6日は、チャンネル桜の「田母神塾」にゲストとして招かれ、久しぶりに田母神塾長と「防衛漫談?」を楽しんできた。後ほど2回にわたって放映される予定だそうだから、時間があればご覧いただきたい。
“塾長”は、11年前に私が沖縄で退官した時の「幕僚長」だったから、はじめは昔話で盛り上がった!
コメント欄では、F-22をめぐる話題で盛り上がっているが、「航空ファン」誌と「航空情報」誌に意見を求められて書いたのでご参考まで。紙数の関係で内容は短いが、この問題は単なる「F-X問題」ではなく、日米関係の根幹にまたがるものだということが分っていただければ幸いである。両誌とも9月号である。
毎週「平河総研」のメルマガに「大東亜戦争の真実を求めて」と題して、私の書庫にある関係書籍を乱読した結果を連載しているが、「月刊日本」にも、「佐藤守の『遠交近攻』」と題するコラムを書かねばならないので、結構時間がない。 今発売中の7月号には、「敵基地攻撃能力と“特攻隊”」と題して書いたから、興味がおありの方はご一読いただきたい。来月の「月刊日本」には、8月号だから『終戦秘話』として、マニラのマッカーサー司令部に呼びつけられた終戦交渉全権団と『ミドリ十字機』の話を書いた。
8月15日当日には、文京区のシビックホールで、これについて話して欲しいと若者達のグループから要請されたので、『終戦の日に思う』と題して(1)日本はアメリカに負けた!(2)特攻隊秘話(3)ミドリ十字機秘話についてお話しようかと思っている。(2)と(3)は、義父・寺井義守海軍中佐の『遺稿集』を纏めた経緯があるので、その中からピックアップするつもりである。
昨日は、某雑誌記者が来宅し、午後半日取材を受けたが、旧知の友人なので話が弾み、私も大変ためになった。空自パイロット達のその後の消息や、殉職したご遺族のその後の話など、生き延びた一人として胸に迫るものがあった。
私は現役時代の体験談をしただけだが、雫石事件については纏め上げたので、いずれ事実の一端を知ってもらえれば、と思っている。
さて、現実に目を転じると、とうとう大陸では騒乱が始まった。ウイグルで漢民族とウイグル族が衝突したが、今回のウイグル族による『穏便なデモ』が、普段から積もり積もった不満が制御できなくなって、双方が殺しあう、大騒動に発展したようである。
昨年3月におきたチベット騒乱は、オリンピック前ということもあって、中国政府は『秘匿』に躍起になって、強圧的に封じ込めたが、未だにチベット人の拘束は続いているという。
中国政府も、制圧に成功はしたものの、あんな異常な形で世界中に広がるとは考えもしなかったようであった。
つまり、中国政府が大慌てで、情報を隠し、捏造し、秘匿に務めたから、当初は情報統制には成功した様に見えたが、インターネットなどで流れる断片情報が、逆に中国政府の強圧振りを強調する結果になったからである。
これを反省した中国政府は、次に起きる騒乱では、積極広報?にでて、自己主張するだろうと思っていたが、ウイグル騒乱では予想以上に積極的のようである。
しかし、この国の『広報』は、民主主義社会に通用する概念ではなく、「謀略」に基づく、自己正当化が主体だから、捏造写真や報道等、真実は覆い隠され、時が経ってから真実が流れることになると思う。
わが国がこうむった『南京大虐殺』を代表とする「宣伝戦」を見れば結果は見え見えであろう。その実態を自由主義社会のメディアがどこまで見抜くかが勝負だが、同盟国のアメリカでさえも、南京大虐殺が事実だったかのように思って、同盟国を誹謗する決議をするのだから、米国会議員の“無知”というよりも、中国が流す「偽情報」の効果は絶大だというべきだろう。チベット騒乱と今回のウイグル騒乱で、かの国が如何に情報操作が見事かという事実が世界中に広まることを期待したいが、少なくともわが国のメディアには期待できそうもない。
国民はBBCやCNN等、他の手段を持って情報を収集し、冷静に分析しておく必要があろう。
いつも、中国の先を読んだ情報戦略の見事さには感心する。多分にツキもあるのだろうが、それにしても台湾に国民党政権ではなく民進党政権が継続されていて、チベット騒乱が、ウイグル騒動と時を同じくしていたら、おそらく大混乱になったか、あるいは『少数民族』側の勝利に終わったに違いない、と思う。
その点、今回の騒乱は、中国政府にとってはラッキーであったというべきかもしれない。しかし今後は予断を許さない。10月の「建国60周年記念日」にはどうなるか不明だからである。もしかすると、国境を接する北朝鮮国内でも同様な異変が起きるかもしれない。
そうなれば、中国政府は西と東に騒乱を抱えることになるから悲劇的である。最も避けるべき状態が出現するのだから。国内の派閥争いも無視できないから、尚更不安定になる事は避けられまいし、世界が見ている中で、軍事力で強硬に押さえ込むにも限界があろう。
そんなことを考えると、わが国の政権不安定な現状と、総選挙を控えている不安定な状況とが重なって、下手をすると『天下騒乱の秋』を迎えることになりかねない、と心配になる。オバマ大統領訪日もその頃である。
21世紀の「三国志」が始まったようで、お山で鶯の鳴き声に癒されながら、原稿書きや読書三昧している“仙人”にとっては、この秋は「洞ヶ峠」を決め込む秋になりそうである・・・
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