軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

小泉首相の参拝を高く評価する

昨夜、ある方から、首相の参拝は決定したが、多分午後になるでしょう、と電話があった。私は早朝だと考えていたから、今朝7時半に官邸を出発することをテレビで知って安心した。午後、というのは全国戦没者追悼式典終了後ということになる。私はそれはありえないと考えていた。第1、天皇陛下に対して無礼になる(天皇は御親拝を控えさせられている)。第2、式典終了後「ついでに」との感覚は、英霊に対して失礼である。第3、例年、正午が靖国神社の大混雑時刻である。一般参拝客の混雑の中を「掻き分ける」様に進むことは、小泉首相の本意ではなかろう。
そうなると午前中、しかも早い時間だということになる。
テレビをつけて「待ち受け」していたところ、7時半・・・という情報が入った。出発から、官邸での記者会見まで通してみたが(各社のチャンネルをひねりながら)予想通り、見事な参拝行動であった。特に、最後の記者会見は「絶賛」に値する。
今までの「参拝首相」は、記者団に囲まれて、なんとなく「中国・韓国に気兼ねしたような、中途半端で人気取り?」目当てのような話をするのが常態だったから、参拝の真心がどうしても感じられなかったのだが、今日の小泉首相の会見は、信念に裏打ちされて、毅然たる態度で堂々と信ずるところを述べていたから「感動した!」。
靖国神社に祭られることは永遠にないが、現役時代に「ふと考えた」ことが多かった、戦闘気乗りの私にとっては、ここまで来るのに61年もかかったか・・・と感無量だった。
その後の各社の報道をしばらく見ていたが、TBSはダメージコントロールに入りつつあるやに見える。NHKも、あきらめた?のかもしれない。
往生際が悪いのはテレ朝だが、TBSから引き続いてテレ朝のスタジオ入りした加藤代議士の所信は、ただただ「中国の顔色ばかり」伺っているようで、中国にとって彼は確かに「貢献者」なのであろうと思った。
5年前に、首相が公約した15日を「11日に首相と会って15日以前に変更させたのは私だ」と粋がっていたが、当時の報道によれば、11日に「相談」したとは思われない。13日に「突然」変更を余儀なくされた首相は、散髪にも行かず、SPや警備担当者、警視庁にも連絡する暇さえなく、夕方に靖国神社に直行した、とある。当然、神社側も驚いた。11日に決められていたとしたら、必ず情報は漏れて参拝も困難になったに違いない。マスコミも13日に「奇襲」を受けたはずだから、「11日説得説」には、なんとなく『富田メモ』的保身の匂いを感じる・・・
面白いのは、中国・韓国を使うだけ使って“視聴率アップ”に貢献させてきた“反米”のテレ朝が、こともあろうに、米国の、しかも親日的なアーミテージ氏を使ってまで、靖国問題にいちゃもんをつけようとする態度である。遊就館アーミテージ氏が見学したとは思えないから、これは誰かの入知恵だろう。とにかく使えるものは主義主張にかかわらず利用する、のがマスコミが不信感をもたれる理由なのだが、アーミテージ氏利用、などはその典型である。もっとも、先帝陛下まで利用するのだから、国籍も主義も異なるアーミテージ氏を利用することなんぞまだかわいい?方なのかもしれないが。
 私には「控えめ」に感じられる遊就館が、軍国主義を強調する「軍事博物館」である、というのなら、中国の各地にある軍事博物館を見るが良い。日本人に対する「敵意」を丸出しにした虐殺記念館のおぞましさといかがわしさは言うに及ばず、各地の軍事博物館では、日本軍から没収した各種兵器を陳列し、子供たちが「人殺しの兵器」に群がって、色々操作して喜んでいる。そしてそれを親たちが嬉しそうに眺めているのである。中国はデズニーランドもなく、子供たちの遊び場に不自由してし、一人っ子政策だから、子供たちを溺愛している親が多いからとはいえ、靖国遊就館がそんなに危険思想で凝り固まっているというのなら、中国の博物館長に「こんな軍国主義教育を小さい時からすることは子供たちの成長に良くない」と諌めてやったらどうか?
それはさておき、国民の反応を知ったテレ朝も、そろそろダメージコントロールに入ることだろう。今後が楽しみである。
面白かったのは、世界の反応と称して、新華社が「強硬な遺憾の意」だかなんだか知らないが公表したとか伝えていたが、朝日新聞社屋内にある「新華社支局」が、直ちに打電した「ヤラセ」ではないのか?
王毅大使は帰国中、事前に「15日参拝は避けられない」と判断して、「テレビ各社からコメントを求められるのを回避するため(加藤氏談)」帰国したらしいが、既に中国政府もダメージコントロールに入っていると見て間違いない。大使が帰任したあと、その動静を注意深く見る必要があろう。
韓国はいつものように騒ぐだろうが、どのような変化を示すか、大いに関心があるが、長くは続かないだろう。騒げばノムヒョン大統領の立場が微妙になる。

戦後61年にして、ようやく靖国神社を「政争の具に使う愚かさ」を、国民は感じ取ったはずだ。いや、感じていなかったのは「政治やたちとマスコミ」だったといえる。彼らの意識(時代感覚)は非常に遅れていると思う。
「鎮魂」こそが、英霊に対する国民の願いであることを忘れてはならない。