軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

日中韓首脳会談がもたらすもの

 この数日、実に多忙だったが、体力が回復してきていることを感じるものでもあった。
 実は昨年末に上梓した「金正日は日本人だった」に続いて講談社から「自衛隊パイロットが見たUFO(仮題)」を上梓する予定なのだが、写真挿入などで手間取り、今最後の追い込み中なのである。
 お断りしておくが、34年間、3800時間も飛行訓練に明け暮れた私だが、UFOは一度も見たことはない。ファントムで高高度飛行中に「UFOに間違えられ」て記事になった経験はあるのだが・・・

≪1979年11月1日西日本新聞

 ところが多くの部下たちが実際に見たことがあるというので早速取材して驚き、それを聞き語り風にまとめているのである。うまくいけば来月中、遅くとも7月中には≪選挙結果に関係なく≫書店に並ぶはず、乞うご期待!


 ところで日本の政界は小学校の学芸会並みの話題で持ちきりである。
 水と油が分離したのは当然であり、福島党首?大臣?の“スポットライト症候群”は今に始まったことではないが、それに振り回されて間接的選挙応援をしているメディアともども、いい大人たちの子供じみた騒ぎぶりにわが目を疑う。
 宮崎の口蹄疫問題はどうやら峠を超えつつあるが、これからは畜産農家の深刻な苦しみが始まるだろう。一段落したら、この問題の真因を追及して、再発防止策を立てるのはもとより、責任者を厳重に処罰すべきである。議員も役人も、今までいい加減な処罰で逃れてきたから、この種の“犯罪”が絶えることはない。
 現政権の過失は絶対に免れないから、赤松大臣始め、関係者を、むげに処分された牛や豚同様“処分”しなければ、《二度と再び》再発するのは眼に見えている。

 それにしても現地で白衣に身を包んで黙々と働かされている自衛隊員たちがやりきれない。一部では「防人たちに感謝を!」という声が上がっているようだが、自衛隊創設以来半世紀、《シビリアンコントロール》の掛け声の下、不平も言わずによく堪えてきたものだと感心する。彼らの無私の精神を支えているのは、一部のバカなシビリアンではなく「日本国の国民」という集合体だからできることなのである。後輩たちに感謝したい!


 ところで今日は私がもっとも恐れていたことについて書いておきたい。
 韓国哨戒艦北朝鮮潜水艇?に撃沈された事件で、にわかに半島情勢は緊張を高めているが、原因が判明したとして韓国が北朝鮮を非難した。もとより北朝鮮はこれに反発している。いつものパターンなのだが、問題はわが国のスタンスである。

 釈迦に説法だと思うが、日本と韓国は竹島問題を巡る「紛争当事国」であり、北朝鮮とは100人以上といわれる拉致被害者を抱えた、人道および主権問題を抱えた“紛争継続中”の関係にある。中国とはやがて尖閣を巡る問題で苦労することになろう。今でも既に東シナ海の油田や中間線問題で対立している。
 その意識が我が政府に全く欠落している様に見えるのが理解できないのだが、今回鳩山首相は、哨戒艦沈没で犠牲になった韓国海軍兵士46人を慰霊した。

靖国参拝はどうしたの?≫


 マ〜そこまでは《友愛精神》だとして許容範囲だろうが、その後済州島で行われた日中韓首脳会談で、鳩山首相が唯々諾々と韓国側に「協力」を約束したことが問題なのである。


 彼はこの事件を「北東アジアの平和と安定にかかわる深刻な問題」だと捉え、「日本は国際社会と共に北朝鮮を強く非難しており、韓国を強く支持している」とし、「日中韓が今後とも緊密に連携していくことが確認された」と語っているが、その前にわが国として解決すべき難問が山積していることをお忘れじゃないか?

≪握手するだけが外交じゃない!≫

 この“事件”でわが国が韓国と連携する前に「竹島問題の解決」を最優先的に韓国に要求すべきだったし、それなくして協力できないというべきであったろう。
 外交は「国益を天秤にかけて」有利な条件に持ち込むのが初歩中の初歩である。最初から旗色を鮮明にすることは、国益を損なうことが多いこともあることをお忘れのようである。

 
 中国に対しても立場は複雑だが同様である。むしろ北朝鮮側に「日本は韓国とこの問題で無条件に協力しようとしているのではない。竹島問題解決なくして、韓国との協力は国民感情からして難しいと条件をつけている」とのシグナルを送って、同時に北朝鮮には「拉致問題解決促進」を要求すべきなのである。
 日本が韓国に無条件では協力しない態度を取っていることを北朝鮮に示すことは、北朝鮮の戦略にとって有利になる条件であるから、北朝鮮の態度を揺さぶることになる。
 中国も微妙な立場だから、日韓、日朝間の立場の違いを認識し、自国が有利になるよう動くだろう。そこに「北東アジアの平和と安定にかかわる深刻な問題」解決の糸口が有ると私は見るのだが、どうも我が政府、とりわけ友愛主義の鳩山氏にはそれが感じられない。

 
 鳩山氏の「リップサービス?」は韓国を喜ばせるだろうが、北朝鮮は当然反発する。鳩山発言で北が日本に接近する糸口はなくなった。北朝鮮は中国以外は「敵」だと認識するから、日朝間に横たわる諸問題解決はどんどん遠のいていくだろう。つまり、拉致問題の解決は益々困難になるだけであり、私はそれをもっとも恐れる。無責任な鳩山首相の「虚言症」は国内にしか通用しないのである。
 勿論、多国間の外交・軍事上の問題を利用して、自国の国益に結びつける発想が欠如した日本の指導者は、国のために生命を賭した多くの英霊たちからも許されないだろうから、いずれ天罰が下るだろう。この8月にも・・・
 失われ行く国益、この政権が続けば続くほど、わが国は消耗していく。一日も早い≪正常化≫が望まれる。

民主党政権と破壊衝動

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