軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

自衛隊は軍隊か?

 先週は金曜から日曜まで都心で研究会などに出かけてブログが更新できなかった。
 25日金曜日は久しぶりに朝の通勤電車で国家基本問題研究所に出かけたが、途中、ベランダに日の丸が干して?ある家があったので怪訝に思ったのだが、この家は一家でワールドカップを応援したらしかった。そういえば電車はさほど込んでいなかったが、かなり居眠りが目立ったから、皆さん寝ずに応援したのだろう。
 選手たちの君が代斉唱と、日の丸を背負った大活躍に、サッカーを知らない国民も『ちまちました』政治の憤懣を晴らすように応援したようで、『日本!』と連呼し、『日本大好き!』と飛び跳ねる若者の姿に、大いに勇気付けられた。まだまだ捨てたものじゃないが、君が代と日の丸が大嫌いな菅総理や千葉法務大臣はどんな思いでこれを見たのだろう?
 最もご多忙だろうからごらんになっていなかったと思うが・・・

 そんな国民のサッカー熱と、大相撲のスキャンダル報道に夢中になっているメディアの影に隠れて『こそこそと』国民だましの手口を弄して選挙活動している政治家グループがいるようだが、お天道様はお見通しだ!と思いたい。
 今度こそこんな連中を「再就職」させ、税金で養ってはならない!有権者には眼を覚ましてほしいものである。


 さて、国基研では「旧軍と自衛隊との違いについて」ブリーフィングさせられた。専門家を前にして一老兵がしゃべるのもおこがましいと思ったが、『自衛隊は軍隊か?』と題して在任間に感じていたことを『体験的』にお話申し上げた。
 私の結論は「軍隊ではない」に尽きる。その根拠は
根拠1、日本国憲法 第二章・第九条で「戦争の放棄、及び戦力の不保持と交戦権を否定している」こと。つまり交戦権を否定している以上、<日本に武器を持って侵入してきた一団がいたら、「出入国管理法違反」「銃刀法違反」「火薬類取締法違反」で逮捕しにいくこと>つまり、<交戦権を否定するということは外国の軍隊も軍隊と認めずテロリストとみなして対処せざるを得ない>からである。

根拠2、軍法会議がないこと。軍隊は軍法会議とは軍法を根拠として主として軍人に対し司法権を行使する軍隊内の機関であるが自衛隊にはこれがないから、<有事の際、『敵前逃亡』を正当に裁けないとして、憲法改正により、軍事裁判所を憲法で規定するべきである>と主張する者さえいる。

そこで体験事例から問題点の一部を列挙すると、
1、雫石裁判は「航空活動の素人(軍事的ド素人)が感情的に裁いた悪例」
2、潜水艦「なだしお」事件も同様で、更に「隠密行動を主眼とする潜水艦の行動能力を公開して世界の物笑いになった愚例」

3、イージス艦情報漏洩事件も「最高軍事機密を神奈川県警が調査した悪例」であり、そのため日米同盟に亀裂が入った。米軍はスパイ防止法も機密保護法ない日本国の自衛隊を通じて丸裸になる危険性を学んだ。日本側に機密度が高い軍事情報は提供できない!ラプターも渡せない!?
4、カンボジアサマワルアンダ、海賊退治・・・等、「国内法で海外派遣する愚」、つまり武器使用を極端に制限された“軍隊”であることは、PKO法第24条自衛隊員の武器使用を読めば分かること、
などを具体例を挙げてご説明もうしあげたが、説明していて実にむなしくなった・・・


 26日は靖国会館で、「月刊中国」発行人の鳴霞女史が、今回「中国人民解放軍の正体」を上梓されたのでその出版を祝う会に出席した。

 この本は、以前ご紹介した河添恵子女史の「中国人の世界乗っ取り計画」と合わせて読むと、現代中国の実像が浮かびあがるだろう。


 正午に靖国神社に仲間と昇殿参拝したが、礼拝黙想中に黒い影が横切った(様に見えた)ことが気になった。間違いなく英霊は怒っていると感じたのだが、国旗国家をないがしろにする指導者が跋扈している現状では、愛する家族を残して戦地に行き、尊い命を国に捧げた英霊方が気分を害することは当然だろう。この夏、何かが起きる予感がする・・・

 香港から駆けつけた中国人ジャーナリストが、政府は「靖国に行くな」というが、私はこうして来ている!と嬉しそうに話したのが印象に残った。言論の自由も行動の自由も束縛された国の人民は悲劇だが、わが国も近い将来、そうならないとは限らない。


 鳴霞女史からもらった軍長老・遅浩田が、2005年4月に中央軍事拡大会議で行った「台湾武力開放のみか、米国打倒と日本殲滅を主張、核使用さえ肯定している」講演の全訳文はなかなか刺激的である。これを読めば米中の「戦略的互恵関係」の行く末は「同じ山に二匹のトラは住めない」ことを物語っている。米国はどこまでそれを理解しているやら・・・。
 しかも彼の講演のタイトルがいい?!「戦争が正に我々に向かってやってくる」


 27日日曜日は、日本会議世田谷・目黒の総会で記念講演をさせられた。普天間基地問題を解説したのだが、皆さん方、新聞テレビ情報しか御存じないので眼が“点”になっていた。

 支部長のご紹介に、3月のブログに普天間基地問題は「大山鳴動してねずみ一匹も出ないだろう」と私が予測したとお褒めの言葉があったが、本人は忘れていた。
 しかし私はこのドサクサの最中に沖縄の現地にいたのだから、少なくとも不勉強な鳩山首相よりも情報量が多かったに過ぎない。彼は「抑止」も「普天間」も全く知らなかっただけである。ねずみ以外に出てくるわけはない!

 しかし、考えてみれば14年前のこれにかかわる詳細な資料がまだ通用するのだから、こちらの方が“点”になる思いである。返還合意から既に14年、いかに米国が怒り心頭に発しているかが理解できようというもの。日本政府は今まで何をしてきたのだろうか?


 懇親会も大盛り上がりだったが、朝一番の飛行機で徳山?から駆けつけてこられたファン?の女性もいて、ブログやチャンネル桜の威力?に驚いた。
 彼女は講演だけでお帰りになったらしく、懇親会で十分お話できると考えていた私の失敗だった。これをご覧になっていたら、ご無礼をどうぞお許しいただきたい。遠路はるばる有難うございました。


 最後にPR。友人が関係している演劇「帰ってきた蛍〜神々のたそがれ〜」が来月7月15日(木)〜25日(日)の間、港区赤坂の「草月ホール」で上演される。
 後に続く者を信じて、散華していった若者たちの真情を、俳優さんたちがきっと巧みに訴えてくれるだろうと期待している。
 届いたパンフレットを参考までにご紹介しておく。


在りし日の神風特別攻撃隊 [DVD]

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神風特別攻撃隊 (1975年) (太平洋戦記〈4〉)

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中国人民解放軍の正体―平和ボケ日本人への警告!!

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中国人の世界乗っ取り計画

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ルワンダ難民救援隊ザイール・ゴマの80日 [我が国最初の人道的国際救助活動]

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