軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

いやはや・・・・・・

 今朝の産経トップ記事を見て、いやはや・・・。
「田村元議員空将時に十数回」「テニス旅行丸抱え」「山田洋行元専務」とある。こちらも守屋前次官同様、現役時代に山田洋行の元専務に丸抱えでいい思いをしていたらしい。「テニスコートつきの箱根のホテル」だそうだが、テニスは二人以上でやるもの、決して一人だったとは思えないから“共犯者”がいるに違いない。彼と同じ「元空将」の肩書きを持つ私としては、今後は「軍事評論家」に修正したい気分であるが、彼は「元くうしょう」、私は単なるパイロットだったから「元そらしょう」だと認識しているから、あわてることもあるまい。しかし、航空自衛隊の品格を地に落としたのは事実だろう。現役の後輩達の心中を察すると気の毒である。勿論防大も・・・
山田洋行は現在、こうした過去の政界、官界との不透明な交際などについて社内調査を進めており、調査結果がまとまり次第公表する方針」だという。調査結果、虎が出るか蛇が出るか・・・
 実は宮崎という元専務が、航空自衛隊出身だとは知らなかったのだが、先日ある会合で聞かされて、それじゃ空自OBがターゲットになるのも時間の問題だ、と思ったものである。
 いやはや、出るはため息ばかりだが、航空自衛隊の装備品を巡る疑獄とは情けない。我々パイロットが命をかけている装備品を“身内が”食い物にしていたとは・・・ しかし、元空将一人がターゲットではあるまい。
「田村氏は防衛大1期生で空幕装備部長などを歴任。参院議員を3期務め、小沢一郎民主党代表らと共に自民から新生党新進党自由党民主党へと移ったが、平成17年に民主を除名され国民新党の結党に参加。今年7月の参院選に出馬せず引退した」と記事にはあるから、その根は政界全体に広がるのではないか?特に小沢氏は免れまい。600万円を山田洋行に返したそうだが・・・
 安倍前総理が小沢民主党代表に会談を申し入れた際には、にべもなく断り、これが安倍氏の辞職の引き金になったことは記憶に新しいが、今回、唐突な福田首相との会談を小沢氏は「首相の申し入れを断れない」との理由で受けた。記者団の質問に「相手は首相だよ、断れないだろう・・・」と言ったようだが、それじゃ安倍氏は首相ではなかったのか?

 福田・小沢会談の裏には何かがある。小説的手法で推察すれば、福田首相は「何か」を元に、小沢氏を揺さぶっているのであろう。小沢氏が会談を受け入れた背景には、案外今日の産経トップ記事が揺さぶり第一弾なのかもしれない。小沢氏に恨みを持つ勢力・・・弱みを知っている人物・・・山田洋行とその絡みの商社・・・銀行や闇の社会業界・・・との関連。消去法で調べていくと面白い。
 福田首相は、迫っている訪米時の手土産を待たないばかりか、今回の海自艦艇撤退で、世界中からその政治手腕に疑問をもたれている。勿論、米国政府関係者もそうだから「日本の今回の行為に失望した」と明言したのである。
起死回生を狙う首相が、そんなところへ「手土産なし」でノコノコ出かけていったら、帰国した途端総辞職しなければならない羽目に陥るだろう。
 拉致問題では米国に「おんぶに抱っこ」、普天間問題は10年以上動かない。そればかりか、在日米軍を悪玉に仕立て沖縄から追い出しを狙う勢力は野放し状態、その挙句、普天間基地移転問題を餌にちゃっかり「利権」を手に入れようと自民党議員始め政界がうごめいているのでは、同盟国も黙ってはいまい。またまた、何らかの「償い」をさせられ、国民の血税が湯水のごとくアメリカに流れるのではないか?
 自国防衛のための装備品をアメリカから輸入するのを利用して、制服元トップまでがうごめき、政界がらみのスキャンダルに発展しているような国に、如何に気のよい同盟国だとはいえ、自国青年の血を流すことはしなくなるだろう。
 来月は韓国大統領選挙が控えている。北朝鮮の「非核化」問題も動き出す。明けて一月、台湾の国会議員選挙、3月はロシア大統領・台湾総統選挙、5月はそれぞれの就任式と続く。
 そんなさなかに「日本では議会解散総選挙??」「大連立??」などと政治評論家たちが予測しているが、7月は日本が主催する洞爺湖サミットである。そして8月の北京オリンピック・・・
 そんな世界の激動には目もくれず、自己の利益確保に目がくらんでいる日本政界は、賞味期限切れ問題を起こした食品メーカーよりもたちが悪いのではないか!
 いやはや、この国もとうとう再起不能に近いくらい腐りきったものである。

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