軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

入院日記 地獄篇(その2)

相変わらず隣の老女は叫び続ける。気を紛らわすために、看護婦から「よく読んでおいてください」と渡された「オリエンテーション」の紙に目を通す。

○病室内での喫煙は出来ませんので、4階喫煙所を御利用ください。
≪タバコを吸わない私には無関係!≫
○ラジオ・テレビ使用の方は、他の患者さんの安静のためにイヤホーンを使用して下さい。イヤホーンは1階事務室に準備してあります。(価格390円)
≪明日家内が携帯ラジオを持ってくることになっているが、両耳用の大きめなイヤホーンを買ってきてくれるだろうか?老女のうめき声が聞こえなくなる程度の・・・≫
○消灯後は、ラジオ・テレビなどは消してお休みください。
○シーツ交換日は、冬季・・・・・・月曜日・金曜日:夏季・・・・・・月曜日・水曜日・金曜日
≪5月はどっちだろう?夏季かなあ〜?≫
○盗難予防のため貴重品や、不必要な現金は、お持ちにならないで下さい。見舞金についても責任を負いかねますので、同様に御願いします。
お持ちになった場合は、当院では責任を負いかねますので、ご自分の責任で管理をお願いいたします。
≪病院内でも“盗難事件”が起きるとは驚き! また、病院に直接“お見舞金”を持ってくる人が居るのだろうか? 私には無関係だが・・・。病院側としては万一に備えて「責任」を免れるために、こう書いておかなければならないのだろう・・・≫
○入院時、指輪等、貴金属・装飾品は、はずしてお持ち帰り下さい。
≪高価な装飾品を身につけて入院してくる患者なんて、そうはいるはずなかろうに・・・。「お持ち帰りください」とは、入院患者が外出可能なのだろうか?家族が見舞いに来ない患者はどうするのだろう?≫
○入院中、診療券は必ずナースステーションにお預けください。お持ちになっていない場合は84円で再発行させていただきます。
≪診療券は診察に来た時点で受付に渡しているから病院側が保管しているはず。入院だけの“一元患者?”のためなのだろうか?意味が良く分からない・・・≫

次のページは「介護用品のご負担について」と題して、次のようにある。

「拝啓 時下御家族の皆様におかれましてはますます御清栄のこととお喜び申し上げます。当院においては入院患者様、御家族へのサービスの一環として、介護用品の見直しをした中で、介護用品の御負担を平成19年11月1日より導入させていただくこととなり
ました」
≪入院患者の御家族が「ますます御清栄」で「お喜び申し上げます」とは驚いた!素人?の患者・家族に対して介護用品を「サービス」するのはいいことだが・・・≫

「介護用品に関しましては保険適用外ですので、御自宅からお持ちいただくか、または当院で用意したものを御購入して頂く事となります。御購入後希望の方は、職員にお申し出下さい。お支払いにつきましては、退院日もしくは10日・20日・月末の締め切りに合わせて。ご請求させて頂きます。 尚、御購入価格は下記の通りです」
≪患者の中に、“無料?”だった介護用品を気ままに使った奴がいるのだな?それにしてもこれは取引業者の文ではないか?患者や家族の気持ちが分かっていない文章である≫

生活用品
◎ひげそり用T字カミソリ    1本30円
◎シェービングムース      1回10円
ティッシュペーパー      1箱100円
紙オムツ
◎紙オムツカバー(テークケアー・テープ止めタイプ)(M)1枚126円
                        (L〜LL)147円
◎尿取りパットスーパー(小パット)1枚31円
◎々  スーパーナイト(大パット)1枚52円
◎ソフトタッチLL(長方形のオムツ)1枚63円
◎紙パンツ(M〜L)1枚136円
◎々  (L〜LL)1枚147円
●オムツの持込をされる方は、成人用お尻拭きも御用意ください。
≪なんだか、今の入院患者の実態が浮き彫りの感じがする。家内に髭剃りを頼んだが、どんなシェーバーを買ってくるか?まさかオムツは買ってはこないだろうが!寝たきり老人が必要とする最少限度?の“備品”が良く分かった≫
病衣使用料
◎病衣 寝巻き(S〜LL)1枚105円
◎々 介護つなぎ(S〜L)1枚210円
自衛隊時代、基地内の「外来宿舎」に泊まると、シーツ代200円を要求されたものだが・・・ここではシーツ代は取らないのだろうか?≫
その他の健康保険対象外品
◎診断書(一般)1通2625円
◎々 (生命保険等)1通4200円
テレビカード(10時間使用)1枚1000円
◎テレビ用イヤホーン 1個390円
◎冷ロッカー使用料 1日157円
◎洗濯機使用料 1回200円
◎乾燥機使用料 30分100円
(全て消費税5%込金額となっております。)
≪診断書、特に生命保険用がいやに高い!一日5000円という保険料からすると、一日分が消えてしまう額である。病院か保険屋か、それとも厚労省の陰謀か?≫

入院すると、どんな環境下に置かれるか想像できた。将来そうならないように、普段から健康第一で過ごさねばならぬ。一日も早くここから“脱出”するために、今回は医師の指示を誠実に守って回復に務め様!と決心した。            (続く)

福田恆存評論集〈第12巻〉問ひ質したき事ども―言論の空しさ

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福田恆存文芸論集 (講談社文芸文庫)

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