軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

日米開戦?

 講談社から出版した本のタイトルが“強烈”だったせいか、いろいろと意見を求められ忙しくなってきた。18日には、「月刊日本」主催で、山浦論説委員と講演会をすることになったが、半島が36年間、日本に併合されていた事実を知らない方が多いのには失望した。半島はもとより台湾も、そして私が生まれた樺太も、かっては日本領だった。
 日本国内もそうであるように、北朝鮮には未だに「日本人部落」が存在しているという。当時のアジアは少なくとも共存共栄していたのである。

 ところで私の本に刺激されたある方がその後の情報を収集してくれているのだが、北朝鮮から帰った「友人」と会食した時、彼が「将軍様は和食を食べたい」としきりに言っていたと伝えてくれたので、こんな本が出ている、とタイトルを話すと「エ〜」と絶句したらしい。面白くなってきた。彼が存命中に「拉致問題」を解決して欲しいものである・・・


 ところで、民主党政権の混乱は目を覆うばかりで、「サメ本体が小判ザメに食いちぎられていく有様」には苦笑を禁じえない。泡沫政党と手を組んだ愚かさに、有権者はあきれている。次期総選挙が見物である。


 さて今日は12月8日、68年前の日米開戦の日である。NHKでは「日米開戦を語る〜海軍はなぜ過ったのか〜」という番組を放映したが、(私は多忙で見ていない)「旧海軍幹部が行った反省会の記録テープを公開しながら、半藤一利澤地久枝戸高一成、3名が語る」番組だったそうだが、「平和を唱える方にかぎって、日本のことを考えておられた方への感謝というものもなく、『心』というものが全く感じられない方が多いものです」とその感想を伝えてきた方がいた。あの当時、このお3方がその立場にあったら、どんな道を選んだのか?については当然答えようがないだろうが、一度ゆっくりと『取るべきだった戦略』をお聞きしたいものである。

 今私は、平河総研のメルマガで、書斎にある資料を乱読してランダムに書きなぐった「大東亜戦争の真実を求めて」と云う感想文を240回以上にわたって連載しているが、資料を調べれば調べるほど、全体的な判断をすべき箇所の不作為を感じるが、では自分が連合艦隊司令長官だったら、自分が参謀総長だったらどんな結論に至ったか、と思い巡らす時、極めて難しい問題があった事を自覚させられている。

 今、民主党政権下で行われている『普天間基地問題』は、当時のそれに比べようがないほど『些細な問題』だが、戦後教育を受けて、近代国家に生まれ変わり、情報網も比べ物にならないほど整備されているにもかかわらず、あの体たらくなのだから、昭和10年代の開戦にたるまでの間の困難さに、今時の日本人、とりわけ政府が耐えられるとは少しも思えない。当時の政軍界の責任者の「心労」に比べれば、現政府閣僚達の動きは児戯にも劣る。


 結果は悲惨だったが、われわれの先輩方の当時の心労には素直に感謝し、後に生きるわれわれ自身が『二度と繰り返さない方策』を身につけるのが責務であろう。ところが『後に続く者を信じて』散華して行った多くの先輩方の『誤り』を誹謗中傷する輩は増えたが、自らのとるべき道を悟り、改善していこうとする意欲は感じられないのはどうしたことか。 一億総評論家、相手を誹謗しても自らは謙虚に反省することのない、無責任な目立ちたがり屋が増えたことが情けない。

 かっての大戦で犠牲になり、またその責任を取って処刑されることに甘んじた指導者達に対して非礼極まりないと思うが、少なくとも現在、1億3千万の国民を預かる為政者は、その教訓を生かすと共に重い責任を片時も忘れてはなるまい。

 今の朝野の動きを見ていると、全くその意識が感じられないばかりか、68年前の“誤った”日米開戦の轍を踏み出さんとしているように私には思われる。

 NHKプロジェクトも、歴史の重みを伝えるのであれば、同時に現政権に対する『いつか来た道』に踏み出さないよう、的確な『ご意見番』を務めたらどうか?


 12月7日日曜日(現地時間)朝9時前、在ワシントン日本大使館の門は閉ざされたままであり、牛乳箱には牛乳瓶が届けられ、新聞受けには新聞や電報の束が詰め込まれたまま、館内の芝生の上には「第14部の電報の束」が放置されていた。義父・寺井義守海軍武官補佐官は、門を乗り越えて館内に入り、電報の束を拾って玄関に行き、ベルを押すと、当直員だった電信官が出てきて、迷惑そうな顔をして『今からミサに出かけるのに・・・』と言ったという。

 国家一大事の瀬戸際にありながら、出先機関の現状はこうだったのである。それが『開戦の通告遅れ』となり、まんまとルーズベルトの策略に嵌り、『スニークアタック』『リメンバー・パールハーバー』に繋がり反日世論が沸騰したことは周知の事実である。

 ハワイ奇襲作戦の指揮を取った山本連合艦隊司令長官は、死ぬまでその“落ち度”を悔やんでいて、多分、それがブーゲンビルでの“被撃墜”につながったのではないか?と私は思っている。

 そんな当時の責任者の葛藤を、このお三方がどこまで真剣に考察なさっているのか、機会があればDVDででも検証してみたいと思っているが、とまれ今日は『日米開戦』記念日、その再現にならないよう、政治はしっかり国民をリードして欲しいものである。

金正日は日本人だった

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