軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

自衛官は国家公務員!

今週は多忙を極めた。禁酒を宣告されているので、会合後の懇親会も面白くない。昨日は、元空将懇談会に出席したが、懇親会はパスして帰宅した。
現役諸君から、現況について説明を受けるのだが、今回は「自衛官も国家公務員?」という、基本的問題に疑問を持った。
勿論法律的には「国家公務員・特別職」である。
しかし、数々の英断を振るって、日本政治に風穴を開けた“小泉首相でさえも”、防衛予算も聖域ではない!として、片山主計官に大鉈を振るわせたが、予算面よりも「人員削減」が徐々に効いてきているように感じて身震いした。
5万人弱しかいない(事務官を含めて)航空自衛隊は、今後2000人規模で人員削減されるという。教育関係にしわ寄せがかかり、委託教育を検討中だというから絶句した。そのうち、国防も『委託する』のじゃないか?
その上、任務はどんどん広がる。イラクで輸送部隊が、C-130を3機使って、黙々と輸送任務についていることを覚えている国民はどれほどだろうか?
サマワから陸上自衛隊が「凱旋」したとたん、もう航空自衛隊海上自衛隊が、はるか地球の裏側で任務についていることなんぞどこ吹く風、国内メディアは「総裁選」もちきりである。
航空自衛隊は、政府専用機の運用も任されているが、機体は2機、それをやりくりして今まで全く完璧に任務を果たしてきた。これだって、特別に手当てされた人員ではなく、部隊から抽出して対処してきたものである。
人員不足は、平時においては事故につながる。戦時にあっては、戦力の小出しという、ガダルカナル方式を採用せざるを得ず、その結果は惨めなものであった。
『公務員削減』は大命題、自衛官も「公務員」だから聖域はない。一般職の「社会保険庁職員並み」に削減される、というのだが、少々おかしくはないか?
私は2008年周辺事態危機説をとっているのだが、そのころ、中日、中台間のミリバラはどうなるのか不安になった。
ウサギと亀の御伽噺ではあるまいに、国家安全保障の原点を、どこかで見誤っているように思えてならない。新政権ではぜひ改善してほしいと思う。
これから都心に出かけて、座談会と取材を受けることになっている。落ち着いて「コメント」に目を通す暇がないが、大いに建設的意見交換をしてほしいと思っている。