軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

映画「靖国」上映に思う

 昨夜は雨の中チャンネル桜の収録に出かけた。井上キャスターとの恒例の「防衛漫談」は、福田総理の支持率降下で盛り上がったが、与党も野党も、国内の“政権取り?”しか頭に無く、世界は急変しているのになんとも呑気なものである。とうとう「毒入りギョーザ事件」も、私の予言どおり「中国国内で混入された形跡は無い!」と日本のせいにされてしまった!練馬のスーパーで「お茶」のペットボトルから農薬が発見された事件も、どうも怪しい!事実中国国内では「それ見たことか!」とこの事件を大宣伝しているという。

 ところでロンドンに続いて、パリでも「聖火リレー」が妨害され、数回にわたって聖火が消されたという。聖火走者の周辺を「中国の警備員達」がガードしているそうだが、いかにも13億人を数えるかの国らしい。人手は余っているらしく、世界中に「配備・展開」しているらしい。
 米国でも聖火反対準備?が出来ているようだし、ヒラリー・クリントン候補は、ブッシュ大統領開会式ボイコットを進言した。
 こんな有様では、今回の北京オリンピックはとてもスポーツの祭典だとは言いがたく、むしろ世界中に「平和」ならぬ「混乱」の祭典であることを印象付けて聖火ランナーが走っているようなものだ。さて長野に来た時はどんなことが起きるのだろうか?
 毒ギョーザ事件未解決の状態では、「聖火リレー」のみならず5月の胡錦濤主席訪日も「各国の聖火リレー並み」に“ブーイング”に遭うのではないか? それとも福田総理は親中派だから、ロンドンやパリの聖火警備並みに、機動隊を配備して身体を張ってでも主席訪日を「友好」の象徴として取り扱う気かも知れない・・・

 さて、今日は表題の映画「靖国」上映問題について所見を書いておきたい。
 4月2日に産経新聞が「主張」欄で、この件について「論議あるからこそ見たい」として「抗議電話などがあり、客やテナントに迷惑をかけられない」として上映中止になったことが「残念だ」と書いたとき、聊か奇妙に感じたので書こうと思っていたのだが、5日には「靖国」が21館で上映されることになったと報じたから、いよいよ奇妙に感じていた。
 産経は主張で「実際に、公的機関などから上映中止の圧力がかかったり、目に見える形での妨害行為があったわけではない」としながらも、「映画館側に事情もあろうが、抗議電話くらいで上映を中止するというのは、あまりにも情けないではないか」と書いた。
 他方、配給・宣伝協力会社や、映画演劇労働組合連合会が「表現の自由が踏みにじられた」などとする抗議声明を出したが、「憲法の理念をあえて持ち出すほどの問題だろうか」といかにも公平な論調であるかのよう双方にクレームをつけた。勿論、「主張」が主張するように、今回の問題は自民党の「伝統と創造の会」が試写会を要求したのは、「あくまで助成金の適否を検討するためで、税金の使い道を監視しなければならない国会議員としての当然の行為」から生じたものであったから、表現の自由を精神的に圧迫しているという日本映画監督協会の批判は「的外れ」であることはいうまでもない。
 しかし、「主張」も書いたように、旧日本軍の“蛮行”として中国側が反日宣伝に使っている「信憑性に乏しい写真など」が使われ、「政治的中立性が疑われる」映画製作に、「国民の税金が使われている」とすればそこが大問題なのであって、十分に審議してから「公開」されても遅くは無かったのではないか?
 21館が上映することになったことを伝える5日の産経は、「日本弁護士連合会の宮崎誠会長は4日「二度とこのような事態が生じないよう関係機関に表現の自由を最大限尊重するよう求め、映画関係者に対し不当な圧力に決して萎縮することなく毅然とした態度で臨むことを要請する」と談話を発表したと報じたが、彼が言う「毅然とした態度」の解釈は聊か身勝手ではないか? 同会長は「不当な圧力で公開が制約されるとすれば、表現の自由と国民の知る権利が侵害されるのは明らか。市民の自由・人権が深刻な危機にさらされる事になる」と指摘したそうだが、身勝手も甚だしい。彼らだけが「市民」ではあるまい!
 以前ブログに書いたが、広報室長時代に、自衛隊の「パイロット物語」を映画化しようという動きがあって協力したことがあったが、映画会社の努力に反して有名な俳優・女優達が「自衛隊の広報に協力しません」といって断ったことがあった。これは明らかな「差別」ではないか?
 数年後航空自衛隊パイロットを主役にした「ベスト・ガイ」と云う映画が完成したが、上映に協力してくれた映画館は少なかった。誰が「圧力」をかけたのか、映画館が「自粛」したのかは知らないが、ことほど左様に「自衛隊」に対する人権侵害は異常であった。これらについて「不当な圧力で公開が制約された」とは言わないまでも、相当な妨害行為があったのは事実である。こと自衛隊に関しては「表現の自由も国民の知る権利」も「深刻な危機にさらされ続けてきた」のだが、それについては無視する気か?自衛官は「市民」ではないのか?「自由・人権が深刻な危機にさらされても」自衛官とその家族には適用されないのか?
 そこで、今回の問題に関して「産経」に提案がある。「産経」は今、映画「明日への遺言」を大々的に支援している。非常にいいことだと喜んでいるし、私も微力ながら協力しているつもりだが、この映画とチャンネル桜の水島氏が、一般国民から「浄財」を募って製作した映画「南京の真実」を合わせて公開して欲しい。
南京の真実」には、産経もご承知の通り、一銭も国民の税金は使われていない。完全な浄財である。しかも日本人が日本人としての主張をしているのであって、反日思想が徹底した中国人が「自分に都合がいいように」料理した映画ではない。
南京の真実」は、全国の映画館での上映を拒否されていて、有志が会場を設定して「細々と」公開しているのであるが、そんな努力に対して産経こそ全うな「主張」をしてほしいものである。今からでも遅くは無い。「明日への遺言」が上映されている映画館で、「南京の真実」を合わせて上映して欲しい。それで始めて「論議あるからこそ見たい」という、2日の主張が生かされるのではないか?

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