軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

英霊に感謝の誠を!

 安倍首相“辞職”に失敗した勢力が、未練がましくまだでしゃばっている。今度は自民党内での混乱を、面白おかしく取り上げて混迷を誘っているが、そんな連中に限ってその結果責任を取る気は毛頭ないようだ。
 一部のマスコミは外国勢力と結託しているから、安倍降しには異様なほどの“信念”が感じられるが、与野党とも、自分の都合だけで軽々に騒いでいるようで見苦しい。
 民主党も、予想外の勝利ではしゃいでいたが、そろそろ馬脚が現れそうだ。選挙で「一時的に雲隠れしていた案件」が表に出てきたら、どう対処するつもりなのか?小沢氏の手腕をじっくりと観察しよう。

自民党をぶっ壊せ!」と叫んで長期政権を乗り切った小泉前首相が「ぶっ壊し損ねた部分」があったためか、半壊状態の自民党内にはその残債が必死で蠢いている。やはりこの党は「腐っても鯛」ならぬ「鰯」だったようで、なかには干からびて「めざし」になりかかっている連中も居る。最も「めざしは今では栄養豊富」と言い訳するかもしれないが・・・
 今朝の産経3面の「政論探求」に、花岡編集委員は「靖国参拝をしてはどうか」と書いた。「保守らしさの象徴的なものが8・15靖国参拝だろう。小泉純一郎前首相はこれを総裁選の公約とし、8・15は微妙に回避しながらも毎年の参拝を続けてきた。これが保守層の支持拡大に貢献したことを改めて想起すべきだ。保守層にとって靖国は格別の意味合いを持つ」のであり、「どっち道、安倍首相には年内に参拝するのかどうかの決断が迫られていた。中国側の靖国を巡る姿勢にも、胡錦濤体制が磐石になるにつれて変化が見られる。一時的に反発してもかってのような泥沼的反日攻撃は抑制する可能性がある。反転のきっかけをどうつかむか。それには8・15参拝が最もタイムリーであり、政権基盤の再構築につながるように思える」と書いた。
 週刊新潮も「安倍総理最後の賭けは靖国神社8月15日参拝」と書いている。

 小泉前首相の参拝が、ついには靖国の杜を12万の国民が埋める大集会となったことは記憶に新しい。国のために散華した英霊達を偲ぶのは、どこの国でも当たり前のことであり、国民はもとより首相の義務であると私は思っている。その証拠に外国訪問では、必ずかっての敵国軍人が祭られている「戦没者メモリアル」に花輪を捧げるのが儀礼になっているではないか!
 こんなことは何ら特筆するに当たらない。その当たり前のことが出来ない異常さに、国民はいらいらしているのである。そこを突いた小泉前総理は確かに見事だった。「外国からとやかく言われる筋ではない」とコメントして毎年実行したのも良かった。最初の15日を二日前倒しにしたのは、当時盟友だったYKKの“友情?”を慮った失敗であったが、その後は二人の親中派“友人”を切って捨てて信念を実行した。

 さて、今回安倍総理が参拝するとすれば、反対派やマスコミは靖国を「人気取りに利用した」と大々的に報道し、「中国にご注進」することだろう。「チョウニチ新聞」は間違いなく大見出しで煽ること間違いない。
しかしそれが一体なんだろう? 日本人が、自らの意思で英霊に参拝することが、日本の?マスコミがどうして異常だと受け取るのだろう? 勿論マスコミのみならず中国に進出している企業主も、これに便乗して安倍首相を非難するだろうが、それがどうだと言うのだろう? 英霊を尊ぶ行為のどこが間違っているのだろう?
 安倍首相は、若し参拝するのであれば「人気取り」ではなく、この10ヶ月間多忙に打ちすぎて参拝できなかったことを素直に英霊にお詫びして、淡々と日本人としてのまことを捧げればよかろう。
 週刊誌が書くような打算的な「最後の賭け」ではなく「自らの信じるところを実行する」だけでよいのである。
 
 中国政府が騒ごうと、一切無関係である。彼らはいまや、オリンピック開催と、食品公害、環境破壊で、世界中から非難され、その対応に追われている。バブルも弾けんとしている。
 そんな状態にもかかわらず、日本国の戦没者慰霊祭に「内政干渉」すれば、ますます国際的な立場は悪くなる。下手すれば国内からも反発行動が起きかねない。
 日本国の首相である以上、中国とは一切関係なく、安倍首相は「日本人としての信念」を粛々と実行すればいいのである。その結果、声なき保守層からも反発の声が上がるとすれば、もうこの国は終わりなのである。

 私は、34年間(防大時代を入れると38年間)の自衛隊勤務を通じて、自分の信念を貫くことを心がけてきた。大江健三郎から「防大生は同世代の恥辱だ」とまで言われたし、制服姿で町を歩けば「税金ドロボー!」と怒鳴られ、何か事故が起きるとあることないこと全マスコミから徹底して非難された。そんな「憲法違反の身」だったが、若いうちは「今に見ておれ!」と歯を食いしばって耐え、スクランブルと空中格闘戦訓練に明け暮れてきた。
 そんな私が唯一残念だったことは退官までに「憲法改正ならず」、自衛隊は何時までも「日陰の身」に甘んじなければならなかったことであった。そんな私が安倍首相に期待するのは、正に「憲法改正に取り組む」という一点にある。そこで先輩面して私がいつも掲げて「日陰の身に耐える」力となった句をご紹介しておきたい。御参考になれば幸いだが・・・
「見る人の、心ごころに任せおきて、高嶺に澄める秋の夜の月」






















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