どなたもわだかまりなく参拝していた！ - 軍事評論家=佐藤守のブログ日記

　民主党の鳩山代表は靖国問題について、政権をとったら「どなたもわだかまりがなく戦没者の追悼が出来る国立追悼施設の取組を進める」と表明した。
　コメントにもあったように、民主党のマニフェストの裏では政教分離について公明党を意識した？微妙な余地を残しているが･･･。
　マニフェストの『確定版』はいつ出るのか知らないが、民主党の初版は大きく『修正』されることは間違いなかろう。それも大方の国民が知らないうちに！
　第一、靖国の“現場”に行きもせず、「どなたもわだかまりなく･･･」とはいい気なものである。

　昨日は、午後4時に靖国に着き、15分間並んで順番を待ち参拝してきた。参拝者は、老若男女を問わず、強い日差しの中、粛々と進み、それぞれの手法で『慰霊』していた。

　鳩山代表は「どなたもわだかまりなく･･･」といい、畏れ多くも「天皇陛下にも、心安らかに行かれる施設が好ましい」と述べたそうだが、傲慢無礼にもほどがあろう。
　天皇は日本国民の幸せと世界の平和を祈り続けておられる。そして日本の文化伝統を皇居の中で継承しておられる。自ら田植えをなさり、秋にはその新米を供えて、新嘗祭で神々に感謝の祈りを捧げておられる。
　鳩山氏は、田植えをした経験がおありか？米の花をご覧になったことがおありか？

　天皇陛下が「心安らかに行かれる施設は靖国」であることを忘れているのではないか？その道筋を立てて差し上げるのが政治家の務めなのに、魂もこもっていない「箱物」を作ることが天皇のため、だと勘違いしているようでは、とても2669年続いてきたこの国の指導者にふさわしいとは思えない。
　ご高齢で健康状態が気がかりな天皇陛下のためにも、特定アジア諸国に配慮したかのような武道館での『全国戦没者追悼式』はこの辺で止めにして、これからは国民皆が靖国で『心安らかに』英霊に参拝することにしようではないか！

　鎮魂の儀式も、仏教では初七日、四十九日の法要、一回忌〜13回忌〜33回忌〜と、死者の霊は次第に『成仏してわだかまりなくなる』はずだが、この政府主催の式典はいつまで続ける気だろう？遺族席正面に着座された両陛下にいつまでご心労をおかけし、頭を下げさせる気だろうか？
　この式典も、広島・長崎の原爆追悼式典もそうだが、誰も「ここらでそろそろ幕引きにしよう」と言い出せない雰囲気は異常だと思う。私には、“左翼勢力”による天皇の政治的利用、遺族会の票を気にした政治家のパフォーマンスに思われてならない。来年は65回目、“鳩山内閣”で打ち止めにしたらいかがか？ご提言申し上げる。
　
　もちろん、80億円もの個人資産をお持ちのようだから、趣味で別途「鳩山神社」でもお造りになり、自ら『わだかまりなく』参拝されることは一向に構わない。
　
　15分間列中で参拝者を見ていたが、お年寄りのご遺族と思える方々は別にして、ほとんどがノーネクタイの普段着姿であったし、中には海水浴場帰りか？と思えるような若い女性、二人連れなど、参拝者のほとんどは実に「わだかまりなく、気軽に」参拝していた。

　そんな中で、中年男性二人連れが「国立追悼施設を作っても、靖国神社の御霊はどうするのだろう？分祀する気？英霊もたまらないだろうな」といい、「千鳥が渕の無名戦没者を収容するんじゃない？」と言い、「不景気なのに無駄なことをするもんだ」と締めくくっていたが面白かった。

　悪いことは言わないから、お忍びでもいいから靖国に来て、国民がどのような受け止め方をしているか掌握すべきである。さもなくば、作った「箱物」は、後々万里の長城のような「笑いもの」になるのがオチである。
　民主党の鳩山氏、岡田氏にはもっと『鎮魂』という言葉の意味を熟考して欲しいと思う。ご先祖の墓参りをしているのなら理解は早いだろう。

　夕方から「終戦秘話」と題して講演したが、80人予定された会場は立ち見する方が出て主催者は椅子運びで大慌て、1時間45分『電気紙芝居』をご披露したが、１・大東亜戦争はアメリカに負けたこと（中国ではない）、２・特攻隊誕生秘話、３・マニラ派遣降伏全権団秘話は、初めて知る方も多く、終了後の懇親会でも大いに盛り上がったから、危うく終電に遅れるところだった。

　急いで帰宅してCS（ケーブル）放送の『朝日ニュースター』をみたが、既に前半は終わっていて残念だった。
しかし、“山ちゃん”のリードで核問題に関する“防衛漫談”は、今の若者の意識を知る上で貴重だった。同時に『教えざるの罪』も痛感したが、素材を提示すれば「わだかまりなく」率直な意見を吐く現代若者の健全さに意を強くした次第。