軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

己の無能を国民に押し付ける菅政権

「己の無能を部下の血で贖うな!」とは、私の現役時代の自戒の句であった。
尖閣問題は、単に小島の争奪戦ではなく、日中双方の主権争奪戦だと前に書いたが、バカな政権が「トウ小平の口車に乗って棚上げ」した時点で尖閣は「領土問題」と化した。

政権交代して「国民の輿望を担った?」はずの民主党政権は、以前政権を担ってきた政党よりも少しは違った施策をとるか?と期待されたが、やはり予想以上にひどい施策をとった。
前より更にひどい売国政権だ!と各方面に怒りが渦巻いているが、そんな政権に期待した有権者が問われるべきだろう。見る眼が無かったのである。


昨夜は、研究所仲間の夕食会に出席したが、皆さん出るのは怒りとため息ばかり。
理事長が「本当に今の政治家には人材がいない」と慨嘆したから、「永田町に集まった色情因縁と金の亡者だけが政治家の人材なんですから、落ちるところまで落ちただけです・・・」といってやった。

今回の尖閣衝突事件は、国民の怒りを買ったし、TVなどで評論家が解説しているから取り立てて論評はしないが、首相、外相が不在間に決める姑息なやり方、しかも那覇地検の決定を尊重?して責任逃れする、いかにも全共闘世代の無責任さを浮き彫りにしたが、それよりも私が個人的に懸念するのは、世界の情勢から完全にスポイルされたばかりか、米中間の鬩ぎ合いに利用されていると思われることである。

米中が覇権争いしていることは言うまでもないが、我が同盟国の米国の最大の関心事は、中東対処である。米軍はイラクから撤退し、テロ掃討の主戦場はアフガンになった。
同時にイランの核開発、イスラエルの態度の硬化・・・などは、米国が制御できなくなる恐れがある。ブッシュパパが「第3次世界大戦に備えよ!」と唱えているという情報もあながち否定できない。

そんな状況下で、アジアに第2戦線を作られたらたまったものではない。勿論中国はそれを知っているから、今回も日本側に対して強硬意見を吐き続けた。米国が出てこれないと読んでいるからである。
「天安」撃沈事件で、米韓軍が対北圧力目的で東シナ海で演習を計画したとき、中国は先手を打って演習し威圧した。これに尻尾を巻いた米韓軍は演習海面を日本海に移動させた。これで“米国の意思”はよくわかっていたはずだが、軍事に疎い日本人は気がつかなかった。


案の定、「天安」事件に続く「尖閣」問題に危機感を感じていた米国は、一応「尖閣日米安保の対象」だと日本をくすぐったものの、本音はこの海域での紛争を極力避けたかったのである。だから、たまたまニューヨークに来ている“対中強硬派?”の前原外相に釘をさした。立場に窮していた前原外相は「渡りに船」と飛びついた。しかし、政権延命を狙って、那覇地検の“決定”だとして逃げようとした。今回のお粗末な危険回避劇はそんな図式ではなかったのか?

そこでアメリカの狙いは何か?ということだが、主戦場たる中近東に戦力を集中するため、多少中国の圧力に屈したように思われても、ここは隠忍自重してアジア方面での摩擦は極力回避し「米国の世界戦略」の基本を崩さない。船長を開放した日本は世界中の笑いものになるが米国にとってはいささかも痛痒を感じない。すべては日本政府の“決断”であり、米国は干渉しないとする。その結果、米中間はバランスが保たれ、中国は対日勝利!東南アジア諸国も日本を見限る。

すべては米中の思惑通りにことは進む。幼稚な日本の「全共闘学生政権」など、したたかな米中政府にとっては、赤子の手をひねるよりもたやすい。
更に勘ぐれば、これで日本の民主党政権が崩壊すれば、米国にとっては「アカ政権」が消滅するのだから、その後の極東戦略はやりやすくなる。一石二鳥だと踏んだとしてもおかしくはあるまい。

「日本は外的脅威を認識していない=世界戦争辞典から」

これで民主党の「政権交代の意味」は完全に失われた。自民党よりひどい米国屈従政府なのだから。肝心なのは我々日本国民が早く目を覚ますことなのだが、国民はボケボケばかり。
芸能人は麻薬におぼれ、国民の大半も「睡眠薬」におぼれているから、当分目を覚ましそうにない・・・かと思いきや、目が覚めていないのは「政府」であり、国民の一部は目を覚ましかけている。例えば、中国観光客2000人にドタキャンされた河口湖の観光ホテル主人は、大変な痛手を受けたが「主権問題だから耐える以外にない」と発言していた。
耐え切れないのは愚かな“聨合赤軍並み”の政治屋たちのほうで、彼らこそ「己の無能を国民の血で贖って」自己顕示欲と権力をほしいままに乱用している幼稚園児たちなのである。
そうじゃないというのなら、尖閣諸島を個人から買い上げて国有地にし、直ちに自衛隊の国境監視隊を常駐させてみるがよい。更に対空・対艦ミサイル部隊を配備すればほぼ完璧である。クラウゼヴィッツは「戦争とは政治の延長である」といった。自衛隊最高指揮官が自分だと気がつかなかった首相だからおそらく知らないだろうが、世界は軍事常識で動いている。国民が、今回の「言葉の戦争」で惨めに敗北した政府をふがいないと感じないのであれば、本当に2050年にはこうなると予言しておきたい。

「2050年の日本列島=中国資料」

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