軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

猛暑雑感

 昨日までの猛暑から一転して、今日は涼しい一日となりそうである。後期高齢者に仲間入りする日に備えて身辺整理に心がけているのだが、なかなか進展しない。


1、明日は7月30日、39年前のこの日、雫石上空で全日空の727旅客機が訓練中のF−86F戦闘機に追突して、乗員乗客162名が亡くなった日である。『自衛隊戦闘機が民間航路を飛行中の民間機体当たり』と一斉に報じられて、追突された訓練生ではなく、はるか下方で指導していた教官が有罪になった。当時同じ戦闘機操縦教官だった私は、筆舌に尽くしがたい状況を体験したのだが、山積する資料を整理してA-4で約170枚にまとめ上げた。読み返してみると、当時の状況がありありと浮かんでくる。これも“冤罪”だと私は考えている。

 たまたま昨日の産経新聞『山河有情』欄に、但木敬一・元検事総長が「検事バッジは『秋霜烈日』か」と書いているが、その中で「法廷に立つ責任感を明らかにするため検事の記章」が制定されたとし、バッジの意味はともかく「検察官の職務に求められる厳しさ、すなわち個々の検察官が厳正公平、不偏不党という姿勢を貫き、法と証拠と検察官としての良心にのみ従うという職務のあり方」を表すものならバッジ制定時の理由を嫌う理由はない、としている。
 但木氏が40年前どんな役職だったか知らないが、退官後の自由時間を使って、「不偏不党、法と証拠の検察官」だった昔を回想しつつ、再度『雫石事件』を調査してほしいものである。


2、「8月15日以降のアジアの戦争(仮題)」も、ようやく纏め上げた。
 65年前に外地で終戦を迎えた日本軍将兵らによるアジア解放戦争の実態の一部を整理したつもりだが、つくづく『昔の人は偉かった!』と痛感する。その根底には『公共の精神』に尽くすという日本人としての誇り、生き様があった。

 産経の『話の肖像画』欄で3回続いた『笹川良一研究』で、伊藤隆・東大名誉教授が、笹川氏を突き動かしたものは「世の中のためにならなければならないという使命感があった」と語っている。
 大戦中、いわゆる『国士』といわれた彼らは、至純の精神で国のために働いた。今の日本人から欠落した高貴な精神である。
 戦後、彼ら『国士』たちは、GHQに諂った一部の者から、「右翼・国粋主義者」だとか「軍の黒幕・御用商人」などと告げ口をされ、“敵”に売り渡された。
 伊藤教授には、引き続いて終戦時に闇に葬られた真実を掘り起こしてほしいと思っている。


3、彼ら『国士』に比べると、現代政治屋たちの何と小粒なことか。昔、歌舞伎役者などを蔑んで「河原者」「河原乞食」(辞書に出ている)といった。今はなんというか「知らない」が、政界に得意げに跋扈する彼ら彼女らを見ていると、この言葉を思い出す。
 その最たるものが、28日に就任後初めて死刑を執行した千葉さんである。彼女は法相という肩書きだが、国民から不信任状を突きつけられた女性である。
 彼女は学生時代、成田闘争で火炎瓶を投げて警察官の生命を奪ったとして告訴されたが、証拠不十分で釈放されたという。しかも死刑反対論者で拉致事件の重要人物・シンガンスの死刑に反対した人でもある。
 その彼女が突然2名の死刑囚を絞首刑で“始末”した。勿論死刑囚だから執行されるのは当然だが、執行人たる彼女の心境の変化は何か?と皆驚いた。
 産経は「政治的演出」だとし、「死刑囚の命をもてあそぶ、政治パフォーマンスのにおいすら漂っている」と書いたが同感である。
 更に産経は「千葉氏が死刑を執行しないと信じ、しばしの安堵を得てきた死刑囚の胸中はいかばかりだったろうか」とまで書いた。死刑反対論者の裏の顔が見えたようである。人間としての「信念」なんぞ持ち合わせていないご都合主義者だということを。
 彼女の仲間たちも驚いただろうが同じ穴の狢、単なるきれいごとを言っているだけだろうから、千葉氏を蔑むことはあるまい。一番ショックだったのは、産経が書いたように、処刑された二人の死刑囚だったろう。
 偽善と虚飾、こんな“成人?”が戦後輩出された背景をわれわれは真剣に考えなければ、この国は持たないだろう。しかもそれが現職の「大臣」なのだから。
 この夏の彼女の「お盆」には、きっと面白い事が起きるに違いない。ヒトの心を自己保身のためにもてあそべば、必ず恨みを買うのは歌舞伎や能の原点である。涼しい夏をお過ごしあれ!


4、コメント欄に、茨城空港に中国の格安航空が定期便化していることに危惧を感じた意見があった。共産主義専制主義国・中国には純然たる「民間航空会社」はない。民間パイロットも養成しては居ない。すべては中国共産党のためにある「軍」であり組織である。
 観光客だっていかがわしい。学生が不足して、経営が成り立たない、というより国からの補助金がカットされるので、これを防ぐために日本の大学が「留学生」をどんどん入学させていることは余り知られていない。日本人の教育よりも、日本人の税金を使って、外国人に高等教育を施しているのである。テロリストを合法的に招き入れているといえる。
 都内の大学を見学してみるがよい。学生たまり場では「中国語のオンパレード」である。そしてその中には、必ず「核(リーダー)」になるものが居て、“いざ鎌倉”の時には強力な組織力を発揮するよう仕組まれている。2008年の長野でのオリンピック聖火リレーで数万人が召集され、観光バスの手配が出来なかったため6000人だけが現場に駆けつけたことで証明されている。
 茨城空港は首都防空の要である百里基地の一部である。基地内の撮影はもとより、管制の状況など、情報収集は的確に行われているだろう。それが敵を知る国際軍事関係というもの、気がついたときには遅いだろう。

 この国には「スパイ防止法」も「機密保護法」もない。以前紹介したが、長崎の造船所で、海自のイージス艦「あたご」建造の一部始終が「定点観測」されていた。
 しかも中国内では、国内でやるとスパイ罪で死刑だが、日本では死刑にならないからどんどんやれ!捕まってもせいぜい肖像権侵害程度、万一刑務所に入っても、贅沢な生活が送れる!と奨励しているという。極楽トンボの命は短い!としか答えようがない。

 ご参考までに、彼らが撮った「あたご」の写真の一枚をを提示しておこう。



5、今月講談社から上梓した「実録・自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO」は、ようやく書店に並んだようだが、後輩たちや友人たちから感想が届けられている。ところが驚いたことに、かなりの方々が実際にUFOを見ているというのである。
 詳細な証言や撮影したDVDが届くので、見たことがない私が孤立感を深めて?居る有様。先日は家内が又銀色に輝く小型UFOを見たという。
 真夏の世の楽しみに、毎晩私も夜空を見上げることにしているが・・・

【届いたUFO画像の一部】

実録 自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO

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金正日は日本人だった

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国際軍事関係論―戦闘機パイロットの見つづけた日本の安全

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こんなに強い自衛隊 (双葉新書)

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