軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

触雷沈没されてはたまらない!

 26日午後9時45分(日本時間同)ごろ、黄海上に引かれた軍事境界線北方限界線(NLL)付近の海上で、韓国海軍の哨戒艦「天安(チョンアン=1200トン級)」が訓練活動中、船尾付近で爆発が起き沈没、乗組員104人のうち58人が救助され、残る46人が行方不明となっているが、現場は波が高く捜索は難航している。
 後部には弾薬庫があるので何らかの原因で爆発したことも考えられるが、緊張しているこの海域に韓国軍が機雷を設置していたというから多分自らまいた機雷に触雷したのだろう。北朝鮮にはその能力さえないと思われるからである。
 竹島周辺海域にも相当設置しているだろうから次は日本海で触雷事故か?


 モスクワでは、北カフカス系と思われるテロリストによる地下鉄自爆テロが相次いでいる。中近東でもテロ攻撃は一向に減少しない。世は正に「テロの時代」である。


 我が国でも代表的なテロ事件としてオーム真理教によるサリン事件があるが、その一環と考えられた国松警察庁長官狙撃事件が時効を迎えた。今頃になって捜査初動の誤りだとか、公安部と刑事部の縦割り対立だとか、メディアは批判報道をしているが、警察が「犯人」を捕まえられなくなったら、自衛隊が外敵の侵略を排除できないと同様、その組織は存在意義が無いといえる。


 公務員が共産党の機関紙「赤旗」を配って問題になったが、東京高裁は「被告は管理職ではなく、休日に自宅近くで、公務員であることを明らかにせず、無言で配布」しただけだからと逆転無罪判決を下した。1審は有罪だったのだから、同じ内容でも判決は「裁判官次第」でどうにでもなるようだ。

 
 どうにでもなるという点では、鳩山首相普天間移設問題発言も、つぎつぎに「変化」してつかみどころが無い。口先三寸で「どうにでもなる」ようだ。
 三月いっぱいに決断し、5月には決定する筈だったが、「月内一本化は決っていない」として、未だに「ゼロベースで検討中」だというのである。今日は3月30日である!岡田外相は何をしに米国に行ったのだろう?ガキの使いじゃあるまいに・・・


 その鳩山首相資金管理団体友愛政経懇話会」の偽装献金事件初公判で、元秘書であった勝場啓二被告は「鳩山さんには将来大きいことができる政治家になってもらいたかった。そういう実力があるように見せかけたかったが、それだけのお金が実際には集まっていなかった」から、その分を実母から出させたと語った。
 鳩山首相の実母・安子さんは、上申書で要旨次のように述べている。
「息子に経済的援助をするようになったのは、7,8年前のことではなかったかと思います。(月1500万円の)お金のことは由紀夫に話したことはありません親がわが腹を痛めたわが子を助けてやるのは当たり前のことであり、話せば恩着せがましくなると思ったからです。政治献金だとは思っておりません。政治献金は確か年150万円ずつでしたが、別途行っております


 昔の日本人好みの“浪花節的内容”というところだが、中国のギョーザ事件犯人逮捕と同様、この上申書の内容は何か胡散臭い。
「親がわが腹を痛めたわが子を助けてやるのは当たり前のこと」だそうだが、わが子を助ける手段が「お金だけ」だったというのが信じられないからである。

 この年代の日本婦人は、日本のよき伝統文化を弁えている筈だし、金がすべてではなく「人はパンのみにて生きる」のではないことも教養として知っている筈である。
「愛は盲目」ともいい、腹を痛めた母であるから納得できないことではない。しかし、この場合、母親としての安子さんの愛は曲がってはいなかったか?金をこっそり渡すことが「親の愛」だと思っていたとすれば、安子さんの教養が疑われる。


「親は苦労する。子は楽をする。孫は河原で乞食する」という。鳩山家一族の問題ならば、いくらお小遣いを上げようとあげまいと一向に構わない。しかし「ご子息」は一国の総理大臣である。鳩山家に通用する“家訓”が、一国を滅ぼす危険性さえあることを自覚して欲しかった。


「嘘」とは「述べた事柄などが事実ではないこと」であり、「嘘八百を並べる」とは、「辻褄を合わせるために、いくつも嘘をつく」ことである。普天間問題に限らず、鳩山首相はその場その場を逃れるために口からでまかせ、思い付きを話しているようにしか見えない。私は「うそつきは泥棒の始まり」だと以前書いた。


「一の虚言を吐いた人はこれを維持するために更に二十の虚言を案出せざるを得ない」とジェファーソンは言った。キケロも「うそつきは本当のことをいう場合も信じられない」と言っている。普天間問題に限らず、日米間の諸問題に関して米国政府は、キケロの心境になっているのではないか?
 これは日本外交が信用を失うことに繋がり、この政権が続く限りわが国は取り返しのつかない大きな損失を被ることになるだろう。

 
 私がTVで記者会見する彼を見ながら、友人の精神科の医師に「精神病ではないか」と聞いたら、彼は「精神病とは精神の働きが異常を示して始めて認定されるのだが、この場合は異常を示す“振幅度”が全く感じられないから、定義に当てはまらない」と言った。では彼は「典型的なうそつきだ」と言ったら、米留時代の彼を知る友人が「彼は何が嘘で何が嘘ではないのか、という以前の問題として『嘘とは何か』を全く知らないのだ」と言った。つまり、彼は「嘘をついている」という自覚が全く無かったというのである。

 中国人はいまや自国の商品やサービスなどをまったく信用していないから、中国政府が唐突に発表した今度のギョーザ事件の犯人逮捕も信用していない。「すべては嘘で嘘でないのは詐欺師だけだ」と中国人はいうのである。 
 
 どこかの雑誌社が彼の「言行録特集」でも組んでくれるとありがたいが、おそらくベストセラーになるだろう。

 5月中には普天間移設問題も“決着”するそうだが、これも嘘だったらさっさと政権交代して欲しい。韓国海軍の哨戒艦「天安」号のように、自分でまいた機雷に触れて「日本丸」が爆沈したのではかなわないからである。

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