軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

近現代史を学ぼう

昨日は、兵法研究会第1回講演会の鏑矢を務めてきた。
いろんな仕事を持つ若者仲間が、土曜日だとはいえ各個に集まって来て会場設定、撤収など、てきぱきと動く姿を見ていると、現役時代の隊員たちの姿を彷彿とした。
開始は20分ほど遅れたが、昭和48年に考えた私の「我が国の防空の在り方に関する一考察(ハリネズミ論)」を50人ほどの熱心な参加者を前に2時間半“熱く?”語った。あまり真剣に聴講されるのでアドリブ連発、抱腹絶倒からは程遠かったが…
最後にするどい質問も出ていい勉強になったが、皆さん、国防の第1線、自衛隊の実態と隊員たちの心情を聞きたがっておられると実感した。


懇親会で会場近くの居酒屋に行くと、客が転んで頭を打ったとかで、救急車と警官が10名ほどいててんやわんや、結局20分ほど待たされてやっと席に着くことができたが、料理が出てくるのが遅い。現場検証に手間取ったのが原因?
やっと乾杯して大いに近現代史関連の話題で沸騰したが、気が付くと11時20分、急いで駅に向かったが終電を乗り過ごしてしまった。
結局はるか手前の駅まで終電でたどり着きタクシーで帰宅したが午前1時、老兵のやることじゃない!と思ったものの、大いに考えさせられ充実した半日だった。


終電の車内で吊革につかまっていると、前の二人(30代の男性)の会話が耳に入ってきたが「今の歴史教育は間違っている。南京虐殺が仮にあったとしても戦争していたのじゃないか。日本は謝ってばかりいて、歴史認識にも被害者の気持ちをくむとか言っているが、逆に傲慢だろう。いつまでも後ろ向きに語るのが歴史教育じゃない。歴史に学び前向きに生かす、これが歴史教育のあるべき姿だろう」と語り合っているのである。つい声をかけたくなったが我慢した。

講演会といい、懇親会といい、この二人といい、ありのままの近現代史を求めている青年たちが多いこと。家村会長は軍事史、兵法の研究者、これから次々と講演会を開催して、若者教育にまい進してほしいと思っている。
次回は、明治神宮至誠館館長の荒谷卓・元1陸佐を予定しているそうだから、大いに参加してほしいと思う。


ところで、全日本学生文化会議という団体がある。「大学の使命」という小冊子を発行しているのだが、私もかって講師を務めたこともあって、毎月送られてくる。
今月号は「尖閣問題」を特集しているが、なかなか読みごたえがある。特に山田吉彦東海大教授の「中国の東シナ海支配と日本の課題」は必見である。

裏表紙には「君たちが、日本のためにできること」という、次代を担う大学生たちに語った6名の講師の講演録をまとめた本が紹介されている。
地道に、しかし着実に、若者たちに語りかける活動が進展している様子に嬉しくなる。


靖国神社が発行している「靖国」にも、公開講座「英霊慰霊検証勉強会」で、二人の若い女性講師が熱く語った様子が紹介されている。笹幸恵さんと桜林美佐さんである。女性パワーに圧倒されるが、この冊子には「日本復活は靖国の神々の心から」と題する荒谷館長の文も出ている。ご紹介できないのが残念だが、彼ら彼女らには大いに気を吐いてもらいたいと思う。

一老兵の私も、未来を担う青年たちの希望があれば、喜んで34年間の自衛官としての体験談を語っておきたいと思っている。そのまま封印して黄泉の国に持って行っても、閻魔大王が素直に聞いてくれるはずはないだろうから…
大人たちの「教えざるの罪」で若者たちが貴重な人生を挫折させてはならないからである。お役にたてばの話だが。

ついでに京都大学での入試問題“漏えい事件”も、カンニングできないような雰囲気を試験場に醸し出すことができなかった試験官の“罪”、早い話「試験官の職務怠慢」の方が罪が重いのではないか?と私は感じていて、何でもかんでも処罰処罰で「一件落着」させて終わるような“社会的地位の高い”大人たちの“お裁き”に疑問を持っている。
もちろん彼がやった行為は許せないものではあるが、まだ19歳、敗者復活に期待したい。自衛隊の情報隊員に適任じゃないか?と懇親会で話したら、保全隊はどうですか!と大いに盛り上がった。
しかし、熊本の幼女殺しの20歳青年には同情も復活も期待しない。

月刊 日本 2011年 03月号 [雑誌]

月刊 日本 2011年 03月号 [雑誌]

宰相の資格

宰相の資格

戦う者たちへ

戦う者たちへ

名将に学ぶ 世界の戦術 (図解雑学)

名将に学ぶ 世界の戦術 (図解雑学)

誰も語らなかった防衛産業

誰も語らなかった防衛産業

「日本男児」という生き方

「日本男児」という生き方

金正日は日本人だった

金正日は日本人だった

実録 自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO

実録 自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO