軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

軍事大国を誇示!

 中国建国60周年記念パレードは、軍国主義の象徴であった。CNNもBBCもかなり熱心に報道していたが、NHKの報道はなぜか嬉しそうに感じた。

 産経は「米本土を射程におさめる新型のICBM『東風31A』等、国産の最新鋭兵器が披露された。閲兵式に臨んだ胡錦濤主席(66)は、経済力とともに軍事力を兼ね備えた『世界の大国』ぶりをアピールするとともに、第4世代の指導者としての自らの存在感も誇示した」と書いた。しかしその胡錦濤主席は、天安門の楼閣から『団結』を呼びかけたそうだから、今の中国の国内事情を明瞭に示している。隣には江沢民前主席(83)が立っていたから、その影響力がまだ払拭されていないという事だろう。やがて国共内戦か?少なくともこの国には、民主的に人民が参加した『政権交代』は絶対にありえないことをお忘れなく。あるのは『革命』か『内乱』だけ、国民の意思とは関係なく・・・

 夜を徹して行われた、昨年のオリンピックまがいの全体主義国家でなければ出来ないマスゲームは、高度経済成長の陰で生活に苦しんでいる人民や、四川省地震の被害者、チベットウイグル族の“人民”にはどう映ったことだろうか?

 鳩山首相は夫人と共に五輪招致の為、航空自衛隊が運用する政府専用機コペンハーゲンに飛んだが、これくらいの『観閲式』をこの秋に日本でもやりたい?と思ったかどうか。それともその分、子供手当てに回したい?か。

 中国から『軍国主義復活』と恫喝されているかっての軍国日本は、今やこじんまりと基地内の空き地で“観閲式”を行っている・・・。どっちが軍国主義国か一目瞭然だろう。
 こんな時には普段は騒がしい核兵器反対論者はなにも文句を言わないから不思議である。福島大臣の意見を伺いたいが・・・


 さて、八ツ場ダム問題もそうだが、沖縄の普天間基地移転問題も、地元自治体との協議会を廃止し、移設問題を見直すというから、ここも白紙還元という事だろう。二大政党、政権交代のたびに、前政権が立てたすべての計画がご破算になるのでは、政権交代はまさに『政権後退』そのものである。
 国民はこれから政府の言うとおりには動かなくなるだろう。群馬県でも沖縄県でも、長い期間にわたって政府の計画を信じて行動してきたのに、白紙になるのは理解に苦しむだろう。
それどころか、同盟国が信用しなくなるだろう。10年以上も待たせておいて、またまたご破算じゃ、近代国家のやることとは到底思えない。国家間の約束も守れずして何が『対等な関係』か!
 沖縄の民情は群馬とは異なるのだが、いずれにせよこれまでの間に「突きつけられた問題」をめぐって対立してきた住民間で発生した『人間関係』は修復できない。家族間でさえも意見や利害が対立して失われた関係が山ほどあることを、国会議員の皆様方はどうお考えか?

 気がつかなかったでは済まされまい。変更されることによって生じる予算や経済問題に私は触れないが、失われた信頼関係と、その土地に伝わってきた隣組同志という伝統的な人間関係の修復は、絶対に修復できまい。無責任きわまる政治に『何が弱者救済か』といいたくなる。


 ところで以前天変地異を“予言?”したが、とうとう天の怒りが表に出始めた。ここ一ヶ月だけでも9月3日『ジャワ沖:M7・4』、19日『バリ島沖:M6・4』『四川省広之市青川県:M5・1』、21日『ブータン:M6・4』、30日『サモア:M8・3(+津波)』『スマトラ島西部:M7・6』、10月1日『サモア:M5・5(余震)』『スマトラ:M6・8(余震が2回)』『ボリビア:M5・9』と報じられている。

 フィリピンの台風被害もひどいし、台風の一つは今まだ北進している。もう一つはいよいよ来週日本に来るらしい。
天変地異は人心の乱れに比例する、と誰かが言ったが、見事に合致している様に思う。
 乱れとは無関係な犠牲者が本当に気の毒だが、これは天の采配、ちっぽけな人類にはどうしようもない。

 2016年のオリンピックがどこに決るか知らないが、予言されている?2013年以降の大震災に、十分な手立てを立てるのが先決だろう。災害は忘れた頃にやってくる、ではなく、近未来に確実にやってくる。
『人事を尽くして天命を待つ』のは“お祭り”会場の決定に対してじゃなく天災に備えることだと思うが・・・。

 お隣さんも“鉄砲ごっこ”して大国を誇示するのは一向に構わないが、データーによると、中国、インドネシア、イラン、日本、アフガニスタン・・・の順で、地震頻度は高いという。とりわけ中国は圧倒的に頻度が高い。
東アジア共同体”は、実は“地震共同体”と言い換えるべきなのかも。
 備えあれば憂いなし、私も飲料水と乾パンは揃えてあるが、乾電池を少し揃えておこうか!

中国の電子地図(中国地質図集)

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理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)

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シュリーマン旅行記 清国・日本 (講談社学術文庫 (1325))

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