軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

軍事関係者は見ている!

 15日土曜日は、文京区区民会館で「私のパイロット人生」と題する“電気紙芝居”で憂さ晴らししてきた。
 主催者が途中休憩を入れて3時間というので2時間話して後は質疑にと調整して話し始めたが、航空自衛隊の戦闘機パイロットが、直接体験談を話す機会は少ないからか、皆さん実に真剣に聞いてくださった。

 笑いあり、涙ありの予定が、殉職パイロットの話で会場が静かになるので、ギャグを入れた≪笑い話≫で“復帰”しようとしたができず、反応を見ながら話していたら2時間40分の長話になってしまった!


 5分間休憩後質疑・・・という段取りになったが、休憩中に会場が9時までと分かり、その間、尖閣問題について話してほしいと質問にこられた方がいたので、急遽マイクを取って補足説明、それで質疑打ち切りで終わることになった。

 閉会後有志と懇親会場へ移動したが、ノンフィクション作家の河添恵子女史が来ておられたのには感動した。初対面だったがいつも産経新聞の彼女のコラムを愛読しているので旧知の仲のように感じた。


 いろいろな方の自己紹介と体験談が面白かったが、案外皆さん、実にまじめで正直、新聞報道以外の≪裏情報≫をさほどご存知ではなかったから、河添女史が補足役。
 例えば半島出身者が最近政界で“大活躍”しているのを、「和をもって尊し」となす日本人の特性でカバーすべしという大らかな説を述べた方がいたが、半島が36年間日本統治下にあったことを忘れている方もいた。
 半島も台湾も、そして私が生まれた樺太も、大東亜戦争終結までは日本領だったのである!青年たちが如何に自国の近代史を教えられていないかが良く分かる。

 金正日に日本人の血が混じっていても少しもおかしくないし、金大中元大統領だってそうだったという証拠がある。つまり「日本国民」だったのである。

 私は「和を持って尊し」というのであれば、彼ら彼女らには「郷に入らば郷に従って」ほしいと言っておいたのだが、愛国精神あふれる懇談であることに変わりはなかった。考えてみたらこの日は“五・一五”だった!・・・

 都心から離れた田舎住まいなので、ついつい終電に乗り遅れるところだったが、久しぶりに心地よい疲れ程度で深夜に帰宅できた。

 現役時代は4時間ぶっ続けで幹部や空曹教育をしたものだが、退官後の2時間40分は久しぶり、これで体調もかなり回復したと自信が持てた! 出席者の皆さんに感謝したい。


 さて、軍事的合理性から程遠い「徳之島“開発”」是か非か?でもめ始めているが、NLP問題をめぐる三宅島もかってはそうだった。左翼の謀略活動とお粗末な政治指導に振り回されて、穏やかな島民が分裂し、異常な村八分現象が起きたが、メディアはそのことをお忘れか?

 今同じ現象が徳之島で起きつつある。おそらく米海兵隊は「ノー」を突きつけるだろうから、政府の言い逃れの犠牲になった徳之島では、三宅島と同じような賛成派と反対派の分裂現象が起きて、後々まで島民の心の中にしこりを残すに違いない。
 鳩山政権が徳之島にこだわるのは、どなたかが既に土地を買い占めているからだという情報もあるが、補助金と某産業進出という甘い夢を抱かせているからだという説もある。
 いずれにせよ「命と友愛」とは裏腹の鳩山首相がとる恐るべき「島民感情分裂政治」は、島民を不幸にするだろうから、鳩山氏は後々まで島民の恨みを買うことになるだろう。
 ところでこの島に土地を先行取得していると噂されている小沢幹事長の地検聴取も始まったが、改めて関与を否定して“自信満々”のようであるから、今後の推移と地検の“実力”に注目しておきたい。

≪「激論ムック26号」
沖縄問題については126ページの恵隆之介氏の論文に詳しい。
又、今月号の目玉は54ページの「韓国での小沢一郎氏の亡国講演全文」である。面白い歴史認識を読めば眼が冷めるだろう!≫


 ところで韓国海軍の哨戒艦“撃沈”問題は北朝鮮の仕業になりつつあるが、米韓vs中北の国際政治関係から、韓国としてはそのような結論に持って行きたいのだろう。勿論国内政治上も。
 しかし、軍事関係者(だった)者としてはいささか失笑を禁じえない。
 今朝の産経9面下に「北、水中訓練を激増」「韓国、状況証拠と重視」とあり、韓国の聨合ニュースは金国防相が「北朝鮮の魚雷攻撃が原因」だと判断する声明を出す予定だと報じている。


 いささか“友邦”に対して言いにくいが、政治活動を主体とした動きだとしても、軍事的観点から見れば自分の恥を天下にさらすことになりはしないか?

 つまり、北朝鮮の旧式潜水艦による魚雷攻撃ごときを、なぜ近代韓国海軍が防げなかったのか?という、素朴な疑問である。緊張高まる海域を「哨戒中」の軍艦が、潜航してくる旧式潜水艦を捉えることもできず、全く不意打ちを食らって“轟沈”され、「相手がやった!」と大声で騒ぐ神経が私には理解できないのである。
 哨戒ではなく「遊弋」していただけなのだろうか?緊張感もなく・・・。世界の海軍関係者は、今回の事例で韓国海軍の実務能力をどう評価しているが大いに関心があるのだが。
北朝鮮が水中訓練を激増させるのは当然であろう。韓国海軍の弱点が分かったのだから!「たいしたことはない!」と・・・

 同盟国の米国も勿論である。案外、米海軍筋から、実務能力の“一端”が緊密な間柄にあるわが海自側に伝わっているかもしれない。

 まあ、いずれにせよこれは他国の問題だが、肝心要の“日本海軍”には、こんな情けない事態だけは招いてほしくない。「シビリアンコントロール」は口先だけで、実は「シビル・アンコントロール」がわが国の常態である。
 今回のような事例を世界の軍事専門家は好意的には見てくれない。

 残念ながら「抑止力」も知らない最高指揮官である。彼の命令に従っていたら、韓国哨戒艦並みの「顰蹙」を買うだけだろう。

 わが自衛隊には実力組織として、世界の恥さらしにならないよう、黙々とその実力水準を保っておいてほしい。中国海軍から「たいしたことはない」と勘違いされないように後輩たちにお願いしておきたい。

コミック国防の真実こんなに強い自衛隊

コミック国防の真実こんなに強い自衛隊

海をひらく

海をひらく

奇跡の船「宗谷」

奇跡の船「宗谷」

自衛隊エリートパイロット 激動の時代を生きた5人のファイター・パイロット列伝 (ミリタリー選書 22)

自衛隊エリートパイロット 激動の時代を生きた5人のファイター・パイロット列伝 (ミリタリー選書 22)

金正日は日本人だった

金正日は日本人だった

日本に挑む中国 「いまそこにある危機」とは何か

日本に挑む中国 「いまそこにある危機」とは何か

アメリカが日本を捨てるとき (PHP新書)

アメリカが日本を捨てるとき (PHP新書)