軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

今朝の産経新聞記事から

今朝の産経新聞で気になる記事を寸評しておきたい。

1、1面トップでは、中国全人代で「食の安全強化」をうたったものの、「日本の消費者を不安に陥れた中国製ギョーザ中毒事件に関しては触れずじまい。対策についても具体的な中身に言及しないなど、有効性に疑問がのこる内容となった」と報じた。2期目の胡ー温体制の出発であり、まだまだ政権の不安定さを抱えている証拠であろう。この先何が起きるかわかったものではない、と考えておいた方がよかろうと思う。それにしても、昨年の「日中安保対話」で主題となったこの国のインフレは極めて危険な水準にあるようだ。

2、その下の産経抄は、「トウ小平秘録」の受け取りを拒否されて「輸入禁止図書」に指定されたことを書いているが、むしろ内容が真実であるという証拠であり、「名誉」だと受け止めるべきであろう。逆に著書への関心も「高まりそうだ。無論中国批判もそうである。外交の手練手管では定評のある中国だが、民主主義国の報道への対応だけは、未だに学習効果が見られない」と書いたが同感。「蘇民祭」の前例もある。しかし、不思議なことに、アマゾンでも楽天でもこの著書は取り扱われていないらしく「該当する商品は見当たりませんでした」と表示される。どうもおかしな気配を感じるのだが、産経新聞社はこれにどう対応しているのだろうか?

3、「過激性教育歯止め」「指導書、事例集に刷新」
「幼稚園で男女の性器の絵を使うなど過激な性教育が問題化したことを受け、文部科学省が教員向けの性教育指針を大幅に刷新し、『発展的に取り扱えるようにする』との文言を削除することがわかった。文科省では『極端な性教育を容認する根拠として誤解される恐れがあった』とし、・・・歯止めをかける考えだ」というのだが、幼稚園から男女の性器を図解入りで教育する方が異常である。
赤子の時は母乳は受け付けてもおかゆは無理、幼児時代には、おかゆは受け付けても『たくあん』は無理なのであり、幼稚園児には文字や音楽には興味があっても「性器」には教師ほどの興味あるまい!読み書きそろばんは受け付けても、性教育なんぞ受け付ける準備は出来ていないからである。
むしろ、教科書もどきの「エロ本」を楽しんでいるのは教師のほうではないのか?小学校教師の性犯罪が目立つのは、性教育大義名分にした「学習指導要領」に刺激されて「実験?」しているからではないのか?広告に挙げた「性教育の暴走」をご一読あれ。背筋が寒くなる・・・

4、3面の「米中サイバー戦争の足音」は興味深い。「米中間が本格的サイバー戦争へと発展した場合、日本は『集団的自衛権は行使できない』などと、協力を拒むことは許されないだろう」とあるが、今月22日の台湾総統選挙の結果次第では、数年以内に「物理的」衝突もおきかねない。いや、中国大陸内で何かが起きる可能性も否定できない。
その横に「胡主席の来日が5月にずれ込む」可能性が出てきたことが出ている。「過密日程・・・ギョーザも影響?」と見出しにあるが、当然ギョーザ事件は影響している。福田首相が「無視」しても、酷い目にあった国民は決して忘れないから、これが解決しない限り、胡主席の来日は国民からは歓迎されまい。むしろ、不愉快な訪日になると思われる。
 先日来日した上海国際問題研究所長に、私は率直に「ご忠告」申し上げておいたことは既に書いたが、彼らがこの問題をどう取り扱うのか、見ものである。

5、「巡査長へ支援175件」
「路上で騒いでいた少年達を立ち去らせるため」27歳の巡査長が拳銃を抜いて威嚇した問題で、全国から巡査長の行動を支持する手紙やメールが(滝野川)署などに相次いでいる」という記事である。2月26日午後8時半ごろ、東京都北区滝野川の路上で発生。「大声が煩い」との苦情を受けて駆けつけた巡査長が区内の高校2年生(16)ら少年3人に注意した。3人は一旦その場を離れたが、約10メートル先で再び路上に座り込んだ。名前などを尋ねても無視したため、拳銃を抜いて立ち退かせたという。3人が直後に『銃を向けられた』と署に訴え出て発覚」、警視庁では拳銃の適正使用に当たらないと見て、「『特別公務員奉公陵辱容疑』で巡査長を取り調べ、処分を検討中」なのだというから開いた口がふさがらない。こんなことでは現場警官はまともに仕事をやる気がしなくなるだろう。警察が善悪の区別がつかなくなっているようでは、市民は枕を高くして眠れない。「盗人猛々しい!」とはこの少年達のことを言う。こんな甘やかされた「バカ息子」達が増えることを阻止するため、どんどん拳銃を向けてやって欲しいものである。こういうと「それはいくらなんでも言いすぎ・・・とかやり過ぎ」だと人権派が言うが、冗談じゃない。そんな人権派に限って口は出しても責任を取らないのだから、この際警視庁は、この巡査長を職務を熱心に遂行した「警官の模範」として表彰すべきである!。警察までもが事勿れの小役人組織に落ちぶれてはこの国は持たない。

6、「海自HP事故触れず」「当日、幕僚長あいさつ削除」
 防衛省が連日「イージス事故」についてHP上に情報を随時掲載している一方で、海自が「事故には一切触れず、事故当日に吉川栄治海上幕僚長のあいさつを削除していたことが5日、明らかになった」という内容だが、なんとも早、滝野川警察署並みの事実認識と、時代遅れの感覚にはあきれた。
 意図は不明だが、事故が起きたことは隠しようがない事実なのだから、事実関係をHPに掲載して何がいけないのだろうか?こんな姑息なことをするから、痛くもない腹を探られることになるのである。「伝統墨守、唯我独尊」といわれる海自だが、強力な米海軍を相手に奮闘した旧帝国海軍の大先輩方がこんな記事を読んだら、失望落胆するだろう。広報担当者の猛省を促しておきたい。

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