軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

国内にはびこる“トロイの木馬”

  入院を知った方々から、お見舞いの品が届き恐縮したが、添えられたお手紙には、この国の行く末についてかなり悲観的なものが目に付いた。国民が気がつかないうちに“特定外国”にハイジャックされてしまうのではないか?と言うご意見なのだが、だから一日も早く元気になって、と期待されても所詮一老兵に過ぎない身、“限界”がある。しかし、サミットでも軽くあしらわれているわが指導者の姿を見ると、何とも早今後が気にかかる。


 ところでたまたま昨夜は、チャンネル12の「ガイヤの夜明け」を見たのだが、リサイクル事業の胡散臭さと、なりふり構わぬ中国業者の活動に言葉を失った。
リサイクル法が“ざる法”である事は夙に知られた?問題だが、これほどまでとは思わなかった。ペットボトル等、各家庭がいちいち“真面目に”分別して出したものを、地方自治体が収集して“処分”するのだが、ところによっては、再利用せずに焼却処分にしている所もあり、何のための“分別か?”と真面目な地方議員たちが怒って教えてくれたことがあったが、それは事実だったらしい。
 地方自治体とリサイクル業者間に入っている「法人団体」は、ペットボトルが入手できなくなったので、地方自治体を“指導?”して廻っているところが放映されたが、一寸見ると地方自治体のほうが法律違反じゃないか?と思われる。しかし、放映された横浜市の場合は、そのカラクリに気がついていたから、法人に「処分の実態調査」を申し入れたが、法人側は「法律にない」と断っていた。やはり見せられない「何か」があるのだろう。
 
 そんな国内の“内紛”をいいことに、中国企業がどんどん買いあさっていて、まさに彼らにとってペットボトルなどが「宝の山」になっている状態が良く理解できた。
 古紙にしてもそうである。一体日本の政府機関は何をしているのだろう?と奇妙な感覚にとらわれたが、どうも獅子身中の虫に良いように扱われて、看板とは別に「税金の無駄遣いと主婦に無駄な労働」を強いているだけではないか?と思われた。
 つまり、誰もが嫌がる「産業廃棄物」の処理は、税金が絡んだ“専門集団”のドル箱になっていて、いまやそれが中国企業に席巻されている・・・と言うように私はこの報道から理解したのが、どうなのであろうか?
 昔、私がまだ幼児だった頃、戦中・戦後の物資不足の時期でもあったが、両親は「廃物利用」と口癖のように言っていたものである。ちょっとした紙箱でも、空き缶でも丁寧に保管して必ず再利用していた。空き箱などの厚紙は恰好の工作材料であった。
 今の若者達は「きびガラ細工」といっても分からないだろうが、トウモロコシの芯を乾燥させたものに色をつけ、爪楊枝や竹ひごを刺しながら、動物や車などを製作したもので、おもちゃと言えば「きびガラ」と言ったほどだったが、今の子供達は「高価な科学製品のコンピューターゲーム」に夢中で、その結果“視力”も“脳力”も侵され、殺人マシーンに成り下がっているように見える。
 私は、日本国内で積極的にリサイクル活動する中国人企業家に昔を思い出した。60年前は日本もそうであった。資源のない我が国は、廃物利用の精神で戦後復興してきたような気がするが、今やその精神は失われ、カルタゴかローマ人のような奢侈なにわか成金が蔓延した。そして恐ろしいことに、自分達の国に異常なほどの外国勢力が「トロイの木馬」のように侵入してきていることに気がついていないのである。気がついたときには遅すぎるのだが・・・外国から入ってきた小動物や植物によって、我が国伝来の生態系が破壊されていると言われて久しいが、何も動植物の世界だけではない。日本人伝来の「生態系」も破壊されていることに気がついていない!
 最後の砦であるはずの軍事についても、念仏のように「専守防衛」を唱えて60年余、他国に攻め込まない“戦略”だったら、ナパームや、地雷や、クラスター爆弾に限らず、核兵器さえも防衛上の必需品として保持すべきだろうに、「平和国家」を意識しすぎて「軍縮」に協調姿勢を示して自己陶酔に陥っている。第一、国際間に「軍縮」など通用しない。看板は別にしてもその実態は「軍備管理」であって、いかにして相手の手を縛って「軍縮させるか」が問われているのに、“平和国家”日本の政治家や外交官達は理解できていない。私が山本五十六だったら「これじゃ一ヶ月も戦えません」と素人シビリアンに直言するのだが、まさかこれらの装備品までもが、中国の化学兵器処理問題のように、処分目当ての「利権がらみの取引材料」ではあるまいが、山田洋行事件が響いているのか、制服組の声も聞こえてこないのは気がかりである。
 
 こんなことで「我が国に対する武力攻撃等、国や国民の平和と安全に取って最も重大な事態への対処について、国として基本的な体制の整備を図ることは極めて重要である」とする政府の考え(防衛白書)を、制服までもが責任を持って果たせると思っているとすれば、どう考えても私には“欺瞞”にしか思えない。「事勿れ」の典型ではないか?
 どうも市ヶ谷台にまで「木馬」が侵入しているとは考えたくないが、徐々に進行している国内情勢を冷ややかに見ていると、そういわざるを得まい。

 今朝の産経15面の「断」に潮君が良い事を書いている。「公然と差別される後期高齢者」として、厚労省が「後期高齢者は、複数の病気にかかったり、治療が長期にわたる傾向があり・・・」厚労相が「一般的に、やはり御高齢の方は若い方に比べて認知症の比率が高い」と言ったこと。道交法が改正され「75歳以上」は「紅葉マーク」または「枯葉マーク」という縁起の悪い“黒い縁取り”のマークをつけることが義務付けられたこと。その際政府が「加齢に伴う身体機能や認知機能の低下は全ての高齢運転者について生じる恐れがある」と言ったことなど、「一律のレッテル貼り」を批判した。そして「当然、パイロットや宇宙飛行士にも『高齢運転者標識』が必要だ。政治家や審議会の学者先生、医師や弁護士も『枯葉マーク』をつけよう。75歳以上は裁判員になってはならない等々。・・・法の下の平等を定めた憲法14条が泣いている」と書いているが全く同感である。
 75歳以上の代議士先生には“枯葉マーク”の議員バッジ、若造代議士には“双葉マーク”の議員バッジ、女性(男性?)問題で有名な先生方には「バイアグラ模様」の議員バッジを義務付ける・・・。勿論、外国人参政権が出来て、外国人代議士が生まれた暁には、「トロイの木馬模様」にする・・・。国民は分かりやすくていいのじゃないか?
 私もいずれは車に「枯葉マーク」をつけて走る身分に成り下がるのだが、その脇には「ファントム戦闘機」のステッカーを貼ることにしよう。「見敵必殺」の証明として・・・

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