軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

8月9日をソ連侵略の日に!

 ロシア軍が択捉島で着上陸演習をしたことに対して、岡田外相が抗議した。当然のことだが、もっと強硬に抗議すべきである。

 今朝の産経8面に元外務省主席分析官だった佐藤優氏が「露・強まる反日策動」という題で、<14日、ロシア連邦院(上院)が、「対日戦勝記念日」の制定に関する法案を採択した。モスクワの日本大使館は、7日にロシア国家院(下院)がこの法案を採択したあと、連邦院に対してロビー活動を展開していたのであろうか?>と疑問を呈している。


 残念なことだが、自国の近現代史を正確に教育されていない世代の人間が“そんなこと”に関心があるはずがない、と私は思っている。
 佐藤氏は<ソ連軍が参戦の結果、満州南樺太(現サハリン南)、千島列島を解放し、大戦終結を早めた」などというロシアの暴言を許してはならない。1945年8月9日、当時有効だった日ソ中立条約を侵犯し、ソ連は日本を攻撃した。あの戦争で日本は侵略された側だ。そして、北方領土はいまだに不法占拠された状態に置かれている。岡田克也外務大臣は「ロシアの非友好的行為に対し、私としては8月9日をスターリン主義ソ連による侵略の日と呼ぶことにする」くらいのことを記者会見で言わなくてはならない>と書いたが全く同感である。私の故郷・樺太を返せ!といいたい。
 2001年と2003年に樺太を旅したが、すさみきったロシア人に代わって、続々と中国人が入り込み、農業を独占するところまで行っていたから、今では樺太は“一変”しているのじゃないかと思う。


 あの戦争で日本政府はソ連に宣戦布告はしていない。一方的に侵略されたのである。それもスターリンが「日本の敗戦」を確信して火事場泥棒のように侵入し、日露戦争の仇をとった!と豪語したのである。これが「近代人」のやることか!

 その結果、旧満州でどんな悲劇が起きたか肝心の日本国民は教えられていない。中国(満州)残留孤児問題の根源もそこにある。やっと「公開」された「氷雪の門」をご覧になってほしい。
 その上、60万以上の日本軍将兵らが、国際法に反してシベリアに抑留され6万人以上もの将兵が強制労働で殺された。
 ソ連にそうする根拠があったのかどうか、いまだに“不戦条約締約国”であった我が政府は確認していない。8月9日こそ、ソ連の違法行為を糾弾するソ連による侵略の日」として日本人は怒りを示すべきである。

天皇の停戦命令でやむを得ず武装解除された樺太の88師団:その後シベリアへ連行された」


 ついでだから、まじめに勤務している外交官の例を紹介しておこう。
 7月7日、重家駐韓日本大使は、韓国で講演した際、あくまでも韓国が主張する「独島」を「竹島」と発言して一歩も退かなかった。ところが記者会見で韓国人記者?から投石され、通訳が負傷する事件があった。後に韓国外交通商相が電話で謝罪したというが、何でこんな非礼な国の「哨戒艦爆沈事件」を民主党政府が支持するのか理解できない。
 菅首相は韓国の李大統領に厳重に抗議し、状況によっては「天安号事件」の支持について再検討する、位の意見を言うべきだろう。

 とにかくわが国は外交では「負け犬」、その分国内では強がり一辺倒の「内弁慶」だからやがて国民は弱腰外交を容赦しなくなるだろう。


 昨日は恒例の「史料調査会」で、「インドをめぐる安全保障情勢」と題する川村純彦先輩の講話を拝聴してきた。女性の参加者から「米艦隊が、中国潜水艦を発見できなかったという報道について」鋭い質問があったが、東シナ海の危険性に国民の関心が徐々に高まってきていることは喜ばしい。
 チャンネル桜の「討論・・・」でも言ったことだが、この9月18日(中国が日本を恨んで決して忘れていない満州事変の日「918」)、ロスアンジェルスで国際華僑大会が開かれるという情報がある。
 目的は尖閣侵犯のための費用を募金することだが、米国で開くということは米国政府に圧力をかけ、手出しさせまいとする意図がありありである。


 募金が集まれば準備にかかり、来年6月17日に尖閣に「100隻以上の漁船」で侵攻するというのである。
 中国はこの7月1日に「国防動員法」を施行した。すでに日中中間線は完全に無視し、領海法で尖閣は固有の領土に取り込んでいる。そのころどなたがわが国の首相か知らないが、本気で自国領土、主権を守る強固な意志の方になっていてほしいと思う。


 さて会場で久しぶりに女性ジャーナリストの桜林美佐女史に会った。ご紹介する本を上梓する由。国防に関心のあるなしにかかわらず、自国の防衛産業の悩みと実力をぜひ読み取ってほしいと思う。

 ついでに、私の上梓した本の「内容」について聞かれたから、目次の一部を表示しておきたい。目次・中見出しそのものは4ページにも亘るので省略!


 先日ご紹介した「帰ってきた蛍」の公演が昨日から始まった。
 役者さん方は、航空自衛隊浜松基地まで行き、狭い操縦席に座った感触を生かして、人生の“完結”に向かって地面を離れ、国のために散華して行った若き特攻隊員たちの気持ちになりきって演ずるという。私もハンカチを2枚持って観劇したいと思っている。

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