福田首相が突然辞任したから、政界もメディアもてんやわんや。国民の多くも「ウッソー!」と言ったところだが、彼は「なりたくてなった首相」ではなかった。裏で“実力者達”からコントロールされていた、いわば“ロボット”だったから、こんな事態はいつでも起こりえた。
政治評論家ではない私が言うのもなんだが、一年以内に総選挙を控えた政府が抱えている今の問題点を整理すれば自然とその背景が浮かび上がってくるだろう。
今のままでは自民党は野党に転落する。「小判ザメ」の公明党は既に自民党を見限っているが、さりとて民主党と合体すれば、国民から総すかんを食らう。何よりも後ろに控えた御大を危険に曝す国会喚問は潰さねばならないが、さりとて“目玉商品”をみすみす手放すほど民主党はやわではない。その民主党からも脱党者が出て、「脱党者」を束ねる動きが活発化しそうであり、それだけは防がないと“頼りにする”ねじれ現象も消滅しかねない、と代表達は考えている。
そこで『福田では戦えない』と踏んだ自民党ではいつものように“裏方”が動いて、国民に人気がある、といわれる麻生氏を幹事長にすえたが、問題は「禅譲の時期」である。 民主党大会以後では自民の宣伝効果は薄いし、かといって臨時国会中・以後では何が生じるか知れたものではない。下手すると自民の命取りになりかねない。
どうしてもそれ以前に、ということになれば、今の時期しかないが、総理ご本人に「降りて」頂く以外にはない。誰も首に錫を付けられないから?突然ご自分が決断した事だ!ということにして引退願い、そこで麻生氏を総裁に据え、国家の危機を乗り越える、といわんばかりの党総裁選を実施すれば、国民も納得し広報効果は抜群!解散総選挙後の政権維持も不可能ではない、と誰かが判断したとしてもおかしくはないだろう。
そこで総裁候補者だが、本命は麻生氏、そこに中川氏、小池氏、野田氏、それとも小泉氏の再登場か、などと「あて馬記事」を既に出していたが、消去法で行けば自然に麻生氏となる。しかし麻生氏には絶対抵抗する御仁もいる。
随分前になるが、今詐欺まがいの事件?で話題沸騰?のスカパーTVハッピー241チャンネルに登場した野中氏は「差別発言した麻生は絶対に総理にさせない!」と興奮して語ったことがある。今ではTBSの「時事放談」で堂々と公言しているから、ご覧になった方も多かろうが、これでは総裁選も一波乱あることだろう。首相候補を取り上げてみてもこれくらいわが政界には人材が不足しているという証拠だが、いずれにせよ自民党は、本来の建党の精神に立ち返り、公明党という小判ザメを切り離して、堂々と憲法改正を進めない限り、沈没は免れまい。もたもたしていると、その間を縫って『既成政党から離脱した勢力』が名乗りを上げるかもしれないが、平沼新党では力不足か?しかし、国民の大多数は支援するだろう。既成政党には裏切られることばかりで信頼できず、ほとほと嫌気がさしているからである。同時に細心の注意を払わなければならないことは、この混乱に乗じて国外勢力が日本政界に浸透することである。いや既に相当浸透しているのだが・・・
素人の政治談義はこのくらいにして、後はゾクゾク登場するであろう「政治評論家」の解説にお任せするが、それにしても「人の嫌がることをしない」福田氏だけあって、自分が辞めないことを国民が「嫌がっている!」ことを認識した結果の辞任だろうから、その決断を「高く」評価したい!
期待された安倍首相突然の辞任から一年、再び一年で福田首相が政権を投げ出したが、日本の政権がこんなに軽いものだとは知らなかった!
先日、このブログに「軍事抜きでも勤まる日本の首相はアフリカの“新興国のボス”でも務まる」と皮肉ったが、こんなに早く現実になるとは何とも早情けない。
個人的には「靖国参拝を忌避した二人」に怒った英霊が鉄槌を下したのか?と思っているが、福田首相については上坂女史がこの夏に指摘したように「男が廃った」だけかもしれない。もともと廃っていたという声もあるが・・・
今朝の産経には、市民の驚きの声が載っているが、有楽町で聞いた都内の主婦(65)の感想が見事に言い当てていると私は思う。
「何もしないで終わってしまった。今の男は駄目だね。福田さんはいい人と聞いていたけど、いい人では首相は務まらないのかもしれない」
ある男性会社員(59)の言葉も今の政治に対する庶民の不信感を代弁している。
「内閣改造をしたばかりで、国会も始まっていない。こんなに短い間に首相がまた変わって、自民党は国民を舐めているとしか言えない。でも、民主党はバラバラで、任せることが出来ない。今の状況では誰も選べない」
都内の会社員、北川かおりさん(29)は「内閣改造で入閣した人たちに対して、とても失礼だと思う。会見で自分の業績を評価していると聞いたが、ただの自己満足だと思う。今回の辞任は『ジコマン辞任』ではないか」と皮肉っているが、今の若者らしい面白い表現である!『人が嫌がることはしない』というのも実は『ジコマン』に過ぎなかったのだろうが・・・
とまれ世界は急展開している。この一年は、中国の文化大革命の『失われた10年』には匹敵しないにしても、日本にとって実に貴重な『失われた一年』だった、と後世の史家が書く事になるだろう。
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