軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

海自艦、日本籍船を護送

 24日産経のトップニュースである。中国海軍艦艇3隻がソマリア沖に出航したので、あわてて?『警備活動を適用』し、海自艦艇を差し向けるようだが、記事を読んで思わず吹き出した。

1、『対象が2300隻以上にのぼるため、当面は日本籍船に限って護送を行う方針だ』そうだが、護送中に遠方で海賊に襲われている外国籍船舶を見つけたらどうするのだろう?

2、『海賊船から攻撃を受けた場合には、警察官職務執行法に基づき同等程度の武器での反撃を認める』そうだが、これじゃテロリストや海賊は襲撃しやすいだろうから、抑止にもならないだろう。海自艦艇に護送されている船舶を『AK47』で攻撃すれば、艦艇は『小銃』で応戦する。それでは海賊は少しも「怖くない」だろう。ピストルを撃ったら、5インチ砲弾が飛んでくるから、彼らは手出ししないのである。

3、麻生首相は『(自衛隊の)艦船が航行するだけでひとつの抑止力が働く』と言ったそうで、パトカー並みに考えているようだが、平時に『パトロール』して航行しているのならともかく、現に海賊の襲撃から護衛するために出動するのだから、航行するだけでは意味がなかろう。

 それも一般法制定までの過渡的措置だそうで「日本から派遣するのでは到着までに一ヶ月程度を要する」から、当面は『インド洋に派遣している護衛艦1隻で対応する方針で、任務をあらかじめ護送対象に決めた船の伴走のみに限る」という。給油活動中の給油艦の護衛は不要らしい。


 今日の産経23面片隅にベタ記事で、「海自不祥事の背景・人不足や質低下」として、あたごなどの衝突事故などで設置された海自の「抜本的改革委員会」が、「不祥事の背景に人員不足や資質定価があるとし、女性自衛官の登用や教育の見直しを図ることを盛り込んだ」という。「指針では、不祥事の背景に人員不足、隊員の倫理観の低下、インド洋での給油活動など業務の多様化があると分析。(1)装備と人員のバランス(2)養成態勢の再構築(3)組織の活性化・・・を柱にした改革を打ち出した」というが、そんな改革も進まないうちから、又一つ「業務の多様化」が進んだわけだ。
 遅れ遅れの措置と行き当たりバッタリのような『シビリアンコントロール』の実態に、こんなことで『イインカイ!』と隊員たちから言われないようにしてもらいたいものである。


 昨日午後にチャンネル桜の『闘論!倒論!討論!2008』の収録に出かけた。テーマは『本当に日本は守れるのか?リアル国防論』で、パネラーは潮匡人(評論家)、大田述生(元防衛庁審議官)、川村純彦(元海将補)、平松茂雄(元防衛研究所研究室長)、松村劭(元陸将補)、それに私、司会は水島代表。

 3時間があっという間に過ぎたが、放映は前半が今日の1930〜2030、後半は26日の1900〜2030。
 スカパー!216チャンネルの『日本文化チャンネル桜』、インターネット放送は、So−TV(http:///www.so-tv.jp)で。
 熱のこもった討論をご覧いただきたい。


 帰路の澁谷のデパート食品街は大行列でどこも大混雑、通り抜けが出来ず迂回させられたが、ケーキを買う客でごった返しでいた。
 クリスマスイブだから当然?なのだろうが、不景気ならぬ『ケーキ』の行列には面食らった。よほど『ケーキ』がいいらしい?! 
 家内に言わせると「今年は去年よりよほど質素」だそうだが、「仏教徒の日本人なんだから当然だろう。今までが派手だったのだ」と言ったら、「我が家はダイエット中だからいずれにしても無関係」とのこと。クリスマスイブとダイエットの方が関係があるとは思えないのだが・・・。

 今年も残すところあと6日、恒例の年賀状書きで時間がない。皆様も風邪など召さぬように。

“劇場政治”の因果―戦争を禁止された“国家”の悲劇

“劇場政治”の因果―戦争を禁止された“国家”の悲劇

日本には日本の生き方がある―歴史にまなぶ

日本には日本の生き方がある―歴史にまなぶ

「中国の戦争」に日本は絶対巻き込まれる

「中国の戦争」に日本は絶対巻き込まれる

中国は日本を奪い尽くす

中国は日本を奪い尽くす

自らの身は顧みず

自らの身は顧みず

日本は「侵略国家」ではない!

日本は「侵略国家」ではない!

WiLL (マンスリーウィル) 2009年 01月号 [雑誌]

WiLL (マンスリーウィル) 2009年 01月号 [雑誌]

正論 2009年 01月号 [雑誌]

正論 2009年 01月号 [雑誌]

中山成彬はなぜ日教組と戦うのか

中山成彬はなぜ日教組と戦うのか