軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

予想以上に低俗・鳩山政権

 この数日多忙で更新できなかった。昨日は北区で建設会社の安全大会に呼ばれ、航空安全管理隊司令時代の体験から「事故はなくせるか」という題で講演したが、150名を越える参加者は熱心に聞いてくれた。
 大会後の懇親会では、≪コンクリートから人へ≫という奇妙なスローガンに災いされて、関連企業は非常に苦労していることを伺った。ほとんどの人が現政権に愛想を尽かしていたが、だからといってそう易々とは交代させられない。「あと3年民主党政権が続くとしたらその間の損失は計り知れない。世界の日本人を見る眼が変わり、とても耐えられたものじゃない」と言ったご老人が印象的だった。


 以前、普天間移設問題については「大山鳴動してゴキブリ一匹か?」と書いたが、14年間の懸案を自ら振り出しに戻して「謝罪する」鳩山首相の姿は、小泉首相ではないがまさに「笑う以外にはない」。あきれてものも言えないとはこのことである。ゴキブリ一匹どころか、もぐらが出てきて“もぐらたたき”に遭い自ら墓穴を掘った。
 しかも「国民の皆様方・・・」と連呼する彼自身が、那覇市内を厳重に警備された車列で「国民の前」を逃げるように疾走する姿は、国民無視どころか「人民の敵」の姿に見えて、歴代総理で初めてじゃないか?と思うが、まるでテロリストの攻撃を避けて走破する、イラク要人の行列のように見えた・・・。彼の首相たる資格は完全に破綻している。
 しかし彼は辞職なんぞするまい。「うそ」が何かを知らない上に、国民が怒っているという“感覚”も感じないらしい。「怒り」という意味も知らないのじゃないか?とうとう頼りにしている小沢幹事長さえも見放し始めた。一緒にいると危険だと察知したらしい。


 しかしこの政権は、恐るべき粘着力を持っているし、メディアも高級官僚もその“危険性”を察知しているから、それらをうまく利用してそう簡単に政権を手放すまい。ここで手放せば永久に浮かばれないからである。不透明な金の流れ、秘書の逮捕、北教組の小林議員に対する驚くべき選挙違反行為、何よりも鳩山氏自身が夫人の金ばら撒きで当選した過去を持つらしく、こんな男を選出した北海道の選挙区民の顔が見たいものだ、という者さえいる。

 首相ご自身は「名門」のご出身だが、さて後の方々はどうだか・・・。この政権内部には恐るべき低俗趣味が横行しているように見える。
 連立を組んでいる社民党然り、国民の支持もないのに大臣職について、県外移設が“うそ”だったにもかかわらず連立から離脱しようとしない。それほどうまい汁が吸えるらしい・・・主義主張より「飯が優先」か?


 何だか、捕鯨妨害で逮捕されているシーシェパードのベスーン被告に見えてきた。彼も主義主張よりも食うためだったらしく、24日の産経によると「日本の捕鯨は許せないが、私は家族をもつ普通の人間であり、サムライのような闘士ではない。ワトソン(SS代表のカナダ人)は間違っている」といったらしい。
 彼の元には日本を非難する手紙などが届いているそうだが、彼は「日本人は礼儀正しく、過酷な扱いを受けたことは一度もない。憎むべき国ではないといいたい」と話したらしいから、次回は中国船を襲い中国公安に拘束されて見るが良い。こうして法廷に引き立てられ、直ちに銃殺されること請け合いである。

 そうなったら、ベスーン被告はきっと「南京大虐殺は日本人がやったものじゃないと実感した!」と叫ぶ事だろう!

 拘束されてから3ヶ月、彼は「家族が恋しい」と漏らし、「私は自分の信じる道を突き進んだあまり、多くのものを犠牲にした。妨害はボランティアであり、昨年は収入が全くなかった。生活を考えなくてはならない」と話したというが、民主党の皆さんも、ここで政権を明け渡したら「生活を考えなくてはならなくなる」から、断固椅子にしがみつくのだろう。裕福な総理と、大金持ちの幹事長以外は・・・


 普天間問題を蒸し返されて困惑したのは沖縄県良識派、大喜びなのは諦めかけていた反対派、しかも大半は専属の本土派だろう。お気の毒だとしか言いようがない。


 ブログ創設5周年、私は昨年の政権交代に関してどんなことを書いていたのか振り返ってみたが、あたらずとも遠からずだったことが確認できた。


1、2009・8・7
≪そう考えると今回の政権交代の理由は、車で言えば「古くなって見場が悪い」程度に過ぎない様に思う。動かなくなったのならいざ知らず、結構動いているし、見場だってそう悪くはない。買い換えるほどの問題ではないようにも思うのだが、気分転換に「新車」にしようというのだろうか?・・・下手をすると結果的には、買い換えた車が「欠陥中古車」だったりして・・・。文句を言おうにも会社は倒産?してドロン、という事にならねばいいが・・・≫
 国民の雰囲気は≪「とにかくだらしない自民党にお灸を据える!」というもののようだったが、桜井理事長が言ったように、自民党に「お灸を据える」と思って投票した結果、お灸を据えられるのは国民自身だという事に気がつかねばならない。有権者はそのことを自覚する必要があろう。「欠陥中古車」だとわかったとき、責任が取れるのか?
 自民も民主も「欠陥だらけ」というのであれば、政界再編成の道が残されている。投票まで後3週間、日本の将来がかかっている≫


2、2009・9・6
≪昨日、家内サービスで薔薇の苗などを見に行った先で、講習会に参加して積極的に勉強しているご婦人方を眺めているご老人とベンチで一緒になった。彼も私同様「ドライバー」としてご夫人達をここまで運搬してきたそうだが、話しは今回の選挙のことになった。
「いや〜ひどいことになった。あまりにも自民党がだらしないので、懲らしめに民主党に入れたんだが、ここまで勝つとは思わなかった。しかも左翼政党を閣僚に入れるというから、スターリンそっくりだ。あいつは不可侵条約を勝手に破ったんだから。わしらは先が短いからまだいいが、子供や孫はどうなるかなんか心配になってきた。早く自民党に取り返してもらいたいが、あの様子じゃね〜。とにかく人材がいない。わしらから見れば馬鹿ばかりが大物だというが、アンナ頭の悪い連中はわしらのような百姓もやれないさ。ホント脇から見ていると自民党には馬鹿が揃ったもんだ。馬鹿が馬鹿だと自覚していないんだから始末に負えない・・・」≫


3、2009・10・20
≪今日の産経新聞の「正論」欄に、ジェームス・E・アワー・バンダービルト大教授が『日米関係への鳩山政権の誤解』という題で、4つの誤解を挙げている。その大意は、
誤解1=「日本は1945年から今日まで、米国に対して従属的立場にあった」:
「確かにその間、米国は軍事的に日本より数段、強力であった。だが日本は、米国と運命を共にすることを要求されているわけではなかった。日本占領終了後、自らその道を選んだのであり日本自らの選択の問題だったのである」
誤解2=「日米関係は日本のアジア諸国との関係深化の妨げとなる」:
「冷戦終了までの20年間、日本は太平洋艦隊だけでも100隻以上の潜水艦を有した旧ソ連による危険な軍事的脅威に直面していた。今でも北朝鮮による脅威を受けている。今後の中国の行方についても相当な懸念がある。日本の米国離れがアジア諸国に好意的に受け入れられると考えるのは、あまりに認識が甘い」
誤解3=「日本と米国がもっと対等な関係ならば日本の負担は軽減されるだろう」:
「(在日米軍基地での公害や犯罪が不平等というが)私に言わせればこうした問題は特に日米同盟の履行に見られる不平等と比べると、些細な事柄である。『米国は日米同盟によって、日本の周囲の核保有国を睨み、日本への軍事攻撃や、インド洋、南西太平洋上でのシーレーン途絶などがないよう安保策を提供している。・・・もしも日本が、米国と一層対等になるための努力をほとんど、あるいは、全くしないなら、米国は日本の「もっと先」を見るだけだ」
誤解4=「同盟関連の支援を縮小すれば、日本の安全保障を損ねることなくコストを削減できる」:
「確かに、同盟の米国にとっての重要度は冷戦時ほどではない。日本が在日米軍の移転を要求するとしたら、米国は不本意ながらも承諾するだろう。だがその場合でも、北朝鮮や中国が自国の軍事能力を縮小するとは思えない。日本は安全な地域にあるわけでもないのに、その軍事費は国民総生産(GNP)の1%程度に留まる。日本が平和で繁栄を享受できるのは、米国との安全保障体制があるからだ」、というものだが、
「以上、4つの誤解を解いたうえで、言えることは、現在の日本が更に応分の役割と任務を果たせば、米国とより対等の関係を持つことが可能になるということ。そして、繰り返すが、それをするもしないも日本側の自由ということだ。これまでも日本政府が自由意志でそうしてきたように、鳩山政権も何が日本の国益なのかを賢明に考慮されることを望む」というアワー教授の結びの言葉が非常に気にかかる≫


4、2009・10・30
≪ただでさえ、政権交代後の政治の動きを観察していると、徐々に徐々にわが国の「国体」が変化しつつあることに気がつく。政府部内には民主的手法どころか、専制主義的手法が横行しているようだし、対外政策も、特定アジア諸国との関係が一挙に活発化し、戦後60年間、ソ連の脅威に対して共に戦ってきた同盟国との関係がおかしくなり始めた。
 もちろん、未来永劫「不変な同盟」などはありえないが、それにしても政権交代後の国際関係は尋常ではない。悪いことに参院での勢力も安定多数に近づいているので、まさに一党独裁になりかねない≫


 さて、この低俗政権は、宮崎で起きた「生物・毒素戦」で初動を間違えた。その後の処置もてんでんばらばらである。牛や豚には気の毒だが、これが人間相手の戦争だったら、まさかワクチンうって“処分”することはできまい。

 厚生労働大臣防衛大臣は、BC戦に対してどんな“腹案”をお持ちか?


 米軍は半島情勢に対応して、三沢から戦闘機部隊を半島に移動した。ガム島にも戦力が集中している。これが実力を兼備した抑止力の展開だが、鳩山さん、気がつくのが遅かった。
 半島有事になれば、わが国は韓国の後方基地にあたるから北は撹乱戦を意図するだろう。そのとき有効なのはB・C戦である。


 もっとも、その前に、危機を察して処分に抵抗する牛や、泣き叫ぶ豚たちと一緒に、キューバで一日、空白の旅をして楽しんでいた赤松“脳衰”大臣自ら、罪滅ぼしの意味でワクチンうって“処分”されて見てはいかがかと思う。
 そうすれば少しは殺されていく牛や豚のうらみ、畜産農家の言語に絶する苦しみが理解できるかもしれない。

 当然、日本国民だから政府の失策にもじっと耐えているのであり、これが外国だったらただではすまないことはご承知だろう。しかしそろそろ日本人の堪忍袋の緒も“ほころび始めて”いるように思われるが、閣僚たちは感じているか?
 閣僚の皆さん方、従順な国民を「舐めたらアカンでよ」と言っておきたいが、さて夏が見ものである。