軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

"専守防衛論者”に聞かせたい

【米政府は5月31日ウクライナ軍に新たな高性能ロケットシステムを提供すると表明した。より長射程の兵器を求めるウクライナ側の要望に応じる一方、事態の激化を避けるため、ロシア領内への攻撃には使わない条件をつけた。バイデン米大統領は同日の米紙への寄稿で、ウクライナの紛争への米国の関与のあり方を説明。このなかで武器支援はあくまでウクライナ領内での防衛目的に限る考えを示した

つまり、米国が提供するこのロケットは、「敵地攻撃」ができない「専守防衛兵器」である。バイデン大統領は、そういったのだが、ロケットは、推進薬(燃料)を増加すれば飛距離は増加する。マ、それはいいとして、ウクライナを侵略して、国土を灰燼に帰しつつあるロシアに対して、ゼレンスキー大統領は「一矢報いたい」であろう。米国はそれをさせまいとしていろいろ気を使っているようだが、ロケット攻撃される側のロシアとしては、痛くも痒くもあるまい。自分の重要防護目標には届かないことがハナから約束されている?からだ。つまりバイデン大統領は武器は提供するが、ウクライナに対して「専守防衛」を要求したのである。

これを聞いて私は、我が国の「専守防衛論者」はどう感じていることだろうと気になった。やはり「米国も専守防衛」を要求しているのだ!などといい気分になってはいまいか?

これではウクライナ戦争の終結は望めない。やはり米国は武器売却で一儲けする気だ!と思うのが、一般的な解釈だと言える。どうせ、代理戦争、ワシントンにはロシアからミサイルは飛んでこないのだし、むしろそのために飛距離を制限して提供するのだ、という大義名分が生きてくるから、米国民はバイデンは平和主義だ!と理解しているかもしれない

他方、この戦争でわが国が考えるべきことは、「専守防衛主義では、攻撃する側が非常に有利なのであり、防御側は戦勝が望めない」のだという実例を学ぶべきだろう。だから我が国は『盾と槍』の関係で、自衛隊は防御作戦に任じ、安保条約を締結している米国が敵地攻撃を実施するのだ!と防衛関係者はいうのだろうが、バイデン大統領の今回の武器供与でそれが非現実的だと分かるはずだ。

連日訳知り顔でTVに登場するコメンテーターは、ウクライナ戦争でどちらがどのエリアを支配し、どう動いているか、などという戦況ばかりを解説しているが、わが国の安全保障に密接する問題の解説はなされていないように見受けられる。もっとも「憲法上の制約」が自衛隊の行動にとって大問題で、速やかに破棄、または修正すべきものを、”意図的に”避けて通っている気がしてならない。

防衛費をGDPの2倍にせよ、という政治家はいるが(ありがたいことだが)防衛作戦の見直しを進めようという意見はあまり聞かない。

国民は、北朝鮮がなぜミサイルをどんどん?撃つのか。それを防ぐだけで北朝鮮は攻撃をやめるのか?ということには気が付いていない。政府もただ見守る?だけだ。

改めて同日会見した米政府高官が【「ウクライナが、ロシア領内の目標に対してこの兵器を使用しないと約束した」と説明した】ことの意味することを熟読玩味してほしいものだ。

ところで私は今、「断捨離中」だが、偶々平成26年に書いた論評が出てきた。捨てる前にその作文をここにご紹介しておきたい。

ウクライナ戦争と北朝鮮のミサイル発射行動。そして江沢民派✙胡錦涛派と習近平派の泥沼の権力闘争に明け暮れる隣国の政争など、国家”不安全”保障環境にとり囲まれたわが国は、この機会をとらえて確実な防衛体制を完備しておく必要があるのだ。

政治家や公務員、財界人たちは何時まで「極楽とんぼ」でいる気か!給付金詐欺に見られる緩み切った官公庁の後手後手に回る対応ぶりを見ていると、肝心な紛争事態発生時の対処にどうも安心できないので老婆心ながら…。

むしろ「ウクライナが”平和憲法”をもっていなかったから侵略されたのだ!」という日本人が未だに多いのかも…

楽して儲けた悪銭は身に付かず

今の日本は、上から下まで「いかに楽(苦労せず)して(大金を)稼ぐか」に精力を使い果たしているようだ。気がかりなのは、政府がコロナ禍で支給した給付金を、”悪知恵”を働かせて、10億という高額な詐欺を働いた一家や、情けないことに中央官庁の役人たちも給付金詐欺を働いていたことだ。尤もそれが許されている状態の方が不思議に思われる。取り締まる役所の機能も働いていないのだろう。

松下幸之助は「額に汗して働くことは尊いが、額に汗もせず涼しい顔で働く姿はもっと尊い」と言ったそうだが、「効率よく」とは言っても、人間の“欲”には限りがなく、「汗して働かなかった金は、悪銭身に付かず」であり、ますます深みにのめりこむものだ。

詐欺事件が絶えないのは、“余分な?”金を持っている「欲深い者が引っかかる」からで、石川五右衛門が「世に盗人の種は尽きまじ」と言っている事に通じる。

他方、1981年に三和銀行茨木支店に勤務していた伊藤素子が吹田支店、豊中支店、新橋支店、虎ノ門支店等で合計1億8千万円を男の架空口座に入金した事件があったが、私はこれがこの種事件の始まりだと思っている。何よりもこの事件以降、指先一本でどんな数字でも簡単に打ち込めるようになったから役所では給料袋がなくなり、給料は「銀行振り込み」になった。当初、私は毎月働いた実感がわかず、息子などは「銀行がお給料をくれるの?」と家内に聞いたそうだ。組織としては事務処理は簡単になり助かっただろうが、“関係者”にはミスが続き、悪事を働く者にとっては実に好都合だっただろう。

「額に汗して働く」とは「働くこと(労働)」の例えであり、「額に汗もせず涼しい顔で働く」人間は、元々「そんな性分」を持っていた者が多いという風にも思える

やはりサラリーマンは、“実感”として、働いた給料を受け取る感覚を片時も忘れてはいけないのではないか?

さて、産経新聞は一面トップに「人へ投資100万人能力開発」「成長産業を活性化」と報じた。

資源がない我が国は、昔から有能な国民とその努力でなりたってきた。人こそが「資源であり、財産」だったのだ。それが正常ならざる『国際化』の波に呑まれて、大切な「人」の育成をおざなりにしてきた結果、このような「額に汗して働くことはダサく阿保らしい」「楽して儲けることの方がスマートだ」と勘違いした思想?を植え付けられてきていた。

そして今や「働けど働けど我が暮らし楽にならざり」と嘆いた石川啄木のような生活になり、いっそ「涼しい顔で楽して大儲けしよう」とする青年たちが増えた気がする。つまり“悪事に走る”者が増え、「実業」が‟虚業化”したのである。

しかし、誰かが額に汗して労働しなければ、お米も野菜も、魚も食卓には並ばないのだ。それまでも「バーチャル」で構わない気か?

政府はそのことを頭の隅に置いてこの「成長戦略」を実行してほしいものだが・・・

ところで私は今、米国の「ヒストリーチャンネル」のとりこになっている。UFOもそうだが、「古代の宇宙人」は非常に興味深い。そこに出てくる古代遺跡のなんと壮大なことか!

ユンボ―も、クレーンもカッターさえなかった?時代に、あのような巨石文化が世界中にあったのだと思うと、わが目を疑う。

ところが先月末の産経に、「完全な『太鼓』埴輪出土」という記事が出た。私は記事の中に「現代と変わらない当時の太鼓の形が分かる貴重な資料だ」とあったので、この文化財保存課技師の意見が「当然現代人は優れており、古代人は進化していないはずだ」と考えているように聞こえ、少し違和感を覚えた。私には古代人の方がはるかに現代人よりも優れていた、と思われるからである。ピラミッドしかり!果たして‟現代人”の古代人感は正しいのか?

私には一概にそうだとは思えない。確かに技術は進歩したから器材は優れていると思うが、大昔にはもっと進んだ技術があったのではないか?とも思える。古代人と現代人の差は、現代人の方が、進化?した器材を盾に、古代人を見下し傲慢になっているような気がしてならない。

三沢時代、亀ヶ岡遺跡を見学した際、近所でレプリカを作成していた方と面談したが、「遮光器土偶は1000度以上で焼かれていて完全なセラミックだが、当時は松の木が燃料だから700度くらいしか上がらなかったはずだ。不思議だ」と言ったことが忘れられない。

 

月だ、火星だと、科学者たちは喧しいが、足元にある古代遺跡や地中、海中の謎を解明する方が先ではないだろうか?と最近は考えさせられている。

滅びゆく領土欲旺盛な“大鑑巨砲主義国”

 習近平が、政敵・江沢民の支配する上海の市民いじめを続けている上海は、民主主義国からの国民と、民主主義に慣れ親しんだ上海市民が、次々に国外脱出を図りゴーストタウン化しつつある。香港の”悲劇”を見るようだが、政敵追放を図る‟主席”だから手を緩めないだろうから、結果は見えているだろう。この国は「共産専制主義国」であり「民主主義国」ではなく、言い換えると「党員主義!国」であり、共産党員以外は人間じゃないのだから、常識人は住みにくいはずだ

 長年しみ込んだ、近代的で“民主化”された”おしゃれな”上海市民は、彼にとっては目障りだったのだろう。やがてこの国には反乱?が起きるだろうが、少しも驚くまい。

 大量破壊兵器としての生物毒素兵器を研究し続けている”有名な”武漢研究所では、今度は「サル痘菌」の開発に成功したようで、西欧諸国での「実験」を終え、宿敵・米国に散布しているようだが、やがてこれも“ブーメラン”のように、生産地にも蔓延してロックダウンせざるをえなくなるだろう。まさに自業自得、天網恢恢疎にして漏らさずという結果になると思われる。日本も水際作戦で撃退しなければなるまい。少なくともシナからの観光客は阻止すべきだろう。

 

さて、ウクライナ戦争だが、二十四日の「正論」欄に評論家・西尾乾二氏が「領土欲の露骨なロシアの時代遅れ」と題して書いているが、まさにその通りだと思う。掲載するからぜひご一読あれ!

 しかし、わが国の政官界の見苦しさは、ロシア以上に「金まみれ」であり、細田衆院議長の発言と破廉恥行動に見られるような「劣化!した国会議員たちの醜さ高級官僚の目に余る劣化!」には言葉もない。投票率50%である理由が良く理解できるというものだ。

 

 西尾氏は「5月10日にフィンランド首相が突如来日した目的」は、「日本政界の泰平天国の呑気さ、平和主義こそが自国の強さの根拠だという、いわれのない日本人の妄想が不思議でたまらず」現場で確かめたいと思ったのだろうが、岸田首相も「自分は広島の出身だから」と出来の悪い高校生みたいなことを言うな、と手厳しい

 広島と、続いて投下された長崎の二カ所に出動を命じられ救援活動に当たった、元陸士59期の大先輩から聞いた話だが、大やけどして水を求めてくる市民のほとんどが「過ちを繰り返さないでほしい」ということなく一様に「兵隊さん!敵を取ってくれ!」と懇願していたと聞いた。「敵は取ってやるぞ!」と聞くと何人もの国民が息を引き取ったが、それを見て「やり場のない怒りに震えたものだ」とよく聞かされた。

 現在のウクライナ国民も全く同じ気持ちだろう。広島出身の岸田総理は、このような多くの犠牲者の残した同胞たちの恨みの言葉を知っているか?

 もっとも日本の評論家がプーチンに「妄想を捨てよ!」と意見しても、馬耳東風だろうが。

 わが国周辺の“指導者たち”は、私に言わせれば「時代遅れの大艦巨砲主義」に凝り固まっている連中にしか思えない。 領土を大陸から少しでも遠くに移動できないのが残念だが・・・

 

 

届いた書籍のご紹介

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HANADA7月号

今月の総力特集は106ページにわたる「プーチン敗れたり!」である。高市早苗女史と櫻井よしこ女史の健闘も目立つ。戦後日本の男子崩壊?を表しているかのようだ。

「百万円しか貰っていない!」など愚痴る細田さん、しっかりしないとポストを失うぞ!!認知症の初期的症状かも…ご注意あれ!

 

WILL7月号

こちらは「『プーチン敗北』に王手!!」と来た。ロシア軍は「愚連隊」ともあるが、「殺人鬼」の間違いじゃないか?

この2冊をP氏に贈呈したらどうだろう?大使館の“スパイ”も退去させられた後だから、入手していないのじゃいか?

私はそれよりも、「秋篠宮』――その慄然と困難」の方に関心がある。ご関心のある方は、ぜひご一読あれ!

この国は”本当に危ない!”

友人の岩田氏の勇気ある今後の健闘に期待したい!

 

開戦は”楽”だか、終戦は”困難”だ!

ロシアのウクライナ侵攻作戦は、3か月たったが、白黒の決着がついていない。中には年内続くという説もある。

 ロシアの方は被害が少ないが、攻め込まれたウクライナの方は、殆ど焦土と化しているようであり、国外に避難した国民も600万になるという。まさに“甚大な損失”を被っているわけで、インフラの復興はじめ、国の活動が回復するまでには相当な‟出費”を要するだろう。とりわけ青少年が被った物的、精神的損害は、簡単には復帰できないと思われる。

 もとより攻め込んだロシアの方も甚大な損失を被っているようだ。

 古代ギリシャ人は「欲望と怨念は戦争の卵である」と言った。更に「軍隊ほどもうからないものはない。しかし、軍隊が無ければ、もっと儲からない」とも言っている。だから一部の識者が言うように、この世に絶対的平和を望むならば、「生存と欲望と怨念を捨てる以外にはない。さもなくば、強いことが絶対なのだ」大相撲の“照ノ富士”のように

 処で”超大国ソ連の血を継いでいる?ロシアが、予想以上に苦戦しているのを見た国の中には、「意外に健闘しているウクライナ軍」を見て勢いづいているて、「この際諸悪の根源を始末せよ」と?意見も散見されるが、米ソ・2超大国という、間違った認識が定着してきたことが一般的国民には“隠ぺい”されてきたのだ。

 1970年代の米ソ対立のころ、SALTを担当していた私は、外務省で情報担当官を務めていた旧陸海軍人に良く指導されたものだった。彼らは軍事専門家らしく、ソ連軍の実態を見抜いていて、「佐藤君、自衛隊ソ連のこけおどしに騙されてはいないだろうな?」とソ連の大演習情報などを繊細に解説してもらい、どうしてアメリカがこんな反応(ソ連を対等に)をするのだろうか?と訝ったものだが、それは米国の“基幹産業”たる軍産複合体が政府をうまくコントロールしているのであり、その影を見損なってはならない、とも釘を刺されたものだ。

 今、ウクライナ戦争でNATO諸国が余剰兵器?の“在庫一掃セール”に励んでいる姿を見ると、さもありなんと実感する。

 処で旧ソ連が“旧式な戦略”から脱皮できていないのは、クラウゼヴィッツ戦争論から、レーニンが学んで得たことに関係している。彼は「政治の軍事に対する優越」「敵戦力の殲滅」を特に重視し、「そのために敵に優越する戦力の確保」というドクトリンを作り上げた。つまり「戦力の絶対的な優越」にこだわり続けたのだったが、レーガン大統領に見抜かれ、ソ連は経済的破綻を招き、遂にソ連邦は瓦解したのであった。

 常に米国を意識し、数の上でも武器の大きさという面でも、常に米国(NATOを含む)に差をつけて安心していたのである。しかし時代は急速に進歩し科学技術は大きく進展した。小型、高性能武器の発達である。勿論通信機材の進化も進んだが、頑迷固陋なイデオロギー主義にこだわるかの国は、軍事思想的には進化しなかった。私にはあれほど宇宙技術を進化させたのに、不思議でならなかった。

戦争論」には【「戦力の優越」には二通りある。絶対的優越と、比較的(相対的)優越である。前者は国家・政府が決定するものであるが、絶対的優越(敵の10個師団に対して12個師団、ミサイル100発に対して120発)というような絶対量の優越は、政府の予算や同盟内のやりくり等ではほとんど期待できないものが実態である。そこで将軍が最も留意するべきことは、決定的なポイントにおいて比較的(相対的)優越を維持することなのである】

プーチン氏はこの「比較的優越」という要点を読み落として(読んだことはなかろうが)絶対的優越を「部下に求め続けて」いたので、ついに自滅するに至ったようだ。

今更同盟国?を集めても、時すでに遅いし、それほどの力を持った国も当たらない。

まずは自分自身の‟健康回復”から始めた方がよさそうに見える。入院して、じっくりと「戦争論」を読むことをお勧めしたい!

 

マリウポリ「陥落?任務完了?」共産国家の悪あがき!

18日の産経は一面トップに「マウリポリ任務完了」という見出しを付けた。

 これに対して、一部の識者は「陥落の事実を西側の政府やメディアは認めようとしない」とクレーム?をつけた。

ゼレンスキー大統領が陥落を認めない証拠としてアゾフ大隊が抵抗を続けている事実を挙げていたが、そのアゾフ大隊が抵抗をやめて、主力は“降伏した”のだからマリウポリは陥落したとしか言いようがない」という「従ってゼレンスキーを支持する西側はマリウポリの陥落を認めない」のだというのだが、認めるも認めないもあるまい。

更に要衝の陥落が「戦略的に重要な意味を持たないわけはない。要はウクライナ軍の敗北を知らせたくないのだ」というのだが、別の見方もあるのじゃないか?

 孤軍奮闘してきたアゾフ大隊にゼレンスキー大統領が「5月9日のロシアの対独戦勝記念日まで何としてでも持ちこたえよ」と作戦指導をしていたとしたら、「任務完了」という表現が”戦略的”に正しかったということになりはしないか?  

 マリウポリを陥落させることができず、苦戦していた?ロシア軍としては目的を達することができないまま、“最高指導者”は戦勝報告ができない記念式典を迎えることになったわけであり、式典の規模も縮小せざるをえなかったのだから、アゾフ大隊の抵抗は「戦略的には勝利したと言えると思う。

 

 さて問題は、ゼレンスキー大統領が企図したウクライナの英雄は生きている必要がある」とする、生還の希望だ。おそらく相手が約束を守らない国柄である以上、大東亜戦争「シベリア送り」になったわが将兵や民間人らと同じ運命をたどるのではないか?という危惧である。マリウポリから脱出?出来た市民の中には、すでに「辺鄙なロシアの最果てに」送られている者もいるという。

 今後は国際機関が良く見張る必要があると思うが、その点がなんとも心もとないのが、西側の弱点だと言えそうだ。

 プーチン氏の予想に反して、戦闘期間が大幅に伸びたほか、ロシアは経済的にも大きな損失を被ることになった。

 何よりも、一番恐れていたNATOフィンランドスウェーデンが加入したことであろう。「藪を突いて蛇」とはこのことを言う。

 ところでウクライナ戦争の陰で、沈黙を続けていた北京政府だが、強引な都市封鎖が各所で問題を引き起こし、混乱を招いているようだ。上海もそうだったが、遂におひざ元の北京で、北京大学生による、デモが起きたという。丁度1964年当時の「天安門広場事件」を髣髴とさせる事件で、学生寮に“監禁”させられている学生が不満を爆発させたという。

 

 その昔、日中安保対話を続けていたころ中共政府は「保八」を厳命した。即ち、GDPの伸び率8%を維持せよというのである。来日していたシナの大学教授に「8%を切ると「“知識階級”の筆頭である学生たちが反乱を起こすから政府はそれを危惧しているのではないか?」と質問したら教授は言下に否定したものの、同行してきた研修生らがその発言に対して薄ら笑いを浮かべたので、私は確信したのであったが、ある中国の研究者は「役人は必ず帳尻を合わせる報告をするのでノープロブレムです」と私にウインクした。

 しかし今回は「帳尻合わせ」だけでは済むまい。学生たちは、政府の指導に明らかに反発しているのである。

 その上、今年3月に、132人死亡した旅客機が「垂直に墜落した事故」は、共産党幹部が多数乗っていたため、意図的に誰かが操縦室に入り込んで墜落させたことが判明したが、そのニュース映像が中国国内では“遮断”されたという。

TV画像から

そうでなければあのような「降下姿勢」は取れない。主翼が残っていた以上、空力的には困難だからである。多分、搭乗した共産党幹部らに敵対するグループが実施したものだろう。形を変えた「自爆テロ」だ。党幹部でなければやすやすとコックピットに入ることもできまい。加えるに、今年に入って中国の軍用機が10機墜落し、7名のパイロットが死亡しているが、その原因も内部抗争のあおりだという。

中には墜落した戦闘機のパイロットが”白人”だったという情報もあるが事故現場は封鎖されたらしい。

インターネットから

 

ロシアは意図した「戦争に失敗」し、中共は下手な「国民いじめ」で、混乱が起きているようだ。

そんな状況で「台湾を攻める?」ことができるのかな~

 これは、世界大乱というよりも、「共産党国家内の」の混乱の証であり「年貢の納め時」というところかもしれない!

 ロケットマンを含め、お三方は気が気じゃないだろうな~

 

“狂人”に支配を許す世界

 家内が手塩にかけて育てていた「バラの花」が、一斉に開花した。しかし残念なことに走り梅雨?のせいで、折角開いた花弁が、しなだれている。しかし、花々は人間を裏切らない。季節が来ると必ず努力にこたえてくれる。ものを言わないだけに愛しく感じる。人間を癒してくれている存在なのだろう。

 しかしそんな態度は「人間様」には通用しないようだ。

それも社会を指導?するべき立場にあるものほど、自分が所属する「社会」を裏切って恥じない。病気であるという証拠なのだろう。きっと”黒星病”の一種なのかもしれない。

 ここに何度も書いたことだが「現代史を支配する病人たち(P・アコス、P・レンシュニック共著:ちくま文庫)」の序に、著者はこう書いた。

「歴史上常に重大な役割を演じてきたのは、狂人、妄想家、幻覚者、精神衰弱者、精神病者である。生まれの偶然から絶対権力を握るに至った場合に限らない。(中略)別の点では確かに彼らの性格の病的特徴に負うところが多い。それは成長の仕方がアンバランスで、ある種の欲望ばかりが異常に強くなり、他人を従える力、世の中の抵抗を打ち破る力を与えてくれるような唯一の目標に向かって、やみくもに、突進するという特徴であろう。」

 そして世界の代表的な指導者26名の実例を挙げて「診断」しているが、ではどうすれば、一般国民はその“被害”から免れるか?という結論としては、結論の「医者の守秘義務とは?」「権力乱用に対する国民の正当防衛とは?」に詳しく書かれている。

 ウクライナ戦争を仕掛けて“予想通り惨敗を喫しつつある「ロシア‟皇帝”」は、その注目の的であり、胃癌を患っているとか、重度のパーキンソン病だとか、色々と“噂”されているが、やがて「現代史」入りするのだろう。

プーチン大統領・インターネットから」

 4年余の戦闘機操縦教官の経験から、私は”学生たち”の人相に関心を持つようになったが、その人相学上から見ても彼は「少なくとも‟戦闘機操縦者”には不適」だと感じている。しかし被害を被る国民の側から見ると、P・レンシュニック氏の様な医学の専門家は「医者の立場としての守秘義務」に少なくとも疑問を持っているとしてこう書いている。

【この例から次の結論が出てくる。秘密を守る義務が他のすべての義務や権利に優るという考え方は不合理であり、不正でもある。しかし、どんなつまらない権利だろうと、これを守るためには、秘密を守る義務を犠牲こしてもよい、という考えも納碍できない。したがって、秘密を守る義務と発表する義務(もしくは権利)との間の、二律背反を調整するためには、相対立する利害を常に考量してかからねばならない。(中略)このバランスの判断は、次の一事に尽きる。「この違反によって侵害される利益と、少なくとも同じくらい大きいものでなければ正当化されない。(中略)

 法的にはどちらとも決められない場合や何も法的規定がない場合、残る手段は、一般原則に照らしてみて、秘密発表が正当か正当でないかを決めることである。はっきりした規則がない場合、医者が自分で、発表すべきかどうか決めてよいと思われるが、その時でも、必要最小限に止めて、それ以上のことは絶対に洩らすべきではない。

 刑法だったら、ちょうど、正当防衛を適用すべきか緊急避難を適用すべきか、と迷うような場合も出てくる。はっきりした利害の衝突がある時、すなわち、患者側の重大な利害が、第三者や公衆の利害と対立する時には、医者が自分だけで独断的にことを決めるわけにはいかない。秘密を守る義務を免れるような正当な方法を探すべきである。公衆の利益を守るために秘密発表が不可欠ならば、医者はこの方法に頼って良いと思われる。」と結論付けている。そしてさらに「したがって、元元首の心身状態の調査は、好奇心や一般的哲学的関心の発露ではなくて、全市民の正当防衛の問題となっている。この意味でこそ、本書にこめられたメッセージが読者に理解されたいと望むものである。

本書の目的は、元首たちの隠れた面をあばくことではない。いくつかの国では、権力を行使することが麻薬のような作用をし、それなしではいられなくなっていることを理解させる目的でこの本は書かれた。諸制度が本当に民主化すれば、再びシンシナトゥスのような例もあらわれるかもしれない。

シンシナトゥスは栄光に満ちた政治生活を終えて田舎に引きこもっていたが、元老院の議員たちの頼みで、独裁者の地位に着かざるを得なくなった。ローマに非常な危機が迫っていたが、瞬く間に勝利を博した彼は、その後すぐに辞任し、畑仕事に戻った。(以下略)」。

 結局は「人間」が生み出したものなのだ。

 一般国民に犠牲者が増加し、国内の破壊行為が続くウクライナだが、まもなく勝負がつくだろう。

 P氏が「病気治療に専念するか」はたまた回復すれば、再びモスクワに戻って、心神喪失を味わうか?

 創造主と人間の歴史は黙ってその”ふさわしくない”行動を凝視しているのだろう。我が家の“復活したバラの花”のように無言で・・・。

 

 

宇宙時代の幕開けだというのに…

「人のうわさも75日」とかいうが、ウクライナ戦争は3月14日に侵略が開始されて、既に3か月に及ぶ。P氏の予想が大きく外れたからかロシア軍の戦闘状況にも大きな錯誤があり、あの大国が「苦戦」と報じられる始末。ご本人は気が気じゃあるまい。嘘つき”ロシア”の実態がバレたこともあり、誰からも信じられなくなってきた。

英国発の情報によると“愛人”にまでも愛想をつかされたらしく“勝手に身ごもった?ようで、それを聞いた”彼は「誰の子だ?」と怒り心頭に発しているというから、“皇帝陛下”にも裏切り者が現れたのだ。P氏も単なる“○○ぶら下げた革袋”だったわけでまるで“喜劇の一幕”を見るようだが、攻め込まれて殺戮されているウクライナ国民は笑う気もしないだろう。

そろそろわがメディアにも“疲れ?”が出てきたようで、まるで素人のユウチューバー並みの繰り返し画像が定着してきた。

 他方、世界中に人工疫病を蔓延させて、多くの犠牲者を生んだ武漢肺炎の方は、この機に決着をつけようとしたのか発祥の地である中国では「コロナを封じ込めた」と豪語していたが、どっこい、ブーメランさながら吉林株、長春株という“新型”が続々と発生して、中共政府の手におえなくなってきた。人民解放軍の「実験成功!」じゃないのか?

 そして吉林省諸都市に続いて、経済の心臓部である広東省、上海も都市封鎖、首都北京も封鎖する始末。

 鳴り物入りで宣伝に相務めた「中国製ワクチン」に、全く薬効がなかったことも判明した。この国も「嘘つき国家」なのだ。裏で「派閥抗争」が盛んなのだろうが・・・

 そんな中、中国の元ウクライナ大使が、こんな発言をしたそうだ。ウソをつかない高官もいると感心したが、早速発言を削除されたという。やはり、政府は“嘘つき”なのだ。

 こんな嘘をつく政府の指示に従って、餓死している市民は不幸だと言わねばならない。お気の毒に…

 

 問題は我が国の対応なのだが、憲法改正もままならず、コロナ同様“右往左往”している雰囲気がぬぐえない。

 今日の産経「オピニオン」欄に、考えさせられる記事が出ていたからご紹介しよう。まず筆頭の「銃を持つ女をしり目に花見かな」という川柳?がよくわが国の“実態”を描いていて感心?した。真面目な国民は被害国民に同情して支援活動をしているが、ほとんどの“大衆”はTV観戦をするにとどまっているようだ。物理的にやむを得ないが、身に迫りつつある「脅威」に対しても、余り関心はなさそうに見えるから心配だ。

 筆者の桑原記者は「人間という存在への諦観で『こんなことを繰り返すのなら、いっそのこと人類は核戦争で絶滅した方が良いのではないか』という考えがふとよぎるのだ」というが、地球人が宇宙を破壊する資格はどこにもない!既に三島由紀夫が喝破して小説化していた。(「美しい星」)

 そしてP氏が「自分の奴隷になったがために、引くに引けなくなった独裁者の末期的な姿にしか映らなかった」と書いた。更に「人間いつかは死ぬが、こんな男の道連れにされるのはごめんだ」と結ぶ。

これが大方の正常な“人間”の感想だろう。冗談じゃない!!

 偶々一面に「国際チーム」が、「ブラックホール撮影」に成功したと報じられていた。人類は「宇宙の一員」として地球上に生きてきたのだ。P氏如きにいいようにさせてはならないのだ。これからは宇宙時代なのだ。

 

 今回の戦争でもし核兵器が使用されると、核兵器を持てば「他国への攻撃の後ろ盾」になり「非保有で平和を愛する国」は侵略者の餌食になるのだということを証明したことになり、北朝鮮のような「核兵器信奉国」が誤解してますます自信を持つ事になりかねないし、中国のような国が核威嚇をちらつかせながら通常戦力を過信して侵攻を行う可能性が高まるという懸念である。

 活発に行動している?岸田首相の指導力に期待したい!

 

届いた書籍のご紹介

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島嶼研究ジャーナル(¥1100:島嶼資料センター刊)

海洋に関する専門書だが、今回の記事では「竹島でのアシカ漁師の集合写真」が貴重であると思う。