軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

自衛隊撤退・南西方面有事に備えよ

7月26日、岩手県達増拓也知事は、東日本大震災の発生から4カ月以上にわたり県内で活動してきた自衛隊に撤収を要請したあと、支援活動に感謝する式典を開いた。「式典には陸上自衛隊第9師団(青森市)の幹部自衛官約30人と、300人以上の県職員が出席。職員らは『がんばろう!岩手。ご支援に感謝申し上げます』と書かれた横断幕を掲げ」「達増知事は『自衛隊の支援なくしては震災対応は不可能だった』と謝辞を述べた。林一也師団長は『本日で任務を終了し撤収します』と報告、隊員らは車両に乗り込み県庁を後にした」と報じられた。
本当にご苦労様、陸自は引き続きスーダンでのPKO任務が待っている。


にもかかわらず菅政権は子ども手当に熱心で、防衛費や自衛官増員を一顧だにしていない。こんな役立たずの政府を“養っている日本国民”はいい面の皮である。
米国発の「金融危機」が迫っているというのに、円高対処も財務相任せとは、いい気なものだ!
空自も南西方面がきな臭くなり、この空域は予断を許さない。やがて“ソ連製空母”もお色直しして試験航海に出てくるだろう。休む間もなく気の毒だが、本来の任務を怠らぬよう期待している。


≪本当にご苦労様!=産経から≫


南シナ海が緊張しているが、産経によると≪米軍偵察機と中国軍戦闘機が台湾海峡上空で先月下旬、「領空侵犯」をめぐり一触即発だったことが25日、明らかになった。米中両軍の航空機が直接にらみ合う形となったのは、2001年4月に、中国南方の南シナ海上で米軍電子偵察機EP3が中国軍機と接触し、中国・海南島緊急着陸した事件以来≫だという。それによると、≪中国本土を中国領空外の国際空域から偵察中の米空軍高高度偵察機U2に、中国軍のスホイ27が追撃。「台湾領空」を大きく侵犯したため、台湾空軍のF16戦闘機2機が迎撃し、スホイ27は撤退した≫らしい。米・台・中の3国が巴戦を演じたわけだ。

≪米軍のU−2偵察機


≪中国のSU改?J11戦闘機≫


≪台湾のF−16戦闘機=いずれもインターネットから≫

この“事件”についてマレン米統合参謀本部議長は≪「中国側は米軍の通常の哨戒活動を快く思っていないが、われわれも公海・国際空域の航行や航空の自由が侵されることを座視しない」と述べた。その上で、「米軍の偵察飛行は重要だ。注意深く行っており、01年のような事態は避けなければいけない」と強調した≫が当然中国の陳総参謀長は≪「中国軍は米軍に挑戦するほどの能力を持っていない。偵察は無用かつ不当だ」と反発している≫という。


マレン議長が言う01年事態とは、2001年4月1日に「南シナ海上空の公海上で偵察活動をしていたアメリカ海軍所属の電子偵察機 EP-3E と中国人民解放軍海軍航空隊所属の J−8戦闘機が空中衝突して、戦闘機が墜落しパイロットが行方不明になり、EPー3Eが海南島に不時着陸した事件のことを言う。

たまたま北京の「日中安保対話」に参加した元中国海軍少将が、会議でこれを取り上げ「米軍機が領空侵犯した」と怒りあらわだったので、「領空侵犯」について国際的定義をご説明申し上げたが、全く「知らなかった」ばかりか、死亡した汪大尉は私の教え子…などと取り付く島がなかった。
「軍の高官たるあなたが、領空の定義を知らないようでは、部下指導はできない。12海里を超える空域も自国領空だ、と主張するのであれば、我々も沖縄周辺に近づいたら撃墜することにするがそれでいいのか?」と私は言ったが、話はかみ合わなかった。ところがその後「私の方が間違っていた」ことが判明した!
彼らの地図には南シナ海東シナ海も、すべて「中国の領海」であると「領海法(国内法)」で定めていて、その上空は領空だった?からである。世界はどこも≪了解≫していないのに!


もちろん、領空の上限は実力で排除できる範囲次第なのだから、規定は規定、自分らが真剣に守らなければ奪われるだけであるのも又事実である。

≪中国で市販されている地図の領海線(赤い波線)=私の講演資料から≫


更に記憶に新しいのは2009年3月8日に海南島沖約120kmの海域で、中国人民解放軍海軍の調査船5隻が非武装の米海軍調査船「インペッカブル」を包囲し進路を妨害、インペッカブルは中国船に対し放水で応戦したが、中国船2隻が前方に進出したため衝突防止のため緊急停止した事件である。


このような国際協定を一方的に無視し、公海上の行動を実力で妨害する行為は、紛争を生じる危険なものだが、今後空母が加わると、トラの威を借りてなりふり構わずに横暴な行為に走る恐れがある。そうなると米海軍も黙ってはいられなくなるだろう。国内には経済問題もあり、一気に打って出ないとも限らない。
過去の紛争の歴史に学ばない“近隣諸国”が近所にあることを我々は決して忘れてはならないのだが、この国の“司令塔”は異常事態続きであり、現場は超法規で対処せざるを得なくなることが恐ろしい。



しかし、唯一の救いがあるとすれば、それは≪鉄の規律≫を誇った一党独裁政権に、大きな亀裂が生じつつあることだろう。

今回の「高速鉄道事故」は、案外【第2の天安門広場事件】になるかも知れない…

別に期待するわけではないが、大陸方面に大きな地殻変動が起きることは間違いないように思う。

列車事故で抗議する犠牲者家族たち=大紀元日本から≫


≪土地収用問題で怒った農民が「警官」らを縛り上げた!=大紀元日本から≫

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おかげさまで拙著「実録・自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO(講談社)」が4刷決定になりました! ありがとうございます。

インターネットで世界的に有名になった「福島原発とUFO」が後押ししたのかも…



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