主権回復記念日国民集会で - 軍事評論家=佐藤守のブログ日記

28日午後、靖国会館で開かれた表記会合に出席してきた。
今年は九段会館が被災したため、靖国会館に250席設けて開かれたのだが、立ち席が出るほどの盛況だった。
稲田朋美、城内実、小池百合子、佐藤正久、高市早苗、西田昌司、西村眞悟、山谷えり子代議士や元代議士達が登壇して熱弁をふるったが、与野党逆転の影響が出ていて興味深いものがあった。

私は、「国家とは何か」に関して体験からお話しする予定だったが、前出の代議士、特に西村前議員にほとんど同じ内容をしゃべられてしまったので、「大震災＝長年主権回復を忘れ放置してきた国の悲劇」と「天皇の詔書」に関する感想に絞って思いつきで次のような話をした。

１、国家とは「一定の領土とその住民を治める、排他的な権力組織と統治権を持つ政治社会」と言われるが、日本の現状はどうか？
（1）領土＝北方領土、竹島は占領されたままである。
（2）住民＝漁民の拿捕、北朝鮮に拉致された同胞さえ保護できない。
（3）主権＝領海侵犯などを実力は維持できない。靖国・教科書問題など、内政干渉さえ排除できない。ゆえに日本は「国家ではない！」

２、東北大震災にみる教訓
（1）軍事に無知な指導者は国民を不幸にする。あきれた茶坊主たちの周章狼狽ぶり！
（2）戦争に備えることがすべての危機管理に通じる。国際政治は軍事が基本である。
（3）今回の米軍のトモダチ作戦
　　＊仙台空港啓開＝敵飛行場占領・確保作戦
　　＊孤立した大島救援＝敵中に孤立した友軍救出作戦
　今回は、敵の反撃がないだけに演習並みの作戦だったが、これらはすべて軍事行動の基本を示したものであった。
（4）自衛隊の行動の限界
　　＊「専守防衛」構想の弊害＝盾と槍？攻撃を排除したいびつな戦術に狎れきった？＝シビル・アンコントロール
　　＊「非核3原則」の弊害＝福島原発事故対処＝Ｃ／ＢＷ・核戦争を意識せず、全てを同盟国の「核の傘」に期待した罪。
　　＊何よりも、菅総理に「自衛隊の最高指揮官」である自覚がなく「自国の軍事力（暴力装置？）」を全く掌握していないこと。
　　＊その証拠に、最高指揮官？が「自衛隊の皆さんには感謝しています」という体たらく。佐藤正久議員が指摘したように、本物だったら「苦しいだろうが後ひと踏ん張りである！国民の期待に応えよ！」というハズである。もっとも、菅さんには指揮してもらわない方が現場は助かるだろうが…

３、教訓と改善策
（1）自主憲法制定＝国軍創設と国防の義務を自覚させる。
（2）教育の刷新＝教育勅語の原点に戻れ！
最後に、3月17日に賜った天皇の震災に対する「詔書」、並びに被災地御巡幸で勇気を授かりつつある被災者の姿を見て、日本の現状は「国家」ではないが、「国」であることは事実、しかも「皇国」である！と意識させられた。

いずれにせよ、速やかに独立国としての自覚を取り戻さなければ21世紀は生き抜けない！。特に若者たちに期待したい。

“連休抜き”で国会が開かれているが、国家非常時だから当然である。

しかし、政府内部に亀裂が走り、民主党内部からも「これでは民主党は持たない、」と“反乱の火の手”が上がりつつあるという。民主党が持たないのは結構だが、日本国が持たなくなりつつある。
口当たりのいい言葉に身をゆだねた有権者も見事に？判断を間違ったのであって、民主党のコマーシャルＴＶにあった難破船上で手を取り合う３人の“代表”の姿は煙幕だったのである。

「ほ〜れ、言わんこっちゃない！」とカメラマンの「不肖・宮島」氏なら言っただろう。

彼ら初心者マーク付きの政府構成員は、学園紛争時代、教授を吊し上げ、仲間内で冷酷な「内ゲバ」闘争を繰り返して来た。

なんとなく“保守派”に属する意識を持った鳩山、小沢氏らは、見事に≪確信的革新派≫に利用されて政権をハイジャックされたのであり、国民も騙された。

しかし、今更彼らが政権を手放すはずはない。手放したが最後、奈落の底に沈没して再び浮かぶ瀬はない、つまり失職するからである。

政権奪取の絶好のチャンスであるにもかかわらず、何ら有効な手を打てずに右往左往している野党も一蓮托生。
これは戦後半世紀以上、独立心を失って、安保ただ乗り、ぬるま湯に浸って政治ごっこをしていたからであり、経済人も労賃の安いお隣に工場を作って優秀な自国の青年たちの職を奪った拝金主義まみれだっただけ、今回の震災はすべて一から出直すべしとの啓示だったといえる。しかし、当事者たちではなく、国民に降りかかったことが非情であった。

中東、アフリカでも時代の移り変わりを示す現象が顕著に表れている。地球はそれら淀み切った「ヘドロ」しがみつく「バイ菌類」を振り払おうとしているように見える。

悲惨な被災地の実情を見て涙を流している多くの国民の何％が今回の天の啓示を真摯に受け止めているか。もちろん、多くの同胞の苦しみを分かち合い、目覚めた国民は非常に多いと感じられるが、肝心要の主権を預かる為政者に自覚が欠落していることが情けない。
国家の独立と国民の自覚が今ほど求められているときはないと思う。

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