拝しようとしない姿勢には怒りを覚えます。

乾氏の全文を紹介しておきますので国民の生命財産を預かる為政者として、「執務の参考」にしてください!

災害が少なく、国民に明るい笑顔が戻ることを皆様とともに期待したい一年です。

 

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令和元年も終わり来年は?

ヒストリーチャネルは「古代の宇宙人」特集を放映しているが、先日は「アメリカ建国史」にかかわる話で、示唆に富むものだった。

首都建設にあたり、建国にあたった賢人たちが壮大な計画を持っていたことは知っていたが、古代ギリシャの模倣だけではなく、宇宙との交信によって知恵を授けられていた、というのである。

そして江戸城建設時に風水と結界が張られたように、首都の安泰を祈願して建物は建築されたというのだが、その裏には宇宙人との交信があったという。

確かに建国時の独立宣言には「明白なる使命(Manifest Destiny、マニフェスト・デスティニー)」が書かれていて、それこそが新生米国の“根幹”なのである。その後200年余の間、選出された大統領には“不都合な人物”も誕生したので本来のあるべき姿を見失ってきたが、「アメリカを再び偉大にしよう(Make America Great Again)」という、レーガン大統領の選挙スローガンを掲げたトランプ大統領が出現し、今までの“中身のない政治的スローガン”と一線を画して本来あるべきアメリカの「明白なる天命」を実践するスローガンに立ち戻った。

それは“お人よし?”アメリカ人の弱点に付け込んだ、共産主義思想が「建国憲章」に相反した人類滅亡思想であることに米国人自身が気が付いたからだと思われる。

自由主義国家の代表として“誕生”したはずの米国政府が、邪悪な共産主義思想の悪影響を受け、本来の活動を封じられてきたことに気が付いたのだ。第2次大戦に勝利し、唯一の超大国となったはずが、原水爆を盗作されたためにスターリンに悪用され恐怖の冷戦時代を戦わざるを得なかった。

ソ連が崩壊し安心したとたん、ひそかにソ連の手法を学び取った中華人民共和国から、実に巧みな“侵略”を受けたが、当時は圧倒的な軍事力と経済力を維持していたから“お人よし”アメリカは“後進国”として中共を遇した。

ところが相手はスターリン以上に“狡猾”で、善意を悪意で返されていることにトランプは気が付いたのである。それが「米中経済戦争」の起源というものではないか?

2019年はその点では大きな歴史の転換点になったといえる。

つまり、トランプ政権は、独立宣言の「明白なる天命」を認識したといえ、つまり「神に対する信仰に回帰」して、邪悪な共産主義者の浸透を防ぎ、神の意に反したこの思想を地上から抹消しようとしているのではないのか? ヒストリーチャネルを見ながら私はそう気が付いた。

それに比べて米国同様“お人よしな神の国”日本の現状はあまりにも醜い。

御代替わりを終えた令和時代の最初の年にあたる来年4月、米国が抹殺しようとしている共産主義代表を“国賓”として招こうというのである。

それはTV朝日の「ぽつんと一軒家」に登場する“先祖代々の墓守”に任じているご高齢な方々の高貴な人相とは比較にならない“薄汚い政治屋ども”の人相に表れている。

来年は、国際情勢の荒波に翻弄され、国際運動会どころではないような気がするのだが、指導者たちよりも“庶民”のほうが冷静にとらえている気がしてならない。指導者たちよ、どうかかじ取りを間違えないでほしい。

読者の皆様に、「どうぞよいお年を!」ではなく「冷静に令和を!」としか言う気がしないのが心残りである。

 

届いた書籍のご紹介

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雑誌「丸」とその付録

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「航空情報2月号」

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『Will2月号別冊』

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「家庭でつくる自分に合う健康の水・早川英雄著:現代書林¥1200+税」

善意が報われるとは限らない

前回、アフガンに貢献した中村医師が同じアフガン人?に殺害されたことを書いた。このような無私の精神で他国民に献身した偉大な医師がなぜ無法にも殺害されたのか、についてその後のメディアには追跡記事が見当たらない。

処がたまたま届いたWILL2月号に政治評論家の宇田川敬介氏が鋭い分析をしていた。

アフガニスタンの悲劇・中村医師はなぜ狙われたのか】がそれである。

副題には「善意と思ってとった行動が、善意と受け取らない人たちもいる」とある。

そう、個人的には「いいことだと思って」献身していても、中には”迷惑だ”と受け取る者もいるという事である。

其の昔、アフリカの”大飢饉”に際して、メディアに煽られた”善意ある日本人の多く”が、物資を送ったり毛布を大量に送ったことがあったが、送った当事者は”いいことをした”と「自己満足?」していたものの、現地を取材したレポーターが、それとは全く反対の現地人の言葉を伝えていたことに驚いたことがあった。

送られてきた毛布などの大半は、地元の”指導者たち”に横流しされ、苦しんでいる庶民にはいきわたらないというのである。

紛争地帯にも善意の物資が届けられたが、虐げられている民族の中には「食糧ではなく武器を送ってほしい」とまで訴えたものがいてレポーターは絶句したという。

強欲な為政者に対抗するには、食料ではなく武器が必要だというのである。今回の香港の若者たちもきっとそう思ったに違いない。

宇田川氏は言う。

【「報道を見ていると、今回の事件は、無差別テロや物取りの襲撃に巻き込まれたのではなく、中村医師の活動を妨害するために故意に狙った犯行であることが窺える」

「別な言い方をすれば、今回の襲撃犯は中村医師の何らかの行動を恨むか、または阻止するために襲撃したことになる。アフガニスタンの人々の命を助け、灌漑を行い不毛の地を農地としてつれるようにした中村医師。食と職ができるのだから、徐々に紛争が少なくなり、アフガニスタンは平和になるはずだ――日本人ならば誰もがそう思うし、中村医師が恨まれるはずがないと思うのも自然な感情だ。しかし、日本人の感覚とは異なる感覚が存在することがある】

そしてアフリカで政府援助で完成した道路を取材した宇田川氏は、【現地の自動車の修理工場は「この道路ができたおかげで、自動車の故障が少なくなり、商売が悪くなった」と言い、また、道路から離れている村の人は「道路が繋がったところの土地だけが栄えて、道路を造ってくれなかった我々の土地は、人かいなくなり物資も来なくなった。日本の道路のおかげで我々は貧しくなった」と、意外な評価か多かった・・・日本と一緒に仕事をしたところや、日本の道路に接している土地を持っている人だけが栄えることになり、そこに貧富の差が生まれる。当然、工事業者も入札で選び現地の業者と絡むことになるので、公平に選んでいるだろうが、しかし、現地の人々にとってみれば、日本人が来たことによって貧富の差が広がったという感覚になるのである。このような格差は恨みを買う・・・本来、日本の外務省や現地大使館は、そのような声を拾って日本政府に伝えるべきで、現地の格差が広がらないようにし、開発援助をしながら恨まれるような理不尽な怒りを買わないように対策を行わなければならない。

 しかし、相手国政府の上層部としか付き合うことがなく、また、開発援助を行った場合の周辺の生活の違いなどをしっかりと取材していない現地大使館がそのような声を伝えることはない。大使館や大都市から出ることが少ない大使館員は、現地の情報を得られず、その大使館や外務省の情報を鵜呑みにした現地企業の人々が、格差の被害者たちの不満のはけ口となり、悲劇に見舞われることが少なくない。現地大使館は、それらは事故、または現地のカントリーリスクとして認識するだけであり、自らの情報不足や取材不足という感覚がなく、またそのことが明らかになっても外務省や政府に正直に伝えることはない。

開発援助の良いところだけを伝え、現地の声としては、それで潤った人々だけを紹介するのである。・・・今回の中村医師の件がこれらのアフリカの開発援助と同じであると断言できないし、またそのようなことから襲撃されたと断定することもできない。しかし、一方で灌漑用水の整備と人道支援していたことにおいて、そのような逆恨みを受けていた可能性を排除できないのではないか。

中村医帥のような事件が発生した以上、国をあげて人道援助の在り方や世界各国の情報をどうするかを考える機会を持つべきではないのか】と書く。

そして【日本国憲法前文には「平和を愛する諸国民」と書かれている。しかし、世界は平和を愛する諸国民ばかりではない。自らの欲望や格差などの恨みを持った場合には、平和よりも争いを優先させる価値観を持つ人が出てくる場合が少なくないのである。

 外国でそのようなことに巻き込まれた場合の対処法は、日本国憲法には書かれていない。日本人の命が奪われるかもしれないという非常事態に対処できる憲法を日本は持っていないのだ。そのような場合にどのようにするのか、事件が起きてからでは遅すぎる。中村医師が亡くなった今日も同じような事件が再び起きないよう、日本人の人道援助という善意が相手国のすべての国民に通じるようにするため、どのように考えるべきか。

こういった議論がなされていないことは、日本の政治の劣化といっても過言ではない。

 世界各国で活躍する日本人がより安心して仕事かでき、そして日本に貢献するためにはどうしたらよいのか。日本にいながらできることは何か。考え、行動すべきではないか】と結んでいるが、全く同感である。

 その“劣化現象”は今に始まったことではないが、この半年を見ているだけでも急激に劣化しているように見える。

「花見の会」の“論争”は論外だとしても、外国企業への便宜供与などあきれてものも言えない。これが“副大臣”のやる事か!

委細は本紙をご一読願いたいと思うが、メディアもまた“事なかれ主義”に徹して、本音を書かない。こんな政治家の元で働かされる公務員もまた“劣化”を免れまい。つまり、国全体が“劣化”している兆しが透けて見える。

 

届いた書籍(WILL2月号)のご紹介

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宇田川氏の文は、表紙には紹介されていないが、307ページに掲載されている!。

中村医師の“戦死”に想う

七日、アフガニスタンで長年支援活動に携わってきた日本人医師、中村哲さん(73)が銃撃され死亡した事件で、AFPは首都カブールの空港で行われた追悼式典の模様を、写真入りで伝えたが、特に目を引いたのが、中村哲さんのひつぎを運ぶアシュラフ・ガニ大統領の姿であった

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遺体はその後成田に帰国したが、遺体が到着した成田空港のロビーには、在日アフガン人約60人が「感謝と謝罪の気持ちを伝えたい」と花束や中村さんの写真を手に集まり、死を悼んだ。毎日新聞によると、【在日アフガン人たちは直接、中村さんを見送れなかったものの、空港の駐機場でひつぎに黙とうをささげたバシール・モハバット駐日大使から状況を聞いた。日本に住んで約20年になる茨城県坂東市の自動車関連業、メンザイ・サレ・ムハマドさん(48)は「私たちは中村先生の命を守れなかった。遺族と日本人に申し訳ない。ごめんなさい」と語り、「先生のおかげで多くのアフガン人が助けられた。先生みたいな人はいない」と感謝の思いを繰り返した。

モハバット大使は取材に「守れなくて、こういう結果になって残念で、お悔やみ申し上げます。アフガン人はみんな中村先生のことを愛していたのでみんな泣いている。アフガン人それぞれの心に英雄として永遠に残るでしょう」と話した】と言う。

空港では空港職員が深く一礼したと言うが、所轄官庁の外務省が先頭に立って出迎えるべきだろう。副大臣が出迎えていたというが、それにしてもこれが“大国日本政府”の取るべき姿か?と残念に思う。仮にPKOで自衛官が“戦死した”場合だったらどうか?勿論手厚く出迎えてくれるだろうが、“民間人”だと大々的に出迎えない規定でもあるのだろうか?それとも中村医師の、過去における憲法発言か?納得がいかない。

他方九日午前、福岡空港に戻った時も、空港の展望デッキでは、九州在住のアフガニスタン人が数十人集まり「あなたは私たちのヒーローです!」「守れなくて申し訳ない」などと書かれた横断幕を掲げ、飛行機が到着すると、日本とアフガニスタンの国旗を掲げたりして多くのアフガン人らが中村さんを出迎えた。報道によると【佐賀県多久市のアフガン人ハジール・ジハンさん(46)は「中村さんが亡くなってアフガンの人も苦しいことを家族に伝えたくて、みんなを集めた」と話した】と言う。

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 福岡空港ではペシャワール会の関係者らが出迎え、村上優会長(70)は、遺体の帰国に「安堵した」と話し、時折涙で声を詰まらせながら、「本当に言葉がない。悲しいの一言に尽きる」と中村さんの死を悼んだ。

 成田でも、福岡でも、在日アフガン人らが集まって、心から中村医師の死を惜しんだ。中には「守れ無くで申し訳ない」と言う慙愧の念が書かれていた。その上、アフガン民間機は、尾翼に中村さんの肖像を書き込み「愛し尊敬してた」ことを表現したと言う。(朝日)

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【同国のカーム航空が哀悼の意を込め、旅客機に中村さんの顔を描いて国際線で飛ばしている。同航空によると、中村さんの絵が描かれたのは、エアバスA340型機1機の尾翼部分。6日のフライトから使われており、予定も含めた運航路線はインドやサウジアラビア、トルコ行きだ。さらにもう1機にも中村さんを描く予定だという。

 中村さんを描いた理由について、同航空のスライマン・オマル営業部長は朝日新聞の取材に「中村医師はアフガニスタンの成長と発展に多大な影響を及ぼした。私たちは彼を愛し、尊敬していたからだ」とコメントした。

 同航空は2003年に首都カブールを拠点に設立された、同国初の民間航空会社。通常、機体の尾翼には同航空のシンボルである鳥の絵が描かれている】

 これが素直なアフガン人の心を表したものであろう。そこには人間として共通した心の波動が感じられる。

 ところで日本は神の国であり、精神性を重んじる国柄の筈であった。昔は台湾の八田与一氏のような方が大勢いたが、現代日本人の中で「無私の精神」を国外で発揮したのは中村医師だけだったと言うことになる…

 まあ、国家に命を捧げた多くの英霊に対して、首相がポケットマネーで榊を送って済ませる国に成り下がっているのだから、ある意味、今回の私の目からすれば心のこもらない?出迎え風景は、当然の成り行きだったのかもしれない。

  

12月八日の日米開戦時に、当時の在ワシントン日本大使館では、暗号電報の翻訳などが遅れて、ルーズベルトの“罠”にまんまとはまる大失態を演じたが、その後、戦中戦後のどさくさに紛れて失態を演じた関係者は処罰されず、逆に大出世した前例がある。

 その時、東郷外相の事情聴取(昭和17年7月)に対して、井口参事官は「あれは自分の管掌事務ではないため承知しません…」と平然と責任回避しているが、その後東郷辞任でうやむや、戦後も吉田首相の時に当事者の一人であった森島守人総領事の具申により事情聴取が行われたが、政権交代でうやむやにされた。

そして、1994年までのこれに関する外務省の見解は、「戦争は軍部によって引き起こされたもの、通告の遅延は【現地大使館の怠慢】によって生じたもので、本省にはいささかの落ち度もない」と逃げていたが、翌年、外交文書が公開されるようになると、世論に押されたか「本省の体制上の不備も一因」と一部修正して逃げた。

 国家に貢献した国民をたたえるのは、公人も民間人も無関係であろう。アフガニスタンでは大統領自らが棺を抱えて中村医師の貢献に感謝し、哀悼の意を表したのに比べて、何とも血が通っていない気がするのは、伝統的な役所の仕来たりのせいか?

 中村医師は福岡高校の出身だと言う。すこしだけ先輩に当たるライバル高校出身者の私としては、遥か東京の地から偉大な”ライバル”仲間のご冥福をお祈りしたいと思う。アフガンの地で、エアバス機の尾翼から、自らが手がけた緑の大地をいつまでも見下ろしてほしい。合掌

 

届いた書籍のご紹介

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今月号の『巻頭言』に、「政治的公正に疲れ技術的特異点に向かう世界」と題して、「既存システムへの不満表明はデモから暴動へ」突き進んでいると、志方先輩は警告している。私に言わせれば、技術だけが先走りし過ぎて、肝心の「人間性」が置き去りにされているという事だろう。その意味からも現代社会は危険が迫っていると言えよう。香港は、トランプ大統領の素早い動きに救われたが…