軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「リベラルたちの背信」!

 麻生首相の足を引っ張り、左翼勢力の拡張を意図する活動が、各地で展開されているのは「コメント」の中にもあるとおりだが、表題の「リベラルたちの背信(アン・コールター著=栗原百代訳:草思社)」を読めば、野村大使の懸命な努力を「あざ笑うかのように」「ハル・ノート」を突きつけて、ついに日本政府に「開戦やむなし!」と決断させ、帝国海軍を「真珠湾奇襲攻撃」に踏み切らせた日米開戦に至った背景が彷彿とするだろう。
日系人を収容所に送り、スターリンの暴挙に目をつぶり、北朝鮮に色目を使う、これがリベラルの正体だ!」と帯にあるが、全米でベストセラーになった本である。

 第二次大戦終結後に米国で「マッカーシー旋風」が吹き荒れたが、リベラルは徹底的にメディアを抱き込んでこれに抵抗し、やがて共産スパイの摘発に熱心だったニクソンも、スキャンダルで追い落とした。自分に都合の悪いものは、報道せず隠すばかりか、異常な手段を講じて失脚させる、これが「リベラル」の常套手段であることが明快に書かれている。

 この著は、1990年代に公開された極秘文書(ヴェノナ文書)を基に書かれている。
 1946年から1980年までの間、米国と英国の情報機関が協力して極秘裏にソ連の暗号を解読した作戦を「ヴェノナ作戦」といい、この作戦は米国政府内のソ連スパイ網を明らかにしているのだが、日本では未だに「翻訳」されていない。
 それほど日本国内の「リベラルたち」が支配する出版会にとっては都合が悪いのであろうと私は勘ぐっているのだが、近々翻訳して発売されるようだから、大いに期待しているし日本人に読んで欲しいと思っている。

 「リベラル・・・」を読んでいくと今の日本国内情勢も実に良く似ていると思う。米国ほど大掛かりではないところが日本のリベラルの“ご愛嬌”だが、純朴?な一般国民をたぶらかすだけの効果は十分あるから油断できない。

 大阪方面に巣食うこれら「リベラル集団」の一部が、橋下知事の出現であぶりだされてきたから焦っているだけのようだが、この手の細胞は、ゾルゲ・尾崎秀美のように全国に潜んでいるから要注意である。
 まず、全国民が橋下知事を応援する必要がある。そして「大阪の戦い」に勝たねばならない。その意味では「天下分け目の大阪城」なのである。


 ところで、前記のように経済危機、金融危機解散総選挙で国内は落ち着かないが、日本の生命線である中近東の海賊撲滅にNATO連合艦隊」が出動した。

 以下は、米海軍アドヴァイザーのK氏から寄せられたレポートの一部だが、安全保障よりも首相の「バー通い」を懸命に取材するメディアはこの事実を全く無視しようとしているようだ。
 麻生首相の「兵糧攻め作戦?」に青息吐息の野党連合は、「国民の目線」で戦おうとしているようだが、切羽詰って解散促進のため?「予算審議」に応じた民主党も、今では「図られた?」と思ったのか、今度は審議にほぼ同意していた「テロ特」の成立を遅らせる作戦に転換したという。
 選挙という「自分たちの就職活動」が、国家安全保障よりも優先する政治家が存在する奇妙な国、それが今の日本の実態である。
 中国冷凍食品なんぞ、召し上がったことのないご婦人たちが、まるで「国防婦人会」のように「国民の目線」を強調して、割烹着を着て街頭活動!これこそ実のない「パフォーマンス」。夫婦揃っていい気なものである!
 何度もいうが「世界は急激」に変動している。日清戦争勝利の後も、大国の横暴に負けて、血を流して勝ち取った遼東半島をロシアに奪われた当時の国民は、「臥薪嘗胆」を合言葉に一致団結し、富国強兵、節約に努めて10年後にその大国・ロシアを打ち破った、そんな偉大な民族だった気概は消え失せてしまったかのようだ。
 大東亜戦争時も「欲しがりません、勝つまでは!」「ぜいたくは敵!」と朝日新聞などは国民を煽ったが、今や「リベラル」と化して、敵のお先棒担ぎに堕している様に見える。

 近々、新太平洋海兵隊司令官のShutalder中将が台湾・中国・韓国訪問に先立ち、東京へ立ち寄るそうだが、防衛省などは当たり前としても、安全保障の観点から、多くの国会議員と会って、日本周辺海域の安定をになっている米国軍事最高責任者との意見交換が望ましいと、議員達との面談を仲介した方からは「選挙で浮き足立った議員からは、時間がない」と断られ、たった一人、“ひげの参院議員”だけが受けたという。これが今の日本の政治家の実態である。

 さて、次に掲げるK氏の意見と、NATO連合艦隊の進撃する写真を見て、皆様はどうお感じになるか?詳細な提言は省略して、要点だけを転載する。

NATO海軍が国連の要請に応えて艦隊をソマリア沖に派遣しました。
以前から指摘しているように日本にとってはP-3C部隊を派遣する絶好の機会であり、この機を逃すと更に国際社会から脱落することになりかねません。

≪国連決議1838により、ソマリア周辺海域での海賊対策の強化を国際社会が共同で行うことが要請されている。これに関連して国連事務総長はWorld Food Programme(WFP)の援助用食料運搬貨物船の護衛をNATOに要請した。この要請に応えてNATOは、10月15日にNATOの地中海常備艦隊であるStanding NATO Maritime Group 2(SNMG2)のなかから編成された艦隊をソマリア周辺海域に出動させた。10月24日のNATO声明によると、このSNMG2の艦隊は護衛作戦を開始した。イタリアの駆逐艦を旗艦として、ドイツ・ギリシャ・トルコ・英国・米国の合計6カ国7隻から構成される派遣艦隊は以下のとおり。

SNMG2ソマリア周辺海域派遣艦隊編成表 (by CNS)
イタリア海軍駆逐艦 ITS Durand de la Penne(D560)
ドイツ海軍フリゲート FGS Karlsruhe(F212)
ドイツ海軍補給艦 FGS Rhön(A1443)
ギリシャ海軍フリゲート HS Themistokles(F465)
トルコ海軍フリゲート TCG Gokova(G496)
英国海軍フリゲート HMS Cumberland(F85)
米国海軍駆逐艦 USS The Sullivans(DDG 68)≫

以下に、状況を記載いたしました。添付写真はスエズ運河を南下するNATO艦隊です。】

樺太紀行はお休み)


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