軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

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日本列島を襲った豪雨の被害が広がっている。特に長野県は酷かったようだが、次の県知事さんが「治山治水」を念入りにされることを期待したい。県民はそれを望んでいるだろう。

ところで、世界は急激に「不安定化」に進んでいるように感じる。
中東の「戦争状態」に関しては、多くの方々からコメントが届き、特にテロリストたちへの「武器提供」の裏にある事実が浮かび上がってきている。
「自主防衛」は国家戦略の基本なのだが、武器の研究開発、調達はじめ、軍事を「悪」と思い込んでいる日本の現状では、空論に等しかろう。そのくせ経済大国としての「プライド?」から、「米国」一辺倒と言うのも面白くない。そこで国内には各種の「珍説」が生まれる。
小沢さんともあろう大政治家が、19日の外国特派員協会の講演で「現時点で北朝鮮が日本を攻撃し国際社会を敵に回し戦争を始めるとは考えていない。敵を定め事前に攻撃できると言うのは、あまりにもむちゃくちゃな暴論だ」と切り捨てたと言う。(「敵基地攻撃は暴論・・・産経5面)
北朝鮮が日本を「攻撃」している証拠に、「不審船事件」が多発し、「麻薬、偽札事件」が多発し、「100人を越えるといわれる国民が拉致されている」事実があるではないか。これは明らかに「形を変えた戦争」であると言えるが、氏の「認識」と「戦争の定義」が聞きたいものである。
よもや北がわが国に「宣戦布告」をして、「堂々の輸送船部隊」が波を蹴立てて日本海を進攻し、上空には、これまた「堂々の戦爆連合飛行隊」が轟音を響かせて進撃してくる・・・などとお考えではあるまい。「意思と能力」の問題だとよく言われるが、北は数年前から「東京を火の海にする」と「宣告している」ことをまさかお忘れではあるまい。彼の意思は既にはっきりしている。後は「能力」だが、ノドンはすでにわが国の全域をカバーできるだけの「能力」を持っていると、今回の「実験」でも十分推定できる。こうなると後は「GO!」だけであろう。
そうなったら「国連に提訴」するらしいが、国連はあの体たらく、今回「珍しく」安保理が一部機能した程度に過ぎない。
小田原評定が続いている間に、国民は死んでいく。降りかかる火の粉は「自前で」払いのけるしかないのが21世紀になっても通用する世界の「定説」である。

私が「隠遁?」している多摩地区の国立市では、「無防備宣言」を否決した(産経27面)。「国立市の市民団体『平和都市条例制定をめざす会』(家坂平人代表)が、条例制定の直接請求に必要な有権者の50分の1を越える4362人の署名を集め、6月下旬に直接請求したことを受け、今月12日に市議会に条例案が提出された」そうだが、条例案は「無防備地域への攻撃を禁止したジュネーブ条約追加第1議定書などを根拠に「市内の軍事施設の建設を認めず、住宅以外や商業地域での軍人・軍用物の存在を許さない」と明記。「無防備地域宣言」を行って、市民の生命と財産を守ることを目的としている、ものだと言う。国立市の上原公子市長は「無防備宣言が市民を守る最も有効な道」などと、市長としては異例の賛成意見をつけて提出していた、という。
いまだにこの地方の都市ではこの程度の「認識」だったのかと、その「極楽トンボ」ぶりに開いた口もふさがらないが、そういえば「極楽トンボ」と言う漫才コンビの一人が、少女淫行罪で捕まったという。この種のトンボは「国立市」にも4362匹飛んでいるらしい。
私は元自衛官だから、軍人だと言いきれるかどうかわからないが、もしこの条例が通っていたら、国立市には住めなかったのか知らん・・・これは体のいい『差別宣言』ではないのか?『貴様ら、何様だと思っているのか!』などと、下品な言葉は絶対に言わないが、「まじめな振りしてやっていることがピンとはずれだ。ほかにやることはないのか!」とは言っても構わないだろう。
 19日の本会議では自民・公明が「空想的な条例。無防備で平和と安全が守れると言うのは性善説」などとして厳しく批判。上原市長とその与党は、「憲法9条」を持ち出して反論、かの共産党でさえも「単なる非武装主義に組することは出来ない」として採決に欠席したらしい。結局賛成少数でこの条例案は否決されたが、市長は「否決は残念だが、平和政策を進める上で弾みになった」と述べたと言うから、どんな弾み?なのか伺いたいものである。きっとイスラエルに飛んで「非武装宣言するように助言」し、ヒズボラを集めて「非武装都市は攻撃していけないとジュネーブ条約に書いてある」と説得される「弾み」になったのだろう。韓国の大統領じゃあるまいに、いい加減に目を覚ませと言いたい。
こんな「輩」が生息しているのが日本国の現状だから、2年半もの過酷な任務に耐えて、サマワから無事帰国することになった陸上自衛隊の隊員たちを、国民がどのように迎えるのか興味がある。
陸自、帰国は日航機(産経30面)」という小さな記事は、第1陣の約200人が迷彩服でJAL機に乗り込み、今日午前に羽田に着くことを報じているが、「約2年半の派遣期間で、約5500人の隊員が日本とクウェートを往復しているが、JALや全日空は、乗員組合が強硬に反対してきたため、外国民間機をチャーターしたり、通常の定期便や政府専用機を利用していた。今回の撤収命令を受けて輸送調整をしたが、5月には中国政府の介入で中国民間機が「ドタキャン」されたため、「国を代表してイラクに赴く隊員に申し訳ない」との意見が自衛隊自民党などにでて、JALへの期待が高まっていた、のだと言う。
この例ひとつとっても、何が「国連中心でものが解決されるのか?」「宣言すれば平和が保てるのか?」明白であろう。
いい歳をして、少しは「現実を見つめよ!」と活を入れてやりたいが、それさえも無駄なような気がした今朝の新聞記事であった。