軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

アジアの激動は始まっている

1989年6月4日の「天安門事件」から22年たった今年は、北京政府が厳戒態勢を敷いたため、市民の動きを封じ込めるのに成功したようだが、北京以外の各地ではかなり動きがあった。
共同通信は、「中国当局は、昨年の民主活動家、劉暁波氏のノーベル平和賞受賞や、今年2月以降続く中東の政変に倣った集会の呼び掛けなど民主化機運を刺激する動きが続いていることを警戒。中国共産党創建90年の記念日を7月1日に控え、安定維持に躍起になっている」と伝え、香港では「4日、民主化を求める学生らを武力弾圧した中国政府に抗議し、犠牲者を追悼する市民集会が香港のビクトリア公園で開かれ、『15万人以上』(主催者発表)が参加(中略)参加者が15万人に上った昨年、一昨年に並ぶ過去最多規模。中国では著名芸術家の艾未未氏ら多くの活動家の拘束が続いており、香港でも中国の人権状況への関心が高まっている」と伝えている。

≪香港での大集会=大紀元時報から≫


黄文雄氏の著「中華帝国の興亡」によると、帝国崩壊の歴史は水、旱、疫、蝗の循環で作られてきたとされる。
「日本の歴史における大規模自然災害は、地震や台風がほとんどで、飢饉はまれである。が、中国や朝鮮半島ではこれが逆で、飢饉の方が圧倒的に多い。もちろん、地震、雹、大雪といった天災もよくある。しかし、それ以上の頻度で水害、干ばつ、大疫、蝗害などが起こっており、こうした現象は飢饉に直結するから、結果的に、周期的に飢饉が起こっていることになる、そして中国では、飢饉の度に数万から数百万、場合によっては、一千万を超える餓死者が出る」というのである。
しかもこれらは連鎖的に起き、悪循環の果てに飢饉で大量の死者が出るというのだが、おおもとの原因は異常気象、そして文明による自然破壊であるという。

確かに中国国内では、三峡ダムの失敗による水飢饉、それに基づく食糧危機が拡大しているように見受けられる。中国国内のこれらに関する情報の落穂ひろいをしているとその恐れが迫っている気がする。自然破壊は凄まじく人民の政府に対する不満は鬱積しているから、政府の最大関心事は人民の“暴動阻止”であろう。
我が国の今回の自然災害は、大津波によって拡大されたが、更に人災がそれを助長した。すでに3か月、黙々と復旧に取り組む被災地の方々を見ていると、よく「反政府暴動」が起きないものだと驚嘆する。世界中がそう思っているのではないか?


1998年、訪中した時ガイドから、水は飲むな、はちみつは毒だ、野菜は農薬まみれ、主婦は野菜を洗剤で洗って熱湯消毒している…などなど、信じられない話を聞き、2000年に奥地の農村でその実態をまじかにみて納得したものだが、あれから10年、現在の情報はあのころよりも正常ではない事態が進行していることを示している。

万里の長城からの帰途。はちみつは毒だから買うな!と止めるガイド≫


被災地で大活躍する自衛隊員の特集記事が出た「プレーボーイ」誌を見ていたら、お隣に「なぜだ!?中国最新『大爆発』事件簿」という、インターネット上で話題になっている記事が出ていた。リードにこうある。
=「収穫寸前のスイカが次々に爆発!」“日本基準”では相当なトンデモ事件だが、実はあの国では爆発なんざ日常茶飯事。小さなものから大きなものまで……。むしろ、爆発しないものを探す方が難しい!?=

爆発するのは≪スイカは序の口≫、トマト、テレビ、バキュームカー、おじさん、椅子、食器、ろうそく、消火器、携帯電話、変圧器などなどきりがないが、例えばスイカがなぜ爆発するのかについて、中国のジャーナリストは「スイカを高値で売るために膨張促進剤や甘味増強剤の大量投与らしい」といい、「ま、これくらいの爆発で驚いていたら中国では生きていけませんよ」と平然と語っている。


中国ではなんでも爆発するようだが、政府は反政府活動だけは≪爆発させまい≫と必死なようだ。しかし2012年の政権交代を控えて、何が起きてもおかしくない時期である。
それをごまかすためか、南シナ海ではヴェトナムなどとの領有権争いが顕在化した。南シナ海を勝手に「領海」にしたのが中国だから、この紛争の責任は中国側にある。ヴェトナムが立派なのは≪中国は領土紛争が存在することを世界に印象付けようとしている≫ときっぱり発言したことである。つまり、もともとヴェトナム領土であり、中国とは紛争関係にないというのである。それに比べて尖閣の方は領土紛争があるかのような雰囲気にされつつある。追い返せばいいだけの話である。
米国もようやく南シナ海に注目し始めたから、米中関係は面白くなりそうである。


他方、オサマが射殺され、テロとの戦いも終焉しかかると、ウイグルチベット、モンゴルの愛国活動家たちを『テロリスト』として始末できなくなる中国は、主権を侵され?て面目をつぶされたパキスタンと手を結び、中東での欧米の活動を妨害する行動に出だした。つまり、中国も米国に対抗し始めたのである。

それに北朝鮮と韓国間も何やらきな臭い。北は大統領選を見越して、李大統領をレームダック扱いし始めた。胡錦濤総書記もレームダックなのにやはり親分は親分なのか?
アジアの緊張は高まりつつあるのに、わが国首相も完全なレームダック状態、2012年は本当に危険な年になりそうである。

民主党よ、日本を潰す気か!

民主党よ、日本を潰す気か!

読む年表 日本の歴史 (渡部昇一「日本の歴史」)

読む年表 日本の歴史 (渡部昇一「日本の歴史」)

中国人民解放軍の正体―平和ボケ日本人への警告!!

中国人民解放軍の正体―平和ボケ日本人への警告!!

日本が中国の「自治区」になる

日本が中国の「自治区」になる

丸 2011年 07月号 [雑誌]

丸 2011年 07月号 [雑誌]

軍事研究 2011年 07月号 [雑誌]

軍事研究 2011年 07月号 [雑誌]

日本の「岐路」―自滅からの脱却は可能か

日本の「岐路」―自滅からの脱却は可能か