軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

これでは「後継者」は育たない!

昨日、都心の友人に転居挨拶に行った際、自由が丘に古くから住む農家で、老婦人が「転居先の田舎はいいでしょう。人情があって。ここは自由が丘とは名ばかり。全く情けない環境になった」という。地主でもあるので借地人とのいざこざは絶えないが、「自己の権利を主張する」住民が増えて気が晴れないことが多い、という。
そばから娘さんが、敷地の角にある「お地蔵さん」について語ってくれた。古くからこのお地蔵さんをお守りしていて、「K地蔵」という名義の貯金通帳をつくりお賽銭を管理しているのである。毎月かなりの額のお賽銭が記録されていたが、それは昔のこと。いまや月平均3桁程度に落ち込み、逆に「賽銭泥棒」が跋扈しているという。その上、お地蔵さんの前に整備している花壇から、高価な花の苗が「根こそぎ」持ち去られることもあるという。「お花の苗に関心があるということは、たぶん女性でしょうね」と家内がいうと、老婦人が「だから情けないのさ」と言った。
 一同、人心がそこまで低下しているのか!と情けなくなったが、そんなことは毎朝新聞を読めばわかること。少しも驚くにはあたらない、と私は彼女たちを「勇気付けた」。学歴や社会的地位なんぞ判断材料にはならないのである!

 今朝の産経新聞は一面トップで「福井日銀総裁」の「村上ファンドに対する拠出事例」を掲げている。昨日のテレビで、彼は自分の「儲け」が今の時点でいくらあるか不明である・・・と国会で答弁していたが、そんなことでわが国の経済を指導できるのか知らん?
ブログのコメント欄に、「村上氏とハーバード・・・との関係」をあげて、国際的な陰謀であるとのご指摘をしてくださった方がいた。もしや福井総裁も日本経済を手玉に取るためのゾルゲや尾崎秀美のような存在では?と言うのではあるまいが、福井氏に少なくとも「村上氏」という人物の評価が出来ていなかったことだけは確かであろう。せめて人物評価は出来なくても、経済評価をしっかりやってほしいものである・・・
 ところで今朝の「産経抄」には考えさせられる。
「『勝てば官軍。負ければ賊軍』とはよく言ったものだ。頼みもしないのに受信料を取りにくるテレビを筆頭に、各メディアがサッカーW杯に出場した「青きサムライたち』をこれでもかと持ち上げ、膨らみきったジーコジャパンへの期待は初戦の完敗でみるみるしぼんだ▼にわかファンたちが口角泡を飛ばす居酒屋談義では、梅雨で曇り空が続くのも、株価が乱高下するのも、少子化に歯止めがかからないのも、みんな下手な采配をしたジーコのせいだ、といわんばかりの勢いで批判の矛先が監督に向いている」
 日本人の悪しき性格をよく表現しているが、大東亜戦争もこれと同様であった。初戦で大戦果を挙げた「皇軍」をもてはやし、「皇軍の向かうところ敵なし!」「若鷲、OO機葬る!」などと連日新聞は国民を煽った。東条首相を持ち上げて「よいしょ」したのも新聞であった。
それが敗戦になると、すべて「軍部が悪かった」「東条が悪かった」と口をそろえ、自分たちの罪状は完全に無視し、今や「極東裁判」の影響だと責任転嫁する。極東“復讐”裁判の影響から脱出できないのは「日本人自身」ではないのか?人のせいにするのは昔からマスコミの特技だったらしい。産経抄は言う。
「サッカーと戦争を比べるのは不謹慎極まりないことぐらい百も承知の上だが、敗戦がどれほど惨めかはサッカーファンならずとも身にしみる。戦後60年以上たっても、首相が靖国に参るだけで他国から悪罵を投げつけられている▼中国や韓国が『軍国主義の復活』と言い続けるのは両国の国内事情もあろう。それより理解できないのは他国に迎合して、無宗教の追悼施設を作るため首相の靖国公式参拝を『憲法違反の疑義がある』と明記した中間報告をまとめた『国立追悼施設を考える会』の議員たちだ▼このヒトたちには『靖国で会おう』と国や家族を守るため心ならずも散華した人々への感謝の念があるのだろうか。会長は下半身スキャンダルで週刊誌をたびたびにぎわしたセンセイである。少なくとも小欄は、こういう人物に靖国問題について指図は受けたくない」と書いたが全く同感である。
戦争であれスポーツであれ、負ければ「おしまい」である。何も「参加することに意義がある」などと紳士面してのたまうことはない。これは「弱者の負け惜しみ」「負け犬の遠吠え」に過ぎない。もちろん「勝者がいれば敗者」もいることは当然だが、戦争との違いは、「復活」が容易であることぐらいであろう。
最初に書いたが、この国の指導者たちの中には、不用意?に不適格者が混じっている。自分の利益獲得に熱心な日銀総裁、他国の国益のために「自国の戦没者」を貶める元首相、これじゃ「後継者」は育つまい。情報によると、このセンセイがどうしてこんなに彼の国のために熱心なのかというと、その原因は彼の国の女性との間に「隠し子」がいるからだという説がある。真偽のほどは定かではないが、そんな弱み?を握られたのじゃ「国を売る」のも当然なのかもしれない・・・
しかし、子供たちはじっと大人たちの行動を見ているのである。こんな連中が「国の指導者」にいるのだから、中には「それにあやかりたい」と思う子供たちも出てくるに違いない。石川五右衛門じゃないが、これじゃ「悪の種」は絶てるはずがない。
お地蔵さんのお賽銭を盗むと言う行為は、無宗教者の行為である。高価な花の苗「だけ」を引き抜き去る人たちは自分さえよければいいと言う利己主義者である。こんな連中が増えたことと指導者の無自覚ぶりとは決して無縁ではあるまい。大人たちの「無教養ぶり」に唖然とする毎日である。