日米両政府は20日、沖縄県にある米軍嘉手納基地のF15戦闘機の訓練の一部を米領グアムに移転する合意文書に署名した。移転の対象は三沢基地や岩国基地の戦闘機も含むそうで、沖縄を訪問する北沢防衛相の知事への“手土産?”らしいが、仲井真知事はにべもなく、空振りだったらしい。
「合意文書は移転先を「米国の施政下」とし、これまで日本国内に限られていた移転先をグアムまで拡大する」というから、なんの事はない、体よく「外堀を埋める」一環でしかない。つまり、今後予想される中国の尖閣・沖縄侵攻に合わせて、目の上のたんこぶを除去しようというのである。さすがは『左翼政権』、着々と手先となって道を広げていることがうかがえる。それとも『新防衛大綱』の目玉、「動的防衛力」を米軍で実験する気か?
≪米軍機の訓練移転は従来、1〜5機が1〜7日間移転する「タイプ1」と、6〜12機が8〜14日間移転する「タイプ2」だった。今回の合意で、嘉手納に所属するF15の2個飛行隊(約50機)のうち、1個飛行隊規模が20日間程度移転する新たな枠組みができる。
また、嘉手納基地所属に限らず、三沢のF16戦闘機や岩国のFA18戦闘攻撃機の訓練の一部も移転の対象となる。戦闘機の燃料など移転にかかわる経費は日本側が負担する。
一方、嘉手納基地には、国内外の他の米軍基地に所属する航空機が「外来機」として飛来し、周辺の騒音が増える事例が指摘されている。沖縄側には「負担軽減になっていない」との不満がくすぶっているが、今回の合意でも、沖縄側が要請していた外来機の制限は触れられていない。「日本政府は外来機の訓練に配慮を求めているが、米軍は運用を縛られることに否定的だ」(防衛省幹部)という。(asahi・com)(河口健太郎、土居貴輝)≫
米軍は運用を縛られると不快感を示しているそうだが、それよりも、危機が迫っている地域から、唯一?の抑止力である同盟軍を追い出そうとする日本政府の行動に、あきれているに違いない。
今朝の産経によると(8面)ロシア国防次官が択捉島に“不法入国”したらしい。「北方領土軍備強化」「揚陸艦配備計画も」とあるから、対中弱腰外交に学んだロシアが、日本には国防意識がないとみて強硬策に打って出てきた。それ見たことか!軍事的に弱いと舐められるとこうなるのが、国際社会の現実である。
最近の日本では専門職が軽視される傾向が強い。外交の要の大使も“経済人”、裁判官も“素人の裁判員”、政治も軍事の基本をわきまえない“初心者マーク”集団だから「敵性国」は笑いが止まらないだろうが、「同盟国」はしらけている。もちろんプロ集団の自衛隊も…
「動的防衛力は、防衛力の適時・適切な運用などにより抑止力の信頼性を高めるとともに、国際平和協力活動などの多様な役割をも能動的に果たし得るもの」という項目が今回の大綱策定の目玉だそうだが、自衛隊が「動的防衛力」を意識しているのは常識で、何も今回特別に言われなくてもわかりきったことである。
陸・海・空とも、専門用語ではこれを[機動力]といい、戦力を直ちに戦場に移動させる目的で訓練している。尤も、自衛隊の国内移動をがんじがらめに制限してきた、例えば高速道、鉄道、空港、港湾などの使用制限を平時から解除して、自由に訓練活動ができる環境を民主党政権が作るというなら話は別である。有事立法を確認するためにも…
しかし、災害時を優先するとはいえ、今まで積極的に自衛隊が「動的行動」をとることを許してきたのは東京都の石原知事だけであった。
軍事力の特性を知らない「若葉マーク」政権だから、この非常識な用語を得意げにひけらかすのだ、とプロの同盟国に批判されても仕方なかろう。
現に嘉手納基地の米空軍F-15が、ガム島に移動して訓練するように、私が沖縄時代には3個飛行隊のうち、常時1個飛行隊は中東でパトロール任務についていた。「動的」に活動していたのである。
海軍艦艇だって直ちに現場に駆けつける。海兵隊はその代表格である。「動的」ではない軍事力はその存在自体が無意味なのだが、素人の方々には、この「動的」という言葉がやけに「新鮮に」聞こえたのだろう。キャッチフレーズに“弱い”のが政治家と一部の官僚、それにマスコミだから…
一方、ワシントンで米中トップ会談が開かれた。かやの外に置かれた日本では、菅首相があわてて「民間外交推進協会」主催の講演会で「中国の国防強化を懸念する」と外交演説したという。
他人様の軍備増強をとやかく言うよりも、自分の国の弱体を自覚し、直ちに立て直すよう動くのが、「動的防衛力」発揮の基盤じゃなかったのか?
自国の安全保障の確立に手を打つのが指導者の役目だということに気が付いていない。これを≪負け犬の遠吠え≫という。
ところで、胡錦濤主席の訪米シーンをTVで見て、おやっと思ったのだが、今朝の産経の写真を見てなんとなく納得した。この写真のキャプションには、通訳機に問題があって胡錦濤主席が一瞬気にしたシーンだと解説されているが、全体的に私が感じた印象は、主席は相当“お疲れ”なのではないか?ということである。多分、国内情勢の不穏さと、軍の軋轢が相当強く、世代交代を前にして疲労困憊?しているのだろう。中国国内の権力争いは予断を許さない段階に来ている、と私は見たが、さて…
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