軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

鳩山内閣スタート、さて・・・

脱官僚!」を掲げた鳩山内閣がスタートした。産経は「16年ぶり非自民」「混乱抱え見切り発車」と書いた。他紙はどう評価しているか知らないが、一見期待に満ちた船出のようにTVでは見受けられる。
 国民には見えていないようだが、裏で取り仕切る小沢氏の“ファミリー”は、実に150人に膨れ上がっているという。彼自身の体験でも最高の「派閥」を形成したのではないか? これがどう出るかが今後問題である。しかも「小沢ガールズ」などはほとんど素人である・・・


 今回の民主党政権の目玉の一つである「戦略局」は、とりあえず「戦略室」として副首相の菅氏が取り仕切るらしいが、岡田外相は「それぞれの役所の所掌事項まで国家戦略局で議論するという事は出来ない」とクギを刺した。
 平野官房長官は「菅氏には、各省長官の調整機能を持ってもらう」と述べたそうだが、本来、その調整機能を果たすのが官房長官の役目ではないのか?


 自民党政権時代に、本来の機能を使いこなせない議員諸侯が多かったことと、国民受けするパフォーマンスで、思いつきで「首相特別補佐官」や「大臣補佐官」等、有名人?を看板にする傾向が強く、官僚独自の能力を使いこなせていなかった。特に、何かあると直ぐに「民間有識者」なる奇妙な団体を編成して、彼らが得意になって?官邸に押しかけて、ご意見を提示するシステムが出来上がっていたが、これがどの程度有効に機能したかはやぶの中である。

 私が沖縄時代にも、風雲急を告げる沖縄問題を取り扱うためと称して補佐官が派遣されたが、現地政府出先機関の機能はダブルスタンダードになり、米軍もどちらが優先するのか迷っていたものである。もちろん地元県知事は、補佐官のほうを優先するから、県の職員までもが虎の威を借りて、政府の出先機関の局長クラスを相手にしなかったから、業務遂行は非常に混乱した。
 各官庁は、戦略局を優先するのか、それとも所掌大臣に従うべきか、混乱するのではないか?屋上屋を重ねる愚は命取りになるだろう。

 ところで次の2枚の写真が、鳩山内閣の船出を表現している様に思う。
一枚目(昨日の産経新聞から)は、その複雑な人間感情を表現しているように見え、二枚目は、泡沫党首を丁重に扱う首相に、仲間の目が光っている・・・様に見えるが、私の思いすごしかもしれない・・・。



 さらに産経25面には、識者達が次のように評していたが面白い。
「無策解散」→「小が大を飲み込む内閣」:ジャーナリスト・桜井よしこ
「バカヤローの解散」→「脱官僚内閣」:政治評論家・屋山太郎
おくりびと解散」→「ぞうきん掛け内閣」:漫画家・やくみつる
「落とし穴解散」→「判ら内閣」:作曲家・すぎやまこういち

 
ところで面白ついでに、6面下のカメラマン・宮嶋茂樹氏のコラムを転載しておこう。

≪ほうれ見てみぃ。連立政権、ハナからガタガタやないか。でもよかったのう。これで福島瑞穂センセイに大臣のイスひとつ決りや。どだい308対7、消費税率以下の議席数で対等の立場なんて、ワシが鳩山首相でもカタハラいたい(言わんやろけど・・・)。
 大臣になっても北朝鮮への制裁反対するの? 連立合意にはマルクスレーニン主義どころか「・・・前略(北朝鮮による核兵器やミサイル開発やめさせ)拉致問題の解決に全力を挙げる」とあるで。全力やで。「全力」や。
アフガニスタンの・・・中略、国家の再建に主体的役割を果たす」やて・・・NATO軍に代わって自衛隊出すの? もし、福島センセイが民主党にちょっとでも逆らったら、「政府見解と違う」っちゅう理由で、田母神前空幕長のように即刻クビ切らなアカンで、鳩山首相は。そりゃ、自身で田母神氏とワイン談義しときながら、知らんふりしてあれだけ攻撃したんやからな。それとも、大臣任命責任とって首相辞めるか?
 それでも鳩山センセイ、まず心配いらんわ。あの人たちは村山政権時代に“前科”あるんや。かって自民党からも「下駄の雪」とばかにされとったのである。そのココロは「踏んでも踏んでもついてくる」や。
 小沢センセイ(民主党幹事長)もどうせ来年の参院選までや、とタカくくっとるんやろ。だけど、7月の選挙で、自民党が大勝したらどないする?法案は参院で否決され、衆院で再可決するには3分の2がいるンや。そうなったらまた「大臣のイスよこせ」とねじ込んでくるで。
 さらに国家戦略局ってなんや。まあ名前なんかどうでもエエ。北朝鮮の正式名称は朝鮮民主主義人民共和国や。あの国のどこに民主主義や共和がある?「国家賎略局」といわれんようにな・・・まあどっちにしろ、我々が選んだ政権や・・・今は黙って耐えるしかないんや。≫


 これが大方の有権者の代表意見じゃあるまいか? 少なくとも鳩山首相は「自衛隊の最高指揮官」であることをお忘れなく!

 それにしては野党・自民党の不甲斐なさが気にかかる。宮嶋氏並みに言えば、「ほうれ見てみぃ。田母神氏を言われなく切った最高指揮官、靖国参拝をけった首相、裏で画策した長老?の面々・・・。だから言ったじゃないか!奢る平家は久しからず」

 いずれにせよ民主党自民党とも今後の「お手並み拝見」である。


 今日はこれから史料調査会で「朝鮮半島情勢」について話を聞いてくる。講師は李鐘元・立教大教授。朝鮮半島の動きが気にかかるから、大いに楽しみである。

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