軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

少年漫画脳?内閣

 12日の産経新聞・23面「断」の欄に、評論家の潮氏が「『少年漫画脳』内閣の偏差値」と題して、「漫画の是非以前に、麻生首相の愛読誌は文字通り『少年』向けである。そろそろ卒業されてはどうか。他方、麻生『最高指揮官』に解任された田母神前空幕長は読書家である。歴史書はもとより拙稿までお読みいただいていた」「正義のヒーローが悪を倒すのは少年漫画の定番だが、現実の国際社会は正義と正義がぶっつかる。だから戦争がなくならない。いくら『侵略』を『反省』しても問題は解決しない。あえて善悪の価値判断を示すなら、正義は常に自国の側にある。そういえば、談話を読み上げた村山首相も漢字を読み違えていた。本家『村山談話』の偏差値も少年漫画の域を出ていない」と面白いことを書いている。

 今日の「断」欄には、文芸評論家の富岡幸一郎氏が「世論とは私語の堆積か」として、「大衆は喫茶店での話題から得た結論を実社会に強制し、それに法の力を与える権利を持っていると信じている、と。つまりは世論の暴走である。世論とは本来はパブリック・オピニオンの筈だが、平成日本では私語の堆積の様相を呈してはいまいか。
 各新聞の世論調査が政治を動かし、政治家はその数字を見ながら動く。世論に憂慮する政治家ではなく、憂国の政治家の出現をこそ期待したい」と書いた。
“少年漫画”と“私語の堆積”で動く日本!

 田母神空幕長更迭事件は、予想以上に影響が大きく、深く静かに広がりつつある。
 先日はNHKでも取り上げていたが、反田母神?報道に登場する方々からは、何と無く『戦後の呪縛』の臭いが感じられるが、メッキがはげつつあるようで、保守派の中に隠蔽されていた?実態が浮かび上がりつつあるのは喜ばしい。その意味で田母神論文問題は、いわゆる保守派といわれる物書きなどにとっても立派に「踏み絵」になったようだ。
 特に文言春秋一月号の「田母神前空幕長を殉教者にするな」という石破元防衛大臣の論文はいただけない。「レッド・オクトーバー」という映画を例に挙げて、「共産軍のシビリアンコントロール」を評価する内容には驚きを禁じえないが、これも漫画脳の影響か? 防衛大臣ともあろうものが、この程度のシビリアン・コントロールの認識であったとは!
農水行政は大丈夫だと思いたいが・・・

 今日の産経「アピール」欄には、評論家の石平氏が、11月30日付の外交評論家・岡本行夫氏のコラム「中国は穏やかになってきた」に対して、中国は「穏やかではない」と反論し、「中国という13億人の巨大国を観察するに当たっては、局部的な視点や個人的な印象に偏りすぎてはかえって大局を見失ってしまう恐れがある」と警告している。
 彼は私の講演を聞いた後で、「中国」を悪者扱するのではなく「中国共産党」と名指しすべきである、と意見してくれた、当時は中国人であった。

 その中国国内では、異常なほどの「騒乱」が頻発しているが、あまりの多さに、中国当局は11月初めから、全国各県の共産党トップを北京市に呼び寄せ、一期は7日間、計6期の予定で緊急勉強会を開いており、その目的は、各地で勃発する突発的抗議事件を制圧する策をさらに強化することであるという。

 10日の産経には「地方の不祥事、北京で相次ぎ報道」として、国営中央TVの女性記者が逮捕された事件が注目を集めていて「北京の各紙は拘束は違法だとして女性記者を応援」、「不祥事報道をめぐり中央メディアの報道姿勢は確実に変化してきている」と報じた。また「各地域で絶大な権力を持つ地方政府は、地元の司法やメディアを完全にコントロールしている。そこで弱者は不満があると中央メディアに直接訴え、それを報道してもらうことが増え」ていて、産経は「中国共産党によるメディア統制は、ほころびつつある」と結んでいる。

 その一方で、中国は尖閣諸島を10時間も領海侵犯し日本の抗議に対して「自国領だ」と突っぱねている。台湾はこれに関して中国とは「一線」を画しながらも、尖閣を自国領だとすることに変わりはない。
 大陸内部で異変が拡大し、民衆の怒りを処理できなくなった時に、彼らがどんな手を使うかは歴史を顧みれば明白であろう。

 漫画本にも、いろいろあるから、首相も石破元防衛大臣も、一朝有事の際にどんな手立てを打つべきかという軍事漫画にも目を通して勉強し、シビリアン・コントロールの真価が発揮できるようにしておいてほしいものである!
 少年漫画に目を通すだけ、プラモデルを飾るだけでは「中国軍」を追い払うことは不可能だからである。

中国空軍のF-10戦闘機列線

甘粛省の暴動


湖南省の暴動(いすれも「大紀元報」から)

自らの身は顧みず

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1937南京の真実

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「中国の戦争」に日本は絶対巻き込まれる

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中国の戦略的海洋進出

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国際軍事関係論―戦闘機パイロットの見つづけた日本の安全

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