軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

松島基地航空祭

 22日、23日と、古巣である松島基地を訪問し、航空祭を見学してきた。
 前夜祭は「矢本町から東松島市」となったこともあって、相次ぐ代表者の挨拶はなく、主要な方の祝辞というスマートな出だしで大いに盛り上がった。

 昔の懐かしい部下達大勢に囲まれたが、それぞれに立派に成長しているので嬉しく思った。という事は私が如何に年を取ったか、という事だが、この27日で古希を迎えるのだから当たり前といえば当たり前のこと、若かった副官も堂々たる中堅幹部、頼もしい限りであった。


 昨年の航空祭悪天候で周辺の方々もがっかりしていて、今年こそは!と町の方々からも誘いがかかったのだが、現役時代から「空飛ぶテルテル坊主?」に扱われていたから断るわけにはいかなかったのである。
 今回は久しぶりに「飛べないテルテル坊主」だったから神通力もかげりが出ている?と思ったし、前夜祭には「アメ男」も何人かいたので些か気になった!


 仙台に次ぐ宮城県第2の都市である石巻市も、人口減少は避けられないようで、活性化に取り組んでいるようだが、地元に安定した産業がないため、私の頃から石巻専修大を卒業しても、地元への就職はままならぬようであったが、今では東松島市などが強力な産業基盤育成に取り組む、というのだから将来に期待したいと思う。
 基地に密着した防衛産業でも誘致すればどうかと思うのだが、日本企業は人件費の安い中国などへ進出するばかりで、日本人青年達の将来を見捨てている様に思われ残念である。もちろん企業は『慈善事業』ではないのだから、利益あってのものだが、利益だけを追求する姿勢もいかがなものか?自国民の生活と福祉に貢献して初めて『日本国の産業』だといえると私は思うのだが。


 23日は出発まで時間があったので、ホテルでフジTVの党首討論を見たが、なんとも早、口先だけの討論会で、特に過去の言動と一致していない点を突かれた鳩山氏の苦しそうな表情には同情を禁じえなかった!

 渋滞した中を基地に向かい、11時頃に基地内を一周してみたが、子供連れの多かったこと。中にはベビーカーに赤ちゃんを乗せている若夫婦が目立ち、赤ちゃんが日焼けしたり脱水症状にならねばいいがと心配になったほどであった。

ランプ地区は場所取り合戦!

出店は長蛇の列

展示機(T-2)のコックピットを覗く順番待ちの子供達

 祝宴会場には、終了時刻ぎりぎりに宮城県知事も駆けつけたが、文字通り、渋滞で車を降りて約1キロ駆け足だったという。知事は『防大で鍛えていたから!』と笑いを誘っていたが、汗びっしょりだった。


 午後のブルーインパルスは最高の天候の中で全科目を終了、ハートを矢で射る「キューピット」に若い女性から歓声が上がっていた。

 JRも臨時列車を増発していて、私の頃よりはるかにサービスが良くなって民営化の成果?が出ていたが、それでも列車は大混雑、私のときにT-4ブルーのデザインに入賞されたS医師と一時間たちっぱなしだった。それでも予定より一時間早く仙台駅に到着したので、揃ってお茶を飲んだが、二人とも足が棒になっていた。

 この日、松島基地にははどのくらいの入場者があったか知らないが、10万人近くだったのではなかろうか?
 米軍の横田基地航空祭と一緒になったので、航空ファンは大忙しだったらしい。


 大した地場産業もないところでこんなに集客力があるのだから、その経済効果も無視できないだろう。政治家達も「なんでも反対」ではなく、素直になればいいのにと思うのだが・・・。

 三沢基地司令時代に40万人集まって(公表は午後一時現在の34万と発表)米軍が大パニックに陥ったことがあったが、銀行の支店長が「人口4万人の町に一日で8億円の現金が動いた!」と教えてくれたものである。

 こんな国民が家族連れで揃って楽しむことが出来る「お祭り」も、来年から新政権が「“無駄遣いだ!”」といい、学校の先生が生徒達に「戦闘機を覗いてはいけません!」「国旗が掲げてある自衛隊基地に入ってはいけません」と騒いで「中止になるかもしれない!」とはある友人の心配。


 一日中、黙々と入場者の安全と交通整理のために炎天下に立ち通しだった隊員たちのご苦労に感謝し、健全に育っていた後輩たちと航空祭の成功に、夜遅く帰宅後「乾杯!」した次第。

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