軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「変」な年から、まともな年へ!

 昨日は久しぶりに地上波の「テレビタックル」を見た。前段の「政治喜劇?」には辟易したが、これが今の政治家の実態なのだろう。いっそのこと、テレビ芸人に転向するが良い。
 後段には田母神前空幕長が出たが、スタジオは一変、議員達の発言が急に減った。
 VTR出演した青山氏は全うな解説をしていたが、議員諸侯は「戦後教育の弊害」丸出し! 田母神氏の「正論」に、目を輝かせて?必死で噛み付いたのは共産党議員。
 最も、田母神氏が「あなたには(理解は)無理でしょう」と一蹴。コミンテルンに魂を売った人間が「日本に対する愛国心」を理解できるはずはない。看板に「日本」と付いているから国民は騙されているのだ!

 誰が推薦したのか知らないが、自衛隊幹部養成を受け持つ防大校長に就任した五百旗頭氏は、防衛省の一部門に属する「自衛隊員」であるにもかかわらず、身の程も弁えず、福田内閣時代には防衛省改革で現職の石破大臣の前に座って報告を聞いていたし、小泉内閣時代には、現職でありながら「イラク戦争は間違っているから、米国と共同しても後味が悪い結果を招く」と発言、明らかに「国是」である日米安保を非難、小泉首相靖国参拝までも「靖国参拝にこだわったから日中関係が大きく損なわれた」という意見を公表している。現職「国家公務員特別職」の「自衛隊員」が、誰に「届け出て」発言したのかしらないが、現職首相・最高指揮官を非難したのであったが、何の咎めもなかった。

 これらの経緯については「WiLL」2月号の、小林よしのり氏と田母神氏の対談に詳しいが、田母神更迭は、要するに「制服たたき」の一環であり、省内に蔓延る「私服優先」が支配しているだけの、シビリアン・コントロール以前の問題である証拠である。
 昨日のテレビでは、その実態の一部が明らかにされたため、出演者の意見も相当揺れていた。「もっとこのような意見交換の場が設けるられるべき」というのが結論だったと感じたが、細々とではあるが「日本文化放送“桜”(チャンネル桜)」では既に継続されているもので、出演者にも、発言にも何らの「放送規制」もない。自衛隊の実態が余すことなく語られ、生の姿が放映されているから、TV朝日もそれを見習ったらよいだろう。

 とまれ、田母神更迭問題は、自衛隊と国民の間に、一部のメディアや評論家、反自衛隊活動家達の手によって張り巡らされている「分厚い壁」を破る効果は絶大だったと思う。

 現役時代に7時間以上に及ぶ「頭部切開大手術」を体験した田母神氏が、精力的にメディアに登場していることは素晴らしい!
 歴代幕僚長で彼に匹敵する勇気あるOBは一人もいないだろう。その意味ではこの問題は、保守派と称する「登場人物」達の真価が問われる、良い「踏み絵」になったと思う。 彼らのような、いかにも保守派然としていながら、時によっては軸線が大きく揺れ動く「日和見」派や、今まで「自分に好都合なぬるま湯」にとっぷりとつかっていたOBの中にも、正体がばれそうだ!と落ち着かない方々がいるのではないか? その意味では、今年は自衛隊にとっては、良い意味で“メッキが剥げはじめた年”となった!

 来年こそ、自衛隊の真の姿を公開する「広報元年」になり、自衛隊と国民を結ぶ、全うな関係が出来上がることを期待したい。


 ところで今朝の産経19面下の「Re社会部」に「まずは自然に・・・」という、米国旅行をした(志)記者の2つの体験談が出ていた。軽いものだが考えさせられることなので転載しておこう。

一つ目は、あるテーマパークで国旗掲揚が行われていたときの事。多くの人がレジャーの真っ最中であるにもかかわらず、国旗に敬意を表していました。ある中年女性は国歌が演奏される中、道の真ん中で気をつけをし真剣な表情で国旗が上がるのを見つめていました。別のお年寄りの男性は歩道の縁石に座り、孫二人の相手をしながら胸に手を当てていました。
 素直に国旗・国歌を敬える雰囲気をうらやましく思うと同時に、こういう大人たちの姿を見て、子供達も自然に愛国心を養っていくのだと、改めて確信しました。

 二つ目は、バスの車内。若者が向かいの座席に靴を履いたまま足を投げ出していました。隣の両親は見てみぬふり、私がそれを見とがめ、若者のそばに座っている男性と目が合った直後、その男性が若者に注意してくれました。すごすごと足を下ろす若者・・・。
 米国の奔放さは嫌いではないのですが、行過ぎて辟易することがあります。「そんな国だよな」とあきらめかけていたところで、期せずして若者のしつけに一役買ってしまいました。
 年末年始は家族と過ごす時間が増える時期でもあります。子供達に世間の常識を伝えるとき、まずは自然に、必要であれば厳しく接していきたいものです(志)】


 歴史の長さでは比較にならないほど米国に「差をつけている」日本だが、今のところ「愛国心」と「子供の躾」では逆にかなり「差をつけられている」という記者の実感だろう。
 もうそろそろ「本来の姿」を取り戻さないと、わが国は世界中から見向きもされなくなるかもしれない。
 一人細々と?続けている私の“国旗掲揚運動”は3年たっても成果が乏しいが、あきらめずに継続していくつもり。


「変」な一年だった今年もいよいよ明日でおわり。
 来年は「志」記者が言うとおり、「世間の常識」と「本来の日本人の姿」を取り戻し、少しは「まともな年に」すべく「まずは自然に、必要であれば厳しく」接していきたいもの。

 読者の皆様からの一年間のご叱責に感謝しつつ、来年もご叱正いただくことを期待し、今年の記事更新を終わることにする。 皆様方が、良いお年をお迎えになりますようお祈りします!

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