軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

2009年1月・・・沖縄?

 南北首脳会談が終わったが、ノムヒョン大統領は後継者に大きな負債を残したようだ。金大中前大統領訪朝時には、5億ドルのお土産で「ノーベル賞」をゲットしたそうだが、今回は10億ドル要求!とささやかれていた。今回、ノムヒョン大統領はそれが準備できなかったのではないか?金正日様の応対振りがそれを表しているような気がする。こうなると金づるは日本しかない!北が今後福田政権にどうアプローチしてくるか!

 沖縄の「教科書書き換え問題」は、10年前の私の沖縄勤務時代を思い出させる。あれから沖縄情勢は少しも変わっていないようだが、その裏には一部の「ヤマトンチュー」の画策がある。今回はやはり朝日新聞の影響が大きいのだろう。
 築地の朝日本社に「ニューヨークタイムズ」と、中国の国営新聞「新華社」が同居しているように、当時の朝日新聞沖縄支局は、沖縄タイムズ社屋に同居していたが、今でもそうではないか?
 マスコミの大騒ぎ振りに反比例して、穏健派の沖縄の人々(大半がそうなのだが)は、圧倒的な「動員派」に押されて決して「報道」の表には出てこない。

 あの頃も、一坪地主の大半は本土の左翼だったし、5・15平和行進などに「動員」された者は、ほとんどが本土からで、「5・15平和行進(主催者・沖縄平和運動センター)に、過去最高の本土参加者、約800人が沖縄を歩いている。本土参加者は昨年も例年のおよそ2倍だったが、今年はそれを約百人上回る。一昨年以来の反基地運動の高まりを反映しているようだ。労組代表が主だが、二十代の若者も目立ち『じかに沖縄を知りたい』と、焼け付く暑さの中を歩いている。彼らからは『何故、沖縄の若い人は少ないの』との声も聞かれた」「大阪市西成区役所の安本孝一さん(21)は、職場の壮行会で寄せ書きされたTシャツを着ていた。『頑張れ』『沖縄の星になれ』。汗で文字がにじむ。『組合員のカンパで来ているんです。真剣に取り組まなくちゃ』と気持ちを引き締めた」
 これは平成9年5月14日付の沖縄タイムズの記事の一部だが、冷静にお読みになれば実体がわかるだろう。
 沖縄は離島である。交通手段は船と航空機に限られるから、空港でほとんどの動きが掌握できる。この記事からも明らかなように、当時の沖縄県民のほとんどは冷静で一部の活動家達の「手作り反戦運動?」を冷ややかに見ていたのであった。特に小ばかにしていたのは沖縄の足であるタクシー運転手だったが、それは彼らが借り上げバスで移動するため儲けにならなかったからであろう。
 他方、喜んでいたのは「ホテル業者と航空会社」であった。ある幹部は「労組様様!」と私にウインクしたものである。
 ところでこの時の「平和行進」には“取って置き”の落とし話がある。
 私の幕僚が急に「明日一日休暇が欲しい」といってきたのだが、理由は「学生である娘が友人二人と急に沖縄に来るといってきたから、単身赴任中の官舎の大掃除がしたい」というものであった。ところが二日後に出勤してきた幕僚は「娘に裏切られました」という。何と、娘は友人に誘われて“只で沖縄旅行が出来るツアー”に参加してきたため、自由が利かず、官舎に泊まれないばかりか、久しぶりの父親にも会う時間もないのだと電話してきたというのである。完全に娘に振られた幕僚に、「でも良かったじゃないですか。一年ぶりに官舎の掃除が出来たのですから」と部下が脇からからかった。

 主催者側発表という数字は、ほぼ2倍に膨れ上がっているし、それを更に新聞が2〜3割?増やして書くのが普通であった。航空祭で大群衆の入場者数をカウントするのに慣れている基地隊員と、基地周辺警察署関係者に言わせると、沖縄のカウントは特殊であるというに違いない。
 人数はこの際どうでも良いが、問題はこの抗議の目的である。
 事実関係を無視して、いままでどおりの記述にせよというのはいかにも理不尽ではないか?何と無く近隣諸国の歴史認識に似ている。
 一緒に真実を探求しよう、という提案であれば納得できるが、とにかく「無理が通れば道理引っ込む」という態度はいかがなものか。
 10年前も、諸外国からの工作、特に当時は北朝鮮との関係がうわさされていた。しかしいまや沖縄には、単なる密航者以外に、相当なプロが潜入しているのは間違いない。
 私が勤務していた頃であれば、これほど動員して騒ぎを大きくすれば、時の首相がとりあえず「10億円」持って駆けつけてきたものだが、今時そんなことが通る筈はない。
 池田外務大臣が、パーティの席上で、長々と「沖縄の皆様のご苦労・・・」などと演説していたとき、「そんなことはどうでもいい。話しが長すぎる。いくらくれるのかそれを早く言ってくれ!」と言った人がいた。沖縄の純真な人々をこんな県民に貶めたのは、沖縄県民のことを真剣に考えることなく「札束で」黙らせてきた一部の「ヤマトンチュウ」であり、ODA感覚で対応してきた政府にある、と私は思っている。
 今回の抗議に対して、文科省大臣は早速御機嫌取りの態度を取っているようだが、これじゃいつまでも沖縄の自立は望めないだろう。とりわけ参加者のほとんどがヤマトンチューだったとしたら・・・
公安関係はしっかり掌握している筈だから、実態をよく調べてみるが良い。

 話は変わるが、門脇翁が発行しておられる小冊子「あけぼの」8月号に「米国側のある想定」というこんな記事がある。
●2008年北京オリンピックの終了を待って、中国は台湾に対し積極的行動に出る。翌9年1月中国海軍は、中国沿岸を航行中の台湾籍貨物船に対し、臨検を行い武器の有無を調べ、同時に台湾に対する経済封鎖を宣言する。
●これに対しアメリカは、空母と長距離爆撃機と海陸遠征部隊を派遣して、西太平洋地区を防衛する。
●中国はこれを中国への内政干渉であると抗議し、日本政府に対して中立を要求する。
●中国は台湾に対し、200基を越すミサイルを発射して、台湾の空軍基地、指揮センターと主要都市を攻撃する。
●30分後250機の爆撃機により台湾の軍事基地を爆撃。
アメリカ大統領は、中国の台湾侵攻に対し武力で阻止する決心をする。
●これに対し日本政府は、国会の承認を経なくては、国内の米軍基地使用を承認することは出来ないと、アメリカに通告する。

 これに私の見解を付け加えるとすれば、◎時の米国大統領は誰になっているか?◎彼(彼女?)は台湾防衛を決心するか?◎イラクを中心とした中東情勢はどうなっているか?◎ロシアはどう出る?◎中国バブルははじけていないか?◎日本の首相は誰?福田?麻生?それとも小沢??◎その時沖縄では「11万人大集会」が開かれ「中立宣言」する?

 いやはや、何と無く現実味を帯びた「想定」で、2009年も、想像を超える事態がおきるような気がする・・・

金正日と日本の知識人―アジアに正義ある平和を (講談社現代新書)

金正日と日本の知識人―アジアに正義ある平和を (講談社現代新書)

中国対日工作の実態―日本の中枢、政・官・財を篭絡する工作活動の手口

中国対日工作の実態―日本の中枢、政・官・財を篭絡する工作活動の手口