軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

日台友好を破壊するNHK番組

 昨日は急遽上記問題を糾弾する集会に招かれた。第一会場には、200人を越える聴衆が集まり、立見席が溢れる!ほどの関心の高さだった。

 NHKスペシャルJAPANデビュー」の“ヤラセ”に対する抗議集会だが、急遽設定されたにもかかわらず、若者が意外に多く、特に台湾の方々の怒りは大きかった。

 今朝の産経に『NHKの大罪』に抗議する全面意見広告が出ているが、
1、NHKは『JAPANデビュー』において、『ヤラセ』取材、歪曲取材、印象操作編集による偏向報道を行ったことを反省して訂正・放送を実行し、本シリーズの製作と放送を中止せよ。
2、NHKの番組制作担当者、広報担当者、経営者は、日本国民と台湾国民、全視聴者に謝罪し、全員辞職せよ。
3、放送法第32条の『NHK視聴強制加入』を改正して自由契約を実現し、全国民のNHK受信料不払いを実現しよう。
と主張している。


 取材を受けた台湾の柯徳三氏は、『私はHさん(NHKディレクター)に言うたんだ。あんた、中共の息がかかっているだろう。(中略)NHKは、北京に呼ばれてチヤホヤとされて貢物を持っていったんだろう。そう言ったんだ』

 チャンネル桜が現地で直接取材して、柯さん以外にもNHKの取材を受けた皆さんの声を収録したVTRが会場に流されたが、皆さん完全に利用されたことに怒り心頭に発していた。(収録した生のDVDはチャンネル桜に申し込めば、見ることが出来る)


 私は24年前に御巣鷹山JAL機が墜落した際、NHKから「米軍がサーチライトつきのヘリ提供を申し出たが、自衛隊が断った」と言うデマを流され、防衛庁自衛隊はその後の抗議に忙殺されたことを思い出しその裏話を紹介した。
 当時、陸幕防衛部長室で2回に分けて合計20分近くも収録したテープの中で、私が『明確に否定した』部分だけを放映したから、担当記者を追及すると、『リハーサル』も『本番』も一切無関係、収録したテープ全部をディレクターが流してみて、気に入った部分だけを採用するシステムだそうで、「収録内容を否定された部分」についても無関係、放映されないためにはその部分を「物理的手段」で破棄する以外に阻止する手立てはない、と彼は答えたものである。

 ニュース番組『NC9』で訂正するよう申し入れたが、取材記者とは別のI記者が上役をつれてきて、私に対し「NHKの看板番組にけちをつけるのは許されない。『出るところに出て問題にする』」と脅迫したから、私も、マイクロカセットレコーダーを出して、「防衛部長室で全部録音していたから望むところだ、出るところに出て勝負しよう」と言うと引き下がった。ところが、その後差出人の名がない「国際郵便」で、「朝鮮語しか出来ない馬鹿ヤロー、自衛隊の役立たず、便所掃除婦になれ!」などという実に卑猥な手紙を送りつけてきたから、字体にピンと来た私は、手紙を筆跡鑑定に出して“犯人”がI記者であることを突き止めた。看板とは裏腹に、そんな陰湿な体質を持った組織だったから、失望したものである。


 平時の広報、情報活動は、弾を撃たない『戦争』である。日本人は今やその真っ只中にいる事を自覚すべきだろう。NHKのこのディレクターは、柯さんが指摘したように、日台間の友好に楔を打ち込む中共側のお先棒担ぎをしているのである。当時はマスコミは「第4権力」と称されていたが、いまや「第一権力」といっても過言ではなかろう。ただ、当時と異なることは、台湾国民に対してその名誉を傷つけたのだから、これは明白な『国際問題』である。
 御巣鷹山事故のとき意図的に流したデマ報道の時は、結局うやむやになってNHKは「訂正放送」も「お詫び」も勿論しなかったのだが、今回は“憲法違反の自衛隊”が相手ではないことを覚悟すべきだし、国際問題化した以上、政府も無視することは出来まい。総務大臣の見解が聞きたいものである。
 NHKの会長はディレクターを“弁護”しているようだが、他の職員達はどう考えているのだろうか?彼らの意見も聞きたいが、これは労働組合があるから無理だろう。真面目で愛国心に燃えた職員も多いことを知っている私としては、この組織のなかに巣食う一部の跳ね上がり者を統制できない上層部の無責任さにあきれるばかりである。


 ところで今日は午後から、北朝鮮問題に関する国家基本問題研究所の定例研究会が議員会館で行われ、西岡氏、島田氏、桜井女史とリレートークするが、私は北朝鮮の軍事的脅威、テポドン事例などについて概略を述べることになっている。

 先週から今日までかなり忙しかったが、これで一段落、やっと落ち着いて『体験談』の原稿が書ける!

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