軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

核武装論

 韓国の韓昇洙首相が29日、竹島に「不法入国」したという。同島が韓国領であることを示すため、縦22センチ、横32センチで「東海のわが領土 独島」と韓首相の名前を刻んだ標石をヘリコプター発着場に設置したそうだが、日本政府はきちんと抗議したのだろうか?いつものように「不快感」だけを示していても解決にはならない。台湾の首相のように「開戦も辞さず!」と抗議すべきである。

 この日、産経新聞は空自がイラクから年内に撤収すると報じた。国連決議切れだから、政府は撤退させることを決めたという。
 今日の新聞は、「新テロ特措法の期限切れがほぼ確実になった」ことを報じ、インド洋で活動している海自部隊の撤退も避けられなくなった。
 一時期、政府が鳴り物入りで宣伝した自衛隊の「国際貢献」「海外派遣」はどうなったのだろう?
 インド洋地域で行われているのは「テロとの戦い」だった筈で、石破防衛大臣は「テロとの戦いは今が正念場だ。日本に当事者意識があるかの問題だ」と発言したようだが、結論は「当事者意識はなかった」わけだ。
 そんな日本が、拉致被害者救出のため、北朝鮮の「テロ国家指定解除」をしないで欲しい、と米国にいうのだから、米国だってまともに相手にして居れないのではないか?
 先日ソマリア沖で日本の金属運搬貨物船(パナマ船籍)が海賊に乗っ取られる事件があったが、乗組員がフィリピン人であるからか、日本国内で報道されていない(私は見ていない)。「日本法人の貨物船である以上、日本国民の財産と日本の主権に対する明白な敵対行為であるのに、全く無反応なのはどうしたことか?とアメリカでは話題になっている。特に現場を預かる米海軍内部には、日本はテロリストと真剣に戦う意思があるのかないのか、全く理解できない」という声が高まっているそうだから、その上、インド洋から海自部隊が引き上げ、クエートからも空自部隊が引き上げるとなると、日米同盟は危機に瀕する。「これを喜ぶのはどこの誰か!全く理解できていないようで、日本政府の思考回路は切れているとしか思えない。海上警備行動を発令するなり国連決議1816を根拠にするなりして一刻も早くP−3C部隊を展開させなければ、所謂先進国サークルからは完全に脱落し、近い将来にはミドルパワーからも落ちこぼれかねない状況に立ち至るでしょう」と在米の友人から失望落胆したメールが届いたが、本当にこの国はどうなっているのだろうか?と不思議な感覚にとらわれる。内閣改造問題以外、「すべて世は事もなし」と楽観しているのかもしれないが、とんでもないことが次々に起きる予感がする。

 そんな中、今日は久しぶりに都心に出てチャンネル桜の「闘論!倒論!討論」の収録をしてきたが、夏休みとあってか意外に街中は空いていたが、アジア系外国人が異様に多かったのには驚いた。
 今回のタイトルは「どうする日米同盟、どうする日本の核武装」で、パネリストは、評論家・潮匡人杏林大学客員教授田久保忠衛、評論家・西部邁衆院議員・西村眞悟、国際問題アナリスト・藤井厳喜、それに私、司会は水島代表であった。
 ロシア、中国という「核大国」に囲まれた我が国は、とうとう北朝鮮という核保有国にまで狙われることになったが、政府も国民も全く脅威には感じていないらしい。
 韓国は竹島を不法占拠しているから、我が国とは「紛争当事国」でありいわば敵性国家である。友好国であった台湾も、馬総統が尖閣を巡って「敵対」する関係になった。いずれ大陸と一緒になって尖閣に出てくるであろう。そして「縦22センチ、横32センチ」で「尖閣はわが領土」と馬総統の揮毫入りの大理石で作られた標石を建てる事だろう。それとも胡錦濤主席との連名になるかも知れぬ。
 このように、いわば我が国は「四面楚歌」なのだから、どこと手を組んでそれに対処するのが一番有効かは、火を見るより明らかだろうに・・・。
 核武装については、軍事的常識が欠如し、ムチを持とうともせず、持っても使おうとしない「平和主義者」が政界を占拠している以上、極めて疑問が残るが、核武装論議を高めることは、我が国の安全保障意識を高めることに繋がるから、大いに論議を盛り上げる時だと思う。収録は予想通り論客の西部氏の発言が「大半を占める」ものになり、時間切れの感じがしないでもなかったが、是非ご覧頂きたいと思う。

 放送は、前半:7月31日(木曜日)夜8時〜9時30分
     後半:8月1日(金曜日)夜9時〜10時
  スカイパーフェクTV!241チャンネル・日本文化チャンネル「桜」である。

ぼくらの核武装論−タブー超突破! 今だから論じる。考える。 (OAK MOOK 138 撃論ムック)

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