軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

憲法記念日と護憲派集会

 昨日はチャンネル桜の収録に出かけた。高尾山、多摩動物公園をつなぐ京王線はご老人と子供達で混雑。澁谷は表通りは大混雑だが、一歩路地に入ると閑散としていて、その差が際立っている。
 BBCもCNNも、メディアは「豚インフル」で大騒ぎだが、行楽を楽しむ家族連れやカップルには“関係なさそう”な感がある。世界規模での「疫病流行や化学・生物兵器テロ」退治策の訓練には最適だろうが、「風邪を引いたら玉子酒飲んで2〜3日休養すれば直っていた」時代を体験している私には何とも騒々しく思える。
 そして感染の兆候がないにもかかわらず70人ものメキシコ人男性を中国が隔離?したから、ついにメキシコと中国とで「差別的な人権侵害問題」に発展しているが、インターネット情報では、メキシコよりも中国・香港周辺が今回のインフルエンザの発生源ではないか?と言われているから面白い。
 そういえばWHOのマーガレット・チャン事務局長は、香港でSARS・鳥インフルエンザが流行した時これを封じ込めた手腕を認めた中国政府がWHOに送り込んだ人ではなかったか?何と無くインターネット情報が気にかかる。
 それにしても、昔は『風が吹けば桶屋が儲かる』と言った。しかし今や『豚が風邪引きゃマスク屋が儲かる』らしいが、誰かが製薬会社と連係プレーしていたりして・・・。
 しかしこの風評?被害で、全頭殺害されるエジプトの豚さんたちがなんとも気の毒、日本の動物愛護団体の感想が聞きたいものである。


 冗談はさておき、昨日の収録は、井上キャスターが悪意あるNHK番組の取材で台湾に出張していたため、防衛漫談はいつもはアシスタントの加藤夏未君とすることになった。ところが更に白川比咲子君も加わったので両手に華!だったから、熱心に仕事をしていた井上君に叱られそう!
 HNK・スペシャル問題については、台湾でも怒りが渦巻いているようで、国際問題に発展しそう。少なくともまず日本人有志が、意図的な報道に対してNHKに抗議しようと次のような計画が立てられている。


 収録の「本日の新聞(ニュース)から」と「ショートコラム」では、5月4日付の朝日新聞の「改憲・護憲両派が集会」記事から「憲法問題」が中心になった。約300人が集まった『新しい憲法をつくる国民会議』では、小池百合子議員が「生命・安全・国益よりも『憲法を守れ』と、自縄自縛に陥っている」と護憲派を批判したが、「主催者発表で4200人が参加した」日比谷公会堂での護憲派集会では、作家の落合恵子さんが「親を介護中の女優が最近も命を絶った。福祉の無策ではないか」とスピーチしたと言う。
 命を絶った女優とはタレントの清水さんのことだろうが、彼女の自殺が「憲法25条が保障する生存権が脅かされた」結果だとは知らなかった。さすがは作家、理屈付けが意表をついている。
「父親が特攻隊員だった」社民党福島瑞穂党首は「父の存在から戦争はいけないと学んだ」そうだが、彼女の父親が“特攻隊員”だったとは知らなかった。陸軍か、それとも海軍か?いずれ調べることにするが、日教組初代委員長の槙枝氏が「憲兵中尉」だったのだから、有り得るかも知れない。
 それにしても「戦争はいけない」とはまたなんと子供じみた発言だろう。いかにも「戦争はいいこと、素敵なこと」などと言う人間が日本国内にいるという前提の発言のようだが、元戦闘機乗りの私でさえ「いいこと」だとは決して思ったことはない。

 3佐時代に外務省に出向していた時、朝日新聞記者から軍縮問題の取材を受けたことがある。当時はヴェトナム戦争でナパーム兵器等、焼夷兵器をソ連側が禁止しようとジュネーブ論議されていたのだが、朝日新聞はそのお先棒を担ごうとしたのである。当時ソ連が主導していたストックホルム国際平和研究所の「SIPRI」年鑑を元に、日本でも航空自衛隊がナパーム弾を装備している、として、これを非難しようとしたのだが、生憎私の「外務事務官」という肩書きの名詞の裏には「Major JASDF」とあったから正体がばれ「あなたもナパーム弾を投下するのか!」と聞かれた。 ナパーム誤爆で逃げまどうヴェトナム人少女達の写真を掲げたSIPRI年鑑を示して言うのだが、私は「この写真で逃げまどう子供達を自分の子供達に置き換えて考えれば、悲惨この上ないと同情はする。しかし、わが国の海岸線に着上陸して来るソ連軍の頭上には、迷うことなく投下する」と答えたから、記事は効果がなかったようだった。
 戦争では「戦争はいけない!」などという情緒論は通用しない。食うか食われるかなのである。福島党首は「特攻隊員だった父親」の気持ちを踏みにじっているのではないか?偽善もいいとこである。

 共産党志位和夫委員長はオバマ大統領のプラハ演説を歓迎し「武力に物を言わせる時代は終わりつつある。9条を守り、核廃絶に向けて頑張ろう」と訴えたそうだが、「諸国民の公正と信義に信頼して」平和を信じて生きている日本人に向かって言う言葉ではなかろう。核兵器で恫喝し、軍事費を増やし空母や核戦力を増強している国々に対して言ってもらいたい。最も看板に「日本」共産党とあるから国民は騙されるのだが、その生い立ちはソ連コミンテルンに魂を売った「ソ連共産党」なのだからそういうのも仕方ない。核保有国で反日姿勢を取り続ける周辺諸国に向かって堂々と発言するようになったら、その時は看板に『日本』が付いていても気にしないのだが・・・。


 憲法改正手順について、コメンテーターの方々がいい意見を寄せてくれている。民間憲法臨調で勉強していた頃、「帝国憲法の手順に従い、現憲法を破棄し、改めて帝国憲法を修正するのは可能だ」とする意見もあったが、専門家達はなかなか首肯しなかった。乱暴な意見だと言うのであろう。石原慎太郎氏の持論だったからかもしれないが・・・。
 3日の憲法記念日に我が家は日の丸を掲げなかったが、南側の住宅地に一本だけ掲揚されている日の丸を家内が見つけた!やっと見つけた!と感動したが、「待てよ?」と考えた。憲法記念日に日の丸を掲揚するとは、この家は「護憲派ゃないのか?」と気になったのである・・・

 とまれ、チャンネル桜でコメントしたかったことは「国会での憲法をめぐる議論を見ていると、土台があやふやな上に高層ビルを立てているようなもの。世界はめまぐるしく動いているのに、我国会議員たちは、憲法9条に束縛された防衛問題に振り回され、貴重な時間を浪費している。流動する国際問題に精力を振り向けられないで、いつまで貴重なエネルギーを無益に消耗している積もりか? 早く土台を強固なものにしないと、ビルはいずれ崩壊する」と言うことに尽きる。時間は限られている。自民党は、憲法改正が党是だったことを思い起こし、国民が胸を張って国旗を掲揚できる憲法記念日にして欲しいと思う。

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