軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

『半島秘話』出版案内

 22日午後から史料調査会で川村純彦氏による『南シナ海戦略的価値』を聞いた。海事専門家だけあって、詳細なデーターに基づく解説は有意義だった。

 南シナ海の現況は既に中国の実効支配下にある。コメント欄でも一部意見交換がされていたが、わが国のシーレーンのほとんどは中国とダブっている。


 しかし、インド洋で給油している海自の部隊が引き上げるから、海軍力の力関係は大きく減殺される。中国は、万一この海域(南シナ海以東)で、米第7艦隊の勢力が活発化して行動が制限されても良いように、インド洋を取り巻く沿岸諸国と協定して、グアダル、バンバントタ、ココ島、ラムリー島、チッタゴンシットウェなどに港湾施設を拡充し、更にミャンマーシットウェと中国の昆明と結ぶパイプラインを建設中である。

 言うまでもなくこのルートは大東亜戦争中に英米蒋介石に対して軍事援助を続けた、かっての『援蒋ルート』であり、このルートを途絶するべく陸軍はインパール作戦を強行したが失敗した歴史的な場所である。

 中国はその戦訓を生かして着々と自国の国益を確保すべく手を打っているのだが、それに比べてわが国は、過去の戦訓に学ぼうともしない。そればかりか畏れ多くも天皇に『いつもと違った発言を求める』などという逆賊が現れる有様、昔だったらお手打ちものだが、それはさておき、13億の人民を飢えさせないため?に、石油資源確保に狂奔している中国首脳に比べると、友愛だのレセプション、ファッションショーだの浮世離れしたことにしか関心を持たない指導者に引きづられる1億2千万の日本民族の行く末はさっぱり先が見えてこない。


 南シナ海を取り巻くフィリピン、マレーシア、インドネシア、そしてベトナム諸国は、中国の動きにピリピリしているのだが、ASEAN会議に参加した首相は気がつかないらしい。温家宝首相は既にこれらの国に切り込んでいる。

 その昔、アキノ率いるフィリピンが『ヤンキーゴーホーム!』と米軍撤退を要求し、愛想をつかした米軍はフィリピンから撤退したが、直ぐに中国が目と鼻の先の岩礁地帯に軍事基地を建設した。あわてたフィリピンは追い払おうとしたもの微弱な軍事力ではかなわない。そこで『シェーン、カムバック!』になり、米海軍基地を復活させたことを日本人はお忘れのようである。

 これらの広大な海域を“監視”しているのは第7艦隊であり、その基地は横須賀である。米軍基地はシナ海一体にはないから、一番近接しているのは沖縄であるが、今やそこから米軍を撤退させようという。
 このパトロールのおかげで日本のシーレーンは守られているのだが、この海域の軍事的バランスが崩れた場合、台湾から中近東までのシーレーンは中国の支配下に入る。
 信じられないことに、それを助長し支援しているのが民主党政権だという事は、日本は米国の同盟国ではなくなったという証明である。つまり、新政権は、いずれ中国の支配下に入るため着々と準備をしていることになる。
 このことに国民は気がついていないのが情けない。

 ゲイツ米国防長官は日本の新政権幹部と会談して失望したが、次に立ち寄った韓国では軍事上、実のある会談を実施した。これが何を意味するか、いやはや、新政権の国際情勢認識のお粗末さには言葉もない。もっとも、反米のジャーナリスト?が政権のバックについているというのだから当然の結果ではあるのだが・・・

 川村氏のシーレーン防護にかかわる講話は説得力があったが、60人くらいしか聞かなかったことが惜しまれる。


 23日から二日間、秋田・大曲市の青年会議所で講演して来た。国際情勢の基礎をお話したのだが、実に熱心で2時間立ちっ放し、そのうえ午前零時まで2次会で質問攻め、地方の若者?たちの熱意に感動した。

 24日に再びこまち号で帰京、盛岡までは単線、奥羽山系の見事な紅葉をしばし楽しんだが、久しぶりに『雫石』を通過した。昭和46年7月30日、この上空で訓練中のF−86Fに、ジェットルートを逸脱して後方から接近してきたB727機が追突し、乗員乗客162名が亡くなったあの地点である。


 でたらめ事故調査報告書とそれを基にしたでたらめ審理で航空自衛隊は冤罪を被ったが、空自の高官たちはひたすら平身低頭するだけ、結局指導していた教官が“有罪”になったが、いま、JR西日本事故調査委員会の癒着が問題になり、事故の犠牲になったご遺族達が訴訟を考えているという。
 事故の真相を隠し、自分に都合が良いように調査報告書を捻じ曲げ、責任逃れをしようとしたという点においては、当時の雫石事件のほうがよほど異常であった。もちろん、海自の「なだしお事故」も、イージス艦「あたごの事故」もそうだったのだが、会社と運輸省事故調のみならず、マスコミまでもが反自衛隊のお先棒を担いでいたからである。

 今回マスコミが揃ってJR西日本と事故調を非難しているが、まず雫石事故でのでたらめな事故報道を反省し、お詫びをするのが手順だろう。当時の記事をしっかりと検証して欲しいと思う。いずれこれも本にしたいが・・・

 他方、御巣鷹山に墜落して520名もの犠牲者を出したJALのほうは、とうとう『沈まぬ太陽』どころか『沈む態様』になった。「天網恢恢疎にして漏らさず」という格言は何年経とうと生きている、と私は感じている。

 この3日間、そんなわけで飛び回っていたのだが、往復10時間以上も新幹線の狭い座席で『エコノミー症候群』だったためか、さすがに年を感じた。今朝目を覚ますとなんと9時半!習慣になっている連続素振り120本のため外に出たら雨、今日は素振りをサボることにしてPCに向かっている。


 さて、この半年以上、原稿書きのためPCにかじりつき、書斎は足の踏み場もないほど資料と書籍に覆われた生活だったが、その第一弾の単行本の初刷りが届いた。

 編集担当者の『縛り』がやっと解けて、広告が許されたので初公開することにした。

 原題は『朝鮮半島秘話』として過去の資料や取材を重ねたものだが、その内容を検討した結果、次のようなタイトルになった! 出版社は『講談社』、価格は1700円(税別)。28日に一斉発売になるという。

 ご関心がある方はご一読願いたい。今はその続編ともいうべき『アジアの戦争(仮題)』の最終稿を整理中。
 去り行く“老兵”が、愛国心の発露?の一環として、あとを継ぐ『青年諸子』に残す遺言であると思っていただければ光栄。以上、身勝手な広告まで。

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