軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

ミリタリー・コントロールとシビリアン・コントロール

“老兵”には通例15日だった成人の日が変更になった事になじめないが、今朝の産経一面に、和服姿の成人の写真が出たし、TVでも、今までと変わってしっかりした意見を言う成人が増えた気がして、効果があったのかな?などと嬉しくなる。

≪産経11日から≫


若い女性(に限らないが)の和服姿は美しいものである。防大でも自衛隊でも、私のころは外出も全て制服が優先していたが、豊かになったせいか?私服制限が解除されたため、町には締まりのない普段着姿の自衛官が増えた。いくら精神が立派だといっても、身なりはそれを直接表さないから精神までたるんでいるように見えるものだ。逆に「馬子にも衣装」、身なりがいいと中身までいいと錯覚する!

軍事を知らないはずの「坂の上の雲」の出演者に、軍服姿で演じた感想を聞いてみたいものである。きっと、身が引き締まって、英霊の霊魂が乗り移ったような気がしたに違いない。


そうそう、先日『土光杯全日本青年弁論大会』で、最優秀賞を獲得したのは防大生だったと聞いていたが、表彰式の制服姿で気が付いたが3年生の中川結貴さん(22)という“女性”だった。私のころは“女人禁制”だったから、つい男かと思っていたのだが…。中川学生、おめでとう!男子学生達よ!しっかりせい!

≪FNNインターネット版から≫


次に気になったのがこの写真である。

≪産経2面から≫

通常、軍人は制服を着た場合には傘はささないし(映画「シェルブールの雨傘」ではさしていたが…)、猛暑のさなかであっても、儀式では正装するのが慣例である。
昔、浜松の戦闘機操縦教官時代に、荒井勇次郎・第1航空団司令は、学生の卒業式では必ず正装し、白手袋をつけてウイングマークを授与していた。学生や他の幹部たちが半袖の略衣姿であっても、荒井司令だけは委細構わず「学生の門出を祝う儀式だから」と正装だった。


ところが上の写真を見てほしい。遠路はるばる訪中したゲストであるゲーツ米長官に対する儀仗の場である。しかしそれに対する中国側のホスト、梁光烈防相は“外套”を羽織っているではないか!
もちろん儀仗兵たちも正装であって外套は着ていない。
今中国は大寒波に襲われていて、各地で被害が続いているから、北京のこの会場も相当に寒かったのであろう。あるいは梁国防相は風邪気味だったのかもしれないが、それにしてはゲーツ長官は鼻先を赤くしながらもオーバーなど羽織らず、≪ヤンキー魂≫で耐えている?様に見える。
片や国民を代表する「シビリアン」、片や人民など眼中にない自己中心の「ミリタリー」、それがよく表れているようなショットである。


今話題になっている新鋭機「殲-20」は、この時期に合わせて“公開”されたように私は思っているが、陸軍支配の中国において、海軍は「空母」建造で活気づいている。
空軍と航空機産業界は今のところイスラエルの「ラビ」機のコピー「殲-10」くらいしか話題がないから、一気に10階級抜きの「殲-20」で勝負に出たのだろう。「F-22」のコピーと言われないよう「殲-22」としなかったところが味噌であるが、どうもダミーくさい。
あれほど機密情報保全に神経質な中国がネットを遮断せず、むしろ放任しているのだから…。
これを伝えたカナダの「漢和情報センター」は、実戦配備にはさらに10年以上かかるとしているが、機体映像を見る限り“地上専用”であって、空中には進出できないだろうと思う。


航空工学の専門家が見れば一目瞭然だろうが、垂直尾翼の構造から横安定が不安定で、横方向旋回時の操縦は困難だろうと推察される。ダッチロールを防ぐヨウダンパーは当然装備されているだろうが、この面積では効果には疑問がある。更にエンジンも国産だというが、なんとなく胡散臭い。

技術先進国の日本でさえ、残念ながら一流の軍用エンジンの開発は困難で、米国からの輸入か共同開発である。もちろん、コピー大国・中国だから、数か国製のエンジンを組み合わせて「自作」したのかもしれないが…。
中身は組み合わせ、外版だけ新鋭機に見せた≪デコイ≫じゃなかろうか?などというと失礼だから言わないが、いくら大金を積まれても、私だったらテスト飛行を引き受けない。

それより我が国独自の「平成のゼロ戦」を早く作るべきである。


さて、こんな米中間の軍事交流に合わせたかのように、日韓間でも双方の防衛大臣が会談した。

対北・対中国抑止と対処が狙いだというが、日韓間には「竹島問題」という“領土紛争事案”が横たわっていて、双方は国際的にはロシア同様“紛争当事国”である。この問題の解決なくして、日韓間には真の軍事協力は成り立たないと私は考えている。

ところで気になる情報が8面右に出ていた。
「北、前原外相発言を評価」という短信だが、4日の記者会見で前原外相が「北との直接協議再開を目指す考え」を示したことに対して、北は「肯定的な動き」だとし「我が国と友好的に接する国々とは、いつでも会って対話する用意がある」というのである。このシグナルをどう読むか?
小泉純一郎特使派遣を考えたらどうだ?中国韓国に対して半島外交のイニシアティブをとれるかも…


米国・中国・韓国、そして北と、我が国を取り巻く戦略環境が動き出しているが、内ゲバ政権はどう対処する気か?まったくもって頼りない。

≪産経5面から≫


上記記事の下には「今更!?『国家を考える。』など7冊」と産経が、一夜漬け用?の書籍を“緊急購入”した菅首相を話題にしている。
「国家を考える」は、かの有名な筑紫哲也さんの著だが「これから、中国とどう付き合うか」は前中国大使・宮本雄二著である。
他に「デフレの正体」「国家債務危機」「がん 生と死の謎に挑む」「無縁社会の正体」「月刊文芸春秋誌」を11629円出して購入したそうだが、とても通常国会前には読み切れまい。
菅首相は「○○の正体」など正体ものをお好みの様だが「民主党の正体」も是非一読してほしいもの。きっと仲間の“正体”が今更のように分かって目からうろこに違いないだろう。
それとも『ご自分の正体』でも上梓されるか?


わが国周辺では真偽入り乱れた情報・謀略戦が始まっているのだから、早く目覚めないと国家沈没になることを忘れないでほしい。

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