軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

諸々まとめて

1、16日の「史料調査会研究会」は有意義だった。静岡産業大の森戸教授が、2月〜3月にかけて“戦後の”ガザ地区を訪問した時の写真を展示してくれたから、実情の一端が良くわかった。オバマ大統領の「解決策」は、二国家共存だが、領土問題以外に「エルサレム問題」があるから、ことは容易ではない。


2、奈須田敬氏が「ざっくばらん」4月1日号で、麻生首相の「防大卒業式での訓示」を、北のミサイル発射で「はっきりしたのは北ミサイルに吹っ飛ばされた平和憲法の看板。麻生首相防大卒業式訓示は国家安全保障の原点に戻って考え直そう、と国民に呼びかけたようなもの」だとして、「自衛官はわが国外交の重要な部分を担う『外交官』であるといっても過言ではない」とし、「日本の独立と平和を守る上で、国民が最後のよりどころとするのは、防衛省自衛隊である」などと述べたことを評価したが、「最後に麻生内閣総理大臣・浜田国防長官に一言。若き防人たちを失望させるような『国防費削減』だけは、金輪際やめてもらいたい。無法国家の戦意を助長するような愚を冒すことなかれ」と要求した。
 既にインド洋でも艦艇が活動しているが、ソマリア沖に2隻が派遣され、更に今回はP-3Cも派遣される。カネを渋って平気で「重労働」させている現実をどう認識しているか気になるところである。
 大東亜戦争は武器を与えす、精神力を強要され、真面目で優秀な兵士達は餓死して果てた。軍隊(自衛隊)は国民の最後のよりどころという意識が一番欠けているのはどこの誰か?麻生首相には国会でもこのことを強調して欲しいものである。


3、4月5日に放映された「NHKスペシャル 150年前世界にデビュしたJAPANの軌跡、アジアの“一等国”日本の初の植民地台湾発見・・」は「我が国の台湾統治の歴史を歪曲する、見るに耐えない左翼的偏向に終始した番組であった。具体的には日本の台湾統治に関して批判的な意見や否定的な事例のみを集め、最後に文脈を明確にせず台湾人元日本兵と、ではない一般の人と思われる80歳90歳の人々に多くを語らせ『日本から差別された』『自分たちは奴隷だった』『日本から馬鹿にされた』『同じ職場で給料は日本人は160円なのに自分たちは100円だった』等々言いたい放題の、いかに日本に酷い目に合わされたという画面であった」と伊藤玲子氏が平河総研のメルマガ『甦れ美しい日本』に書いている。
 先日会食した台湾の高官も、非常な不満を述べていたが、中でも取材された台湾の方々が、『捏造に近い』と怒りあらわだという。私のところにも怒りのメールが届いているが、以前『天皇裁判劇』をNHKの教育テレビで放映した、朝日新聞編集委員松井やより“事件”を思い出す。NHKも性懲りがない!
 今回のディレクターも40代の若手だそうだから「歴史的考察が不備だったのだろう」というと、友人は『意図的なもの』と断定している。いずれにせよ、『週刊新潮』同様、取材も分析もかなりズサンで、それをそのまま放映させたNHKに責任を問う、というのだが、広報室長時代に日航機事故報道で陸幕防衛部長が取材を受けた際、2回にわたる15分以上にもわたる撮影テープの中の一瞬の言葉尻だけがNC9というニュース番組で流れ、防衛庁自衛隊に批判が相次いだことがあった。NHKに猛抗議すると、取材テープの中身を番組でどう使うかは「担当ディレクターの判断」だと言う。しかし放映された部分は、撮影現場で『取材ミスだとして修正されたもの』であった。つまり、明らかに取り消しを要求し、記者も理解したものだったのだが、それが流れたのは、テープそのものを破棄させなかったからだというのである。

 今回も真面目に取材に応じた台湾のご老人方は、騙された!という気持ちでいっぱいだろうが、NHKのみならずメディアには、自分のシナリオ(思想?)に好都合な部分だけを拾って使うという、一種の捏造を得意とするところがあることを忘れてはなるまい。
 伊藤女史は、「しかし一方、台湾の多くの方々は、日本統治時代の功績は功績として評価し、例えば児玉源太郎後藤新平等は台湾のインフラ整備とか衛生を改善マラリア、ペスト,コレラ等の伝染病を無くした。アヘンを撤廃等々。八田與一烏山頭ダム建設そして土地を豊かに米作り農作物の振興と発展等々の台湾の為に貢献した日本の先人達を今でも語り伝えられていること等、一切語らずNHKの報道は、画面は、なぜ一方的に日本は悪いことばかり行ってきた、と殊更に強調するのか、良いことも事実として両方を報道すべではないか」と書いているが、まさにこれは『情報戦争』なのだが、国民の税金を使っている放送会社なのだから、外交問題になったこの事案について総務大臣の見解が聞きたいものである。


4、次は行事などのご紹介!
(1)SAYA spring live:友人の扇さやさんのライブ。残念ながら私はこの日『主権問題』の会合で欠席せざるを得ない。素晴らしい『ジャズ』のライブ!是非『ロマンティックな春の一夜をお楽しみいただきたい』


(2)主権回復記念日民集会のお知らせ


(3)新刊書籍 
 ●「国×暴防論」松島悠佐・川村純彦・田母神俊雄勝谷誠彦・共著

 
 ●「戦争詐欺師」菅原 出著
  タイトルは刺激的だが、ブッシュ政権時代のテロ戦争、イラクを巡る動き等、製作に影響を与えるべく暗躍した亡命者、ロビイストやインテリジェンス・オフィサーなどの姿を通じて、イラク戦争時の政策決定過程の舞台裏を描いたドキュメント。日本人に欠けている『情報戦』の裏が見えてくる好著!

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