軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

民主党政権下の安全保障

 2日午後、チャンネル桜の「闘論!倒論!討論2009日本よ、今・・・」番組で、表記の題で意見交換をしてきた。出席者は潮匡人(評論家)、川村純彦(元海将補)、冨澤睴(元陸幕長)、松島悠佐(元陸将)、松村劭(元陸将補)、森満(元陸将補)、それに私、司会はいつもの水島代表であった。

 松村氏は、日本人の軍事学欠如と地政学的発想欠如を説き、川村氏は、安全保障観の欠如、日本のあるべき姿が見えないこと、冨澤氏は、軍事は政治外交の一部、民主政権は“風”と様子見をしていると批判、森氏は最高指揮官の意識欠如をMIG25事件の例から説き、軍事活動と研究に半生を費やした元自衛官方のそれぞれの意見が噴出、あっという間に3時間が経った。私は戦後64年間、日米安保が果たした評価について、少なくとも自民党政権は「日米の基軸」と捉えてきたが、民主党にはそれさえないこと、万一の事態が起きた場合、ただでさえ憲法の縛りで動きが取れない自衛隊を、どこがサポートしてくれるか? ロシアか?北朝鮮?韓国か?中国か?台湾か?フィリピンか・・・と消去法で見ていくと、第2次世界大戦で、がっぷり四つに組んで3年半も戦い、負けたとはいえその後64年間も同盟関係にあった米国以外にはなかろう。その米国と手を切らせることによって“特定アジア”の国はアジアで最も有利な立場に立つ。その原理が分からない政党であること、いや分かっていない、というよりその軍門に下った“敵性政権”としか言いようが無い。
 中国などの工作はメディアを制覇し、政府を支配した。そして次に来るのは「天皇制解体」である。
 この様にわが国に対する“敵”の間接侵略はほぼ完成の域に達している、と説いた。
 たまたま、桜に出かける直前に友人から電話があり「今回のタイトルから、虚しくて発言する気力もない」というと、「冗談じゃない。この政権を倒すことが一番の安全保障だ!といってください」といわれたことも紹介した。

 この模様は、今日の夜8時から11時まで、スカパー217チャンネルで放映される。


 ところでわが国の政情は台湾に良く似ている。2008年危機!をわたしは唱えてきたが、昨年台湾は台湾人が支持する民進党が敗れ、馬総統率いる外来政権の国民党が復活した。

 李登輝総統の後を継いで政権を担った陳水篇前総統の誤判断は、選挙戦の勝利は薄氷を踏むものだった、という自覚がなかったことだろう。国民党が分裂したことによる、いわば「敵失」で勝ったに過ぎないという自覚である。

 再選もそうであった。1期目に、目立った成果を挙げることなく臨んで危険だったものの、選挙遊説中に“暴漢”に襲われ、これが同情票となって0・228%という「228事件」を彷彿とさせたかろうじて得た勝利だった。そのことを自覚していれば2期目にやるべきことは決っていた筈だが優柔不断だったように思う。もちろん、日米の“嫌がらせ”はあったものの、もっと重要なことは、台湾人による台湾の為の政治こそ陳総統が目指すべきものであったはずだ。彼は国民が求めていたものをつかめなかったのである。


 翻ってわが国も台湾によく似ている。自民党を“自眠”党だと私は揶揄したことがあったが、支持基盤が「うんざり」し始めていることに気がつかなかった。陳政権同様、足下が薄氷になっているのにうすうす気がつきながら、何ら手を打たなかった。そしてそれは≪田母神空幕長更迭事件≫で一気に奈落のそこに転落したのであった。
 自民党の国民との約束は、憲法改正、真の独立、戦後呪縛からの脱却、そして英霊を敬う日本人本来の気風を取り戻すことにあったが、国民の中に不満が強まっているのに、気がつかないというより、小ばかにして国民の意思を無視したのである。社会党と野合し、公明党と連立して政権にしがみついた上思い上がりも甚だしかった。

 それで支持基盤は、鳩山・小沢という、いわば「元自民党員」だという肩書きを持つ民主党に気を許して一気に流れが変わってしまった。典型的な「衆愚選挙」に他ならないが、これが「民主制度の落とし穴」、昭和の御世のように機に応じた「大命降下」は不可能である。
 やっと念願かなって政権をとった民主党と、解体寸前を救われた社民党で構成される以上、総辞職、総選挙に踏み切ることはおそらくあるまい。ではどうするか?
 国民は、「戦後民主主義の落とし穴」に気がつき始めたが、あと4年はじりじりと奈落のそこに落ち込んでいくのを黙認する以外にない。


 ところで、たまたまインターネット上で、次のような重要な情報に出会った

≪【大紀元日本11月30日】11月17日、北京大学法学部元教授で、中国から亡命した自由派の作家・袁紅氷(ユァン・ホンビン)氏の著書『台湾大劫難』が、台湾の英字新聞「Taiwan News」グループにより台湾で出版された。2012年に中国大陸と台湾が政権交代する際、中共政権が台湾の政治、経済、軍事、文化を全面的にコントロールし、戦わずして台湾を勝ち取るという台湾陥落戦略を暴露する著書で、一週間で完売し、第2刷がすでに出版されるほどの人気を集め、台湾で大きな反響を呼んでいる。

 本書では、2008年6月に中共政治局拡大会議で制定された「台湾問題を解決する政治戦略」などの三大機密文書と録音資料が示されている。中国が米国を通してスイス銀行に圧力をかけて台湾の前総統・陳水扁汚職事件を操る経緯、台湾の社会民主党を育てて中共の台湾での代理として2016年に政権を取らせる計画など、数多くの中共のトップレベルの機密が暴露されることとなった≫
というもので、注目すべきは、対台湾工作の手法は、
1、国民党トップを丸め込み、中国で不動産を買わせる。
2、民心党の主な財源を絶たせ、陳水篇の汚職事件を操る。
3、台湾商人を利用して台湾の金融業に参入し、台湾の株式市場を操る。
4、台湾の農産物を大量に購入する。
5、多くの観光客を台湾に行かせる、
などという工作活動を通じて、2012年までに台湾を完全に陥落させようとする策略で、中共政治局委員会は、重大な機密漏えい事件として漏洩ルートの追及をしているという。
 上記「国民党」を「民主党自民党?」に、「台湾」を「日本」に置き換えて見ると全貌がよく分かる。


 次期中国共産党主席とされている習近平副主席が10日から来日するが、天皇との会見を要求している。既に習夫人(陸軍少将)が主催した音楽祭には、皇太子殿下ご夫妻が出席されている。
 ついで小沢氏一行が都合600名以上もの企業代表を引き連れて北京に行くが、これら一連の流れは上記の工作手法に酷似している。
 小沢氏に同行する報道機関は冷静にこれを見つめ、正確に報道し、第2の台湾にならないように警戒して欲しいと思うが、さて・・・?

金正日は日本人だった

金正日は日本人だった

自衛隊エリートパイロット 激動の時代を生きた5人のファイター・パイロット列伝 (ミリタリー選書 22)

自衛隊エリートパイロット 激動の時代を生きた5人のファイター・パイロット列伝 (ミリタリー選書 22)

中国対日工作の実態―日本の中枢、政・官・財を篭絡する工作活動の手口

中国対日工作の実態―日本の中枢、政・官・財を篭絡する工作活動の手口

蠢く!中国「対日特務工作」マル秘ファイル

蠢く!中国「対日特務工作」マル秘ファイル

「反日」以前―中国対日工作者たちの回想

「反日」以前―中国対日工作者たちの回想

対日工作の回想

対日工作の回想

戦後日朝関係の研究―対日工作と物資調達

戦後日朝関係の研究―対日工作と物資調達