軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

冬季五輪で“若者たち”に夢!

 18日夜、都心で仲間内の会合があり、「激変が予想されるアジア情勢」と題して1時間半話をした。普天間基地問題にかなりの関心があり鋭い質問が相次いだが、一般的な報道だけでは沖縄の“裏”情勢に気がつかないということだろう。
 14年前、防衛庁は県内各所の移転先を調査し、辺野古沖の陸上案、埋め立て案、そして当時の橋本首相がこだわった、海上浮体工法案などが浮かび上がったが、“先行投資先”をめぐって政治家や不動産業者たちが情報入手に躍起になっていた。
 浮体工法案はその後の維持管理が不透明だった上に、儲かるのは本土の一部の造船業者で、沖縄には何の利益ももたらさないと沖縄では不評だった。移転先が辺野古に決ると一斉に「投資」が始まった。
 なんと小沢氏までが“先行投資”していたことがばれたが、他にも儲けようと必死だった方がいたはず、やがてばれることだろう。当時から、国家安全保障を食い物にしている政治屋たちの醜い行状には健全な県民達もうんざりしていたものである。
 県民が気にしていたのは、普天間基地の面積にして99・5%を所有する地主たちが既に継続使用について了承し、契約済みであったにもかかわらず、わずか0・5%を占有するに過ぎない600名余のいわゆる「反戦一坪地主達」による反対と、反日メディアの煽動で行き詰まり、あろうことか橋本首相が「普天間基地返還」を宣言したことによって、返還される普天間基地の地主達の経済的不安と米軍基地所有地主たちの行く末であった。
 返還されると地主達は安定した地代がもらえなくなるどころか、第一“登記上”の大混乱が予想された。今まで「臭いものにふた」をしてきたツケが噴出すのを恐れたのだが、更にこれが沖縄全体の基地返還につながるとなると、基地地主達の生活はもとより、沖縄経済を支えてきた軍用地価格の暴落を招き、沖縄県の経済が破綻する、という恐れであった。
 事実、その直後、海邦銀行の破綻に始まり、沖縄、琉球各銀行が破綻したから、橋本首相は政治家としてもっとも拙劣な施策をとったわけで、次の選挙で大敗し引退を余儀なくされたのも当然であった。それでも「奢る平家」は気づかなかったのである。


 その後、勘の鈍い政府にそのツケがまわってきた。「自民党をぶっ壊す」宣言をした小泉政権以外はやることなすこと裏目に出たが、麻生総理と浜田大臣による田母神空幕長追放という愚作が命取りとなり、民主党という、皮肉にも本来の政党から「スポイルされた」残滓の集まりたちが天下を取った。見てみるがよい。はしゃいでいるのは出自が不明確な議員たちと、連立を組んだ泡沫政党、日教組という反日団体の活動家達だけである。こうして国の命運は凋落の一途をたどりつつある。


 全うな日本国民と自衛官の悲願であった「憲法改正」はもとより、集団的自衛権問題解決の道さえも遠のき、私の目の黒いうちには全うな日本国の再建は実現しない公算が高まったから、国家防衛に目覚め、防大に入校して以来38年間過ごした私の人生は、全く徒労だった感に捉われていた。
 最近の体調不良もむべなるかなだが、この数日、バンクーバーオリンピックを観戦しつつ、若者達の真剣な表情を見て、まだまだ捨てたものではない。かすかながら希望はある!と嬉しくなった。


 スノボーの国母“選手”の行動は目に余ったが、これを「評価する」知識人?のコメントに、かっての全学連連合赤軍に「同情的な」姿勢を示して煽った進歩的文化人の匂いがして「馬鹿につける薬はない」ことを痛感した。彼ら“文化人たち”が、当時人殺しを平気で行った暴力革命志願の活動家青年男女のその後の人生に何らかの責任をとったか?
 無責任でいい加減なコメントを連発して、彼ら彼女らの人生を食い物にしただけではなかったか。 


 国母“選手”がそんな無責任な「おだて」に乗って態度を改めないならば、刑務所内で死を待つばかりの永田死刑囚(65)や、テルアビブで100人余の殺傷事件を起こして世界に日本の恥を晒した日本赤軍幹部・重信房子(64)のような愚かな人生を送ることになるだろう。若いうちは、ちょっとしたきっかけで人生の分岐点に立つものである。その時に若者達が間違った道へ進まないように「善導する」のが教師であり、大人なのだが、悲しいことに肝心要の「教師」や「大人」たちの大部分に、人の道に反した者が目立つから、それを見た青年達が道を踏み外すことになるのである。

 国母“選手”もその“犠牲者の一人”であるような気がするのだが、もっともこれは、TVなどで見た限りの情報を基にした私の4年4ヶ月にわたる戦闘機操縦教官としての体験から見た意見である。少なくとも彼が操縦課程学生であったら、ウイングマークは取れなかったであろう。


 ところで、それ以外の競技に臨む日本選手からは、心から嬉しく感じる事例が多かった。女子カーリング選手たちの表情の素晴らしさ、特に目が生き生きしていて「真剣さ」が溢れた彼女たちは実に美しかった。

 とりわけ男子フィギュアで初のメダルを取った高橋大輔(23)選手は素晴らしかった。2年前にアクシデントで前十字靭帯断裂と半月板損傷を負って再起不能か?といわれていただけに、その並々ならぬ努力には頭が下がる。
 今朝の産経には、日の丸片手に晴れ晴れとした表情でウイニングランする高橋選手の写真が出ていたが、私は29面の「師弟愛の結実」という高橋選手と長光コーチをたたえる写真のほうに感動した。

 若者の人生を左右する教師たるもの、これから何を学ぶか?山梨県教育界の“ドン”と呼ばれている輿石議員、北教祖丸抱えの裏金で議員になった小林元教師は、この記事を読んでジックリ反省するがよい。子弟の関係とはこうあるべきなのである。



 もっとも、輿石、小林ご両人とも頑迷固陋な反日活動家らしいから、師弟愛についてのこの記事を読みはしないだろうし読んでも理解できないだろうが・・・。

 この選手たちのように立派な跡継ぎたちがわが国に生まれてきているのだが、教える側にその資格がない、というのが今の日本教育界の現実であり最大の弱点だろう。文科省の無責任さがそれに輪をかけているような気がしてならないが、教える側の人物選定と刷新こそが、将来の日本を明るくする決定打のような気がする。


 ところで、靴紐が切れて思わぬ失点に泣いた織田信成(22)選手だったが、その後の処置は素晴らしかった。
「ショックで言葉にならない。悔いが残る試合になってしまった。感覚が変わるので、切れた紐を結んで使っていた。自分の責任です」と涙ながらに語っていたが、鳩山首相小沢幹事長が卑怯にも責任を他人に押しつけて逃げているのに、若い織田選手が「自分の責任」というだけ素晴らしい。人生には想像できない出来事が待っているものである。今回は大いに学んだ筈、今回の体験をその後の人生に生かして欲しいと思う。


 実は彼の演技が始まった時、TVで観戦していた私は、出だしが何と無く気になり思わず「彼は転倒する!」と口にしたのだが、原因が靴紐切断・・・とは思わなかった。フィギュアには全く素人の私だが、滑り出しに何と無く違和感を感じた理由は、産経によると「結果を最優先するモロゾフ・コーチの方針」で、冒頭に予定していた4回転ジャンプを3回転に変えたことが分かったから、作戦変更による戸惑いが彼の若さゆえの弱点に影響したような気がしてならないが、少なくとも靴紐の切断は、間違いなく自己責任である。

 われわれパイロットで言うならば、「飛行前点検ミス」というより、飛行訓練中止を恐れて「この程度の傷ならあと一回のフライトは持つだろう」と自己解釈し、見つけた傷を無視して飛行した結果、上空でハイドロアウト=操縦不能になるようなもの、わずかな判断ミスが重大な結果を招くという典型的な例である。

 まぁしかし、織田選手は22歳、まだまだ若い。将来を大いに期待したいが、それに比べて、なんとまぁ、現代政財界人たちの見苦しさ。高橋・織田選手ら、若者たちの爪の垢でも飲ませてやりたい!と思ったが、それはさておき、バンクーバーでひたむきに戦う若者たちの姿から、日本の将来はまだまだ捨てたものじゃない!と元気付けられた。

金正日は日本人だった

金正日は日本人だった

自衛隊エリートパイロット 激動の時代を生きた5人のファイター・パイロット列伝 (ミリタリー選書 22)

自衛隊エリートパイロット 激動の時代を生きた5人のファイター・パイロット列伝 (ミリタリー選書 22)

日本人の歴史教科書

日本人の歴史教科書

新しい歴史教科書―市販本

新しい歴史教科書―市販本

中山成彬はなぜ日教組と戦うのか

中山成彬はなぜ日教組と戦うのか

反日組織・日教組の行状 (家族で読めるfamily book series―たちまちわかる最新時事解説)

反日組織・日教組の行状 (家族で読めるfamily book series―たちまちわかる最新時事解説)

学校の先生が国を滅ぼす

学校の先生が国を滅ぼす

マンガ日狂組の教室−学校が危ない!! (晋遊舎ムック)

マンガ日狂組の教室−学校が危ない!! (晋遊舎ムック)

「反日」日本人の正体

「反日」日本人の正体