軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

見逃せない“軍隊の劣化”

日本ではさほどニュースにならないが、気が抜けないのは各国で始まっている“軍隊の劣化”だろう。

その昔、友人である伊藤貫教授が、メールをくれ、「米国は衰退する」と予言した事があった。現役時代、三沢や沖縄などで、友軍たる米空軍初め、海兵隊や海軍、陸軍軍人及びその家族たちと交流した体験から、「政治家や文官たちはいざ知らず、軍人の精強さで比較している私としては、それほど悲観することはないのではないか?」と回答したのだったが、沖縄海兵隊のエルドリッジ氏が「規律違反?」で解任されて以降、あれほど精強さを誇っていた海兵隊幹部(大佐)の中にも利己主義な人間がいるものだ、と驚いたことがあった。

 その後伊藤教授は2012年に文春新書から「自滅するアメリカ帝国」を上梓したから、一読して感想を送ったが、彼は「私の関心は欧州にあります」と言ってきた。その時も、私としては米国の精強さを、軍隊を基準にしてみていたのだが、以前ほど精強さを感じてはいなかったものの、まだ「健全だ」と判定していた。

ところがどうだろう。

共同電によると「米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が昨年、トランプ大統領(当時)が中国に戦争を仕掛けることを懸念し、中国軍側と秘密裏に連絡を取って攻撃を行う際は事前に連絡すると伝えていたことが明らかになり、大きな問題となっている」と報じ、他のメディアも同じように伝えた。

 

在米の評論家・アンディチャン氏はAC 論説No.861で「ぶざまな崩壊が続くアメリ」と題して、『バイデンのアフガン総退却はアメリカの歴史始まって以来最悪の事態だと思っていたら、アフガン総退却から二週間もたたないうちにミリー統合本部議長(参謀長)が敵である中国の李作成参謀長に電話してアメリカは戦争の意図がない、もしもトランプが暴走するなら事前に伝えると約束した事件が起きた。

 バイデン政権が発足して八ヶ月だけでアメリカの崩壊はアフガン退却だけでなく、軍隊の参謀長が敵に通報するといった米軍の崩壊が起きたのである。こんな軍隊は最低、あり得ないことである(以下略)。』と書いた。伊藤寛氏の予言?が当たったのだ。

にわかには信じがたい点はあるが、私は前述のエルドリッジ氏と対談した時、彼は上司をあからさまに非難をしなかったが、理不尽にも彼を更迭した軍人も「人間ですから」というにとどまったから、この事案の裏にある、劣化?しつつある海兵隊の一端を知った気がしたものだ。

まさかこの時彼を失職に追い込んだ上司が、ミリー統合参謀本部議長だとは言わないが、沖縄で問題が起きた直後にワシントンに発令されていたというから、なんとなく「高級官僚」に栄転するのに問題を起こしたエルドリッジ氏が邪魔だったのではなかったのか?と、うがった考えがよぎったものである。勿論今回の統合議長とは無関係だろうが。

精強をもってなる海兵隊も、構成するのは人間である。私の沖縄時代のカウンターパートであったウエイン・ローリングス海兵隊司令官には到底及ばない。やはり人間!だから、”劣化するのもやむを得ない”のかもしれない。

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 ミリー統合参謀本部議長 現在63歳(インターネットから)

 

 

 処で今注目の人民解放軍の内部もでたらめのようだ。2000年から約10年間、日中安保対話を継続して日中間を往復しシナと会議をしてきたが、そのころから問題になっていたのは、退役解放軍将兵に対する処遇が実にお粗末なことであったから、各地で“退役軍人らによる暴動”が頻発していたものだが、いまだにそれに変わりはないようだ。

 9月17日の大紀元日本の報道によると【中国各地から200人以上の退役軍人が13日、北京にある中共中央軍事委員会の陳情受付部門「政治信訪接待処」に集まり、処遇の改善を求め陳情を行った。137人が強制連行され、記事掲載の時点でまだ釈放されていない。中には戦争経験者もいる。

 参加者は大紀元に対して、ほかにも大勢の退役軍人が北京に向かったが、途中で現地当局に連れ戻された、と話した。】という。

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中共中央軍事委員会の陳情受付部門の前に集まった退役軍人ら (大紀元日本)

 

もともと中国は共産主義専制国家であるから、将兵を”使い捨て”にするのも判らないでもないが、民主主義国の“代表格”である米国が、シビリアンコントロールを阻害する軍幹部」を放任するのは理解できない。

他方、シビリアンコントロールについては、どこの国よりも厳格なわが日本で、栗栖統幕議長初め、”舌禍事件”で自衛隊将官を血祭りにあげてきたわがメディアが全く問題視しない姿勢も理解できない。リベラルメディアの御都合主義ここに極まれりと言うほかないだろう。

そうか、わが国のメディアの方の”劣化の方が進んでいる”という証明なのか?

 

届いた書籍のご紹介

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航空情報11月号

特集「防災ヘリ」は有意義だろう。ドクターヘリもそうだが、民間で人命救助に当たる航空活動は称賛に値する。

ご一読あれ!

 

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HANADA11月号

今月も保守派の意見特集号?だが、表紙に紹介されてはいないが「日本言論界を動かす『地下水脈』:西尾乾二」は必読だろう。保守も左翼も、自分の思い通りに意見を国民に強要しようとする傾向が強いのはもともとだが、とりわけ左翼?反日?評論家の水面下における活動はすさまじい。

御巣鷹山事案など、自衛隊が関連した事案で、そのことを「広報室長」として直接体験した私にはよく納得できる。ぜひご一読いただきたい!

”日本人の魂の風化”と疫病の関係は?

9月14日号の「宮崎正弘の国際情勢解題」で、宮崎氏は「コロナ禍は何かの祟りではないのだろうか? 科学も医学も合理主義も、疫病解決に役立っていないではないか」と大意次のように疑問を呈している。

「疫病は崇神天皇以前にも頻繁に起きていたと考えられるが、記録としては、崇神天皇の時代が初で、しかも国民の大半が死んだとの記載があるような猖獗を極めた。

 神の怒りを懼れ、タケミカツジの子である「おほたたねこ」を神主として、三輪山に祈祷し、御社を造成したところ、疫病はやんだ。疫病は神々の祟りという認識が古代人には広くあった。

 時代はぐんと下がって聖武天皇の時代、平城京を仏都として造り替えた功績、大仏殿の造営で知られる聖武天皇は、じつは平城京の前にいくども遷都している。

 疫病と災害の原因は祟りだと考えていたからだ。(中略) 遷都の理由は旧来の風習を打破し、人事を一新し、守旧派と敵対勢力を追い出すためだったと歴史学者は賢しらに「科学的に」「合理的に」解釈したが、かような政治的理由はむろんあっただろう。

 しかし一番の動機はじつは疫病対策だった。そのうえ祟りを懼れての遷都ではなかったのか。皇位継承をめぐってのだましあい、謀、暗殺が続き、怨霊が漂っていた、と当時の人々は認識していた。(以下略)」

 そして最後に「令和の疫病は、それなら何の祟りか。いささか神懸かりと思われるかも知れないが、靖国の英霊を蔑ろにしているからではないのか。」と結んでいるが、私も全く同感で、コロナ対策で右往左往する関係者を見ていても、先人に対する「祈りの必要性」についての言葉は見当たらず、「美しい星」を書いた三島由紀夫に対して、高名な文芸評論家・奥野健男氏が「UFOなどといういかがわしいもの」を題材にした三島に不安を覚えた事に類似している様に思う。その後UFOは米国防総省に公認されたが・・・。

 それと同様に「祈り」とは前近代的で、非科学的なもの!と決めつけているのだろう。その割には、正月には3社詣をするし「日本は神の国だ」と発言する元総理もいたのだから、近代科学や医学にもいい加減なところがある様に思う。

 しかし政治家や科学者が信じて疑わない「近代医学」は、“新型コロナ”発生以来2年余の間、何の手立てもできず、ワクチン“業者”の言うがままに、国費を‟浪費”している感がしてならない。

 

宮崎氏が言うとおり、日本人は、伝統的に大事にしてきた何か大切なものを忘れてはいないか? それは先祖崇拝の精神ではなかろうか?

いささか旧聞に属するが、宗教学者山折哲雄氏は、2010年8月13日、「終戦から65年」の「正論」欄に「戦後の日本人の魂と風化の波」という題の中で、船村徹が作詞した「東京だよおっかさん」に触れ、こう書いていた。

 

【考えてみれば、二重橋も九段もきびしい戦争をくぐり抜けた重苦しい時代の記憶とかたく結びついていた。その場にたたずみ、数知れない犠牲者の霊にふれ、最後の観音様にお詣りして鎮魂の祈りを捧る。いってみれば二重纜と九段と浅草は、戦後の日本人の魂に不思議な喚起力でささやきかける共通の場ではないだろうか(中略) 二重橋の記憶が九段の大鳥居と重なり、そして浅草の観音さんのイメージのなかに溶かしこまれている。その歌の自然な調べが人々の心に深くしみ通っていたのであろう。日本社会の各層を貫いて地下水のように流れ続けてきた神仏信仰が、そのような形で戦後の日本人に蘇っていたのではないだろうか。

 二重橋ではかならずしも癒やされなかった心、九段でも悲しみの淵に引きずりこまれたままだった心か、浅草にきてやっと、はるかなる安らぎの声にふれるような体験が、そこにはひそかに息づいていたのではないかとも思う。一東京だよおっ母さん一のもっとも重心の低い部分で鳴っている静かな旋律が、そういうものだったのではないだろうか(中略)

 昭和41年6月のことだった。当時、世界の若者だもの心を制覇していたビートルズが来日して、世間を驚かせた。しかもその会場に選ぱれたのが、九段坂をはさんで靖国神社と向き合う日本武道館だったことが物議をかもすことになった。ビートルズという得体のしれない「黒船」にたいする一種のアレルギー現象だったのだが、しかし公演そのものは大成功のうちに幕を下ろしたのだった。このビートルズの最初にして最後の来日公演はファンはもとより、かれらに何の興味ももっていなかった年配者たちを含めて日本中の話題をさらったのである。

 やがて世紀の変わり目の平成時代に入って、小泉政権か誕生。首相の決断による靖国参拝」が火種となって、それがにわかに政治問題化していったことは周知のことだ。身動きならぬ膠着状態を生みだし、こうして今や、島倉千代子の歌う「東京だよおっ母さん」は時代による風化の波にさらされ、もはや誰の記憶にものぼらなくなっているのかもしれない。「ここが、ここが、二重橋」で、天皇という名の伝統と出合った体験が稀薄になっていく。「あれが、あれが、九段坂」で、眼前に彷彿する母親、死者そして先祖の面影にすがった旧世代の切ない気持もしだいに遠のいていく。そして「ここが、ここが、浅草よ」に、最後の魂の救いを求めた震えるようなかれらの慰めも、もう忘却の彼方に沈んでいるというほかはないのだろう】

 この名曲の「靖国」に関わる歌詞はNHKでは歌えなかった…とのちにお千代さんから直接聞いたことがある。NHKが“自主規制?”をしていたのだろう。

村上和雄・筑波大名誉教授も2013年年7月25日の正論欄に「祈りとは『生命の宣言』である」として「病癒す効果の解明が始まっている」こと、「遺伝子のスイッチに関係か」「思いもよらない力を秘める」などと書いている。

だから私は、宮崎正弘氏が「いささか神懸かりと思われるかも知れないが、靖国の英霊を蔑ろにしているからではないのか」という指摘には全く同感なのである。

9・11テロ20年と‟稚拙な”総裁選挙。どちらにも人がいない!

20年前の今日、アメリ同時多発テロ攻撃事件で約3000人が死亡し、25,000人以上が負傷、長期にわたる健康被害に加えて、少なくとも100億ドルのインフラが破壊された。

イスラーム過激派テロリスト集団アルカイダによって行われたこの攻撃事件は、世界を震撼させ、アメリカ政府は首謀者を捉えて裁判にかけるべく、アフガンに進攻した。

あれから20年、バイデン大統領はアフガンから米軍を引き上げる際、「アフガン軍が戦わないのに米軍が戦うことはできない」とその理由を述べたが、撤退時期を誤ったことは否めない。米国の歴史に汚点を残す大統領になってしまった。この時、日本人も30人以上が犠牲になっているのだが、すでに忘れ去られているように見える。

他方、軍事力を放棄したその日本では、国家安全保障上、欠かせないのは武力であることを知りながらも、依然としてわが政府は「平和憲法」にしがみついている。

そして今や「総裁選挙」に現を抜かしているが、コロナ禍で散々もてあそばれた国民のほとんどは、白け切ってそのさまを横目に見ている。

口だけ男らに期待はできないが、今日の産経は「敵基地電磁波や衛星で無力化」と高市議員が発言したと報じている。

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頼りない“男ども”には任せておけない!というのだろう。本当に戦後の男は“玉抜き”になり下がった。

産経抄もこう書いている。

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産経抄氏は「友愛だとかウソをつかない政治だとか、きれいごとを臆面もなく語る政治家は信用しない」と断言したが、国民も同感だろう。

北朝鮮にらちされた者を救う、救うとは口先ばかりで、米国大統領など他国の首脳を頼りにして自ら解決しようとはしなかった例が、その事をよく示している。

小泉始めこれに関わった歴代総理は万死に値する。

拉致事件解決は他国にまかせっきりだったじゃないか!そのくせ「ブルーバッジ」をいとも努力しているかのようにつけていて、その実“同情票を集めよう”としているだけである。こんな“やわな国”に誰がしてしまったのか?

今日の週刊誌ウォッチングで花田氏が、縷々解説しているが、それによると大いに問題があるのは自民党だけじゃない。

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読売、新潮、文春などが皇室の”スキャンダル”を取り上げているが、それには「暴走婚」で「皇室」崩壊という見出しがついているらしい。

恐れ多くも、大半の国民は口にこそ出さないが、同感していることだろう。

線香花火のように、一時的に燃え上がることはあろうが、冷めた後はひどく孤独になる予感がするが、ご両親様の“理解ある態度”が吉と出るか凶と出るか…

 

それにしても今年は世界中で大混乱が起きると思われる。新型コロナ対策が最優先!だとして総裁候補を蹴った菅総理には後に起きる数かすの不穏な動きをどこまで察知していたのかしらん?と気がかりである。

それにしても”先代総理”と”現総理”は、無責任に政権を放り出す点では似ていたのかも?

 

 

届いた書籍のご紹介

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軍事研究誌10月号

「市谷レーダーサイト」欄に北郷源太郎氏が「この国は何度敗戦すればいいのか」という一文を書いている。総裁選候補所とその取り巻き連中には、ぜひとも読んでもらいたいものだが、そんな暇はないだろう。若手にも恐らくいるまい。GHQの毒が完全に回っているのだから、ちっとやそっとのことじゃ気が付くまい。

やはり、○○しかないのだろうなあ~

 

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WILL10月号別冊

誰もが表紙の見出しそのままだと感じているのだが、親中派議員や親中派外交官には馬の耳に念仏だろう。これでも気炎を吐いているのは女性陣が目立つ!

いくら”絶叫”しても変わらないのだから、筆者は虚しいだろう…

政治家たちよ、パラリンピック参加選手を見習え!

早9月、朝夕はすっかり秋の気配である。自然界は人間の愚かな行動をものともせず、規定通りに動いていることを思い知らされる。

哀れな人間どもが「熱いの寒いの」と自己中心的に動いているだけで、人の一生は全ては「仏の掌」なのだと思う。

 

さて、国家の危機的状況下で、二兎を追った菅政権は、どうやら五輪を無事?終えて残り1兎となったが、なんと息切れしたか政権を投げ出した。

軍隊でいうと指揮官タイプと幕僚タイプは異なるから、幕僚長的官房長官時代は、事無く過ごせたものの、全責任を負う立場の指揮官である総理は勤まらなかったようだ。もっとも、魑魅魍魎がうごめく世界、有能で献身的な幕僚に恵まれなかったということもあるだろう。味方ぶっていても必ず「足を引っ張る者」が出てくるのがこの世界の常だからだ。総理が信頼?していた幹事長だって、自分の身が第一なのだから、用が済めば切り捨てる、それが政界の“掟”だといえる。特に“老人”程始末に負えない者はない。

次を狙うドングリが並んだようだが、いずれも帯に短く襷には長い欠点がある。この際、いっそのこと勇気のない男性から、ブレない女性に代わってみるのも手じゃないか?

 

今朝の産経に、桜井女史が「アフガン失態・憲法の束縛」という一文を書いている。

まさにこの通り、この国の無様な姿は、決断できない男どもの勇気のなさから来ていると言っても過言ではない。とにかく、GHQ憲法に毒されて、あるいはそれをいいことに逃げ回るのが、男どもの常態になってきていた。

事なかれの役所、特に外務省は伝統的に”お公家様”的気風があり、イラクの時も、ペルー大使館テロ事件の時も醜態をさらしただけだった。とても邦人保護ができる役所だとはいいがたい。

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これらは全て「戦争を放棄して」‟料亭での宴会に現を抜かす男どものふやけた姿”と重なってくる

何もない時は威張り散らして強がるが、一旦ことがあると縮こまって“大人の後ろに隠れる”ガキ大将を思い出す。

 

コロナ一つ退治できなかった厚労省も、お粗末の域を出ない。ダイヤモンド号の失敗からすでに2年たつのに、これは「生物兵器戦争だ」との認識もない。この国は衰退を続けるだけだろう。

 

ところでパラリンピックは、障碍を持つ選手たちの信じがたい努力で“健常者”の度肝を抜いたように思う

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これは競泳男子の鈴木孝幸選手(34)の姿だが、5体満足な癖にかっぱらいや殺人に明け暮れる男どもに見せてやりたい一枚だ。これこそが「生きる為に努力する!」という人間としての崇高な証なのだ。今朝の産経抄氏はこう書いている。

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世界の選手の中には、戦争で機能を失った選手が多かったという。もともと五輪競技は、締めくくりとなるマラソン競技が、紀元前450年に起きたマラトンの戦いでギリシャが勝利したことを記念したものであるように、短距離走、幅跳び、円盤投げ、砲丸投げやり投げなど殆どが戦に関連した種目が並んでいる。

前回の東京五輪では「日本選手の中に傷痍軍人が含まれていた」とあるが、私が子供のころは、街には傷痍軍人が溢れていて、ハーモニカやアコーディオンを器用に演奏していたので驚いたものだ。

戦争を放棄した現代日本に「傷痍軍人」は存在しないが、世界にはまだ存在するのである。この現実を視聴者はどうとらえていただろうか?

私はアフリカの選手の中に腕や足がない選手を見た時、多分紛争で失ったのだろう、と見ていた。日本ではさしずめ交通事故か。

なんとも複雑な感情を抱きつつTVを見ていたが、それにしても選手が一様に明るかったころに救われ感動した。

 

五体満足でバッヂをつけた方々よ、少しは彼ら、彼女らを見習って、“本気で”いい仕事をしたらどうだ?

 

 

届いた書籍のご紹介

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「世界のUFOレポート大全:宝島社¥1320」

国防総省が動画を公開して以降、今まで”オチャラカ番組の代表”であったUFO番組が、真剣に取り組まれるようになってきた。すでに以前から米国では、ディスクロージャープロジェクトが進行していて、遅かれ早かれ、UFO問題は真剣に見直される時が来ていた。

私も講談社から「UFO」目撃談を上梓して以降、TVや雑誌の取材を受けたが、そのほとんどは”オチャラカ”番組で、お笑い芸人による軽佻浮薄な司会によって視聴者を笑わせるだけの低俗番組に陥っていた。しかしこれからはそうはいくまい。当時のプロデューサーなどの顔が見たいものだ。

今回も宝島社から取材を受けたが、非常にまじめで取り上げ方も良かった。この直前に、米国のCS放送番組「ヒストリーチャンネル」からもTV取材を受けたが、質問の内容がかなり高度だった。

時間があればご一読あれ!

大陸で何かが起きている!第2の文化大革命か?

 「パラリンピックとコロナ騒動」それに加えてアフガンから、邦人を保護することなく大使館員が最初に脱出した事件など、目を覆いたくなる事変が次々と起きているが、わが政治家とメディアは自民党総裁選や、次期衆院選の予想などに血眼になっている。

この国は、世界の常識からかけ離れていてどこか軸線が狂っていると感じてきてはいたが、狂っている程度のものじゃなかったことがよくわかる。

国家の安全に携わる情報本部は何をしているのだろう?

対外情報機関を持たない”平和国家”だけあって、コロナ騒ぎでも生物戦争的意識が極めて薄く、今回のアフガン事態でも政府の動きは極めてのろかった。要するに「決断」出来ない”おっさんたち”の集合体、つまり烏合の衆が、己の生業を確保すっるために派閥を組んで、総裁選などとうつつを抜かしているに過ぎないドタバタ劇が、われらが”選良たち”の実態なのだ。メディアもその程度だ。

善良な国民は早く目を覚まさねばならない!2年たっても収束できないわがコロナ化対策に期待していても始まるまい。

 

今、アフガンなど国際情勢は危機に瀕しつつある中で、意図的か否かは知らないが、中国内部情報は全く報じられていないが、中共政府内部の闘争は極めて熾烈で、習近平と、江沢民、曽慶紅派の戦いも遂に芸能界を巻き込んだ、”文化革命”の状況に似てきているのだが、わが政界にはせいぜい「芸能レポート」的認識でしかないのが気がかりである。

 

香港が崩壊した時、意識ある人たちは次に何が起きるか予測していたはずだ。そう、開かれた「言論界」の封鎖だけにとどまらず、人民に影響力を持つ文化活動=「芸能人の粛清」である。

勿論高名な芸能人を粛正して、多額の資産を没収することも中共政府の目的だろうが、とにかく「気にくわない、敵対勢力はことごとく始末する」のが、中共政権の伝統なのだ。

これから有名な女優や俳優たちの”亡命”が始まるだろう!

 

今時の壮年層にはご記憶がないかもしれないが、1966年から1976年までの10年間、紅衛兵なる輩が、文化人と貴重な文化財を破壊して回った武力闘争で、翌1977年に一応終結宣言が出されたものの、その間は、これら”輩”が読めもしない文章が羅列された「毛沢東語録」なる赤本を翳すだけで、語録が”バイブル”だったのである。

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私も昭和40年9月に北京発行の物を手に入れ、読んだものだが、裏表紙には【毛主席の著作を読み、毛主席の話を聞き、毛主席の指示通りに事を運ぼう】と「林彪」の指示が書かれている。その林彪毛沢東から逃げ出そうと試み、非業の死を遂げたのは有名な話だが・・・

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つまりこれは「文化大革命」という看板の裏で青年たちを利用した熾烈な権力闘争、文化大革命を装った「毛沢東の奪権運動であり、政治闘争」なのであった。

習近平はこの当時紅衛兵の一員であって、記憶の中に残っている当時の”快感?”が忘れられないのであろう。

だから革命の「復活」を始めたのだと思われる。

大陸の歴史は、政権闘争の歴史でもある。お人よし日本人は、日本人的発想でしかとらえられないが、その陰惨極まりない実態は、タリバンよりも過酷な、想像すらできないものである。

 

情報によれば、青年時代に”唯一?”学んだその”闘争”を近平氏は遂に開始したようだ。

 

物理的軍事力の整備と、情報能力を高めて対処する必要があるが、今のわが政府には不可能な”分野”であろう。

せいぜい「台湾有事」に備える程度だろうが、友好国である米国は弱体化しているし、何よりも今回のアフガン”大チョンボ”でそれどころではあるまい。

 

自分の国は自分で守るのは大鉄則である。

大陸で始まっている「芸能人の大粛清」事案が、次にどう影響してくるか、”上品?”な外務省には見当もつくまい。

いっそのこと、これからの情報は、週刊誌、とりわけ「芸能週刊誌」に一任?するのが手っ取り早いかもしれない・・・

 

届いた書籍のご紹介

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航空情報10月号

巻頭の「ブルーインパルス、五輪を描く」は当日見えられなかった方々も楽しめるのじゃないか?

T-4ブルーの創設に携わった私としては、感慨無量である。当時は”左翼陣営”から、基地上空での訓練禁止!を申し込まれたが、「あなた方以外に、多くの町民が希望している」と拒否したことがあった。”護憲センター”という輩だったが、今どんな顔をして”見上げている”のだろうか?

 

戦争は開戦よりも「終戦の方が大変なのだ」

予想以上にアフガンの崩壊は早かった。現地はもとより、世界中が慌てふためいている。

こうして“指揮官の軽率な言動”で、味方に犠牲者が出るのだ。バイデン大統領は、その意味で“指揮官”にふさわしくない。米国民はトンデモ男を“選んだ”ものだ。

それとも反米勢力の“陰謀”だったのかもしれない。

彼には開戦の責任はないと思われるが、終戦の構想をどう立てていたのか?と疑問がわく。

不思議なことに米国では、一見平和的な”民主党政権”が戦争を引き起こし、闘いを好むと?言われる共和党の大統領が、尻ぬぐい役になる事が多い。アフガンのしりぬぐいは「トランプ」氏になるのかも??

軍事力を放棄させられているのに、後生大事にそれに従って行動しているわが政府、特に外務省のお粗末さには、毎度のことだとはいえ、腹立たしくなる。外交官=お公家?と勘違いしているようで、我が外交官の判断力がお粗末なことは驚くほどだ。

しかし、イラク紛争時には「奥大使」というツワモノがいたが、なぜかテロリストに殺害されてしまった。死後2階級特進して、参事官から大使に特進したが、彼は東大出ではなく、早稲田出身のラガーだった!

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以前、仲間と自衛隊を主体とした「拉致被害者救出作戦」を検討したことがあったが、結局わが国独自では不可能で、米国の、特に情報と救出後の支援が不可欠だと結論付けたことがあったが、今やその時よりも「コロナ作戦」を見れは自明なように、我が政府の「戦闘能力」はゼロに近いことがうかがえる。歌を忘れたカナリアどころじゃなく、「戦闘を忘れた男(政治家)たち」とでもいうべきか!

彼らは今やそんなことよりも、己の保身に忙がしい!選挙に落ちればただの“おっさん”になるからだ。

 

処で五輪に続いてパラ五輪が開催されているが、五体満足な人間たちが、殺し合いに明け暮れているのに、彼らは「懸命に生き抜いて」いるから色々と考えさせられる

彼らの懸命な姿をみていると開催されてよかった!と感じる。

 

しかし、習近平国賓招待に気を取られ、すべての疫病対策が後手後手に回った我が政府は、あろうことかコロナ禍の中で五輪を実施する選択をした。決心した以上、双方ともに「成功」させねば、後世の笑いものになるだけだろう。

老兵は「お手並み拝見」を決め込んでいるが、結果はうまくまとまりそうにない。すさまじいツケが国民に降りかかってこなければいいが・・・

政治家らの無能を国民の血税で贖うこと」にしないでほしいものだ。

アフガン事態から、彼らは何を学んでいるのだろう?と案じているが、いつも通りなのだろう…

この秋以降は、世界中に混乱が巻き起こると思われる。

 

 

届いた書籍のご紹介

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「丸」10月号

特集の「扶桑」型戦艦」は読みごたえがある。大東亜戦争時には旧式戦艦として出撃し、レイテ沖海戦で散華した。

それにしても人手不足の中、自衛隊はよく頑張っている。空自はアフガンに派遣されたが、どれほど部隊にしわ寄せがきているか、政治家らにはわかるまい。これほど国民の支持があるのだから論功行賞として、人員増強に踏み切ったらどうだ!!現役諸君は誰も言い出せないだろうから、老兵が代わりに吠えることにする。メディアや政治家らは「最新軍事セミナー」を熟読あれ!

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「丸別冊」

貴重な写真が多い。中でも、私が感動したのは1式陸攻による船団攻撃で、肉薄する陸攻の写真と、多分その時に撃墜された陸攻の写真である。私は現役時代に、千歳空の1001空の皆さんと懇意になり、貴重な資料をいただいたのだが、その中で撃墜されたクルーの死闘が目に浮かぶ。

猛烈な弾雨の中、突撃する1式陸攻の勇姿

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洋上に不時着すると駆逐艦が接近してきて掃射され、その後はサメに襲撃され、生き残った乗員は、はるかガダルカナル島に漂着し、続いて島での陸兵の凄惨な死闘を目撃する。

撃墜された1式陸攻

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涙無くては読めない戦記だ。機会があれば連載しようと思うが。

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「特攻回天「遺書」の謎を追う:大森貴弘著・展転社¥1500+税」

帯にあるとおり、歴史に向き合う姿勢を問う。むしろ「反戦的創作」が蔓延する中にあっては有益な書だといえるだろう。歴史を捏造するA社の出版物を見るがよい!

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「WILL」

いつも通りの政治評論?雑誌。世にはびこる”リベラルバカたち」の実態をとくとご覧あれ!

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「HANADA」

作者の皆さんお元気だな~と感心する。桜井女史も「韓国MBC捏造報道」にお怒りだが、あの国の正体はとっくにわかっているはずだ!相手にするほどのことはない!自滅が待っているだけだから。

「剣はペンより強い」ことが証明された!

東京五輪も無事?に終わり、メディアはメダルラッシュ!と大騒ぎしているが、メダル獲得数は1位「米国 113」、 2位「中国 88」であり、日本は58で3位だという結果だったが、まるで日本が1位でもあるかのようにメディアは騒ぐ。

しかし、ドタバタ劇はあったもののどうにか‟公約”を果たした関係者は一安心だろう。唯我独尊、自己満足だと言えなくもないが、大会は、ボランティア始め、下部の組織(現場)が支えたので成功したと私はみている。

軍隊に関する有名なジョークに、世界最強の軍隊は「アメリカ軍の将軍、ドイツ軍の参謀、日本軍の下士官」で構成された軍隊で、最弱の軍隊は「イタリア軍兵士、日本軍参謀、中国軍の将軍」というものがあるが、今回の五輪はそれに当てはまりそうだ!。

つまり日本軍の下士官(兵も含む)は、歩兵と言ったくらい一日、4,50キロ徒歩行軍する程身体頑健で、しかも、教育水準も高かったので高度な独自の判断力を備えており、その上団結力と玉砕を辞さない敢闘精神に満ちていたからだ。

 

さて次はパラ五輪だがどうだろう?多分これも下が支えるので成功するだろうが、それよりも、二兎を追った菅首相は、残る一兎のコロナ対策で苦境に立たされている。まるでミッドウェイ作戦を見ているようだが参謀たちよ、しっかり指揮官を支えてくれ!

 

処でアフガン政府が崩壊してタリバンが権力を奪取した。米軍が撤退すると宣言して以降、タリバンの動きは素早かった。更に米軍が供与した多数の兵器が政府軍によって横流しされていたから、戦力は逆転していた。しかしバイデン政権は「歴史に学ばない」で国民の人気取りに徹した。いかにも民主党らしい無責任さだ。その結果、中央アジアに火種を作ってしまった。

 

私は靖国会館での講演で「アメリカの独善的戦法」と題してこう語ったことがある。

  • 力で独裁者を倒して暫定政権を樹立し、
  • 兵力を撤退、または一部維持要員を残留させてアメリカ式の“民主的?な”選挙を行い
  • アメリカ式(気に入る)民主主義国家を構築する。

しかしこの方式には欠点がある。

  • 現地の風俗宗教は度外視し、同一レベルだとして処理する。
  • 基準にする「情報源」は「英会話が堪能な現地人」を徴用し、
  • その後本国の政権が交代すると、政府要員の申し継ぎはなく、新大統領側近が新規に対応する(政策の不統一)

つまり打倒後の対象国の将来のビジョンが描けない。こうしてダラダラと継続するからやがて国内に厭戦気分が高まり選挙が焦点になる。そして“事業”を放棄するという悪循環に陥る。その実例には事欠かない。例えば、

1、1949・10・1蒋介石を切り捨てて毛沢東を支持へ⇒大陸の共産化

2、1949・12・7蒋介石、台湾・台北に亡命⇒台湾問題の生起

3、1950・1・12アチソン国務長官発言(アチソンライン)⇒6・25朝鮮戦争勃発

4、1955・ヴェトナム共和国(通称南ヴェトナム)成立

5、1964・トンキン湾事件米軍の介入(ヴェトナム戦争)

6,1971・「アルバニア決議」可決、中華民国国連脱退、中共国連参加

7,1972・2ニクソン訪中、米中和解⇒やがてソ連崩壊

 

その背景には一国覇権主義。軍事力“過信”、人種差別などがあるがこれは「過度の民主主義」と「人道主義」が足を引っ張っているからであろう、と私は解説した。

さてアンディチャン氏のAC通信によれば、

「今のアメリカは違法入国、麻薬密輸、人種差別、白人原罪論、殺人犯罪の増加、大幅なインフレなどに続いてアフガン撤退と大使館の緊急撤去が起きた。バイデンは就任して七ヶ月で続けざまに危機を作り出したが責任を負わず全ての危機に対策も講じていない。まことに憂慮すべき状態である。」とある。

 

国際情勢の危機は米国の時のリーダーの資質が大きく作用しているというべきかもしれない。

サイゴン陥落時同様、空港から逃げ出そうとするアフガン市民の画像を見て、わが政府はどう感じているだろうか?

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武器を持つものが政府を支配する!教養は無関係!「TVから」

 

複雑怪奇な国際情勢においては、少なくとも最後の最後は「力が支配する」のであり、「ペンは剣より強し!」などとは言ってはいられないことをわが国民は悟るだろうか?

無教養だが、銃を持った男らが強いのだ!昔のペルー大使館占拠事件を忘れたか!

教養人?のはずの大使らは何もできなかったじゃないか。

 日本人よ早く目を覚まそう!!