軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

ブログ復活お礼

 コメンテーターの皆様からの助言を受けて「デザイン」を見直し、御指導どおり一つ一つ修正していったところ突然復活した。実はこのブログは、2年半前に友人の一人が“勝手に”立ち上げてくれたもので、最初は息子のPCで書き込み、転居してからは私が購入した新しいPCでアドレスなどを変更して継続しているもので、デザイン設定などはその友人がセットしてくれたのだから、立ち上げてもらった私は全く「記号」が読めず苦労した。更に、有名?になったからか、特定問題に対するコメントの貼り付けが凄まじくなり、昨日も一ブログ40件以上もの嫌がらせコメントを削除する有様。英語モドキの文章で、定期的に機械的に貼り付けられているらしい。安定していたブログランキングも調子がおかしくなり、再申請したが接続できない。
 丁度第1世代のF-86Fからいきなり第3世代のF-4ファントムに機種変更した時の様な有様で、最新兵器に慣れるのは大変だと痛感した。しかし、多くの読者の皆様から親切な助言が届き、漸く復活できたことを感謝している。ただ、何が原因で復活できたのか自分でも分からないのだから情けない。機会があればコンピューター技術について色々研究したいと思っている。

 ところで南北朝鮮の首脳会談は、金正日将軍様の健康状態の分析など、色々と話題を呼んでいるが、最初の画像は屋外が寒いからか、胃の上あたりに「ホッカイロ?」でも入れているような突起が気になった。北のペースで進んでいるのはノムヒョン大統領の方が若いから当然だが、北が彼にどんな「お墨付き」を出すのか興味がある。マスゲーム見学はいいとして、共同宣言は「平和宣言?」になるのだろう。下手するとこのムードが6者協議に反映して「テロ支援国家」の汚名が解除されるのかもしれない。そうなると、我が国の経済制裁の根拠もなくなるから、福田総理はどうするのだろう? 米国が“裏切る”ことはないと思っているだろうが、国際関係においては「願望」に過ぎないのだから、万一そうなったら、テロ特措法延長を中止し、海自の補給活動を引き上げる、とライスさんに言えばいい。更に北の核に備えた「核武装研究」も開始する、といえば大したものだが、拉致された同胞を救出することもせず、被害者家族がワシントンや国連に「訴えた」のだから、独立主権国家としてはみっともないこと甚だしい。


 今回の6者協議をお膳立てした中国の態度も気にかかる。15日から始まる中国の「17回全人代」は、胡錦濤主席が江沢民前主席との権力闘争に勝利した宣言が中心になるのだろうが、今後の胡錦濤政権の動きを分析する必要がある。
 はっきりしていることは、来年8月の北京オリンピックを成功させることがこの政権の至上命題だということである。万一失敗したら元の木阿弥、国内は混乱することが予想される。
 胡錦濤政権の最大の弱点は「オリンピック」なのだから、我が国はこれを有効活用すべきである。つまり「北京オリンピック」は、我々にとっては「人質」なのである。親中派の福田氏には、そんな勇気ある外交政策は取れないだろう。とにかく「自国民の願い」よりも、「よその国が嫌がることはしない」とよその国民のご機嫌を優先させる方なのだから・・・。
 胡錦濤氏が政権を掌握した証拠は、昨年軍人の給与を一斉に2倍にし、制服を見場の良いのもに変更し、軍人を味方につけたことに表れている。また、宮古水道を領海侵犯した漢級原潜が海自の追跡から逃げられないと観念して浮上降伏しようとした時、厳として「脱出」を指示した彼の判断が軍内で高く評価されているとも聞く。
 その他、興味があるのは、北京のデパートに対する取り締まり状況である。
 北京に進出した台湾と日本の合弁デパート(新光三越)が6月に店内に品物を展示したところ、当局からクレームがつき、契約に反するとして品物と設備は中国のものだからそのままの状態で「退去」を命じられていたらしいが、8月11日に当局側の態度が一変し、「今後はオーナーのいうとおりにする」と詫び状を入れてきたという。
 これは中国情勢を分析している門脇翁の話なのだが、態度急変の裏には、反日江沢民派が胡錦濤派に負けたからで、間違いなく胡錦濤派が権力争いに勝った結果だというのである。
 そういえばこの夏、香港の反日派が、尖閣に上陸する計画をぶち上げたが、北京政府の指導で中止に追い込まれたことがあった。
 これら一連の動きを見てみると、中国国内の権力闘争を詳細に分析し対策を立てておくべきであろう。支那事変勃発にいたる間を振り返ってみるだけでも、当時の日本は「中国」の実態をよく分析していなかった様に思える。論語読みの論語知らずとでもいうべきか。
 外務省は中国国内の権力闘争の実態について当然分析しているだろうが、ある意味、日本にとっては絶好のチャンスなのである。
 来年8月の北京オリンピックを抱えて動きが取れない現政権が、15日からの大会で、どのような施策を打ち出すか、2008年危機を占う重要な秋であろうと思う。

 さて、天の安川氏のコメントに、お米のDNAの話があったが、御紹介する本(「日本と中国=歴史の真実」:経済界)は、名越二荒之助先生の指導を受けて漢学、東洋史、東洋思想の研究を続けている、拳骨拓史氏が書いたもので、教科書で習った日本史・中国史がいかにウソだったかが分かる本である。「中国」という曖昧な国名にいかに日本人が騙されているか、「中国人にとっての中国というのは、支那大陸にある国のことをいわない。あくまでも漢民族によって支配されている国を指すのだ。異民族によって支配されていれば、中国ではない、という感覚が、どこかに残っている。その感覚が強い中国人ほど、中国の中でも辺境に潜んだり、時には中国から去る。即ち、中国から亡命するのである」「日本から見れば、日清戦争から日中戦争にかけ、朝鮮半島満州という漢民族ではない地域の支配権を中国と争った、と認識していることと思う。また、中国はそれ以前に西洋列強とも戦っていたではないかと思うだろう。だが漢民族にとって見れば、西洋列強が戦っていたのは、漢民族を支配する、共産党的な言い方をすれば人民の敵である清朝に過ぎない。だが日本は、漢民族が支配して当然と思っている地域に、異民族でありながら侵攻してきた。もっと言えば、漢民族が実際に住んでいる地域まで戦争を広げた。・・・つまり、これまで触れてきた中華思想を刺激した歴史的大事件を、異民族の日本がおこした、と考えているのである」という説には考えさせられた。
 勿論、中国との関係だけでなく、朝鮮や沖縄との関係も解説されているから、是非御一読をお勧めしたい。