軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

“星野ジャパン”と“小沢民主”の差

 日中安保対話のこぼれ話はお休みして、今日は産経新聞の「産経抄」に誘発されて、表記の所感を書いておく。
 産経抄によると、星野ジャパンの主将・宮本慎也選手が産経スポーツに手記を寄せ「国と国との勝負。『戦争』のつもりで戦った」と星野ジャパンの強さの源を明かしている。▼決戦前、主将はミーティングで若い選手達にこう語りかけたという。『今まで自分のために(野球を)やっていたことが多いと思う。でも、今回ぐらいは、人のために、自分以外のためにやっていいんじゃないか』▼日の丸を背負う意義はここにある・・・。▼同じ北京行きでもどうかと思うのが、明日出発する民主党の大型訪中団だ。小沢一郎代表を始め民主党を中心とした国会議員四十数人が揃って国会を休んで北京詣でに出かけるという。おかげで本会議も開けない。▼訪中が決まったときには、安倍晋三前首相の退陣によって臨時国会がここまで延びるとは想定外だったろうが、政治は生き物だ。会期中を理由に規模を縮小し小沢氏ら幹部だけが訪中しても非礼にならぬ。自民党も同じだ。『日中友好』という呪文を唱えて無意味な北京詣でにいそしむ議員のなんと多いことか。日の丸を背負う気概のない国会議員は帰ってこなくていい」と産経抄子は書いたが、全く同感である。
 国会開会中に訪中するとは、民主党はまるで中国の国会議員ではないか。日本国の議員であり、国会開催中であり、歳費は国民の税金でまかなわれているのである。誰のために「働いて(もいないが)」いるのか!
 19面のコラム「断」に潮氏が国会の現状を「常軌を逸したから騒ぎだ」として、民主党は「昨年12月4日、高級料亭・濱田屋の宴席に自民党額賀福志郎代議士(現財務大臣)が出席したと主張する。だが額賀大臣は完全否定。当夜のアリバイを示す証拠写真や録音テープも公開した。それでも民主党は宴席の参加者から「確証」を得たと主張。山岡国対委員長が「(アリバイ)データは改竄可能」と会見した。・・・だが額賀氏は濱田屋にはいなかった。『座席表』には元東大総長の名前もあったが、額賀氏同様、出席していない。ご本人がそう証言している。アワー教授も『額賀氏と(食事を)共にしたことはない」と会見した。仮に民主党の主張が正しいなら、額賀大臣はもとより、アワー教授をはじめ東北電力会長など出席者全員が口裏を合わせ、ウソをついたことになる。果たしてウソつきはどっちか。結論は自明だ。そもそもアワー教授の慰労会に額賀氏が出席していたとしても違法ではない。倫理的に責められる話でもない。関係者には口裏を合わせる動機も理由もない。常識で考えれば分かる話だ。民主党が得た『確証』とやらは完全なガセネタである。彼らは偽メール事件から何を学んだのか。あの時は、質問議員が辞職。前原代表や国対委員長引責辞任した。さて今回は誰が責任を取るのか。山岡委員長はもとより、小沢代表を含む党幹部の出処進退が問われている」と手厳しい。
 防衛省守屋前次官の山田洋行を巡る収賄問題も捜査が進展しているようで次々に闇の部分が明らかにされつつあるが、この問題の根源をたどっていくと、どうも自民党の金丸氏時代にまでさかのぼる、と言われている。つまり、小さな商社に過ぎなかった山田洋行が、ここまで大きな防衛商社に急成長した裏には、当時の金丸氏が、比例代表制の特性を使って防衛庁から自民党票を集めようと画策、防衛庁出身議員が山田洋行を資金源にしようとしたのが始まりだ、と言う噂もある。
 それ以降、山田洋行に権利を奪われた商社も数多くあって、それらを快く思っていない商社から資料がどんどん明るみに出されているそうだが、世の中は「奢る平家は久しからず」「天網恢恢疎にして漏らさず」の例えどうりだと感心する。
 そこで勘ぐれば、当時小沢氏は金丸氏の一の子分であった。竹下総理時代に右翼団体による「褒め殺し“事件”」があったが、これをもみ消したのも金丸氏らであったという。
 この頃からの『闇』の世界の実態が暴かれそうになり、その上今回の「ガセネタ事件」が表面化することにでもなれば、民主党は自滅しかねない。そこで「体調がよろしくない」にもかかわらず、敢えて空気もよくない北京詣でにお出かけになるのではないか?というのだが一理ありそうである。
 何よりも、テロ特措法を成立させるべく努力している国会の場を捨てて、何かと言えば日本に無理難題を押し付ける中国に“逃避”する「日本の国会議員の態度」はいただけない。
 産経抄は「日の丸を背負う気概のない国会議員は帰ってこなくていい」と書いたが、成田で議員団が再入国する時に「インフルエンザの疑いあり」として、入国拒否してもらいたいものである。
 多分、インフルエンザのウイルスよりも手に負えない「お土産」をつかまされてくることだろうからである。つまり、国の威信をかけた中国政府は、北京オリンピックを成功させるためになりふり構わず邁進しているのだが、それには日本の天皇家を利用するのが手っ取り早いと考えているからである。だから、来年3月に来日が予定されている胡錦濤主席は間違いなく「要請」するだろうが、その前に野党である民主党に「皇太子ご夫妻」を打診する気だろう。 最も年末に御用聞きのように「訪中」する福田首相は間違いなく持ちかけられるだろうから、この問題は、国民の気持ちを無視して「与野党一致」して皇太子に御訪問を要請することになるのではないか?
国賊」とは「 国家や体制側の立場に属しながら、 体制に叛乱を企てたり、国家の方針に反対し害を与える人物の呼称」だと辞書にはある。潮氏は「常軌を逸したから騒ぎだ」と表現したが、国会議員の質も落ちたものだ。産経抄は彼らは「帰ってこなくていい」と穏やかに表現したが、それは「国賊!」とは全国紙には書けないから遠慮したのであって、彼らの行動は、一般的な表現を用いればこういうことになるのだろう。
 参院に於ける貴重な国会開催期日を、参院第一党を自負する民主党自らが「棒に振るような行為を平然と行う」ようでは、二大政党時代が来るのは程遠いことだといわねばなるまい。すでに国民は民主党に失望し始めている。
 国家を背負って戦った“星野ジャパン”と、自分が不利になると自国を捨てて“旧敵国”に逃避する“小沢民主”の差が歴然としていることを、国民は理解し始めているのである。
北京のテレビ局が放映している「反日戦争ドラマ」の一場面。「日中友好」の掛け声の裏では、こんな番組が今でも堂々と放映されている。民主党訪中団には、こんな「反友好番組」にクレームをつけて来て欲しいものである!

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